臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
生理学的検査は、生体の機能や活動(電気活動、血流、換気・ガス交換、臓器の動きなど)を電気的・物理的手法で非侵襲的または低侵襲的に評価する検査群で、臨床では生理機能検査としてまとめられる。一方、病理検査は採取した臓器・組織・細胞を顕微鏡等で形態学的に解析する検査で、機能よりも構造の異常を同定する。選択肢のうち、筋電図・脳波・経皮的血液ガス分圧は電気活動やガス交換機能の指標を捉える生理学的検査であり、超音波検査も心機能や血流(ドプラ)など機能評価に用いられるため生理学的検査に含まれる。したがって、生理学的検査ではないのは病理検査である。
選択肢別解説
筋電図検査は神経・筋の電気的活動(活動電位や誘発電位)を電極で記録し、機能的異常の有無を評価する生理学的検査である。したがって「生理学的検査でない」には該当しない。
超音波検査は反射波やドプラ効果を用いて臓器の形態だけでなく心筋収縮、弁運動、血流速度・方向など機能情報をリアルタイムに得る。臨床では生理機能検査として扱われるため、生理学的検査に含まれる。
脳波検査は大脳皮質の同期的な電気活動を頭皮上電極で記録し、てんかんなどの機能的異常を評価する生理学的検査である。よって生理学的検査に該当する。
病理検査は生検や手術で得た標本を固定・染色し、顕微鏡等で形態学的変化(細胞・組織構造)を解析する検査で、分類上は形態学的検査に属する。生理学的検査ではないため本設問の該当肢。
経皮的血液ガス分圧検査は加温電極を皮膚に装着して酸素分圧(tcPO2)や二酸化炭素分圧(tcPCO2)を連続測定し、ガス交換・換気の機能評価に用いる生理学的検査である。したがって「生理学的検査でない」には当たらない。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
薬機法のリスク分類では、人体への影響の大きさに応じて一般(Class I)、管理(Class II)、高度管理(Class III/IV)に区分する。生命維持・機能代替に直接関与し、故障・誤作動が重篤な健康被害や死亡に直結しうる機器は高度管理医療機器に該当する。輸液ポンプ、除細動器、人工呼吸器はいずれも生命維持・救命に直結し、過量投与・停止、出力不良、換気停止などの不具合が重大な結果を招くため高度管理に分類される。一方、MR装置やX線CT装置は診断目的の画像装置であり、適切な管理を要するものの、機能障害が直ちに生命維持機能の喪失に直結する類の機器ではないため、一般に管理医療機器に分類される。
選択肢別解説
輸液ポンプは体内に液体・薬剤を連続投与する生命維持・治療機器であり、誤作動(過量投与・停止等)が重篤な有害事象につながるため、高度管理医療機器に分類される。したがって正しい。
除細動器は致死的不整脈に対し心臓に電気ショックを与える救命機器で、出力不良や作動不能は死亡につながりうる。リスクが極めて高く、高度管理医療機器に分類される。したがって正しい。
人工呼吸器は自発呼吸不全時に換気を代行・補助する生命維持装置であり、停止や設定誤りが低酸素血症など致命的転帰を招きうるため、高度管理医療機器に分類される。したがって正しい。
MR装置(MRI装置)は強磁場・RFを用いる診断装置で、適切な管理は必要だが、機能障害が直ちに生命維持の喪失に直結するタイプの機器ではないため、一般に管理医療機器に分類される。よって高度管理医療機器ではない。
X線CT装置は電離放射線を用いる診断装置で、リスク管理は必要だが生命維持・機能代替機器ではなく、一般に管理医療機器に分類される。よって高度管理医療機器ではない。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
