臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
パルスオキシメトリは、指先や耳朶などに装着したセンサで赤色光と赤外光の吸光度変化(拍動に伴う動脈血の交流成分)を検出し、動脈血酸素飽和度を推定してSpO2として表示する非侵襲的モニタである。動脈の拍動が十分に検出できることが前提であり、末梢循環不全や低体温、血圧低下などで拍動が微弱な場合は測定精度が低下し、モニタとして適さない。出力は飽和度(SpO2)であり、動脈血酸素分圧(PaO2)は血液ガス分析で測定される別概念である。センサ装着部位は拍動が得られる末梢(指、耳朶、足趾、額など)が適切で、胸部皮膚は一般に不適である。
選択肢別解説
誤り。パルスオキシメトリは非侵襲的測定であり、患者の血液採取は不要である。指や耳朶などにセンサを装着して光学的に推定する。
正しい。パルスオキシメータは拍動成分から動脈血ヘモグロビンの酸素飽和度を推定し、SpO2として表示する(SaO2の推定値)。
誤り。本法は動脈の拍動(交流成分)を利用するため、末梢拍動が微弱なときは信号が得にくく精度が低下し、モニタとして適さない。ショック・低体温・血管収縮時などで典型的に不安定となる。
誤り。パルスオキシメータの測定値はSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)で表す。PaO2は動脈血酸素分圧であり、血液ガス分析で測定される別の指標である。
誤り。センサ装着は拍動が得られる部位(指、耳朶、足趾、額など)が適切であり、胸部皮膚は一般に拍動が乏しく適さない。
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解説
$体外循環中の至適灌流量(灌流指数)は、生体の酸素消費量と温度に依存して設定する。一般的な成人では、常温(あるいは軽度低体温上限)ではおおむね2.2〜2.6 L/min/m^2程度、軽度〜中等度低体温ではこれより低めで十分となる。常温の方が代謝率 \cdot 酸素消費量が高いため、低体温時より灌流量を高めに設定するのが基本である。乳幼児は体表面積当たりの酸素消費量が高く、成人より高い灌流指数が必要となる。また至適灌流圧は、平均動脈圧で概ね60〜80 mmHgを目安に維持し、少なくとも50 mmHgを下回らないよう注意する。腎機能低下例など臓器灌流を重視すべき症例では、灌流量や灌流圧をやや高めに維持して臓器保護を図る。$
選択肢別解説
$不正解。正常生体の心拍出量指数は約3.0 L/min/m^2だが、体外循環中は酸素消費量に見合う流量を設定し、常温〜軽度低体温の成人では一般に2.2〜2.6 L/min/m^2程度で管理されることが多い。常に3.0 L/min/m^2を維持する必要がある、という言い方は過大で不適切。$
正解。体温が高いほど代謝率・酸素消費量が増えるため、常温体外循環では低体温時よりも灌流量を高めに設定して酸素供給を確保する。
不正解。腎機能低下例では腎灌流を確保する目的で、灌流量や灌流圧を通常よりやや高めに維持することが臓器保護の観点から推奨される。低めに設定するのは不適切。
不正解。乳幼児は体表面積当たりの酸素消費量が高く、必要な灌流指数は成人より大きい。したがって『成人の方が大きくなる』という記載は誤り。
不正解。体外循環中の至適灌流圧は平均動脈圧で概ね60〜80 mmHgが目安で、少なくとも50 mmHgを下回らないようにする。100 mmHgを下回らないことを必須とするのは高すぎる基準で一般的でない。特別な高リスク例を除き、過度な高圧は不要である。
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解説
体液量・浸透圧の調節は主にレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAAS)、バソプレッシン(抗利尿ホルモン, ADH)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が担う。レニンはアンジオテンシノーゲンを切断してアンギオテンシンIを産生し、最終的にアンギオテンシンII(Ang II)を増やす起点となる。Ang II は強力な細動脈収縮作用とアルドステロン分泌促進作用をもち、血圧と体液量を上げる方向に働く。アルドステロンは遠位尿細管・集合管主細胞でENaCとNa+/K+-ATPase発現を高め、Na+再吸収(とそれに伴う水の再吸収)を促進し、K+排泄を増やす。バソプレッシンは集合管のV2受容体を介してcAMP経路を活性化し、アクアポリン2の膜挿入を増やして水再吸収を促進する。ANPは輸入細動脈拡張・輸出細動脈収縮によりGFRを増加させ、集合管でのNa+再吸収を抑制し、さらにレニン・アルドステロン・ADHを抑えてナトリウム利尿・水利尿を促す。以上より、正しいのは3・4・5であり、1と2は生理作用と逆の記述である。
