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臨床工学技士国家試験
解説
大動脈弁狭窄症(AS)では、弁口狭小化により左室から大動脈への駆出が障害され、左室は圧負荷で肥大し、収縮期に左室圧と大動脈圧の間に有意な圧較差が生じる。聴診では右第2肋間胸骨右縁を最強点とする駆出性(漸増漸減型)収縮期雑音が典型で、頸動脈へ放散する。超音波ドプラでは弁口部に乱流と高速度ジェットを認め、簡易ベルヌーイ式($\Delta P \approx 4V^2$)で圧較差を推定できる。胸部X線はしばしば上行大動脈の狭窄後拡張(拡大)を示すため、「大動脈の狭小化」は誤りである。
選択肢別解説
誤り。ASでは狭窄部通過後のジェットにより上行大動脈の狭窄後拡張(拡大)がしばしば見られる。したがって「大動脈の狭小化を認める」は典型所見と反する。
正しい。ASの典型は右第2肋間胸骨右縁最強の駆出性収縮期雑音で、漸増漸減型で頸動脈へ放散する。
正しい。弁口狭窄による圧負荷で左室肥大(LVH)を呈し、心電図で高電位、左室肥大所見(しばしばST-T変化を伴う)を示す。
正しい。心エコードプラでは大動脈弁口で乱流・高速度ジェットを認める。連続波ドプラでピーク速度上昇、カラードプラでモザイクパターンが観察される。
正しい。駆出障害のため収縮期に左室圧が大動脈圧を上回る圧較差(左室収縮期内圧 > 大動脈収縮期血圧)が生じるため、記載どおり大動脈収縮期血圧は左室収縮期内圧より低い。
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解説
遠心ポンプは非閉塞性の回転流ポンプで、流量は回転数だけでなく回路抵抗や血液粘度などの後負荷に依存する。したがって同じ回転数でも後負荷が変われば流量は変動する。非閉塞性ゆえにポンプ停止や低回転、または患者側圧がポンプ発生圧を上回る条件では逆流が起こり得るため、運用上は逆流防止弁やクランプで安全対策を行う。ローラポンプに比べ、圧閉による強い機械的ストレスがないため血液損傷(溶血)は一般に軽度とされる。一方、空気を巻き込むと脱プライミング(de-prime)を起こして送血が低下・停止するため、空気混入が多い吸引回路用途には適さず、またチューブ圧閉度の調整は不要である。以上より、正しいのは3、4、5である。
選択肢別解説
誤り。遠心ポンプは空気混入に弱く、空気を吸引すると脱プライミング(de-prime)で送血が低下・停止する。吸引回路は気泡混入が避けられないため、通常はローラポンプが用いられ、遠心ポンプは適さない。
誤り。チューブ圧閉度の調節が必要なのはローラポンプである。遠心ポンプは非閉塞性で、チューブを圧閉して送液する機構ではないため圧閉度調整は不要。
正しい。遠心ポンプは非閉塞性で、ポンプ発生圧が患者側の後負荷より低い場合や低回転・停止時には血液が逆流し得る。実臨床では逆流防止弁やラインクランプで対策する。
正しい。遠心ポンプはローラポンプのような圧閉による強い機械的ストレスが少なく、一般に血液損傷(溶血)はローラポンプより軽度とされる。高回転・高せん断での過度運転は別だが、通常運用での比較では遠心ポンプが有利。
正しい。遠心ポンプは後負荷依存性の流量特性を示し、同じ回転数でも回路抵抗や末梢血管抵抗、血液粘度が変わると流量が変化する。後負荷増大で流量は低下する。
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解説
超音波画像計測では、組織間の音響インピーダンス差により反射が生じ画像化される。音響インピーダンスは $Z=\rho c$(密度と音速の積)で表され、一般に脂肪より実質臓器(例:肝臓)の方が大きい。高周波は体内での減衰が大きく到達深度が浅くなるため深部観察には不利で、深部にはより低い周波数を用いる。断層像(二次元画像)はBモードで得られ、Aモードはエコーの振幅を深さ方向に一次元表示する。ドプラ計測では、連続波ドプラは距離分解能がなく位置を特定した速度分布は得られない。一方、超音波造影ではマイクロバブル造影剤が広く用いられている。以上より、1と5が正しい。
選択肢別解説
正しい。音響インピーダンスは $Z=\rho c$ で、肝臓は脂肪より密度・音速ともに大きく、結果として音響インピーダンスも大きい。したがって脂肪—肝境界では反射が生じやすく、画像コントラストの源となる。
