作業療法士国家試験:第50回午前の過去問


第50回午前:第1問

関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と基本軸で正しいのはどれか。2つ選べ。

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第50回午前:第3問

45歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し1か月経過した。病変部位はMRIで左角回と左側頭葉後下部であった。運動麻痺は認められない。生じやすい高次脳機能障害はどれか。  

1: 運動保続

2: 失読失書

3: 地誌的失見当

4: 半側空間無視

5: 道具の強迫的使用

第50回午前:第4問

38歳の男性。オートバイ運転中に転倒し腰背部を強打して、脊髄損傷と診断された。T12以下の感覚鈍麻を認める。筋力はMMTで上肢はすべて5、下肢はすべて0である。肛門周囲の感覚は残存している。この患者のASIA機能障害尺度はどれか。  

1: A

2: B

3: C

4: D

5: E

第50回午前:第5問

31歳の男性。バイク事故にて脳挫傷を受傷。受傷直後から意識障害が1週間持続した。受傷後1か月経過し高次脳機能障害の検査を行ったところ、かな拾い検査は正解数15、見落とし数27%、TMT(trail making test)はA56秒、B125秒であった。最も考えられる症状はどれか。  

1: モリア

2: アパシー

3: 注意障害

4: 類推の障害

5: 抽象思考の障害

第50回午前:第6問

10歳の男児。痙直型四肢麻痺の脳性麻痺。頭部保持は可能で、手で支持すれば座位が可能。わずかな距離は寝返りで移動する。電動車椅子を練習中である。この児のGMFCS(gross motor function classification system)のレベルはどれか。  

1: レベルⅠ

2: レベルⅡ

3: レベルⅢ

4: レベルⅣ

5: レベルⅤ

第50回午前:第7問

10歳の男児。痙直型四肢麻痺の脳性麻痺。頭部保持は可能で、手で支持すれば座位が可能。わずかな距離は寝返りで移動する。電動車椅子を練習中である。この児が机上で道具の操作を練習する際に、上肢を効果的に使用するための姿勢として最も難易度が高いのはどれか。

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第50回午前:第8問

図に示すスプリントが適応となる疾患はどれか。 

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1: 頸肩腕症候群

2: 肘部管症候群

3: 回外筋症候群

4: 手根管症候群

5: 円回内筋症候群

第50回午前:第9問

57歳の男性。視床出血後に表在感覚と深部感覚との障害を認める。運動麻痺は認めない。この患者に行う知覚再教育で誤っているのはどれか。  

1: 開眼で代償させる。

2: 運動や動作は可能な限りゆっくり行う。

3: 15分程度の知覚再教育を一日に数回行う。

4: 識別素材を固定し、患側手を動かして識別させる。

5: 書字の際に、筆記具と手との接触個所で筆記具の特徴を感じさせる。

第50回午前:第10問

装具の適応で正しいのはどれか。2つ選べ。

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第50回午前:第11問

20歳の男性。頸髄完全損傷。動作獲得を制限する関節可動域制限、残存筋力の低下および合併症はない。洋式便座に側方移乗で移乗し、便座上座位で排便を行う。この患者が使用する坐薬挿入の自助具と、自助具を使用する際の姿勢を図に示す。Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類にする最上位の機能残存レベルはとれか。 

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1: C6A

2: C6B1

3: C6B2

4: C6B3

5: C7A

第50回午前:第12問

84歳の女性。数年前から徐々に左手の示指と中指にしびれが生じ、母指の指尖つまみができなくなった。左手の写真を示す。この患者が使用する装具で正しいのはどれか。 

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1: 虫様筋カフ

2: 対立スプリント

3: 両側支柱付肘装具

4: 逆ナックルベンダー

5: コックアップスプリント

第50回午前:第13問

62歳の男性。閉塞性動脈硬化症。著しい感染を伴った下肢壊疽に対して大腿切断術が施行され短断端となった。糖尿病性末梢神経障害を合併している。この患者の術直後の断端管理で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 断端の色調を観察する。

2: 断端の自動運動を行う。

3: 切断部の温熱療法を行う。

4: ギプスソケットを装着する。

5: 切断側股関節を外転位に保持する。

第50回午前:第14問

20歳の女性。幼少期に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。最も考えられるのはどれか。  

1: 身体表現性障害

2: 気分変調性障害

3: 統合失調感情障害

4: 演技性パーソナリティ障害

5: 境界性パーソナリティ障害

第50回午前:第15問

20歳の女性。幼少期に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。この患者に作業療法を導入する際の対応で適切なのはどれか。  

