臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
喀痰吸引は侵襲を伴う医行為であり、原則は医師が行うが、平成22年厚生労働省通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」により、所定の研修を修了し、医師の指示の下であれば臨床工学技士・作業療法士・言語聴覚士(ほか一部職種)にも実施が認められている。一方、臨床検査技師と薬剤師は同通知の対象職種に含まれておらず、業務として喀痰吸引を行うことは認められていない。したがって、認められていないのは臨床検査技師(3)と薬剤師(4)である。
選択肢別解説
臨床工学技士は、人工呼吸器管理など呼吸療法の場面で、所定の教育・研修を受け、医師の指示の下で喀痰吸引の実施が認められている。よって「認められていない」という設問条件には該当しない。
作業療法士は、摂食・嚥下や食事動作訓練の場面などで、所定の研修を修了し、医師の指示の下で喀痰吸引を行うことが認められている。したがって本設問の該当ではない。
臨床検査技師は、平成22年厚労省のチーム医療通知における喀痰吸引を実施可能な対象職種に含まれていない。職責も主として検体検査・生理検査であり、喀痰吸引は業務として認められていないため、設問の該当(正解)である。
薬剤師は、同通知における喀痰吸引実施の対象職種に含まれていない。薬学的管理・調剤・服薬指導等が主たる業務であり、喀痰吸引は業務として認められていないため、設問の該当(正解)である。
言語聴覚士は、嚥下訓練等の場面で、所定の研修を受け、医師の指示の下で喀痰吸引が認められている。従って本設問の「認められていない」には当たらない。
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解説
人工肺のガス交換不良(酸素化不良・脱炭酸不良)の初期点検では、まずガス供給系(酸素源・ブレンダ・配管)の断続や設定不良、スウィープガス流量不足を確認し、次に人工肺本体の異常(破損、血漿漏出、目詰まり)を評価するのが基本である。これらはガス側拡散や膜面機能に直接影響し、ガス交換効率低下の主要因となる。一方、貯血槽の液面レベルは回路の血液側管理(脱血の安定、送血ポンプの空気混入防止)に関わる項目で、ガス交換機能そのもののトラブルシュートの直接項目とはいえないため、本設問における点検項目としては不適切である(誤り)。
選択肢別解説
適切。酸素供給ラインの抜け・閉塞・誤接続はスウィープガスが人工肺へ届かず、酸素化低下やCO2排出低下を招く。ガス交換不良時は最初に接続状況と供給源の圧・開閉状態を点検する。
適切。供給酸素流量(スウィープガス流量)が不足するとCO2除去が低下し、場合によっては酸素化も制限される。ガス交換トラブル時の基本点検項目であり、流量計の指示値と実流量を確認する。
適切。人工肺の破損(筐体クラック、接続部の破綻、膜不良)は血液・ガスのリークやガス交換性能低下の原因となる。外観、結露・泡の異常、圧力差の変化などで評価し、疑わしければ交換を検討する。
適切。ガス側への血漿漏出(プラズマリーク)は膜面が濡れて拡散抵抗が増大し、酸素化・脱炭酸の双方が低下する重要な異常である。ガス出口側の湿潤・泡立ちや圧力上昇で示唆されるため、点検必須である。
不適切(設問の誤り)。貯血槽の液面レベルは脱血の安定化や送血ポンプの空打ち・空気混入防止のために監視すべき血液側管理項目であり、人工肺のガス交換機能の直接的トラブルシュート項目ではない。極端な低液面が回路血流を低下させて二次的に酸素化不良を招く可能性はあるが、ガス交換不良時にまず点検すべきはガス供給系と人工肺自体であるため、本問の文脈では誤りに該当する。
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解説
誤りの組合せは「心臓ペースメーカ — 熱傷」。ペースメーカの出力はパルス電圧が数V、電流が数mA、パルス幅が数百µs〜1ms程度で、1拍あたりのエネルギーは極めて小さく、組織に臨床的な熱傷を生じさせる水準ではない。これに対し、超音波凝固切開装置では先端周囲でキャビテーションが生じ得る、電気メスは高周波電流による電磁障害を引き起こし得る、人工呼吸器は過大な圧や容量により圧損傷(気胸など)を来し得る、高気圧治療装置は減圧を急ぐと減圧症を誘発し得る、いずれも妥当なリスクである。
選択肢別解説
超音波凝固切開装置は数十kHzの機械振動で組織を凝固・切開する。高い音響エネルギーが液体中で作用すると先端周囲でキャビテーション(気泡の生成・崩壊)が生じ、組織損傷や微小出血の一因となり得るため、組合せは適切。
電気メスは数百kHz〜数MHzの高周波電流を用い、機器・配線・空間結合を通じて電磁ノイズを発生させる。心電図モニタの飽和やアラーム誤作動、植込み機器の誤作動など電磁障害の原因となるため、組合せは適切。