誤り。超音波の減衰は周波数に概ね比例して増大するため、高い周波数ほど到達深度が浅くなり深部観察には不向きである。深部臓器の観察には一般により低い周波数プローブを用いる。
誤り。Aモードは反射エコーの振幅を深さ方向に一次元で表示する方式で、断層像(二次元像)は得られない。断層像を得るのはBモードである。
誤り。連続波ドプラは送受信を連続して行うためレンジゲーティングができず、どの深さからの信号かを分離できない。したがって位置を特定した血流の速度分布は得られない(空間分解能なし)。
正しい。超音波造影剤としてマイクロバブル(微小気泡)が用いられる。強い散乱・非線形応答を示し、造影ハーモニック法などで肝腫瘍などの血流評価に用いられる。
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解説
パルスオキシメータは赤色光(約660 nm)と赤外光(約940 nm)の拍動成分の吸光度比から機能的酸素飽和度(SpO2=HbO2/(HbO2+HHb))を推定する。測定値は以下で影響を受ける。1) 吸光特性が干渉する因子:COHb などの異常ヘモグロビンや体内投与色素(インジゴカルミン等)は二波長法では識別できず、SpO2 を過大または過小評価する。COHb は O2Hb に近い吸光特性を示し、SpO2 が実際より高く表示されやすい。インジゴカルミンは赤色光を強く吸収して低値に出やすい。2) 酸素解離曲線の偏位:アシドーシス(pH低下)や体温上昇は右方偏位を起こし、同じ動脈酸素分圧(PaO2)でもヘモグロビン飽和度が低下するため、SpO2 も低くなる。3) 信号品質:末梢循環不全では拍動信号が弱く、低灌流や血管収縮で透過光の変動が乏しくなるため、測定の信頼性が低下する。以上より、体温上昇で低くなることと、末梢循環不全で信頼度が低下することが正しい。
選択肢別解説
誤り。一酸化炭素ヘモグロビン(COHb)は二波長パルスオキシメータではO2Hbと区別できず、赤色光付近での吸光がO2Hbに近いため、SpO2を実際より高く表示しうる。したがってCOHbの存在は測定値に影響する。
誤り。インジゴカルミンは赤色光域での吸収が強く、二波長法の吸光度比に干渉してSpO2を一過性に低く表示させる。よって『影響しない』は不正確。
誤り。アシドーシス(pH低下)は酸素解離曲線を右方偏位させ、同じPaO2でもHb酸素飽和度が低くなるため、SpO2も低下方向に影響する。『高くなる』は不適切。
正しい。体温上昇は酸素解離曲線の右方偏位を起こし、同じPaO2でもHb酸素飽和度が低くなるため、パルスオキシメータのSpO2は低く表示される。
正しい。末梢循環不全(低灌流、血管収縮、強い圧迫など)では拍動成分の検出が困難となり、信号対雑音比が低下して測定の信頼性が悪化する。
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解説
円管内の流れでは、層流は層が滑り合うように整然と流れ、速度分布は放物線状となる。ハーゲン・ポアズイユ(Poiseuille)則は、定常・非圧縮・ニュートン流体が円管内を層流で流れるときに成立し、例えば流量は $Q=\frac{\pi R^4}{8\mu}\frac{\Delta P}{L}$ と表せる。乱流では中心部が平坦化した分布となり、ポアズイユ則は適用できない。流れの様式を特徴づけるレイノルズ数は $Re=\frac{\rho U D}{\mu}$(代表長さ $D$ を管径とした例)で、慣性力と粘性力の比として定義される無次元数であり、粘性率 $\mu$ に反比例する。したがって、設問の正答は「レイノルズ数は無次元数である」である。
選択肢別解説
誤り。層流では流体要素が層を保って滑らかに流れ、流れは規則的で混合が少ない。一般に「流線が交差する」と表現されるような乱れは層流の特徴ではなく、乱流でみられる挙動である。
誤り。ハーゲン・ポアズイユの式は円管内の層流(定常・非圧縮・ニュートン流体)で成立し、乱流には適用できない。例えば $Q=\frac{\pi R^4}{8\mu}\frac{\Delta P}{L}$。乱流では経験式や損失係数を用いる。
誤り。放物線状の流速分布は層流(ポアズイユ流)の特徴である。乱流では管中心付近が平坦、壁近傍で急峻な分布となり、典型的には 1/7 乗則などで近似される。