1: 作業療法に参加する上での枠組みを明示する。

2: 初回の面接で対人関係を中心に取り上げる。

3: 患者からの面接の要求は満たすようにする。

4: 攻撃的になる場合は担当者を交代する。

5: 課題集団での協調行動を促す。

第50回午前:第16問

55歳の男性。うつ病。3か月前に昇格し研修部門の責任者となった。最近になり睡眠障害と気分の落ち込みとが出現した。職場では研修予定が立てられない、報告書の提出が遅れるなど仕事がこなせなくなった。心配した上司に勧められて精神科を受診し、休職することになった。この時点の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 楽しい体験を勧める。

2: 休息の重要性を伝える。

3: 作業活動時間は短くする。

4: 生活課題への取り組みを始める。

5: 能力向上のための課題を提供する。

第50回午前:第17問

20歳の男性。統合失調症。専門学校に通っていたが、いじめをきっかけに引きこもる生活となった。次第に容姿を批判される幻聴が生じ、不穏興奮状態となって精神科に入院した。3週後、不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが、抑うつ気分の訴え、睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた。この患者の回復指標として適切なのはどれか。  

1: 億却さを訴える。

2: 発語が減少する。

3: 退屈感を訴える。

4: 異常体験を訴える。

5: 作業手順が混乱する。

第50回午前:第18問

20歳の男性。統合失調症。専門学校に通っていたが、いじめをきっかけに引きこもる生活となった。次第に容姿を批判される幻聴が生じ、不穏興奮状態となって精神科に入院した。3週後、不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが、抑うつ気分の訴え、睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた。作業療法を開始してまもなく「学校に戻れるだろうか」と不安を訴えた。作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: 「勉強を取り入れていきましょう」

2: 「生活リズムから整えていきましょう」

3: 「スポーツで体力の向上を図りましょう」

4: 「集団レクリエーションに参加してみましょう」

5: 「SSTに参加して対人関係の練習をしてみましょう」

第50回午前:第19問

10歳の男児。学業成績は中位だが授業中に落ちつきがなく、隣の子に一方的に話しかける、落書きをする、忘れ物をするなどでよく注意を受けていた。片付けも苦手で自室は乱雑であった。心配した母親と共に精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この男児に予測される作業療法での様子はどれか。  

1: 同じ動作を繰り返す。

2: 根拠のない自信を示す。

3: 道具をしばしばなくす。

4: 詳細を作業療法士に確認する。

5: 手順にこだわって作業をする。

第50回午前:第20問

10歳の男児。学業成績は中位だが授業中に落ちつきがなく、隣の子に一方的に話しかける、落書きをする、忘れ物をするなどでよく注意を受けていた。片付けも苦手で自室は乱雑であった。心配した母親と共に精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この男児に対する作業療法での対応で適切なのはどれか。  

1: 小集団活動に導入する。

2: 強い口調で指示を伝える。

3: ほめずに見守りを重視する。

4: 作業手順を詳細に説明する。

5: 問題行動には触れずにおく。

第50回午前:第21問

「自発開眼しているが、自分の名前はいえない」のは、JCS(Japan coma scale)の判定でどれか。  

1: Ⅰ-1

2: Ⅰ-2

3: Ⅰ-3

4: Ⅱ-10

5: Ⅱ-20

第50回午前:第23問

心電図を示す。この患者に最も生じやすいのはどれか。 

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1: 脳出血

2: 脳血栓

3: 脳塞栓

4: ラクナ梗塞

5: くも膜下出血

第50回午前:第24問

温度覚検査について誤っているのはどれか。  

1: 痛覚としてとらえていないか注意する。

2: 10℃が判別できると冷覚は正常である。

3: 50℃が判別できると温覚は正常である。

4: 温かいか冷たいかで応答させる。

5: 温覚計は垂直に10秒間当てる。

第50回午前:第25問

失行の検査はどれか。  

1: BIT

2: VPTA

3: RBMT

4: SLTA

5: SPTA

第50回午前:第26問

FIMの評定で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 浴槽移乗7点:浴槽の縁に腰掛けて浴槽をまたぐ。浴槽内でしゃがみ、立てる。

