臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
保守点検は、医療機器を安全かつ所期の性能で使用し続けるための日常的・定期的な活動で、清掃、再使用機器の再処理(必要に応じて消毒・滅菌)、校正(キャリブレーション)、消耗品交換などが含まれる。一方、オーバーホールは機器を分解して劣化部品の交換や調整を広範に行う作業で、修理・改修に分類されるため、通常の保守点検には含まれない。したがって「含まれない」はオーバーホールである。
選択肢別解説
清掃は機器の汚染防止や劣化抑制、誤作動予防の基本であり、日常点検・定期点検の一環として行う。保守点検に含まれる。
校正(キャリブレーション)は計測・監視・治療機器の指示値と実測値の整合性を確保するための手順で、性能維持の中核。保守点検に含まれる。
滅菌は再使用医療機器の再処理における最終段階として必要に応じて実施され、感染対策と機器の安全な運用維持に資する。施設の運用では再処理(洗浄・消毒・滅菌)を保守管理の範囲に含めて計画・記録するため、保守点検に含まれる扱い。
消耗品の交換(フィルタ、パッキン、電極、バッテリなどの規定寿命管理・期日交換)は機器性能の維持に不可欠で、保守点検の代表的作業。
オーバーホールは機器を解体し広範な点検・部品交換・調整を行う作業で、メーカーやサービス業者が実施する修理・改修の範疇。定期的な保守点検には含まれないため、本設問の「含まれない」に該当する。
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解説
ICUは重症患者の全身管理を24時間体制で行い、呼吸・循環の急変に即応する必要があるため、常時設置すべき機器は「呼吸管理」「循環急変への一次対応」「連続監視」に直結するものとなる。具体的には、人工呼吸器は重症呼吸不全や術後管理に不可欠、除細動器は心室細動/無脈性心室頻拍などの致死性不整脈に対する即時電気的除細動に必須、心電図モニタ(ベッドサイドモニタ)は不整脈や虚血、循環動態の変化を連続監視する中核機器であり、いずれもICUに常備される。一方、消化器内視鏡は必要時に持ち込みで実施されることが多く常設対象ではない。人工心肺装置は開心術で手術室に常設される装置で、ICUで用いられる体外式膜型人工肺(ECMO)とは用途・構成が異なるためICUへの常設は一般に不要である。
選択肢別解説
人工呼吸器は重症呼吸不全、術後の呼吸管理、鎮静下の人工呼吸管理などに必須であり、ICUに常設される。気道確保後の換気補助や各種モードによる肺保護戦略など、ICUの標準的治療に直結するため設置が必要。
除細動器は心室細動・無脈性心室頻拍などの致死性不整脈に対して即時の電気的除細動/カルディオバージョンを行うために必須で、ICUに常備される。急変時対応機器として常設が求められる。
心電図モニタ(ベッドサイドモニタ)は心拍数・リズム、不整脈、虚血の兆候を連続監視し、しばしば血圧やSpO2等も統合監視する中核機器であるためICUに常設される。
消化器内視鏡は消化管出血や緊急止血などでICUで実施されることはあるが、通常は必要時に持ち込んで用いる機器であり、ICUに常設すべき機器ではない。
人工心肺装置(心肺バイパス装置)は開心術時に手術室で使用・常設される機器で、ICUに常設する対象ではない。ICUで使用されうるECMO(体外式膜型人工肺)とは運用目的・構成が異なる点に留意する。
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解説
医療機器の安全性試験は、患者や使用者に危害を及ぼさないことを確認するための試験群であり、典型的には機械的・物理的安全(強度や耐久性などの物性)、滅菌後の無菌性(無菌試験)、生体適合性(生物学的安全性試験)などが含まれる。したがって、物性試験・無菌試験・生物学的試験は安全性に直結する。一方、性能試験や機能試験は、機器が intended use に対して必要な性能や効果を発揮するかを評価するもので、主眼は有効性や仕様達成度であり、安全性試験とは区別される。
選択肢別解説
誤り。性能試験は機器が規定の性能・効果を発揮できるかを評価するもので、有効性や仕様達成度が主眼である。安全性(危害の予防)を直接確認する試験群とは区別される。
正しい。物性試験は機械的強度・耐久性・摩耗・破断・変形などの物理的特性を評価し、破損・脱落や予期しない機械的故障に伴う危害のリスクを低減する観点から実施されるため、安全性試験に含まれる。
正しい。無菌試験は滅菌済み医療機器が無菌性を満たすか(生菌の不在)を確認する試験であり、感染リスクの低減という安全性に直結するため、安全性試験に含まれる。
正しい。生物学的試験(生物学的安全性試験)は細胞毒性、感作性、刺激性、全身毒性など、生体適合性の観点から機器材料の有害影響を評価するものであり、安全性試験に含まれる。
誤り。機能試験は機器が設計上の機能・作動を満たすかを確認するもので、有効性や運転機能の適合を主に見る。安全性(危害の予防)を直接検証する試験群とは目的が異なる。
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解説
医療機器の安全性試験は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)および関連する省令・通知、JIS/ISO 規格に基づき実施される。主な評価は、材料や構造の強度・耐久性などの物性試験、溶出物(抽出物)評価などの化学的試験、生体適合性(細胞毒性・感作性・刺激性など)を評価する生物学的試験(ISO 10993 シリーズ)から構成される。これらは主として製造販売業者や受託試験機関が実施し、審査当局が適合性を確認する。一方、医療機関における「医療機器安全管理責任者」は院内の機器の安全使用や管理体制の整備・教育等を担う職務であり、承認審査に用いる安全性試験を自ら実施する立場ではないため、選択肢2は誤りである。
選択肢別解説
正しい。溶出物(抽出物)試験は化学的安全性評価の基本で、規定溶媒・条件で材料から抽出される成分を化学同定・定量し、毒性学的リスク評価につなげる(ISO 10993-12/18/17 など)。医療機器の安全性試験に含まれる。
誤り。医療機関の「医療機器安全管理責任者」は院内における機器の安全管理体制の整備、使用者教育、保守点検の統括等を担う役割であり、医療機器の承認・認証に用いる安全性試験(物性・化学・生物学的試験)を自ら実施する主体ではない。これらの試験は主として製造販売業者や試験機関が実施し、薬機法等に基づき審査される。
正しい。生物学的試験はISO 10993 シリーズに基づき、細胞毒性、感作性、刺激性などを機器の接触部位・接触時間に応じて評価する。医療機器の安全性評価の中核である。
正しい。医療機器の品質・有効性・安全性に関する規制は薬機法の枠組みで行われ、試験要求事項は関連する省令・通知や JIS/ISO 規格(例:ISO 10993、JIS T 0601-1[IEC 60601-1]など)に準拠して求められる。
正しい。物性試験には、引張強さ、硬さ、疲労、耐摩耗性、形状安定性などの評価が含まれ、使用環境での機械的・物理的安全性を確認するために実施される。
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