脊髄小脳変性症の患者で、歩行可能であるが伝い歩きが主であり、方向転換時に不安定となってしまう場合の歩行補助具として適切なのはどれか。
1: T字杖
2: 歩行車
3: 交互型歩行器
4: ウォーカーケイン
5: ロフストランド杖
重症筋無力症のクリーゼについて誤っているのはどれか。
1: 嚥下障害を認める。
2: 咳嗽機能が低下する。
3: 閉塞性換気障害をきたす。
4: 発症率は20%以上である。
5: ステロイドの急激な減量が原因となる。
車椅子乗車中に体幹を右に傾けたまま寝てしまい、アームレストに右上腕外側を長時間圧迫していた。目が覚めると、図のように右手の斜線部分に感覚鈍麻を認めた。絞扼性損傷を受けた神経はどれか。
1: 腋窩神経
2: 筋皮神経
3: 尺骨神経
4: 正中神経
5: 橈骨神経
45歳の男性。半年前から左上肢遠位部の脱力、3か月前から左上肢の筋萎縮と右上肢の脱力、さらに最近歩行障害と構音障害を認めるようになり、神経内科で筋萎縮性側索硬化症と診断された。現時点で認められる可能性が高いのはどれか。
1: 褥 瘡
2: 振動覚低下
3: 眼球運動障害
4: 膀胱直腸障害
5: Hoffmann反射陽性
70歳の男性。3年前に右手の振戦によってParkinson病を発症し、在宅で治療を行っている。ADLは自立していたが、1か月前に風邪をひいてから歩く速さが遅くなり、歩行の際に一歩めが思うように前に出ず、歩き出してからも前方に転びそうになることが多いという。在宅での理学療法における歩行指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 両下肢に弾性包帯を装着する。
2: 足関節に重錘バンドを装着する。
3: 一歩目を小さく前に出すよう指導する。
4: 床にはしご状の目印を付けてまたがせる。
5: かけ声などをかけてもらいながら歩くよう指導する。
Duchenne型筋ジストロフィーのステージ5(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)に対する理学療法で優先度が高いのはどれか。
1: 座位保持練習
2: 体幹装具の使用
3: 徒手での咳嗽介助
4: 下肢の漸増抵抗運動
5: 椅子からの立ち上がり練習
筋萎縮性側索硬化症で生じにくい症状はどれか。
1: 舌萎縮
2: 構音障害
3: 上下肢麻痺
4: 眼球運動障害
5: 摂食嚥下障害
62歳の男性。Parkinson病。起立と歩行は可能であるが、歩行中の方向転換時には不安定となり転倒しそうになる。姿勢反射障害もみられる。独居で日常生活はほぼ自立しているが、通院には介助が必要である。この患者のHoehn & Yahrの重症度分類ステージはどれか。
1: Ⅰ
2: Ⅱ
3: Ⅲ
4: Ⅳ
5: Ⅴ
35歳の女性。橈骨遠位端骨折後に右上肢にCRPS〈複合性局所疼痛症候群〉を生じた。この患者にみられる所見に合致しないのはどれか。
1: 浮腫
2: 痛覚鈍麻
3: 発汗異常
4: アロディニア
5: 皮膚温の変化
46歳の男性。前日夜に冷たい風に当たり、翌朝目が覚めると右顔面の腫れぼったさを感じた。昼食時に食事が口からこぼれることに気が付き、近くの神経内科を受診した。開眼安静時の顔面の状態を図に示す。この患者で正常に保たれる運動はどれか。
1: 額にしわを寄せる。
2: 眉をひそめる。
3: まぶたを閉じる。
4: 奥歯を噛む。
5: 口唇を閉じ突き出す。
中枢神経障害の回復機序に関するアンマスキング〈unmasking〉の説明として適切なのはどれか。
1: 神経損傷で抑制シナプスが活動しなくなったために機能が発現する。
2: 脱神経のために受容体抗体ができ興奮性を高める。
3: 神経線維が脱神経領域に伸びてシナプス形成する。
4: 損傷部位より下位の組織が再編成されて機能する。
5: 軸索切断後、近位部から神経線維が再生する。
鵞足をつくるのはどれか。
1: 大腿二頭筋
2: 内側広筋
3: 半腱様筋
4: 腓腹筋
5: ヒラメ筋
Parkinson病で主にみられる徴候はどれか。2つ選べ。
1: 眼振
2: 突進現象
3: 動作時振戦
4: 歯車様固縮
5: ミオクローヌス
58歳の男性。歩行時のふらつきを訴えて受診した。歩隔はやや広いが左右方向は安定しており、前後方向への振り子様の歩容がみられる。検査結果を表に示す。協調運動改善のための理学療法として適切なのはどれか。
1: 自転車エルゴメーターによるペダリング運動
2: rhythmic stabilization
3: 下肢筋群の持続的伸張
4: Frenkel体操
5: Epley法
42歳の男性。Guillain-Barré症候群。発症後3日目。四肢体幹の重度な麻痺と呼吸筋麻痺のため人工呼吸器管理の状態である。この時期に行う理学療法で適切なのはどれか。
1: 体位排痰
2: 痙縮の抑制
3: 体幹の漸増抵抗運動
4: 上下肢の高負荷の筋力増強運動
5: 上下肢の過伸張を伴うストレッチ
37歳の女性。5年前に多発性硬化症と診断。発症当初は再発寛解型であったが、2年前に二次進行型に移行し右痙性片麻痺がある。2週前から右内反尖足位の痙縮が増悪し、MAS(modified Ashworth scale)で段階2である。右足の痙縮に対する治療で適切なのはどれか。
1: 赤外線療法
2: ホットパック
3: 電気刺激療法
4: アキレス腱延長術
5: 経頭蓋磁気刺激法
すくみ足現象がみられるParkinson病患者の歩行練習を理学療法士の近位見守り下で実施した。このときの練習法で適切でないのはどれか。
1: 横歩き
2: 階段昇降
3: スラローム歩行
4: 歩隔を狭めた歩行
5: メトロノームの音を活用した歩行
重症筋無力症で正しいのはどれか。
1: 脱髄性疾患である。
2: 午前中に症状が悪化する。
3: 複視を生じることは稀である。
4: 感染はクリーゼの誘発因子である。
5: 四肢遠位筋の筋力低下を生じやすい。
45歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から1年経過している。ADLは自立しているが、主に下肢の筋力低下、バランス不良および鶏歩が認められる。理学療法で適切なのはどれか。
1: 車椅子操作の練習
2: 下肢の漸増抵抗運動
3: 両松葉杖での歩行練習
4: 感覚再教育によるバランス練習
5: プラスチックAFOを装着した歩行練習
Parkinson病のHoehn&Yahrの重症度分類ステージで適切なのはどれか。
1: ステージⅠでは両側の機能障害がみられる。
2: ステージⅡでは姿勢反射障害がみられる。
3: ステージⅢでは機能障害の左右差が顕著となってくる。
4: ステージⅣでは日常生活に制限があり転倒しやすい。
5: ステージⅤでは日常生活に制限が大きいが手すり歩行は可能である。