臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
医療過誤は、医療機関・医療従事者が通常求められる注意義務を怠った過失によって患者に損害を与えることを指すため、医療機関・医療従事者の過失に起因するという整理は正しい。臨床工学技士も医療専門職として注意義務違反があれば、民事(不法行為・債務不履行)、刑事(業務上過失致死傷等)、職業倫理上の責任を問われ得る。製造物責任(PL)は製造物の「欠陥」によって損害が生じた場合に製造業者等が負う無過失責任であり、ユーザーの不適切な使用そのものは直ちにPLの対象とはならない。欠陥の有無にかかわらずPLが生じるわけではない点にも注意する。リスクマネジメントは医療事故の未然防止と、発生時の被害最小化を目的とする組織的取り組みである。
選択肢別解説
正しい。医療過誤は医療機関・医療従事者の注意義務違反(過失)により患者に損害が生じた場合をいう。標準的医療水準からの逸脱や確認不足、手順違反などが典型であり、この定義は妥当である。
誤り。臨床工学技士も医療専門職として独自の注意義務を負い、設定ミス、点検不備、監視義務懈怠などの過失があれば過誤責任を問われ得る。民事(不法行為・債務不履行)、刑事(業務上過失致死傷等)、勤務先の使用者責任と併存することもある。
誤り。製造物責任(PL)は製造物の「欠陥」が原因で損害が生じた場合に適用される(設計・製造・警告表示上の欠陥など)。医療機器の不適切な使用(ユーザーの誤使用)による被害は原則としてPLではなく医療側の過失の問題である。なお、誤使用であっても警告表示の不備など欠陥が認められる場合に限りPLが問題となり得るが、本肢の断定は不適切。
誤り。PLは「欠陥」の存在が要件であり、欠陥の有無にかかわらず健康被害が出たというだけではPL責任は生じない。欠陥が否定されればPLの適用はない。
正しい。リスクマネジメントは医療事故を未然に防止し、発生時の被害・損失を最小化することを目的とする組織的・継続的な管理活動である。インシデント報告、原因分析、手順整備、教育訓練などが具体策となる。
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解説
人工心肺装置の付属回路とその主機能の組合せを問う問題。冠灌流回路は心筋保護液(カルジオプレジア)を冠動脈(順行)または冠静脈洞(逆行)から注入する回路であり、心内圧の低減はベント回路の役割である。ベント回路は左室や左房、肺静脈などから血液や空気を吸引し、心内圧を下げて心室の過伸展や術中のエア混入を防ぐ。血液濃縮器は限外濾過により余剰水分や低分子溶質を除去して体液バランス・ヘマトクリットを調整する。動脈フィルターは微小気泡や微小異物を捕捉して動脈系への塞栓を予防する。血液吸引回路(サクション回路)は術野の貯留血を回収し、貯血槽に戻す。よって誤りの組合せは1(冠灌流回路—心内圧の低減)と5(ベント回路—心筋保護液の注入)である。
選択肢別解説
誤り。冠灌流回路は心筋保護液を冠循環へ注入するための回路であり、心内圧の低減は目的ではない。心内圧の低減はベント回路が果たす機能で、心腔から血液や空気を吸引して減圧・減容する。
正しい組合せ。血液濃縮器(ヘモコン)は限外濾過により余剰水分を排出し、体外循環中の体液バランスやヘマトクリットを調整する。
正しい組合せ。動脈フィルターは回路内で発生した微小気泡や微粒子を捕捉し、体循環への塞栓を防止する。
正しい組合せ。血液吸引回路(サクション回路)は術野に貯留した血液を吸引・回収し、貯血槽を経て回路に戻す。
誤り。ベント回路は左室・左房・肺静脈などから血液や空気を吸引して心内圧を低減し、心室過伸展や空気塞栓を防ぐために用いる。心筋保護液の注入は冠灌流回路の機能である。
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解説
医療法および関連通知で、病院・診療所・助産所は「医療機器安全管理のための体制」を確保するため、医療機器安全管理責任者を配置することが求められている。責任者に充てられる職種は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師(助産師を含む)、歯科衛生士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士に限定される。したがって選択肢中では、薬剤師・診療放射線技師・看護師が該当し、救急救命士と理学療法士は該当しない。
選択肢別解説
救急救命士は医療法等で規定された医療機器安全管理責任者の対象職種に含まれないため、不適切である。
薬剤師は医療機器安全管理責任者に充てられる職種として規定されているため、適切である。
診療放射線技師は対象職種として規定されており、画像診断装置等を含む医療機器の安全管理に関与し得るため、適切である。
看護師(助産師を含む)は対象職種として規定されているため、適切である。
理学療法士は規定される対象職種に含まれないため、不適切である。
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