選択肢別解説
誤り。レニンは肝由来のアンジオテンシノーゲンを切断してアンギオテンシンIを産生させ、結果としてアンギオテンシンII生成を増やす方向に働く。したがって血中アンギオテンシンを減少させる作用ではない。
誤り。アンギオテンシンIIはAT1受容体を介して強力に細動脈を収縮させ、全末梢抵抗と血圧を上昇させる。拡張させる作用ではない。
正しい。アルドステロンは遠位尿細管・集合管主細胞でENaCおよびNa+/K+-ATPaseの発現を増やし、Na+再吸収を促進する(同時にK+排泄を促進)。Na+再吸収に伴って水も再吸収され、細胞外液量が増える。
正しい。バソプレッシン(ADH)は集合管V2受容体を介してcAMPを増加させ、アクアポリン2の挿入を促進することで水の再吸収を高め、尿量を減少させる。
正しい。心房性Na利尿ペプチド(ANP)はNa+再吸収を抑制しGFRを増やして利尿・ナトリウム利尿を促進するほか、レニン・アルドステロン・ADH分泌を抑える。結果として水の再吸収も抑制される。
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解説
本問で誤っているのは2と3である。経胸壁(体表)からの心臓超音波検査では、減衰を抑えて十分な到達深さを得るために通常2〜5MHz程度(小児や浅部で高め)を用い、35MHzのような高周波は深部観察には不適である。一方、距離(軸方向)分解能は超音波パルスの空間パルス長SPL(波数nと波長$\lambda$により $\text{SPL}=n\lambda$)で決まり、軸方向分解能は概ね $\delta_z\approx \text{SPL}/2$ で改善される。したがって周波数を上げる($\lambda$を短くする)・パルス波数を減らすことが本質であり、振動子の数に比例するわけではない。Bモードは反射強度を輝度に写像して2次元表示する正しい記述で、一般的な探触子の振動子は圧電効果により送受信兼用である。カラードプラ法は平均流速と乱れを高速に推定する必要から自己相関法(Kasai法)を用いる。
選択肢別解説
正しい。Bモード(Brightness mode)は各走査線上の反射エコー強度(振幅)を輝度に対応づけ、走査位置と組み合わせて2次元画像化する。組織境界や散乱体からの反射が強いほど明るく表示される。
誤り。体表(経胸壁)からの心臓超音波検査では通常2〜5MHz程度(状況により〜7MHz)の周波数が用いられる。35MHzは減衰が大きく深部(心臓)には到達しにくいため不適で、むしろ眼科や血管内超音波など浅部・近接用途で用いられる帯域である。
誤り。距離(軸方向)分解能は空間パルス長SPLで決まり、$\text{SPL}=n\lambda$(nはパルス中のサイクル数、$\lambda$は波長)で表され、軸方向分解能は概ね $\delta_z\approx \text{SPL}/2$。したがって高周波化($\lambda$短縮)やパルス短縮(n減少)が有効であり、振動子(アレイ要素)の数に比例して決まるものではない。要素数は主に横方向(方位)分解能やビーム制御に寄与するが、比例関係を述べるのは不適切。
正しい。圧電素子は電気エネルギーと音響エネルギーを相互変換できるため、同一振動子が送受信兼用として機能する(パルス送受)。連続波ドプラでは送受用を分けた構成もあるが、本記述は一般的な診断用探触子として正しい。
正しい。カラードプラ法(カラー・フローマッピング)では、各画素の周波数シフトの平均値や分散を高速に推定するため自己相関法が用いられる。スペクトル表示(連続波/パルスドプラ)の速度分布解析にはFFT法が用いられるのが一般的である。
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解説
ECMOは大別して静脈-動脈(V-A)と静脈-静脈(V-V)があり、V-Aは循環補助(心拍出や血圧の維持)を目的に用い、V-Vは主にガス交換補助(呼吸補助)を目的に用いる。V-A ECMOでは大腿動脈などへ逆行性に送血するため、流量を上げるほど大動脈圧が上がり左心室の後負荷はむしろ増加し得る。V-V ECMOでは送血血が近接する脱血側へ回り込む「再循環(recirculation)」が生じ得るため、カニュラ位置や流量設定に注意する。PCPS(経皮的心肺補助)は遠心ポンプ+膜型人工肺を用いたV-A ECMOと同様の回路構成で迅速導入を目的とした用法であり、回路構成の観点では同一とみなされる。
