臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
臨床工学に必要な医学的基礎
解説
薬物動態(pharmacokinetics)は、生体が投与された薬物に対して行う過程の総称で、基本はADME(吸収 Absorption、分布 Distribution、代謝 Metabolism、排泄 Excretion)で構成される。投与部位から体循環へ入るまでが吸収、血中から各組織・臓器へ広がるのが分布、主に肝での酵素反応による化学変化が代謝、腎や胆汁などを介して体外へ出るのが排泄である。一方「合成」は生体内で物質を作り出す生合成過程を指し、薬物動態の主要過程(ADME)には含まれないため、不適切と判断できる。
選択肢別解説
吸収は薬物が投与部位(例:消化管、筋、皮下など)から毛細血管やリンパ管を介して体循環に到達する過程で、ADMEのA(Absorption)に該当する。経口投与では初回通過効果の影響を受けうる。薬物動態の過程として適切である。
分布は吸収され血中に入った薬物が、血漿タンパク結合や組織親和性、血液脳関門などの影響を受けながら各組織へ移行する過程で、ADMEのD(Distribution)に該当する。薬物動態の過程として適切である。
合成は一般に生体内で物質を新たに作る生合成を意味し、薬物動態の基本過程(ADME:吸収・分布・代謝・排泄)には含まれない。薬物の化学的変換は通常「代謝」に分類されるため、本設問においては薬物動態の過程として不適切である。
代謝は主に肝臓の薬物代謝酵素(例:CYP)により薬物が化学的に変化する過程で、ADMEのM(Metabolism)に該当する。多くは水溶性が高まり不活性化されるが、プロドラッグでは活性化される場合もある。薬物動態の過程として適切である。
排泄は薬物やその代謝産物が腎臓(尿)、肝・胆道(胆汁)、肺(揮発性物質)などを介して体外へ除去される過程で、ADMEのE(Excretion)に該当する。腎機能は排泄クリアランスに大きく影響する。薬物動態の過程として適切である。
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解説
細胞は持続するストレスや軽度の傷害に対して可逆的な適応を示し、新たな定常状態を保とうとする。代表例が萎縮(細胞・組織の容積減少)、肥大(細胞容積の増加)、過形成=増生(細胞数の増加)であり、刺激が除去されれば元に戻りうる。一方、限界を超える強い・持続的な傷害では不可逆的変化として細胞死(壊死やアポトーシス)に至る。したがって適応現象に該当するのは萎縮・肥大・増生であり、壊死およびアポトーシスは適応ではなく細胞死である。
選択肢別解説
適切。萎縮は細胞容積の減少(場合により数の減少も伴う)により臓器・組織が小さくなる可逆的適応。使用不全、神経支配の喪失、血流低下、内分泌刺激低下(例:閉経後の子宮)、加齢などに対する適応として起こる。
適切。肥大は個々の細胞の容積が増大して臓器が大きくなる適応で、細胞数は増えない。分裂能の乏しい心筋・骨格筋では負荷増大に対する主要な適応(例:運動による骨格筋肥大、高血圧や弁膜症による心筋肥大)。刺激が持続・過剰になると心不全など病的転帰に進みうる。
適切。増生は過形成と同義で、細胞分裂により細胞数が増えて臓器・組織量が増す可逆的適応。分裂能をもつ組織で起こり、例としてホルモン刺激による乳腺の増生、高地順化での赤血球系の増生、創傷治癒での上皮や線維芽細胞の増生などがある。
不適切。壊死は重篤な不可逆的細胞傷害の結果として生じる病的な細胞死であり、適応現象ではない。凝固壊死や融解壊死などの形態をとる。
不適切。アポトーシスは遺伝的に制御されたプログラム細胞死で、生理的状況(胚発生、ホルモン撤退時の子宮内膜脱落など)や軽〜中等度の傷害に対する除去機構として起こるが、本質は細胞死であり適応現象には分類されない。
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解説
臨床工学技士は、医師の指示の下で生命維持管理装置の操作・保守点検に加え、これに密接に関連する診療の補助(法令・施行規則で列挙された行為)を行うことができる。具体例として、人工呼吸器管理に伴う気道内吸引や、既に体内に留置された動脈ライン(動脈留置カテーテル)からの採血は実施可能と整理されている。一方、血管に直接穿刺しての採血や、気管挿管のような高度侵襲手技、また診断目的の検査補助は臨床工学技士の業務範囲外である。以上より、正答は4と5である。
選択肢別解説
