神経筋・感覚障害の過去問


第57回午前:第20問

75歳の男性。3年前にParkinson病を発症。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。3か月前からトイレ前で小刻み歩行を生じるほか、歩行や立ち座りが不安定となり、屋内移動で妻の介助が必要となった。現在、妻とマンションで2人暮らしである。自宅の住環境整備で適切でないのはどれか。  

1: ベッドに介助バーを設置する。

2: 居室の出入り口を開き戸にする。

3: 脱衣場と浴室の段差を解消する。

4: 寝室からトイレの廊下に手すりを設置する。

5: トイレ前の廊下にはしご状の目印をつける。

第57回午前:第27問

律動的な不随意運動はどれか。  

1: 振 戦

2: チック

3: バリスム

4: アテトーゼ

5: ミオクローヌス

第57回午前:第34問

脊髄小脳変性症で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: Frenkel体操は無効である。

2: 視覚障害を伴うことが多い。

3: 包括的な評価指標にSARAがある。

4: 患者数は非遺伝性に比べて遺伝性が多い。

5: 自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が少ない。

第57回午前:第43問

ポストポリオ症候群で正しいのはどれか。  

1: 疼痛を伴うことは少ない。

2: 発症年齢は10歳以下が多い。

3: 罹患筋の運動単位数は減少している。

4: 非麻痺側に新たな筋力低下は起こらない。

5: MMT3レベル以下の新たな筋力低下に対して筋力増強運動を行う。

第57回午後:第6問

次の文により6、7の問いに答えよ。28歳の男性。2週前にGuillain-Barré症候群と診断された。γグロブリン大量静注療法を実施され、症状の進行は停止した。本日実施した右上肢の運動神経伝導検査の結果を表に示す。最も障害されていると考えられる運動はどれか。 

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1: 母指対立

2: 示指MP関節伸展

3: 中指DIP関節伸展

4: 環指PIP関節屈曲

5: 小指外転

第57回午後:第8問

47歳の女性。多発性硬化症。30歳で発症し、寛解と増悪を繰り返した後、完全寛解していた。1週前に視力低下と小脳症状が出現し、入院となった。視神経と右小脳半球に脱髄を認める。過回内テストで図のような動きが観察された。この患者にみられる所見はどれか。 

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1: 振 戦

2: 運動分解

3: 測定異常

4: 協働収縮異常

5: 反復拮抗運動不能

第57回午後:第23問

Gowers徴候を生じやすい疾患はどれか。  

1: 関節リウマチ

2: Parkinson病

3: 引き抜き損傷

4: 中心性頸髄損傷

5: Duchenne型筋ジストロフィー

第57回午後:第44問

重症筋無力症で正しいのはどれか。  

1: 過用に注意して運動は漸増負荷とする。

2: 日内変動として午前中に症状が悪化する。

3: 低頻度連続刺激の筋電図でwaxing現象がみられる。

4: 運動神経末端からのアセチルコリン放出が障害される。

5: クリーゼによる呼吸症状悪化は閉塞性換気障害で起こる。

第56回午前:第9問

75歳の女性。16年前に左上肢の安静時振戦が出現し、その後左下肢にも認められ動作緩慢となった。近医脳神経内科を受診しParkinson病と診断されL-dopaの内服治療が開始された。開始当初はL-dopaの効果を認めたが、パーキンソニズムの増悪に伴い徐々にL-dopaを増量された。最近L-dopa服用後30分程度で突然動けなくなり、1日の中で突然の無動を何度も繰り返すという。この現象はどれか。  

1: wearing-off現象

2: Westphal現象

3: pusher現象

4: on-off現象

5: frozen現象

第56回午前:第24問

感覚機能について正しいのはどれか。  

1: 聴覚路は上側頭回に至る。

2: 視覚路は内側膝状体を通る。

3: 深部覚は脊髄視床路を上行する。

4: 痛覚は脊髄内で後索を上行する。

5: 味覚は副神経を経由して伝わる。

第56回午前:第34問

病巣と症状の組合せで正しいのはどれか。  

1: 延髄背外側 ── 片麻痺

2: 内包前脚 ── 感覚障害

3: 前頭葉 ── 半側空間無視

4: 歯状核 ── 協調運動障害

5: 視 床 ── 嚥下障害

第56回午前:第40問

Wallenberg症候群に関連する摂食嚥下障害はどれか。  

1: 半側空間無視による先行期障害

2: 観念失行による準備期障害

3: 顔面麻痺による口腔期障害

4: 食道入口部開大不全による咽頭期障害

5: 胃食道逆流による食道期障害

第56回午後:第5問

56歳の男性。頭痛と複視を自覚し脳神経内科を受診した。頭部MRIで右脳幹部に腫瘍性病変を指摘された。対座法で観察した眼球運動を図に示す。障害されている脳神経はどれか。 

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1: 右動眼神経のみ

2: 右滑車神経のみ

3: 右外転神経のみ

4: 右動眼神経と右滑車神経

5: 右動眼神経と右外転神経

第56回午後:第12問

運動失調が認められる患者に対し、体幹回旋筋の同時収縮による座位姿勢安定性向上を目的として、図に示す運動を行った。この運動はどれか。 

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1: コントラクト・リラックス〈contract-relax〉

2: スローリバーサル

3: ホールド・リラックス

4: リズミック・スタビリゼーション

5: リピーテッドコントラクション〈repeated contraction〉

第56回午後:第19問

74歳の女性。6か月前に左被殻出血を発症して、軽度の右片麻痺を呈している。くしを歯ブラシのように使おうとしたり、スプーンの柄に食物を乗せようとする行動がみられた。この患者の症状はどれか。  

1: 観念失行

2: 構成失行

3: 着衣失行

4: 観念運動失行

5: 肢節運動失行

第56回午後:第23問

随意運動について正しいのはどれか。  

1: γ運動ニューロンは、随意的な筋収縮の命令を直接筋肉に伝える。

2: 一次運動野では、巧緻な動きを必要とする手の領域が小さい。

3: Betzの巨大錐体細胞は、補足運動野のV層に存在する。

4: 小脳は、運動をスムーズにする役割を担っている。

5: 放線冠の障害で、錐体外路症状が出現する。

第56回午後:第25問

CRPS〈複合性局所疼痛症候群〉のtypeIに認められずtypeIIに認められるのはどれか。  

1: 骨萎縮

2: 痛覚過敏

3: 発汗異常

4: 皮膚温異常

5: 末梢神経伝導検査異常

第56回午後:第34問

脊髄性運動失調症でみられるのはどれか。  

1: 折りたたみナイフ現象

2: 断綴性発語

3: 羽ばたき振戦

4: 酩酊歩行

5: Romberg徴候陽性

第56回午後:第35問

Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。  

1: 四肢の深部腱反射が亢進する。

2: 欧米に比べて日本では軸索型が多い。

3: 脳神経症状がみられるのは5%以下である。

4: 先行感染から24時間以内に神経症状が出現する。

5: 約90%の症例で神経症状のピークは1週間以内である。

第56回午後:第43問

発症初期から易転倒性がみられるのはどれか。  

1: Charcot-Marie-Tooth病

2: 筋萎縮性側索硬化症

3: 進行性核上性麻痺

4: 脊髄小脳変性症

5: Parkinson病