誤り。レイノルズ数は $Re=\frac{\rho U D}{\mu}$ で表され、粘性率 $\mu$ に反比例する。粘性率が高くなるほど $Re$ は小さくなる。
正しい。レイノルズ数は慣性力と粘性力の比で定義され、単位を持たない無次元数である。
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解説
超音波は人が聴取できる可聴域(約20Hz〜20kHz)より高い周波数(20kHz超)の音波を指すため、2000Hzは可聴音であり超音波ではない。生体中の音速は媒質により大きく異なり、軟部組織(水に近い性質)で約1,540m/s、骨では約3,000〜4,000m/sと高い。音響インピーダンスは媒質の密度と音速の積で定義され $Z=\rho c$ と表される。異なるインピーダンスの境界では音波の一部が反射し、差が大きいほど反射が強くなる(正入射の反射係数は $R=\left(\frac{Z_2-Z_1}{Z_2+Z_1}\right)^2$)。骨は筋肉より密度・音速ともに大きいためインピーダンスも大きい。以上より、正しいのは3・4・5である。
選択肢別解説
誤り。超音波は一般に20kHz(20,000Hz)を超える周波数域を指す。2000Hz(2kHz)は可聴域内の音であり、超音波ではない。
誤り。約1,500m/sは水や生体軟部組織の代表値である。頭蓋骨(骨)は固体であり音速はおおむね3,000〜4,000m/sと軟部組織よりかなり速い。
正しい。音響インピーダンス $Z$ は媒質の密度 $\rho$ と音速 $c$ の積で定義され、$Z=\rho c$ で表される(単位:Pa·s/m=Rayl)。
正しい。音波は音響インピーダンスの異なる境界で一部が反射し一部が透過する。インピーダンス差が大きいほど反射率は高く、超音波画像はこの反射を利用する。
正しい。骨は筋肉に比べて密度も音速も大きいため、音響インピーダンスが大きい。代表値では筋肉が約1.6 MRayl、皮質骨は数倍(約5〜8 MRayl)とされる。
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解説
陽圧換気(特にPEEP付加)では胸腔内圧が上昇し、上大静脈や右心房への還流が抑制される。その結果、前負荷と心拍出量が低下し、血圧低下を招く。また腎血流が減少して尿量低下・腎機能低下をきたし、実効循環血液量の低下に対する代償として抗利尿ホルモン(ADH)が増加する。頭蓋内では、頸静脈還流が妨げられて脳静脈圧が上がり、頭蓋内圧(ICP)はむしろ上昇傾向となる。よって「頭蓋内圧低下」は誤りである。
選択肢別解説
誤り。陽圧換気は胸腔内圧上昇により頸静脈還流を妨げ、中心静脈圧上昇を介して頭蓋内静脈圧が上がるため、ICPは上昇しやすい。従って「頭蓋内圧低下」は不適切。なお過換気によるPaCO2低下は脳血管収縮でICPを一過性に下げ得るが、設問は陽圧換気そのものの影響を問うている。
正しい。胸腔内圧上昇により静脈還流が減少し前負荷が低下、心拍出量が低下して血圧は下がりやすい。特に高PEEPや循環血液量不足時に顕著。
正しい。陽圧換気は胸腔内圧を上げ、大静脈と右心房への圧勾配を減少させるため静脈還流は減少する。
正しい。心拍出量と腎灌流の低下、交感神経活性化・RAAS/ADH亢進などにより尿量減少と腎機能低下を来し得る。
正しい。実効循環血液量の低下と圧受容体刺激を介し、体液保持のためADH分泌が増加する。陽圧換気・PEEPではANP低下も加わり水・Na保持が進む。
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解説
血圧は概ね $\text{血圧}=\text{心拍出量}\times\text{全末梢血管抵抗}$ で規定される。尿中ナトリウム排泄が低下すると体内Na貯留が進み、浸透圧的に水が保持されて細胞外液量・循環血液量が増加し、前負荷上昇から心拍出量が増えるため血圧が上昇する。さらに尿細管でのNaCl供給低下は傍糸球体装置を介してレニン分泌を促進し、アンジオテンシンII・アルドステロンを介した血管収縮とNa・水再吸収促進を通じて血圧上昇に寄与する。一方、BMI低下、カテコラミン産生低下、アンジオテンシンII産生低下、血管壁/管腔径比の低下はいずれも心拍出量や末梢抵抗を低下させる方向に働き、血圧上昇の原因にはならない。
選択肢別解説