2: 食事6点:ホルダー付きスプーンを介助者に装着してもらい、食事動作は自立している。

3: 記憶5点:メモリーノートを用いて自立し、問題を生じていない。

4: トイレ動作4点:服を上げるのが不十分で介助者の口頭指示を必要とする。

5: 更衣(上半身)2点:前開きシャツで非麻痺側の袖通しはできるが、他は介助を要する。

第50回午前:第27問

Parkinson病に比し脳血管性パーキンソニズムで特徴的な症状はどれか。  

1: 無動

2: 固縮

3: 安静時振戦

4: 錐体路障害

5: Myerson徴候

第50回午前:第28問

多発性硬化症で正しいのはどれか。  

1: 男性に多い。

2: 再発は少ない。

3: 灰白質が病変となる。

4: 60歳前後の発症が多い。

5: Uhthoff徴候が認められる。

第50回午前:第29問

Down症候群について正しいのはどれか。  

1: 転座型に次いで21トリソミーが多い。

2: 発症リスクに高齢出産がある。

3: 言語表出に問題はない。

4: 筋緊張は高い。

5: 男子に多い。

第50回午前:第30問

感染予防策と用いられる方法の組合せで正しいのはどれか。  

1: 接触感染予防策 ― 手袋の使用

2: 接触感染予防策 ― サージカルキャップの使用

3: 空気感染予防策 ― ガウンの使用

4: 空気感染予防策 ― サージカルマスクの使用

5: 標準予防策 ― N95マスクの使用

第50回午前:第31問

上腕義手装着時の適合判定において肩関節の可動域で正しいのはどれか。  

1: 外転60º以上

2: 内転20º以上

3: 屈曲90º以上

4: 伸展15º以上

5: 外旋30º以上

第50回午前:第32問

大腿骨頸部骨折に対して後方アプローチにて人工骨頭置換術を施行した患者のADL指導で正しいのはどれか。  

1: 和式トイレで排泄する。

2: 割り座で足の爪を切る。

3: あぐら座位で靴下をはく。

4: 患側下肢から階段を昇る。

5: 椅子に座って床の物を拾う。

第50回午前:第33問

肩手症候群に対する治療介入で誤っているのはどれか。  

1: 温熱療法を併用する。

2: 肩関節の可動域訓練を行う。

3: 手指と手関節との可動域訓練を行う。

4: 肩関節亜脱臼にアームスリングを使用する。

5: 手指に発赤を認めた場合は可動域訓練は禁忌である。

第50回午前:第34問

記憶障害と治療介入の組合せで適切でないのはどれか。  

1: 逆向性健忘 ― アルバム療法

2: 逆向性健忘 ― 展望記憶訓練

3: 前向性健忘 ― メモリーノート

4: 前向性健忘 ― アラーム付き時計

5: 前向性健忘 ― リアリティオリエンテーション

第50回午前:第35問

ロービジョンケアの活動と補助具の組合せで適切でないのはどれか。  

1: パソコン操作 ― 音声変換ソフト

2: 針の糸通し ― 拡大鏡

3: 屋外歩行 ― 白杖

4: 爪切り ― 単眼鏡

5: 読書 ― 書見台

第50回午前:第36問

Wallenberg症候群の嚥下障害への対応について誤っているのはどれか。  

1: 病巣側への頸部回旋での直接訓練

2: 頸部伸展位での直接訓練

3: Shaker(シャキア)法

4: Mendelsohn手技

5: バルーン拡張法

第50回午前:第37問

人間作業モデルにおける作業適応のプロセスで、人間の構成要素として正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 習慣化

2: 意 志

3: 情 緒

4: 身 体

5: 認 知

第50回午前:第38問

脳卒中片麻痺患者(右片麻痺30名、左片麻痺30名)を対象に、自助具の使用について調査した。回答は右片麻痺患者で「使いやすい」13名、「使いにくい」17名、左片麻痺患者で「使いやすい」15名、「使いにくい」15名であった。麻痺側による回答の違いを統計学的に検定する方法はどれか。  