選択肢別解説
誤り。現在の臨床で主流なのは動脈-静脈(A-V)方式ではなく、静脈-動脈(V-A)と静脈-静脈(V-V)の2方式で、適応により使い分ける。A-V ECMO(動脈から静脈への拍動を利用した補助)は一般的ではない。
誤り。高度な心機能低下では循環補助が必要であり、静脈-動脈(V-A)ECMOを選択する。V-V ECMOはガス交換(呼吸)補助で、血行動態の補助はできない。
誤り。V-A ECMOは逆行性送血により大動脈圧が上昇し、流量が増えるほど自己左室の駆出に対する抵抗が増して左心室後負荷は増加し得る。左室拡張や肺うっ血のリスクにも注意が必要。
正しい。V-V ECMOでは送血・脱血が静脈系内で近接すると、送血血が十分に体循環へ行く前に再度脱血される再循環が生じ得る。カニュラ位置や回路流量・患者血流状態の最適化で低減する。
正しい。PCPS(経皮的心肺補助)は遠心ポンプと膜型人工肺で構成され、大腿静脈脱血・大腿動脈送血などのV-A ECMOと同一の回路構成である(運用目的や導入形態の違いはあるが、回路構成は同じ)。
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解説
人工心肺回路では、体外循環中の回路内血液量(貯血槽レベル)を安定させるために、送血流量は脱血(静脈還流)に術野吸引血の戻りを加えた総流入量に整合させるのが基本である。落差脱血の落差は一般に50〜60cm程度が目安で、過大な落差は陰圧過大や血管・カニューレの虚脱、溶血を招く。脱血不良時はカニューレ位置・屈曲・陰圧条件・充満(ボリューム)など原因評価と是正が優先で、利尿剤投与は低容量を悪化させるため不適切。大動脈解離が疑われた場合は送血圧・流量をむしろ抑制し、送血中止や送血部位変更の検討が必要である。したがって、吸引戻りが多い場合に送血流量を(脱血量よりも)増やして総流入に合わせるという選択肢が正しい。
選択肢別解説
誤り。落差脱血で必要な落差は通常50〜60cm程度が目安であり、「少なくとも1m以上」は過大で、過度の陰圧により静脈・カニューレの虚脱や溶血、脱血不安定化のリスクが高まる。
正しい。術野吸引(サクション)からの戻りが増えると、貯血槽への流入は「脱血量+吸引戻り量」となる。貯血槽レベルを維持するには送血流量をこの総流入量に合わせて増やす(短時間の調整)。必要に応じて吸引の適正化や無駄な吸引の削減も併せて行う。
誤り。「できるだけ深くする」と一律に深く挿入するのは不適切。深くし過ぎると心房壁やSVC/IVC壁への吸着、開口部の閉塞を招き脱血不良を悪化させる。適切なのは原因に応じた再位置決め(浅く/深く/角度調整)、屈曲の是正、落差・陰圧条件の調整、カニューレ径の再検討などである。
誤り。脱血不良の背景に循環血液量不足がある場合、利尿剤はさらにボリュームを減らし脱血を悪化させる。まずは輸液による充満改善、カニューレ位置・屈曲の確認、落差やVAVDの最適化、送血流量の調整(還流に合わせて低減)などを行う。
誤り。大動脈解離を認めた場合に送血流量を上げると、送血圧上昇により解離の進展や偽腔灌流の増悪を招く。適切なのは送血を一時的に停止または流量を低下させて血圧をコントロールし、真腔送血の確認や送血部位(腋窩・大腿など)の変更を検討することである。
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解説
本問は心電図所見、心周期、心機能指標の基本事項を問う。P波は心房の脱分極、心室の興奮はQRS波で表される。PQ(PR)間隔はP波開始からQRS開始までの房室伝導時間であり、心室筋の興奮そのものではない。心室が収縮を開始すると逆流防止のため房室弁(右:三尖弁、左:僧帽弁)は閉鎖する。駆出率EFは心機能の代表的指標で、$EF = \\frac{SV}{EDV} \\times 100\\%$($SV = EDV - ESV$)で求める。第2心音は大動脈弁・肺動脈弁(半月弁)の閉鎖音であり、房室弁の閉鎖音は第1心音である。従って正しいのは3と4。
選択肢別解説
誤り。P波は心房の脱分極(心房の興奮)を表す。心室筋の興奮はQRS波で示される。
誤り。PQ(PR)間隔はP波開始からQRS開始までの房室伝導時間(心房→房室結節→ヒス‐プルキンエ系)を表す。心室筋の興奮そのものはQRS波に相当する。
正しい。右心室が収縮(等容収縮期の開始)すると、心房への逆流を防ぐため三尖弁(房室弁)が閉鎖する。
正しい。駆出率EFは$EF = \\frac{SV}{EDV} \\times 100\\%$で定義される(SVは一回拍出量、EDVは拡張末期容積)。
誤り。第2心音は大動脈弁・肺動脈弁(半月弁)の閉鎖音。房室弁(僧帽弁・三尖弁)の閉鎖音は第1心音に相当する。
