精神障害と臨床医学の過去問


第53回午前:第99問

「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」と訴える患者の症状はどれか。  

1: 恐怖症

2: 拒絶症

3: 離人症状

4: 心気症状

5: 感情鈍麻

  • 答え:3
  • 解説:この問題では、患者が「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」と訴える症状について尋ねています。この症状は離人症状に該当します。
  • 恐怖症は神経症性障害の一種で、通常は危険ではない状況や対象に対して不安が誘発され、それらを回避しようとする症状です。この症状は、自分がやっている感じがしないという訴えとは関係がありません。
  • 拒絶症は緊張型統合失調症の症状の一つで、他人の命令や期待を態度や行動で拒否するものです。この症状も、自分がやっている感じがしないという訴えとは関係がありません。
  • 離人症状は、うつ病や恐怖性不安障害、強迫性障害などで見られる症状で、自分の外の世界や自分自身に対する実感が薄れてしまい、自分が自分でないような感覚が生じるものです。この症状が「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」という訴えに該当します。
  • 心気症状は神経症性障害の一種で、身体的異常がないのに頭痛やめまいなどを感じ、病気ではないかと気を病むものです。この症状は、自分がやっている感じがしないという訴えとは関係がありません。
  • 感情鈍麻は慢性期の統合失調症患者などに見られる症状で、普通であれば感情反応を引き起こすような刺激があるにも関わらず、感情が起こらない状態です。この症状も、自分がやっている感じがしないという訴えとは関係がありません。
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第53回午前:第100問

親しい人間関係を構築できず、奇異な考え方や風変わりな行動が継続してみられ、パーソナリティ障害を指摘された。最も考えられるのはどれか。  

1: 演技性パーソナリティ障害

2: 依存性パーソナリティ障害

3: 統合失調型パーソナリティ障害

4: 猜疑性〈妄想性〉パーソナリティ障害

5: シゾイド〈統合失調質〉パーソナリティ障害

第53回午後:第98問

神経性無食欲症について正しいのはどれか。  

1: 頻脈になる。

2: 無月経になる。

3: 恥毛が脱落する。

4: 体温が上昇する。

5: 行動が不活発になる。

  • 答え:2
  • 解説:神経性無食欲症は、患者が摂食拒否によって引き起こす持続性の意図的な体重減少を特徴とする症状です。低体重による影響で様々な症状が現れます。
  • 神経性無食欲症では、代謝機能が低下し、甲状腺機能低下症などを合併して徐脈になることがあるため、頻脈にはなりません。
  • 神経性無食欲症では、低体重により一次性の無月経が生じることがあるため、この選択肢は正しいです。
  • 神経性無食欲症では、毛髪が脱落することがあるものの、恥毛が脱落するという症状は一般的ではありません。
  • 神経性無食欲症では、低体重により低体温になることがあるため、体温が上昇するという症状は起こりません。
  • 神経性無食欲症では、体重を減らすために空虚感や不安感を打ち消そうと過活動になる傾向があるため、行動が不活発になるという症状は一般的ではありません。
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第53回午後:第99問

ACT〈assertive community treatment〉について正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 医師を中心としたチームを組む。

2: 毎日24時間のサービス提供体制である。

3: 短時間であっても頻回に利用者への訪問を行う。

4: スタッフ1人当たりのケースを50人程度にする。

5: 地域生活が安定した軽度の精神障害者を対象とする。

  • 答え:2 ・3
  • 解説:ACT(Assertive Community Treatment)は、精神障害者の地域生活を支援するためのケースマネジメント手法で、多職種チームアプローチを用いて24時間365日のサービスを提供し、利用者のニーズに応じた高密度・高頻度の支援を行います。
  • 選択肢1は間違いです。ACTでは、医師を中心としたチームではなく、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、精神科医などからなる多職種チームアプローチを採用しており、チームリーダーは医師以外の職種が担当します。
  • 選択肢2は正しいです。ACTは24時間365日のサービス提供体制を整えており、利用者のニーズに応じた柔軟な支援が可能です。
  • 選択肢3は正しいです。ACTでは、利用者の必要に応じて短時間でも頻繁に訪問を行い、高いサービス密度・頻度で支援を行います。
  • 選択肢4は間違いです。ACTでは、スタッフ1人当たりのケースは一般に10人以下とされており、適切な支援が行えるようにケース数を抑えています。
  • 選択肢5は間違いです。ACTは、重度の精神障害者であっても地域社会の中で自分らしい生活ができるように支援する精神保健医療福祉システムであり、軽度の精神障害者だけを対象としているわけではありません。
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第52回午後:第89問