1: t検定

2: χ2検定

3: 符号検定

4: Mann-Whitney検定

5: Wilcoxon符号付順位検定

第50回午前:第39問

国際生活機能分類(ICF)の特徴で適切でないのはどれか。  

1: 「生活機能と障害」は健康状態と背景因子との相互作用と考える。

2: 「医学モデル」と「統計モデル」の統合に基づいている。

3: 構成要素は肯定的・否定的の両方の用語で表現できる。

4: 医療福祉の専門家と障害者団体が関わって作成された。

5: すべての人が対象になる。

第50回午前:第40問

認知症のBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)の評価尺度はどれか。  

1: CDR(clinical dementia rating)

2: N式老年者用精神状態評価尺度

3: NPI(neuropsychiatric inventory)

4: MMSE(mini mental state examination)

5: HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)

第50回午前:第41問

うつ状態の評価を含む尺度はどれか。2つ選べ。  

1: BPRS

2: POMS

3: TEG

4: WAIS-Ⅲ

5: WCST

第50回午前:第42問

認知症患者の作業課題で適切でないのはどれか。  

1: 壊れにくい素材での課題

2: 道具を使わない課題

3: 少ない工程の課題

4: 短時間の課題

5: 精密な課題

第50回午前:第43問

前頭側頭型認知症患者の作業療法でみられる特徴はどれか。  

1: 同内容の言葉を繰り返す。

2: 横道にそれない。

3: 約束が守れる。

4: 我慢が出来る。

5: 品格がある。

第50回午前:第44問

統合失調症の回復期前期での目標について適切なのはどれか。  

1: 現実生活への移行

2: 施設内生活の自立

3: 生活の質の向上

4: 生活技能の改善

5: 社会への参加

第50回午前:第45問

うつ病患者の作業療法での留意点で適切なのはどれか。  

1: 経験のある課題を選ぶ。

2: 選択する課題を増やす。

3: 自己決定場面を減らす。

4: 規則的な参加を促す。

5: 意欲を引き出す。

第50回午前:第46問

転換性障害による歩行障害のある患者への対応として適切なのはどれか。  

1: 希死念慮に注意する。

2: 感情の言語化を促す。

3: 歩行障害の受容を促す。

4: 歩行機能への介入は行わない。

5: 葛藤と症状との関係を洞察させる。

第50回午前:第47問

摂食障害患者の作業療法でみられる特徴はどれか。  

1: 周囲に対する過剰適応

2: 課題の頻回な変更

3: 中途での投出し

4: 集中力の低下

5: 意欲の低さ

第50回午前:第48問

回避性パーソナリティ障害患者の作業療法導入期の対応について適切なのはどれか。  

1: 共同作業を促す。

2: 衝動発散を促す。

3: 種目選択は患者に任せる。

4: 作業の誤りを修正させる。

5: 枠組みの明確な作業を提供する。

第50回午前:第49問

作業療法中にみられるてんかん患者の発作症状でないのはどれか。  

1: 虚空を注視する。

2: 強い執着性を示す。

3: 眼球が共同偏向する。

4: 突然に会話を停止する。

5: 急に立ち上がって歩きまわる。

第50回午前:第50問

就労移行支援事業について正しいのはどれか。  

1: 利用期間に制限がある。

2: 利用者の年齢に制限はない。

3: 公共職業安定所が実施主体となる。

4: 障害者雇用促進法による事業である。

5: 就労継続支援A型事業所への就労を目標とする。

第50回午前:第51問

関節とその形状の組合せについて正しいのはどれか。  

1: 肩関節 - 鞍関節

2: 肘関節 - 球関節

3: 上橈尺関節 - 車軸関節

4: 橈骨手根関節 - 平面関節

5: 母指CM関節 - 蝶番関節

第50回午前:第52問

筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか。  

1: 腸骨筋 - 大腿神経

2: 大殿筋 - 上殿神経

3: 小殿筋 - 下殿神経

4: 前脛骨筋 - 脛骨神経

5: 内閉鎖筋 - 閉鎖神経

第50回午前:第53問

頭部MRIのT2強調像を示す。海馬はどれか。 

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

5: ⑤

第50回午前:第54問

中脳レベルの横断図の模式図を示す。錐体路はどれか。 

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

5: ⑤

第50回午前:第55問

二重神経支配の筋はどれか。  

1: 肘筋

2: 上腕筋

3: 浅指屈筋

4: 手の骨間筋

