生理学(その他)の過去問


第57回午前:第65問

抗体を産生するのはどれか。  

1: 赤血球

2: 好中球

3: 好酸球

4: リンパ球

5: 血小板

  • 答え:4
  • 解説:抗体を産生するのはリンパ球であり、それぞれの選択肢にある細胞はそれぞれ異なる機能を持っている。
  • 赤血球は抗体を産生する機能は持っておらず、酸素を細胞に運搬し、二酸化炭素を運び去るなど循環に関与している。
  • 好中球は抗体を産生する機能は持っておらず、炎症部位で異物の貪食作用に関与している。
  • 好酸球は抗体を産生する機能は持っておらず、アレルギー反応の制御作用を持ち、アレルギー疾患や寄生虫、腫瘍などに関与している。
  • リンパ球は抗体を産生し、免疫作用を持つため正解である。
  • 血小板は抗体を産生する機能は持っておらず、血液の凝固作用に関与している。
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第57回午前:第68問

月経について誤っているのはどれか。  

1: 分泌期は14日間である。

2: 月経期は基礎体温が高温相になる。

3: 月経期は子宮内膜の機能層が剥離する。

4: 子宮内膜の増殖は卵胞ホルモンの作用による。

5: 増殖期には子宮内膜の厚さは約5 mmとなる。

  • 答え:2
  • 解説:月経に関する知識を問う問題です。月経は子宮内膜の周期的な変化であり、増殖期、分泌期、月経期に分かれています。それぞれの期間や特徴を理解することが重要です。
  • 分泌期は14日間であるのは正しいです。分泌期は子宮内膜が分泌物を産生し、受精卵の着床を準備する期間です。
  • 月経期は基礎体温が高温相になるというのは誤りです。月経期は基礎体温が低温相になります。高温相は排卵期になります。
  • 月経期は子宮内膜の機能層が剥離するというのは正しいです。月経期では子宮内膜の機能層が剥離し、基底層は剥離せず残ります。
  • 子宮内膜の増殖は卵胞ホルモンの作用によるというのは正しいです。卵胞ホルモンは子宮内膜の増殖・肥厚を促進し、この期間を増殖期といいます。
  • 増殖期には子宮内膜の厚さは約5 mmとなるというのは正しいです。月経終了時には、子宮内膜の厚さは約1 mmしかありませんが、増殖期には約5 mmまで厚くなります。
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第57回午前:第69問

エネルギー代謝で誤っているのはどれか。  

1: 安静時代謝量は基礎代謝量より小さい。

2: 基礎代謝量はホルモンの影響を受ける。

3: 安静時代謝量は体重減少により低下する。

4: 呼吸商は脂肪の燃焼が多くなると低下する。

5: 代謝当量1単位は酸素3.5 mL/kg/分の摂取量を基準としている。

  • 答え:1
  • 解説:この問題では、エネルギー代謝に関する知識を問うています。エネルギー代謝は、生物が生命活動を維持するために行われるエネルギーの生成、消費、変換のプロセスです。選択肢の中で誤っているものを見つけることが求められています。
  • 安静時代謝量は、基礎代謝、特異動的作用、体温調整の加算量を含んでおり、基礎代謝量の1.2倍に相当します。したがって、安静時代謝量は基礎代謝量より小さいというのは誤りで、この選択肢が正解です。
  • 基礎代謝量は、ホルモンの影響を受けます。特に、甲状腺ホルモンや副腎髄質ホルモンが基礎代謝量に影響を与えることが知られています。この選択肢は正しいです。
  • 安静時代謝量は体重と比例するため、体重が減少すると安静時代謝量も低下します。この選択肢は正しいです。
  • 呼吸商は、糖質の場合は1.0、脂肪の場合は0.7となります。脂肪の燃焼が多くなると、酸素の消費量に対して二酸化炭素の排出量が少なくなるため、呼吸商が低下します。この選択肢は正しいです。
  • 代謝当量1単位は、安静座位時の酸素摂取量である3.5 mL/kg/分を基準としています。代謝当量は、国際的に使用されている身体活動強度を示す単位です。この選択肢は正しいです。
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第57回午後:第60問

