基礎作業療法学・作業療法管理学の過去問


第51回午後:第18問

16歳の女子。約6か月前から壁に向かってぶつぶつと独りで話をしている。悪口が聞こえる、と周囲を怖がる様子がみられ、学校に行かず自宅に閉じこもることが多くなった。両親に説得されて病院を受診したが、自分は病気ではないと治療に抵抗するため、ACT〈Assertive Community Treatment〉による訪問が開始された。この患者に優先すべきなのはどれか。  

1: SSTを実施する。

2: 復学に向けた検討を行う。

3: 治療の必要性を納得させる。

4: 集団心理教育プログラムを行う。

5: 患者の興味を話題にして関係性を築く。

第51回午後:第23問

陶芸の作業工程において粘土の水分量を均一にするために行うのはどれか。  

1: 荒練り

2: 菊練り

3: 施釉

4: 手びねり

5: 天日干し

第51回午後:第27問

OSAについて正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 自己と環境についての質問で構成されている。

2: 作業の遂行度を10段階で把握する。

3: 人間作業モデルに基づいている。

4: 自己の興味の種類を把握する。

5: 行動観察評価である。

第51回午後:第36問

エビデンスレベルの高い順に左から並べたのはどれか。  

1: 症例検討 → 前後比較研究 → メタアナリシス

2: 症例検討 → メタアナリシス → 前後比較研究

3: 前後比較研究 → 症例検討 → メタアナリシス

4: メタアナリシス → 症例検討 → 前後比較研究

5: メタアナリシス → 前後比較研究 → 症例検討

第51回午後:第37問

介護保険で購入ではなく貸与の適応となるのはどれか。  

1: 移動式リフトの吊り具

2: 簡易浴槽

3: 腰掛便座

4: 体位変換器

5: 入浴補助用具

第51回午後:第39問

評価尺度について正しいのはどれか。  

1: 妥当性の検討法の1つとして再検査法がある。

2: 信頼性の検討には他の標準的尺度との相関関係をみる。

3: 名義尺度で用いられる代表値に中央値がある。

4: 順序尺度で用いられる代表値に平均値がある。

5: 間隔尺度で測定された2群の平均値の差の検定法にt検定がある。

第51回午後:第47問

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく入院で正しいのはどれか。  

1: 任意入院は本人の同意が必要ない。

2: 措置入院は精神科病院管理者の判断による入院である。

3: 緊急措置入院では作業療法を行ってはならない。

4: 医療保護入院は家族等の同意による入院である。

5: 応急入院は身体合併症の治療が目的である。

第51回午後:第48問

リエゾン精神医学について正しいのはどれか。  

1: 地域が主な活動領域である。

2: ストレングスモデルに基づく。

3: 産業精神保健活動の1つである。

4: 長期入院患者の退院支援を行う。

5: 身体的疾患に伴う精神症状に対応する。

第51回午後:第49問

家族心理教育について正しいのはどれか。  

1: 病気に関する知識を増やす。

2: 患者の育て方の振り返りを行う。

3: 通常は個人プログラムとして行う。

4: 患者は診断名を知らないことが前提となる。

5: EE〈Expressed Emotion〉を高める指導を行う。

第51回午後:第50問

精神障害者の就労支援について正しいのはどれか。  

1: 就労継続支援B型事業所では最低賃金が保障されていない。

2: 障害者就業・生活支援センターでは職場実習を斡旋しない。

3: ジョブコーチは事業主への支援を行うことはできない。

4: 精神障害者は障害者雇用率に算定できない。

5: 精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象ではない。

第50回午前:第37問

人間作業モデルにおける作業適応のプロセスで、人間の構成要素として正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 習慣化

2: 意 志

3: 情 緒

4: 身 体

5: 認 知

第50回午前:第38問

脳卒中片麻痺患者(右片麻痺30名、左片麻痺30名)を対象に、自助具の使用について調査した。回答は右片麻痺患者で「使いやすい」13名、「使いにくい」17名、左片麻痺患者で「使いやすい」15名、「使いにくい」15名であった。麻痺側による回答の違いを統計学的に検定する方法はどれか。  

1: t検定

2: χ2検定

3: 符号検定

4: Mann-Whitney検定

5: Wilcoxon符号付順位検定

第50回午前:第39問

国際生活機能分類(ICF)の特徴で適切でないのはどれか。  

1: 「生活機能と障害」は健康状態と背景因子との相互作用と考える。

2: 「医学モデル」と「統計モデル」の統合に基づいている。

3: 構成要素は肯定的・否定的の両方の用語で表現できる。

4: 医療福祉の専門家と障害者団体が関わって作成された。

5: すべての人が対象になる。

第50回午前:第50問

就労移行支援事業について正しいのはどれか。  

1: 利用期間に制限がある。

2: 利用者の年齢に制限はない。

3: 公共職業安定所が実施主体となる。

4: 障害者雇用促進法による事業である。

5: 就労継続支援A型事業所への就労を目標とする。

第50回午後:第30問

筋力増強訓練で正しいのはどれか。  

1: 遠心性収縮は筋が短縮する。

2: 等尺性収縮は関節の動きを伴う。

3: 等張性収縮は心疾患に禁忌である。

4: 求心性収縮は抵抗が筋張力より大きいときに生じる。

5: 等運動性収縮は可動域全体で筋力強化が可能である。

第50回午後:第38問

通所リハビリテーションについて正しいのはどれか。  

1: 個別訓練は提供できない。

2: 医療保険での利用はできない。

3: 3か月以内の短期的利用に限られる。

4: 通所リハビリテーション専用の設備基準はない。

5: 利用者20名に対する作業療法士の配置基準は1名である。

第49回午後:第50問

精神障害者の就労支援についての組合せで正しいのはどれか。  

1: リワーク ― ハローワーク

2: ジョブコーチ ― 地域障害者職業センター

3: 職場適応訓練 ― 保健所

4: トライアル雇用 ― 地域包括支援センター

5: ジョブガイダンス ― 障害者就業・生活支援センター

第49回午前:第38問

介護保険で貸与の対象となる福祉用具はどれか。2つ選べ。  

1: 歩行器

2: 移乗用吊り具

3: シャワー椅子

4: ベッド用手すり

5: ポータブルトイレ

第49回午前:第50問

Individual placement and support(IPS)について適切でないのはどれか。  

1: エビデンスに基づいている。

2: リカバリーモデルに依拠している。

3: Place-then-trainモデルに基づいている。

4: 利用者の好みに合わせて職場を開拓する。

5: 障害が比較的軽度の場合が主に適応となる。

第49回午後:第37問

研究法の説明で誤っているのはどれか。  

1: 記述的研究は、質的研究である。

2: 横断研究では、症例の経過を追って情報収集する。

3: 後ろ向き調査とは、過去に遡って情報収集する調査である。

4: メタアナリシスは、多数の研究を数量的に合成し統合して検討する。

5: 留め置き調査法では、対象者に配布した調査票を調査員が回収する。