5: 尺側手根屈筋

第50回午前:第56問

洞結節があるのはどれか。  

1: 右心房

2: 右心室

3: 左心房

4: 頸動脈洞

5: 冠静脈洞

第50回午前:第57問

平衡聴覚器の解剖について正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 耳管は咽頭に開口している。

2: 鼓膜はキヌタ骨に接している。

3: 内耳は側頭骨の錐体部内にある。

4: 前庭は蝸牛と三半規管からなる。

5: 中耳には聴覚と平衡覚をつかさどる感覚器がある。

第50回午前:第58問

胸部の解剖について正しいのはどれか。  

1: 縦隔の後面は心臓である。

2: 肺の栄養血管は肺動脈である。

3: 区域気管支は左右10本ずつある。

4: 第3肋骨は胸骨柄と関節を形成する。

5: 臓側胸膜と壁側胸膜とは連続している。

第50回午前:第59問

消化器について正しいのはどれか。  

1: 胆汁は胆嚢で産生される。

2: 膵臓は胃の後方に位置する。

3: 大腸は結腸と直腸からなる。

4: 小腸は十二指腸と回腸からなる。

5: 胃の肛門側の開口部を噴門という。

第50回午前:第60問

動脈の触診部位で誤っているのはどれか。 

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1: 鎖骨下動脈

2: 上腕動脈

3: 橈骨動脈

4: 膝窩動脈

5: 足背動脈

第50回午前:第61問

神経線維の特徴で正しいのはどれか。  

1: 脳の白質は無髄神経線維である。

2: 無髄神経線維はRanvier絞輪を有する。

3: 自律神経節後線維は有髄神経線維である。

4: 有髄神経線維は太いほど圧迫で障害を受けやすい。

5: 有髄神経線維の伝導速度は線維の直径と反比例する。

第50回午前:第62問

折りたたみナイフ現象に関与する感覚神経線維はどれか。  

1: Ⅰa

2: Ⅰb

3: Ⅱ

4: Ⅲ

5: Ⅳ

第50回午前:第63問

運動負荷による生体反応で誤っているのはどれか。  

1: 脳血流は増加する。

2: 冠血流は増加する。

3: 肝血流は減少する。

4: 筋血流は増加する。

5: 皮膚血流は増加する。

第50回午前:第64問

組織液の還流で正しいのはどれか。  

1: 肝障害では浮腫は生じない。

2: 組織液が過剰になった状態を浮腫という。

3: 組織液の90%が毛細リンパ管に流入する。

4: リンパ管内のリンパは主幹動脈に流入する。

5: 組織液中の高分子の蛋白はリンパ管より末梢血管に多く流入する。

第50回午前:第65問

血液中の血小板について誤っているのはどれか。  

1: 寿命は約120日である。

2: 直径は2~5μmである。

3: 骨髄系幹細胞から生成される。

4: 減少すると出血時間が延長する。

5: 20万/mm3は基準範囲内である。

第50回午前:第66問

栄養素と吸収部位の組合せで正しいのはどれか。  

1: 糖 - 空腸

2: 鉄 - 結腸

3: 脂肪 - 十二指腸

4: 蛋白質 - 胃

5: ビタミンB12 - 空腸

第50回午前:第67問

排尿で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 排尿反射の中枢は腰髄にある。

2: 外尿道括約筋は随意制御できる。

3: 膀胱は副交感神経活動で収縮する。

4: 外尿道括約筋は陰部神経活動で弛緩する。

5: 内尿道括約筋は副交感神経活動で収縮する。

第50回午前:第68問

内分泌器官と分泌されるホルモンの組合せで誤っているのはどれか。  

1: 松果体 - カルシトニン

2: 視床下部 - ソマトスタチン

3: 副腎皮質 - コルチゾール

4: 下垂体前葉 - 成長ホルモン

5: 下垂体後葉 - バソプレシン

第50回午前:第69問

図のようにてこが釣り合っている場合、支点Cに作用する力の大きさはどれか。ただし、てこに重さはないものとする。 

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1: W1+W2

2: d2×W2/d1

3: d1×W1/d2

4: d1×W1+d2×W2

5: d1×W2+d2×W1

第50回午前:第70問

基本肢位からの肩関節の運動で正しいのはどれか。  

1: 広背筋は屈曲に作用する。

2: 棘上筋は内転に作用する。

3: 大円筋は外旋に作用する。

4: 肩甲下筋は内旋に作用する。

5: 棘下筋は水平屈曲に作用する。

第50回午前:第71問

前腕の回内に働く筋はどれか。  

1: 深指屈筋

2: 示指伸筋

3: 尺側手根屈筋

4: 橈側手根屈筋

5: 長橈側手根伸筋

第50回午前:第72問

基本肢位からの股関節の運動とそれに作用する筋の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 外旋 - 大殿筋