医療機器の電気的安全測定では、規格(JIS T 0601-1[IEC 60601-1]等)に基づく測定方法・性能要件に従う。保護接地線抵抗は規定の大電流(代表的には25 Aまたは定格電流の1.5倍)を通電して測定し、許容値はおおむね0.1 $\Omega$ 以下である。クランプメータによる電流測定は往復電流が相殺されないよう電源導線の片側1本のみを挟む。漏れ電流測定用の指示計は実効値表示かつ精度5%以内などの性能が求められる。等電位接地(EPR)では、人体代表抵抗1 k$\Omega$と心室細動誘発電流10 $\mu$Aを用いて許容電位差を10 mV以下に設定する(10 $\mu$A × 1 k$\Omega$ = 10 mV)。CF形装着部の患者漏れ電流Iの測定は、各患者リードを個別に、さらに全体として測るが、全リードを1点にまとめる手順は患者漏れ電流IIで用いる。
選択肢別解説
誤り。アナログテスタの導通・抵抗レンジは微小電流での簡易確認であり、保護接地線抵抗の規格測定にはならない。保護接地線抵抗は規定の大電流(例:25 Aまたは定格の1.5倍)を5~10秒程度通電して測定し、許容値は概ね0.1 $\Omega$ 以下とされる。したがってテスタ表示をそのまま接地線抵抗値とみなすことはできない。
誤り。クランプメータは導体を流れる電流による磁界を検出するため、往復の電流が打ち消し合う2本(行きと戻り)を同時に挟むと指示はゼロ付近になる。消費電流を測るときは電源導線の片側1本のみを挟んで測定する。
誤り。漏れ電流測定に用いる指示計(電圧計・メータ)は、実効値表示・適切な周波数特性に加え、精度は5%以内が求められる。10%以内では規格要求を満たさない。
正しい。等電位接地(EPR)では、患者に流れ得る電流を心室細動誘発閾値の10 $\mu$A以下に抑える設計とし、人体代表抵抗1 k$\Omega$を掛けた電位差は10 mV以下となる(10 $\mu$A × 1 k$\Omega$ = 10 mV)。よって等電位接地端子と測定点の間の電圧は10 mV以下が基準である。
誤り。CF形装着部の患者漏れ電流Iの測定では、患者リードを1本ずつ、さらに全リードをまとめた状態の2通りで測定する。各患者リードを1点に接続して測定する方法は患者漏れ電流IIの手順であり、記述は取り違えている。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
体外循環では気泡混入や回路空破による送脱血障害が重大事故につながるため、レベル監視とフィルタリング、気泡対策が基本となる。レベルセンサは通常、静脈貯血槽の液面を超音波式・光学式・静電容量式などで監視し、液面低下による空気誤送を防ぐ。動脈フィルタは微小気泡や微小異物の除去を目的に目開きが小さく(代表的に約40 μm前後)、バブルトラップは比較的粗い目(100~200 μm程度)で気泡捕捉・脱気を担う。閉鎖回路(ECMO等)でも採血・薬剤注入・接続部の不具合などで気泡が侵入し得るため、気泡監視は不可欠である。エアブロック(エアロック)は主に脱血側に空気が入りサイフォン効果が途絶して脱血が停止する現象を指す。
選択肢別解説
不正解。人工心肺で用いるレベルセンサは一般に超音波式・光学式・静電容量式などの非接触型が主流で、磁気センサを用いる方式は一般的ではない。よって「磁気センサが用いられている」との断定は不適切。
不正解。レベルセンサは静脈貯血槽の液面監視に用い、液面低下時にポンプ停止や警報で空気誤送を防ぐ。エアトラップ(バブルトラップ)は気泡捕捉・脱気のための器具であり、レベルセンサの取り付け対象ではない。
正解。動脈フィルタは微小気泡・微小異物の除去を目的に目開きが小さく(代表的に約40 μm前後)、バブルトラップのスクリーンはこれより粗い(おおむね100~200 μm程度)。したがって動脈フィルタの方が目が細かい。
不正解。閉鎖回路(PCPS/ECMO等)でも採血・薬剤注入、コネクタの緩み、陰圧条件下での接続部からの吸気などにより気泡が流入する可能性がある。「可能性はない」は誤り。
不正解。エアブロック(エアロック)は主として脱血回路側に空気が入り、静水圧差(サイフォン)による脱血が途絶して流れが止まる現象を指す。送血回路が空気で満たされて停止する状況の定義ではない。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。