細胞小器官のうちATPを合成するのはどれか。  

1: 小胞体

2: 中心小体

3: ゴルジ装置

4: リソゾーム

5: ミトコンドリア

  • 答え:5
  • 解説:細胞小器官の中でATPを合成するのはミトコンドリアです。ミトコンドリアは細胞のエネルギー源として働き、ATPを生成することで細胞の機能を維持します。
  • 小胞体はATPの合成には関与していません。主な機能は脂質成分やステロイドの合成、カルシウム貯蔵などです。
  • 中心小体はATPの合成には関与していません。主な機能は細胞分裂の際に細胞の両極に移動し、分裂の開始に関わる役割を果たします。
  • ゴルジ装置はATPの合成には関与していません。主な機能は細胞表面の多糖類被覆を合成することです。
  • リソゾームはATPの合成には関与していません。主な機能は細胞内に侵入した異物や代謝物を分解し、処分することです。
  • ミトコンドリアは細胞のエネルギー源として働き、ATPを生成することで細胞の機能を維持します。そのため、ATPを合成する細胞小器官として正しい選択肢です。
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第57回午後:第61問

遺伝情報伝達について正しいのはどれか。  

1: 染色体のDNAは三重鎖らせん構造をしている。

2: DNAからtRNAへ塩基配列が転写される。

3: リボソームRNAはスプライシングを受ける。

4: mRNAの3つの塩基の組合せがアミノ酸を決定する。

5: ゲノム上のイントロンの遺伝情報が蛋白へ翻訳される。

  • 答え:4
  • 解説:遺伝情報伝達は、DNAからmRNAへの転写、mRNAからtRNAを介してアミノ酸への翻訳というプロセスが含まれます。この問題では、遺伝情報伝達に関連する事項について正しいものを選ぶことが求められています。
  • 染色体のDNAは二重鎖らせん構造をしているため、選択肢1は誤りです。三重鎖らせん構造は存在しません。
  • 選択肢2は誤りです。DNAからtRNAへ塩基配列が転写されるのではなく、DNAからmRNAへ塩基配列が転写されます。tRNAは、mRNAの塩基配列をアミノ酸に置換する操作を行います。
  • 選択肢3は誤りです。リボソームRNAではなく、mRNAがスプライシングを受けます。スプライシングは、mRNAの転写時に不要なものを取り除く作業のことです。
  • 選択肢4は正解です。mRNAの3つの塩基の組合せ(コドン)がアミノ酸を決定します。これにより、mRNAの塩基配列がアミノ酸の並びに翻訳され、タンパク質が合成されます。
  • 選択肢5は誤りです。蛋白へ翻訳されるのは、ゲノム上のエキソンの遺伝情報です。イントロンの遺伝情報は、スプライシングによって除去され、翻訳されません。
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第57回午後:第64問

酸塩基平衡で正しいのはどれか。  

1: 正常の動脈血のpHは6.4である。

2: 嘔吐では代謝性アシドーシスになる。

3: 過換気では呼吸性アルカローシスになる。

4: 呼吸性アルカローシスでは尿は酸性になる。

5: 代謝性アルカローシスではKussmaul呼吸がみられる。

  • 答え:3
  • 解説:酸塩基平衡は生体内でのpHの維持を指し、腎臓と肺が主に調整しています。正常の動脈血のpHは7.4であり、アシドーシスとアルカローシスはそれぞれpHが低い状態と高い状態を指します。呼吸性と代謝性の違いは、原因が肺の換気異常か、それ以外の代謝異常かによります。
  • 正常の動脈血のpHは7.4であり、6.4ではないため、選択肢1は間違いです。生体の細胞が適切に活動するためには、pHの維持が重要であり、腎臓と肺がその調整を行っています。
  • 嘔吐では、胃液を大量に失うことにより体液がアルカリ性に傾くため、代謝性アルカローシスになります。選択肢2は代謝性アシドーシスとなっているため、間違いです。
  • 過換気では、PaCO2(動脈血中の二酸化炭素分圧)が低くなり、呼吸性アルカローシスになります。選択肢3は正しいです。肺気腫や喘息などの呼吸不全により、呼吸性アシドーシスになることもあります。
  • 呼吸性アルカローシスや代謝性アルカローシスでは、尿はアルカリ性になります。選択肢4は尿が酸性になると記載されているため、間違いです。呼吸性アシドーシスや代謝性アシドーシスでは、尿が酸性になります。
  • 代謝性アシドーシスでは、Kussmaul呼吸がみられます。選択肢5は代謝性アルカローシスとなっているため、間違いです。Kussmaul呼吸は、規則的な持続性の深呼吸でPaCO2を低下させるために深い努力性呼吸となり、換気量が増加します。
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第57回午後:第65問