誤り。BMIが低下(体重減少)すると、循環血液量の減少、インスリン抵抗性や交感神経活性の改善、睡眠時無呼吸の改善などを通じて血圧は低下傾向となる。血圧上昇の原因とはならない。
正しい。尿中Na排泄の低下はNaと水の体内貯留をもたらし循環血液量を増加させ、心拍出量を高めて血圧を上昇させる。加えて、遠位尿細管でのNaCl低下はレニン分泌を促進し、アンジオテンシンIIによる血管収縮とアルドステロンによるNa・水再吸収促進で血圧上昇が強化される。
誤り。カテコラミン(ノルアドレナリン等)は心拍数・心収縮力増加と末梢血管収縮により血圧を上げる。産生低下はこれらの作用が弱まり、心拍出量と全末梢血管抵抗が低下するため血圧は上がりにくい。
誤り。アンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用とアルドステロン分泌促進作用により血圧を上げる。産生低下は末梢抵抗と体液量を低下させ、血圧上昇の原因にはならない。
誤り。血管壁/管腔径比の低下は、相対的に管腔が広く壁肥厚が少ない状態で、末梢抵抗は低下しやすい。血圧上昇に結びつくのは比の増大(壁肥厚・リモデリング)である。
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解説
血液は非ニュートン流体であり、せん断速度に依存して見かけ粘性率が変化する(せん断速度依存性:せん断薄化)。一般に温度が上がると分子運動が活発化し、赤血球膜や血漿の内部摩擦が低下して粘性率は下がる。せん断速度が上がると赤血球の連銭形成が解離し配向が進むうえ、赤血球が管中心へ移動して血管壁近傍に血漿層(セルフリー層)が形成され、見かけ粘性率は低下する。一方、ヘマトクリット値やタンパク質(特にフィブリノーゲン)濃度の上昇は血球量増加・連銭形成促進・血漿粘度上昇を通じて粘性率を上げる。電解質濃度が高い環境では浸透圧により赤血球が脱水・硬化して変形能が下がり、粘性率は上昇しやすい。
選択肢別解説
温度が上昇すると分子運動が活発化し、血漿の内部摩擦や赤血球膜の粘弾性抵抗が低下するため、血液の粘性率は低下する。したがって「粘性率が低下する」は正しい。
電解質濃度が上昇すると浸透圧が高まり赤血球から水が出て脱水・硬化し、赤血球の変形能が低下して流動抵抗は増えるため、粘性率は上昇しやすい。よって「低下する」は誤り。
タンパク質濃度(とくにフィブリノーゲン)の上昇は血漿粘度を高め、赤血球の連銭形成を促進して流動抵抗を増やすため、粘性率は上昇する。したがって「低下する」は誤り。
ヘマトクリット値の上昇は単位体積当たりの赤血球数増加を意味し、相互干渉と内部摩擦が増すため粘性率は上昇する。よって「低下する」は誤り。
血流のせん断速度が上昇すると、赤血球の連銭形成が解離し配向が進み、さらに中心軸へ集まることで血管壁付近に血漿層(セルフリー層)が形成されるため、見かけ粘性率は低下する(せん断薄化)。したがって正しい。
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解説
超音波はヒトの可聴上限である約20kHzを超える周波数の音波を指す。音速は媒質固有で、波の基本関係式は $v=\lambda f=\frac{\lambda}{T}$ であるため、「速度は波長と周期の積」は誤り。直進性(指向性・回折の少なさ)は波長が短いほど良く、開口径 $D$ の送受波器に対し回折角は概ね $\theta\approx1.22\,\frac{\lambda}{D}$ に比例するので、波長が長いほど直進性は悪くなる。生体軟部組織での超音波減衰は周波数にほぼ比例(係数 $\alpha\propto f$)し、周波数が高いほど減衰が大きい。伝搬に伴う振幅は $A(x)=A_0 e^{-\alpha x}$、強度は $I(x)=I_0 e^{-\mu x}$(定義によっては $\mu=2\alpha$)のように距離に対して指数関数的に減少する。以上より、1と5が正しい。
選択肢別解説
正しい。超音波はヒトの可聴域上限(約20kHz)を超える周波数の音波と定義される。したがって「振動が20kHz以上の音波である」は適切。
誤り。波の速度は $v=\lambda f=\frac{\lambda}{T}$ で表され、波長と周期の『積』ではなく、『商』(または波長と周波数の積)で与えられる。
誤り。直進性(指向性)は波長が短いほど良くなる。開口径 $D$ に対する回折角は概ね $\theta\approx1.22\,\frac{\lambda}{D}$ に比例し、波長が長いほど回折が大きくビームが広がり直進性は低下する。