2: 伸展 - 腸腰筋

3: 内転 - 中殿筋

4: 屈曲 - 大腿二頭筋

5: 屈曲 - 大腿筋膜張筋

第50回午前:第73問

足部の運動で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 第三腓骨筋は内がえしに作用する。

2: 長母指伸筋は外がえしに作用する。

3: 長腓骨筋は横アーチの維持に作用する。

4: 長指屈筋は内側縦アーチの維持に作用する。

5: 後脛骨筋は外側縦アーチの維持に作用する。

第50回午前:第74問

正常歩行時の重心移動幅の減少への関与が小さいのはどれか。  

1: 骨盤傾斜

2: 二重膝作用

3: 膝関節の回旋

4: 骨盤の回旋運動

5: 骨盤の側方移動

第50回午前:第75問

疾患と病理変化の組合せで誤っているのはどれか。  

1: Parkinson病 - 大脳白質の変性

2: 多発性硬化症 - 中枢神経の脱髄

3: Huntington病 - 線条体の変性

4: Alzheimer型認知症 - 大脳皮質の変性

5: 筋萎縮性側索硬化症 - 脊髄前角細胞の脱落

第50回午前:第76問

冠血流を減少させる要因はどれか。  

1: 収縮期の血圧の低下

2: 心拍数の低下

3: 大動脈弁狭窄

4: 心房中隔欠損

5: 僧帽弁狭窄

第50回午前:第78問

ボツリヌス菌毒素製剤の作用機序について正しいのはどれか。  

1: 末梢神経の破壊

2: ミトコンドリアのATP産生停止

3: アクチンとミオシン頭部の結合抑制

4: 抗アセチルコリン受容体抗体の産生

5: 神経終末部でのアセチルコリン分泌抑制

第50回午前:第79問

「30分後にベルが鳴ったら訓練を終了してください」という課題を遂行する際に活用する記憶はどれか。  

1: 意味記憶

2: 展望記憶

3: 手続き記憶

4: プライミング

5: エピソード記憶

第50回午前:第80問

MMSE(mini mental state examination)に含まれ、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)には含まれない項目はどれか。  

1: 計算

2: 見当識

3: 遅延再生

4: 構成課題

5: 言語流暢性課題

第50回午前:第81問

認知療法について正しいのはどれか。  

1: 認知の歪みに働きかける。

2: 認知機能の改善効果がある。

3: 幼少期のこころの問題を主な対象とする。

4: 自動思考は無意識であるため同定しない。

5: 悲観的な思考を楽観的な思考に置き換える。

第50回午前:第82問

国際生活機能分類(ICF)で活動に含まれるのはどれか。  

1: 嚥下

2: 歩行

3: 言語表出

4: 呼吸機能

5: 関節の可動性

第50回午前:第83問

脊髄損傷の感覚障害について正しいのはどれか。  

1: 馬尾神経症候群ではみられない。

2: 中心性頸髄損傷では上肢より下肢に強い。

3: 脊髄円錐症候群では肛門周囲が障害される。

4: 前脊髄動脈症候群では位置覚が障害される。

5: Brown-Séquard症候群では病巣の反対側の位置覚が障害される。

第50回午前:第84問

頭頂葉の病変で生じる症状はどれか。  

1: 歩行失行

2: 視覚失認

3: Anton症状

4: Parkinson症状

5: Gerstmann症候群

第50回午前:第85問

我が国における平成23年以降の死因の第1~3位の組合せで正しいのはどれか。(2015年の問題)  