唾液分泌について正しいのはどれか。  

1: 1日の分泌量は約100 mLである。

2: 分泌速度が増すとpHは低下する。

3: 加齢により分泌量は増加する。

4: 唾液分泌中枢は中脳にある。

5: 糖質を分解する。

  • 答え:5
  • 解説:唾液分泌に関する正しい選択肢は、糖質を分解するという選択肢5です。唾液は1日の分泌量が約1,000~1,500 mLであり、分泌速度が増すとpHが上昇し、加齢により分泌量は減少します。また、唾液分泌中枢は視床下部にあります。
  • 選択肢1は誤りです。正常人の1日の唾液分泌量は約1,000~1,500 mLであり、100 mLではありません。咀嚼時には分泌量が10倍以上に増加します。
  • 選択肢2は誤りです。安静時の唾液分泌のpHは6.5であり、分泌速度が増すとpHは増加し、8近くまで上昇します。したがって、分泌速度が増すとpHが低下するという記述は正しくありません。
  • 選択肢3は誤りです。加齢により唾液分泌量は減少し、口腔内の細菌が繁殖しやすくなります。分泌量が増加するという記述は正しくありません。
  • 選択肢4は誤りです。唾液分泌中枢は視床下部にあり、中脳にはありません。
  • 選択肢5は正解です。唾液中のα-アミラーゼの作用により糖質を分解します。これにより、食物の消化が助けられます。
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第57回午後:第67問

下垂体前葉から分泌されるホルモンはどれか。  

1: メラトニン

2: オキシトシン

3: バソプレシン

4: プロラクチン

5: テストステロン

  • 答え:4
  • 解説:下垂体前葉から分泌されるホルモンは、成長ホルモン(GH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、乳腺刺激ホルモン(プロラクチン)である。
  • メラトニンは、松果体で合成されるホルモンであり、下垂体前葉からは分泌されないため、この選択肢は誤りです。
  • オキシトシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンであり、下垂体前葉からは分泌されないため、この選択肢は誤りです。
  • バソプレシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンであり、下垂体前葉からは分泌されないため、この選択肢は誤りです。
  • プロラクチンは、下垂体前葉から分泌される乳腺刺激ホルモンであり、正解です。プロラクチンは、乳汁分泌の促進や乳腺の発達に関与しています。
  • テストステロンは、精巣や副腎から分泌されるホルモンであり、下垂体前葉からは分泌されないため、この選択肢は誤りです。テストステロンは、男性の性徴や精子生成に関与しています。
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第56回午後:第60問

DNAに含まれないのはどれか。  

1: アデニン

2: ウラシル

3: グアニン

4: シトシン

5: チミン

  • 答え:2
  • 解説:DNAは4種類のヌクレオチド(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)から構成されており、ウラシルはRNAに含まれる塩基であるため、DNAには含まれません。
  • アデニンはDNAに含まれており、チミンと相補的に結合するプリン塩基です。RNAではウラシルと結合します。
  • ウラシルはDNAに含まれない塩基で、RNAを構成するピリミジン塩基の一つです。DNAではチミンがウラシルの役割を果たします。
  • グアニンはDNAに含まれており、シトシンと相補的に結合するプリン塩基です。
  • シトシンはDNAに含まれており、グアニンと相補的に結合するピリミジン塩基です。
  • チミンはDNAに含まれており、アデニンと相補的に結合するピリミジン誘導体です。RNAではウラシルがチミンの役割を果たします。
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第56回午後:第66問

体温について正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 高齢者は小児よりも高い。

2: 直腸温は腋窩温よりも低い。

3: 体温調節中枢は小脳にある。

4: 午前よりも午後にかけて高くなる。

5: 基礎体温は早朝覚醒安静時の体温である。

  • 答え:4 ・5
  • 解説:体温に関する知識を問う問題で、正しい選択肢は4と5です。体温は年齢や測定部位、時間帯によって変化します。また、体温調節中枢は視床下部にあります。
  • 高齢者の体温は低く、小児の体温は高いため、この選択肢は間違いです。
  • 直腸温>口腔温>腋窩温の順で体温が高いため、この選択肢は間違いです。
  • 体温調整中枢は視床下部にあるため、この選択肢は間違いです。
  • 体温は午前よりも午後にかけて高くなることが一般的で、午後3~6時に最も高くなるため、この選択肢は正しいです。
  • 基礎体温は早朝覚醒安静時の口腔(舌下)温であるため、この選択肢は正しいです。基礎体温は生殖機能やホルモンバランスを調べる際に重要な指標となります。
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第56回午後:第68問