誤り。生体組織中の減衰は周波数にほぼ比例し(減衰係数 $\alpha\propto f$)、周波数が高いほど減衰が大きい。よって「周波数が低くなると減衰が大きくなる」は逆。
正しい。伝搬に伴う減衰は吸収や散乱により生じ、振幅は $A(x)=A_0 e^{-\alpha x}$、強度は $I(x)=I_0 e^{-\mu x}$ のように距離に対して指数関数的に減少する。
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解説
誤りは「僧帽弁は三尖よりなる」。僧帽弁(左房室弁)は前尖と後尖の二尖から構成される。三尖弁は右房室弁であり右心房と右心室の間にある。その他の選択肢は、洞結節が右心房内(上大静脈開口部付近、クリスタ・ターミナリス近傍)に位置すること、左冠動脈主幹が通常2枝(前下行枝・回旋枝)に分岐すること(分岐変異はあるが典型は二分岐)、右総頸動脈が腕頭動脈から分岐すること、大動脈(動脈)壁が内膜・中膜・外膜の三層構造であること、のいずれも正しい内容である。
選択肢別解説
正しい。洞結節(洞房結節)は右心房内、上大静脈と右心房の接合部付近(高位右心房、クリスタ・ターミナリス上端近傍)に位置し、心臓の一次ペースメーカーとして自発興奮を発生する。「右心房の近傍」という表現は位置関係を簡略化したものだが、実際は右心房内に存在する。
正しい。左冠動脈主幹(LMT)は通常、左前下行枝(LAD)と回旋枝(LCx)の2枝に分岐する。第三の枝(中間枝:ramus intermedius)がみられる解剖学的変異もあるが、典型的には二分岐であり本記述は妥当である。
誤り。僧帽弁(左房室弁)は二尖弁で、前尖と後尖の二枚の弁尖からなる。三尖弁は右房室弁であり、右心房と右心室の間に存在する。
正しい。大動脈弓からは腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈が分岐し、腕頭動脈はさらに右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分かれる。従って右総頸動脈は腕頭動脈から分岐する。
正しい。大動脈を含む動脈壁は内膜・中膜・外膜の三層からなる。内膜は内皮細胞層と内弾性板、中膜は平滑筋と弾性線維に富み、外膜は結合組織(膠原線維・弾性線維)からなる。
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解説
人工心肺(CPB)では、低体温管理と希釈灌流が生体に特有の影響を与える。低体温では代謝率と酸素消費量が低下するため、必要な灌流量(至適灌流量)はむしろ減らせる方向となる。CPB中はストレスホルモンの上昇や低体温の影響で膵β細胞からのインスリン分泌が抑制されやすく、高血糖傾向を来す。希釈および低体温は酸素解離曲線を左方移動させ(酸素親和性増大)、一方で回路内のせん断応力や陰圧吸引・異物接触により溶血が生じ、血中遊離ヘモグロビンが増加する。さらに液体一般と同様に、体温低下は血液粘ちょう度を上昇させる。以上より、正しい選択肢は4と5である。
選択肢別解説
誤り。低体温では組織代謝と酸素消費量が低下するため、必要灌流量(至適灌流量)は増加ではなく低下方向に調整できる。体温を下げるほど多く流す必要はなく、むしろ過灌流を避ける。
誤り。CPBと低体温はストレスホルモン優位や膵分泌低下を介してインスリン分泌を抑制しやすく、血糖は上昇傾向となる。よって血中インスリン濃度が上昇するとは言えない。
誤り。体外循環に伴う血液希釈(プライミングによる急性希釈など)や低体温は、酸素解離曲線を左方へ移動させ酸素親和性を増大させる方向に働く(2,3-DPG低下や温度低下の影響など)。右方偏位とは逆。
正しい。人工心肺回路内でのポンプやチューブによるせん断、陰圧吸引、人工材料への接触などで溶血が生じ、血中遊離ヘモグロビンが増加する。溶血は腎機能障害や黄疸のリスクとなるため監視が重要。
正しい。液体の粘度は温度低下で上昇する性質があり、血液も同様に体温の低下で粘ちょう度が上昇する。CPBでは希釈により粘ちょう度を下げて血流維持を図ることがあるが、本設問の記述自体は正しい。
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