人工呼吸器で過大な一回換気量や高い気道内圧、低い呼気終末陽圧管理不良などは肺胞の過伸展を招き、気胸や縦隔気腫などの圧損傷(バロトラウマ)を起こし得る。したがって組合せは適切。
心臓ペースメーカの刺激出力はパルス電圧がおおむね1〜10V、電流が数mA、パルス幅が約0.2〜1ms程度で、1拍あたりのエネルギーはごく小さい。通常の作動で組織の熱傷を生じることは想定されないため、「熱傷」との組合せは不適切(本問の誤り)。なお電気メスやMRIなど外部エネルギー併用時にリード先端の加熱が問題となるのは別の事象である。
高気圧治療装置は加圧・減圧を管理するが、減圧を急ぐと体内で気泡が発生し減圧症を誘発し得る。適切なプロトコルでは緩徐な減圧を行う必要があり、減圧症は管理不良時の代表的リスクである。組合せは適切。
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解説
血液透析の安全確保のため,透析装置は連続センサで“常時監視”できる項目を多数備える。代表例は,静脈側の気泡検出(超音波式など),透析液圧(透析液回路の圧力センサ),排液側の漏血検出(発光・受光による吸光度監視)で,いずれもリアルタイムに監視し,異常時は即時アラーム・ポンプ停止などの安全動作が作動する。一方,血漿浸透圧は検体測定(氷点降下法等)や計算値であり連続監視の対象ではない。透析液エンドトキシン濃度もLAL法等の検査で定期的に評価するもので,装置の標準機能として連続測定は行わない。したがって,常時監視すべきは「気泡混入」「透析液圧」「漏血」である。
選択肢別解説
正しい。静脈側エアトラップ下流に超音波式などの気泡検出器を配置し,血液回路内の気泡を連続監視する。気泡混入は空気塞栓の危険があるため,常時監視項目であり,検出時は自動的に血液ポンプ停止・クランプ作動などの安全機構が働く。
不適切。血漿浸透圧は氷点降下法などの検体測定や電解質からの推算で評価する指標であり,透析装置に搭載された連続センサで常時監視する項目ではない。リアルタイムの装置アラーム監視の対象外。
不適切。透析液エンドトキシン濃度はLAL法などの検査で定期的に評価する管理項目で,装置標準機能としての連続モニタは一般的でない。よって“常時監視”には該当しない。
正しい。透析液圧(ダイアライザ入口・出口や排液側の圧力)は圧力センサで連続測定され,流路閉塞やフィルタ目詰まりの兆候把握,TMP算出などに用いられる。異常時はアラーム・自動停止の対象で,常時監視項目である。
正しい。ダイアライザ排液側に漏血検出器(発光ダイオードと受光素子による吸光度測定)があり,排液中ヘモグロビンを連続監視する。膜破損による血液漏れの早期検出のため,常時監視項目である。
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解説
問われているのは「医療機器と有害事象の組合せ」で不適切なもの。キャビテーションは超音波の負圧場で気泡が発生・崩壊する現象で、超音波診断装置や超音波治療装置で問題となる。一方、マイクロ波加温装置は2.45 GHz などの電磁波の熱作用で組織を加温するため、機序上キャビテーションとは結び付かない。マイクロ波加温装置の主な有害事象は過加温や熱傷であり、よって「マイクロ波加温装置—キャビテーション」は不適切(正答)。他の組合せは、いずれも実際に起こりうる有害事象で適切。熱希釈式心拍出量計は肺動脈カテーテル操作に伴う不整脈、経皮的酸素分圧モニタはセンサ加温による皮膚障害(紅斑・水疱・熱傷)、電気メスは高周波電流の熱作用に伴う熱傷、レーザメスは波長依存の眼傷害が代表的である。
選択肢別解説
不適切。キャビテーションは超音波の音響作用による気泡生成・崩壊現象で、マイクロ波加温装置(電磁波による熱作用)では生じない。マイクロ波加温装置の代表的な有害事象は過加温や熱傷、ホットスポット形成などである。
適切。熱希釈式心拍出量計では肺動脈カテーテル(Swan-Ganz カテーテル)を右心系へ進める際、心内膜刺激で期外収縮や房室ブロック、心室性不整脈が出現しうる。挿入時の心電図監視と適切な操作で予防する。
適切。経皮的酸素分圧モニタ(TcPO2)は測定部位の血流・拡散を高めるため約43~45℃に加温する。長時間装着や体温感受性の高い患者では紅斑、びらん、水疱、稀に熱傷などの皮膚障害が起こりうる。
適切。電気メスは高周波電流の熱作用で切開・凝固を行うため、対極板の接触不良、電流密度の集中、代替アースや容量結合などにより熱傷が発生しうる。対極板貼付と機器接続の適正化が予防に重要。
適切。レーザメスは波長特異的に角膜・網膜へエネルギーが集光し、保護不備で眼傷害(角膜障害や網膜損傷)を生じうる。波長に適合した遮光ゴーグルの着用とビーム管理が必須。
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