水溶性ホルモンはどれか。2つ選べ。  

1: エストロゲン

2: グルカゴン

3: コルチゾール

4: サイロキシン

5: バゾプレッシン

  • 答え:2 ・5
  • 解説:水溶性ホルモンは細胞膜受容体を持ち、ペプチドホルモンやカテコールアミンなどが含まれる。一方、脂溶性ホルモンは細胞内受容体を持ち、甲状腺ホルモンやステロイドホルモンなどが含まれる。
  • エストロゲンはステロイドホルモンの一種であり、脂溶性ホルモンであるため、水溶性ホルモンではない。
  • グルカゴンはペプチドホルモンの一種であり、水溶性ホルモンである。グルカゴンは血糖値を上昇させる働きがある。
  • コルチゾールはステロイドホルモンの一種であり、脂溶性ホルモンであるため、水溶性ホルモンではない。コルチゾールはストレスホルモンとしても知られている。
  • サイロキシンは甲状腺ホルモンの一種であり、脂溶性ホルモンであるため、水溶性ホルモンではない。サイロキシンは新陳代謝を調節する働きがある。
  • バゾプレッシンはペプチドホルモンの一種であり、水溶性ホルモンである。バゾプレッシンは腎臓での水分再吸収を促進し、尿量を減少させる働きがある。
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第56回午後:第69問

身体活動のエネルギー代謝で誤っているのはどれか。  

1: 20分以上の有酸素運動では脂質より糖質が利用される。

2: 筋収縮エネルギーとしてATPが利用される。

3: 無酸素性閾値は心肺負荷試験で算出できる。

4: 最大酸素摂取量は運動持久力を反映する。

5: グリコーゲンの解糖により乳酸を生じる。

  • 答え:1
  • 解説:この問題では、身体活動のエネルギー代謝に関する知識を問うています。正しい選択肢は1で、20分以上の有酸素運動では糖質より脂質が利用されるというのが誤りです。
  • 選択肢1は誤りです。実際には、20分以上の有酸素運動では糖質よりも脂質が主に利用されます。運動の強度が低い場合や運動時間が長い場合、脂質がエネルギー源として利用される割合が高くなります。
  • 選択肢2は正しいです。筋収縮エネルギーとしてATP(アデノシン三リン酸)が利用されます。筋収縮時には、ATP分解酵素がATPをADP(アデノシン二リン酸)に分解し、放出されるエネルギーがアクチンとミオシンの滑走を起こし、筋を収縮させます。
  • 選択肢3は正しいです。無酸素性閾値は心肺負荷試験で算出できます。無酸素性閾値とは、運動強度が上がるにつれて乳酸が急激に増加する点を指し、これを測定することで運動強度の適切な調整が可能になります。
  • 選択肢4は正しいです。最大酸素摂取量(VO2max)は運動持久力を反映する指標です。シャトルランや6分間歩行などの試験で測定され、個人の運動能力や心肺機能を評価するのに用いられます。
  • 選択肢5は正しいです。グリコーゲンの解糖により乳酸が生じます。骨格筋のグリコーゲンは筋の収縮に使われ、酸素が不十分な場合、グルコースは解糖系のみで分解され、ピルビン酸あるいは乳酸が生じます。これが無酸素性代謝の一部です。
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第56回午前:第61問

細胞小器官について誤っているのはどれか。  

1: ミトコンドリアはDNAを持つ。

2: リソソームは加水分解酵素を持つ。

3: Golgi装置はリボソームを形成する。

4: ペルオキシソームは酸化酵素を持つ。

5: 粗面小胞体ではタンパク質が合成される。

  • 答え:3
  • 解説:この問題では、細胞小器官に関する知識を問うています。正しい選択肢は3で、Golgi装置はリボソームを形成するという記述が誤っています。
  • ミトコンドリアはDNAを持つという記述は正しいです。ミトコンドリアは独自のゲノムを持ち、自己複製が可能です。
  • リソソームは加水分解酵素を持つという記述は正しいです。リソソームは細胞内の不要な物質や異物を分解する役割を担っています。
  • Golgi装置はリボソームを形成するという記述は誤りです。Golgi装置はタンパク質の修飾や分泌を行う機能を持ちますが、リボソームの形成は行いません。
  • ペルオキシソームは酸化酵素を持つという記述は正しいです。ペルオキシソームは細胞内の過酸化水素を分解する役割を担っています。
  • 粗面小胞体ではタンパク質が合成されるという記述は正しいです。粗面小胞体はリボソームが付着しており、タンパク質の合成が行われます。
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第56回午前:第64問