1: 1位:悪性新生物 - 2位:心疾患 - 3位:脳血管疾患

2: 1位:悪性新生物 - 2位:心疾患 - 3位:自殺

3: 1位:悪性新生物 - 2位:心疾患 - 3位:肺炎

4: 1位:悪性新生物 - 2位:脳血管疾患 - 3位:心疾患

5: 1位:悪性新生物 - 2位:脳血管疾患 - 3位:肺炎

第50回午前:第86問

病原体と主な感染経路の組合せで正しいのはどれか。  

1: 結核 - 経口感染

2: MRSA - 接触感染

3: 破傷風 - 媒介動物による感染

4: A型肝炎 - 血液による感染

5: 帯状疱疹 - 飛沫感染

第50回午前:第87問

痙縮を生じにくい疾患はどれか。  

1: 脳梗塞

2: 外傷性脳損傷

3: 中心性頸髄損傷

4: 胸椎黄色靱帯骨化症

5: 腰椎椎間板ヘルニア

第50回午前:第88問

物につかまらず立てる乳児においてみられるのはどれか。  

1: 自動歩行

2: Moro反射

3: 手掌把握反射

4: パラシュート反応

5: 非対称性緊張性頸反射

第50回午前:第89問

変形性関節症について正しいのはどれか。  

1: 若年者に好発する。

2: 滑膜炎から軟骨の変性に至る。

3: 股関節では二次性股関節症が多い。

4: 膝関節では女性に比べ男性の有病率が高い。

5: 発症要因として遺伝的素因は認められない。

第50回午前:第90問

骨折後に偽関節を生じやすいのはどれか。  

1: 手の舟状骨

2: 鎖骨遠位部

3: 橈骨遠位部

4: 中手骨骨幹部

5: 上腕骨近位部

第50回午前:第91問

急性心筋梗塞の発症後の血液検査所見でないのはどれか。  

1: 白血球数増加

2: トロポニンⅠ上昇

3: クレアチニン上昇

4: 乳酸脱水素酵素(LD)上昇

5: クレアチンキナーゼ(CK)上昇

第50回午前:第92問

筋強直性ジストロフィーにみられるのはどれか。2つ選べ。  

1: 痙縮

2: 下垂足

3: 斧状顔貌

4: ジストニア

5: 有痛性けいれん

第50回午前:第93問

Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。  

1: 顔面神経麻痺から発症する。

2: 髄液中の蛋白が上昇する。

3: 自律神経障害はみられない。

4: 呼吸筋麻痺はみられない。

5: 再発と寛解とを繰り返す。

第50回午前:第94問

大腸癌について誤っているのはどれか。  

1: 食生活が発症に影響する。

2: 組織型は腺癌が最も多い。

3: 転移は肺転移が最も多い。

4: 我が国では胆管癌より有病率が高い。

5: 便潜血陽性が診断上重要な所見である。

第50回午前:第95問

肝硬変の患者が多量の吐血をした場合の原因として可能性が高いのはどれか。  

1: 出血性胃炎

2: 吻合部潰瘍

3: 食道静脈瘤

4: アカラシア

5: 逆流性食道炎

第50回午前:第96問

Alzheimer型認知症と比較してLewy小体型認知症に特徴的なのはどれか。  

1: 常同行動

2: 取り繕い

3: 物盗られ妄想

4: 繰り返される幻視

5: 初期からの記憶障害

第50回午前:第97問

統合失調症で通院中の女性が壁を凝視したまま動かない。両上肢を挙上させるとそのままの姿勢をとり続けた。考えられるのはどれか。  

1: アカシジア

2: 悪性症候群

3: 急性ジストニア

4: 緊張病症候群

5: 薬剤性パーキンソニズム

第50回午前:第98問

双極性障害について正しいのはどれか。  

1: 発症率は女性が2倍多い。

2: 気分安定薬が用いられる。

3: Ⅱ型では重度の躁状態がみられる。

4: 単極性うつ病より遺伝的素因が少ない。

5: 同一個人では躁病相の回数はうつ病相の回数より多い。

第50回午前:第99問

強迫性障害について誤っているのはどれか。  

1: 曝露反応妨害法が用いられる。

2: 強迫行為はさせられ体験による。

3: 対称性へのこだわりがみられる。

4: 不合理な観念が繰り返し浮かぶ。

5: 選択的セロトニン再取り込み阻害薬が用いられる。

第50回午前:第100問

12歳の女児。寝不足の朝、突然に顔面や上肢にぴくつきが生じて物を落とす。このときに意識消失はない。脳波で光過敏性を認める。考えられるのはどれか。  

1: 覚醒時大発作てんかん

2: 若年性ミオクロニーてんかん

3: 小児欠神てんかん

4: 側頭葉てんかん

5: Lennox-Gastaut症候群