てんかんについて正しいのはどれか。  

1: 半数以上が遺伝性である。

2: 睡眠不足は発作の誘因である。

3: 年齢とともに発症率が減少する。

4: 成人では症候性よりも特発性が多い。

5: 発作の持続時間は後遺障害と相関しない。

第52回午後:第98問

境界性パーソナリティ障害にみられないのはどれか。  

1: 不安定な感情

2: 孤立への欲求

3: 持続的な空虚感

4: 不明瞭な自己像

5: 繰り返す自傷行為

第52回午後:第99問

てんかんについて正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 単純部分発作は意識障害がみられる。

2: 欠神発作は過換気によって誘発される。

3: 特発性てんかんは脳の器質的病変が特定できる。

4: 複雑部分発作は側頭葉てんかんに多くみられる。

5: 全般発作は発作開始時にてんかん放電が大脳半球の片側にとどまっている。

第52回午後:第100問

疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。  

1: 身体化障害――――――――――系統的脱感作法

2: 強迫性障害――――――――――曝露反応妨害法

3: PTSD〈外傷後ストレス障害〉―フラッディング

4: 心気障害―――――――――――持続エクスポージャー法

5: 解離性健忘――――――――――バイオフィードバック法

第52回午前:第96問

双極性障害と比較した場合のうつ病の特徴はどれか。  

1: 有病率が低い。

2: 平均初発年齢が低い。

3: 有病率の男女差が小さい。

4: 一卵性双生児の罹患一致率が低い。

5: 状況要因が誘因となって発症することが少ない。

第52回午前:第98問

アルコールの離脱症候群はどれか。2つ選べ。  

1: 病的酩酊

2: けいれん発作

3: 複雑酩酊

4: 振戦せん妄

5: Wernicke脳症

第52回午前:第99問

神経性大食症について正しいのはどれか。  

1: 女性より男性に多い。

2: 高カリウム血症がみられる。

3: 神経性無食欲症からの移行はない。

4: カロリーの低いものを過食することが多い。

5: 代償行動で最も多いのは自己誘発性嘔吐である。

第52回午前:第100問

再発に高EE〈Expressed Emotion〉が深く関与している統合失調症患者の治療に有効なのはどれか。  

1: 自律訓練法

2: 認知行動療法

3: 生活技能訓練

4: 家族心理教育

5: レクリエーション

第51回午前:第97問

統合失調症の前駆期にみられるのはどれか。  

1: 聴覚過敏

2: 奇異な妄想

3: 滅裂な思考

4: 感情の平板化

5: 緊張病症候群

第51回午前:第98問

笑いなどの強い情動で突然に筋緊張が低下し脱力する。このような症状がみられるのはどれか。  

1: 欠神てんかん

2: 側頭葉てんかん

3: ナルコレプシー

4: 血管迷走神経失神

5: Jackson型てんかん

第51回午前:第99問

見捨てられ不安を特徴とするのはどれか。  

1: 依存性パーソナリティ障害

2: 演技性パーソナリティ障害

3: 回避性パーソナリティ障害

4: 境界性パーソナリティ障害

5: 自己愛性パーソナリティ障害

第51回午後:第96問

双極性障害について正しいのはどれか。  

1: 男性より女性が多い。

2: 単極性うつ病より自殺率が高い。

3: 単極性うつ病より有病率が高い。

4: 単極性うつ病より発症年齢が高い。

5: 単極性うつ病より遺伝素因の関与が低い。

第51回午後:第97問

酔うまでの飲酒量が徐々に増加するのはどれか。  

1: 渇望

2: 耐性

3: 身体依存

4: 飲酒中心性

5: 山型飲酒サイクル

第51回午後:第98問

回避がみられるのはどれか。  

1: 心気障害

2: 身体化障害

3: 強迫性障害

4: 全般性不安障害

5: PTSD〈外傷後ストレス障害〉

第50回午前:第80問

MMSE(mini mental state examination)に含まれ、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)には含まれない項目はどれか。  

1: 計算

2: 見当識

3: 遅延再生

4: 構成課題

5: 言語流暢性課題

第50回午前:第97問

統合失調症で通院中の女性が壁を凝視したまま動かない。両上肢を挙上させるとそのままの姿勢をとり続けた。考えられるのはどれか。  

1: アカシジア

2: 悪性症候群

3: 急性ジストニア

4: 緊張病症候群

5: 薬剤性パーキンソニズム