平衡聴覚器について正しいのはどれか。  

1: 三半規管は重力に反応する。

2: 球形囊斑に聴覚受容器がある。

3: 卵形囊は角加速度に反応する。

4: 三半規管の受容器は膨大部稜にある。

5: 三半規管のクプラは耳石膜で覆われている。

  • 答え:4
  • 解説:平衡聴覚器は内耳にあり、平衡感覚を司る器官です。三半規管、耳石器(卵形囊と球形囊)が主な構造で、それぞれ回転加速度や直線加速度に反応します。
  • 選択肢1は間違いです。三半規管は回転加速度に反応する器官で、重力には反応しません。重力に反応するのは耳石器です。
  • 選択肢2は間違いです。球形囊斑には平衡受容器がありますが、聴覚受容器は内耳の蝸牛に存在します。
  • 選択肢3は間違いです。卵形囊は直線加速度に反応する器官で、角加速度には反応しません。
  • 選択肢4は正しいです。三半規管の受容器は膨大部稜に存在し、回転加速度に反応します。
  • 選択肢5は間違いです。三半規管の感覚細胞はクプラによって包み込まれていますが、耳石膜で覆われているのは耳石器です。
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第56回午前:第68問

副腎皮質ホルモンについて正しいのはどれか。  

1: 血糖値に影響しない。

2: ストレス時に変動しない。

3: 早朝に分泌が最大となる。

4: ペプチドホルモンである。

5: アドレナリンから生合成される。

  • 答え:3
  • 解説:副腎皮質ホルモンは、ストレス反応や血糖値の調整などに関与するステロイドホルモンで、早朝に分泌が最大となります。コレステロールから生合成され、ペプチドホルモンではありません。
  • 選択肢1は間違いです。副腎皮質ホルモンは、血糖値を上昇させる作用があります。
  • 選択肢2は間違いです。ストレス時に副腎皮質ホルモンの分泌が増加し、ストレスに対処するための身体反応を引き起こします。
  • 選択肢3は正しいです。副腎皮質ホルモンは、早朝に分泌が最大となり、夕方から夜にかけて早朝の分泌の半分以下に減少します。
  • 選択肢4は間違いです。副腎皮質ホルモンはステロイドホルモンであり、ペプチドホルモンではありません。ペプチドホルモンの例としては、成長ホルモンやインスリンが挙げられます。
  • 選択肢5は間違いです。副腎皮質ホルモンはコレステロールから生合成されます。アドレナリンは別の副腎髄質ホルモンであり、副腎皮質ホルモンとは異なります。
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第55回午後:第61問

細胞について誤っているのはどれか。  

1: 細胞膜は二重膜である。

2: 細胞膜は主にリン脂質から構成される。

3: ミトコンドリアではATP生成を行っている。

4: リボソームは蛋白質とDNAから構成される。

5: Na+−K+ポンプにより細胞内のNa+は低く保たれる。

  • 答え:4
  • 解説:この問題では、細胞に関する基本的な知識を問うています。細胞膜、ミトコンドリア、リボソーム、Na+−K+ポンプなど、細胞の構造や機能について理解していることが求められます。
  • 選択肢1は正しいです。細胞膜は二重膜であり、リン脂質が主成分となっています。この二重膜構造が、細胞内外の物質のやり取りを制御する役割を果たしています。
  • 選択肢2も正しいです。細胞膜は主にリン脂質から構成されており、リン脂質二重膜が細胞内外の物質のやり取りを制御する役割を果たしています。
  • 選択肢3も正しいです。ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを生成する役割を担っており、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー分子を生成しています。このATPは、細胞内のさまざまな反応でエネルギー源として利用されます。
  • 選択肢4は誤りです。リボソームは蛋白質とRNA(リボ核酸)から構成されており、蛋白質の合成を行っています。DNA(デオキシリボ核酸)ではなく、RNAがリボソームの構成要素となっています。
  • 選択肢5も正しいです。Na+−K+ポンプは、細胞膜に存在するタンパク質で、細胞内のナトリウムイオン(Na+)濃度を低く、カリウムイオン(K+)濃度を高く保つ役割を果たしています。これにより、細胞内外のイオン濃度勾配が維持され、細胞の機能が正常に働くことができます。
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第55回午後:第69問