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解説
パルスオキシメータは、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンで赤色光(約660 nm)と赤外光(約940 nm)の吸光特性が異なることを利用し、経皮的に動脈血酸素飽和度(SpO2)を推定する装置である。測定では指先などを透過する光のうち、心拍に同期して変動する動脈血由来の脈動(AC)成分を抽出して計算し、静脈血や組織による定常(DC)成分の影響を相対化する。換気量(分時換気量・一回換気量)の監視は本来スパイロメトリやカプノグラフィで行うため、パルスオキシメータは不適である。センサ装着部位の厚みなどはDC成分に含まれ、比の演算で相殺されるため個別の厚み校正は不要である。一方、COHbやMetHbなどの異常ヘモグロビンは2波長式パルスオキシメータの前提を崩し、SpO2の過大・過小評価(例:COHbで過大、MetHbで約85%付近への収斂)を招く。
選択肢別解説
正しい。通常は赤色光(約660 nm)と赤外光(約940 nm)の2波長で吸光度を測定し、HbO2とHHbのモル吸光係数の差を利用してSpO2を推定する。
正しい。光電脈波(フォトプレチスモグラム)の脈動(AC)成分を用いて動脈血のみの情報を抽出し、静脈血や組織の影響(DC成分)を相対化して除去する。
誤り。パルスオキシメータは酸素化(SpO2)の指標であり、換気量(VTやVE)のモニタではない。換気の量的評価はスパイロメータや呼吸回路のフローメータ、カプノグラフィ等で行う。SpO2は補助酸素下では低換気でも正常値を示し得るため換気量指標として不適。
誤り。指の厚みや組織の光路長はDC成分として扱われ、比(ratio-of-ratios)の演算で影響が相殺されるため、装着部位の厚みに関する個別校正は不要である。重要なのは適切な装着と動揺・外光の遮断である。
正しい。COHbやMetHbなどの異常ヘモグロビンは2波長での前提と異なる吸光特性を示し、SpO2に系統誤差を生じる(例:COHbで過大評価、MetHbで約85%付近に偏る)。多波長式のパルスCO-オキシメトリは影響を評価可能だが、標準的2波長式は影響を受ける。
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解説
X線画像計測は、物質中を通過するX線の強度減衰を測り、減衰度合い(線減弱係数 $\mu$)の空間分布を画像化する。減衰はビール・ランバートの法則に従い、$I=I_0 \\exp(-\\int \\mu(x)\\,dx)$で表される。CTでは物質ごとの相対的な減弱をHUで定義し、$HU=1000 \\frac{\\mu-\\mu_{water}}{\\mu_{water}-\\mu_{air}}$(実用上は \\mu_{air}\\approx0 なので $HU\\approx1000 \\frac{\\mu-\\mu_{water}}{\\mu_{water}}$)を用いる。骨は水よりも強くX線を減弱するため一般にHUは正の高値(しばしば+1000 HU前後)となり、\\mu_{bone}は水の約2倍程度以上である。よって「骨のエックス線吸収係数は水の約0.5倍」は逆の関係を述べており誤り。一方、造影剤(ヨード系など)は光電効果を強めて血管を描出し、空気の減弱はきわめて小さく(ほぼゼロとみなせる)、被写体の体動はモーションアーチファクトを生じるため、これらは正しい記述である。
選択肢別解説
正しい。X線は物質中で指数関数的に減弱し、透過後の線量(強度)を検出器で計測して画像化する。投影像(単純X線)でも、投影データを再構成するCTでも、この透過線量の計測が基盤である。
正しい。ヨード系などのX線不透過性造影剤は原子番号が高く、診断エネルギー域で光電効果が増大するため減弱が増し、血管腔のコントラストが上がって血管が描出される。
誤り。骨の線減弱係数は水より大きく、典型的には水の約2倍程度以上である。CT値でも水は0 HU、骨は概ね+1000 HU前後となるため、水の0.5倍という記述は関係を取り違えている。比は管電圧や骨の組成で変動するが、少なくとも0.5倍ではない。
正しい。空気の線減弱係数は診断エネルギー域で極めて小さく、実用上ほぼゼロとみなされる(CTスケールでは空気は約-1000 HU)。
正しい。撮影中の被写体(患者)体動はモーションアーチファクトを生じ、ぼけや重なり像などの画質低下を招く。
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