嫌気的代謝の過程で生成される物質はどれか。  

1: アミノ酸

2: クエン酸

3: フマル酸

4: ピルビン酸

5: イソクエン酸

  • 答え:4
  • 解説:嫌気的代謝は酸素が不足している状況下で行われる代謝で、グルコースがピルビン酸に分解され、最終産物として乳酸が生成されます。
  • アミノ酸は、TCA回路内の中間産物の一つであるオキサロ酢酸から合成されますが、嫌気的代謝の過程で生成される物質ではありません。
  • クエン酸は、十分な酸素の存在下でアセチルCoAとオキサロ酢酸との縮合により生成されますが、嫌気的代謝の過程で生成される物質ではありません。
  • フマル酸は、クエン酸回路でコハク酸が酸化されて生じますが、嫌気的代謝の過程で生成される物質ではありません。
  • 嫌気性代謝では、グルコースがピルビン酸に分解され、最終産物として乳酸になります。このため、嫌気的代謝の過程で生成される物質はピルビン酸です。
  • イソクエン酸は、クエン酸回路でATPが産生される段階で生じますが、嫌気的代謝の過程で生成される物質ではありません。
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第55回午前:第61問

副腎髄質から分泌されるホルモンはどれか。2つ選べ。  

1: アドレナリン

2: アルドステロン

3: アンドロゲン

4: コルチゾール

5: ノルアドレナリン

  • 答え:1 ・5
  • 解説:副腎髄質から分泌されるホルモンはアドレナリンとノルアドレナリンです。これらはストレス反応や緊急時に働くホルモンで、心機能亢進や血糖上昇作用などがあります。
  • アドレナリンは正解です。副腎髄質から分泌され、心機能亢進や血糖上昇作用を持ちます。また、アドレナリンはストレス反応や緊急時に働くホルモンとして知られています。
  • アルドステロンは間違いです。アルドステロンは副腎皮質から分泌され、ナトリウムの保持やカリウムの排出促進、細胞外溶液の増加、血圧上昇作用を持ちます。
  • アンドロゲンは間違いです。アンドロゲンは副腎皮質から分泌され、生殖器官の機能維持や男性の第二次性徴の発現、タンパク質同化作用促進作用を持ちます。
  • コルチゾールは間違いです。コルチゾールは副腎皮質から分泌され、肝の糖新生促進、血糖上昇、蛋白・脂肪分解、水利用促進作用を持ちます。
  • ノルアドレナリンは正解です。副腎髄質から分泌され、末梢血管収縮による血圧上昇作用を持ちます。また、ノルアドレナリンもアドレナリンと同様にストレス反応や緊急時に働くホルモンです。
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第55回午前:第68問

体温調節の中枢で正しいのはどれか。  

1: 中脳

2: 扁桃体

3: 視床下部

4: 小脳虫部

5: 補足運動野

  • 答え:3
  • 解説:体温調節の中枢は、間脳の視床下部にある。視床下部は、摂食中枢や満腹中枢、飲水中枢も含む。
  • 中脳は正しくありません。中脳は大脳と脊髄、小脳を連絡する伝導路の通路と中継所であり、視覚と聴覚の反射中枢や眼球運動、瞳孔収縮の運動中枢がある。
  • 扁桃体は正しくありません。扁桃体は感情に関与する部分であり、体温調節とは関係ありません。
  • 視床下部は正しい答えです。体温調節の中枢は、間脳の視床下部にあります。視床下部には、摂食中枢や満腹中枢、飲水中枢も含まれています。
  • 小脳虫部は正しくありません。小脳虫部は小脳の正中部の細長い部分で、体幹や四肢の筋緊張調節、運動野調節、姿勢維持に関与しますが、体温調節とは関係ありません。
  • 補足運動野は正しくありません。補足運動野はBrodmannの第6野の内側後方部に位置し、一次運動野(第4野)の前方にあります。姿勢と運動の制御に関係しますが、体温調節とは関係ありません。
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第54回午前:第59問

ホルモンの産生で正しいのはどれか。  

1: エリスロポエチンは骨髄で産生される。

2: グルカゴンはLangerhans〈ランゲルハンス〉島B細胞で産生される。

3: ソマトスタチンは黄体で産生される。

4: トリヨードサイロニンは上皮小体で産生される。

5: バソプレシンは視床下部で産生される。