誤り。臨床工学技士は血管に直接穿刺して採血する行為(静脈・動脈いずれも)を業として行うことは認められていない。採血が許容されるのは、既に医師等により留置されたカテーテル等からの採血に限られる。
誤り。気管挿管は高度な侵襲手技であり、医師が行うべき手技で臨床工学技士の業務には含まれない。臨床工学技士は人工呼吸器の操作・管理は行えるが、挿管そのものは実施しない。
誤り。臨床工学技士の診療の補助は、生命維持管理装置の操作・管理に密接に関連する治療的行為に限定される。診断のための検査を目的とした補助は業務範囲に含まれない。
正しい。動脈留置カテーテル(Aライン)からの採血は、医師の具体的指示の下で行う診療の補助として許容される。新たに穿刺して採血するのではなく、既に留置されたラインから採血する点が業務範囲内とされる根拠である。感染対策・空気混入防止・ライン閉塞防止などの安全管理を徹底して実施する。
正しい。人工呼吸器使用時の気道内吸引による喀痰除去は、人工呼吸器管理に密接に関連する診療の補助として医師の指示下に実施可能である。閉鎖式吸引の使用、事前酸素化、バイタル監視、無菌操作などの手順を遵守する。
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解説
感染症法では感染症を1〜5類などに分類し、1類感染症は致死率が高く、国民の生命および健康に重大な影響を与え得るため、最も厳格な措置(入院勧告・就業制限など)が講じられる疾患群である。典型的にはエボラ出血熱、マールブルグ病、痘そう(天然痘)、ペストのほか、クリミア・コンゴ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱の計7疾患が1類に含まれる。一方、鳥インフルエンザ(H5N1)は人での重症化の可能性は高いが、法令上は2類感染症(高病原性鳥インフルエンザなど)として規定されており、設問の『1類ではない』に該当する。
選択肢別解説
エボラ出血熱は感染症法上の1類感染症に指定されており、厳格な公衆衛生措置(入院勧告・就業制限等)の対象である。したがって『1類感染症でない』には当たらない。
マールブルグ病は1類感染症に指定される高致死性ウイルス感染症である。よって『1類感染症でない』には当たらない。
痘そう(天然痘)は根絶宣言後も、バイオテロ対策等の観点から1類感染症として厳格に位置づけられている。従って『1類感染症でない』には当たらない。
鳥インフルエンザ(H5N1)は人で重症化し得るが、感染症法では高病原性鳥インフルエンザとして2類感染症に分類される。よって『1類感染症でない』に該当し、設問の正答である。
ペストは感染症法で1類感染症に指定される歴史的高致死性疾患である。従って『1類感染症でない』には当たらない。
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解説
治験は、新医薬品の製造販売承認申請に必要な有効性・安全性等の根拠を収集するための臨床試験であり、国のGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)に従って、被験者の人権・安全を最優先に実施される。実施にはIRB(治験審査委員会)の審査・承認が必須で、被験者には十分な説明の上、自由意思に基づく文書による同意(署名・日付を含む)を取得する必要がある。したがって「口頭で同意を得る」だけでは要件を満たさず不適切である。一方、被験者は治験の途中であっても、いつでも不利益なく同意を撤回できる権利を有する。
選択肢別解説
適切。治験は、新薬の有効性・安全性等を検証し、製造販売承認申請に資するデータを得ることを目的に行われる。
適切。治験はGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)に準拠して実施され、被験者保護と科学性・信頼性の確保が求められる。
適切。治験は倫理性・科学性・安全性を第三者性のある委員会で審査する必要があり、IRB(治験審査委員会)の審査・承認が必須である。
不適切。GCPでは十分な説明の後、被験者の自由意思に基づく文書による同意(署名・日付)が必要であり、口頭のみの同意取得では要件を満たさない。
適切。被験者は治験参加後であっても、いつでも自由に同意を撤回し参加を中止できる(撤回により医療上の不利益を受けないよう配慮される)。
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解説
急性炎症では、血管反応(血管透過性の亢進に伴う滲出・浮腫)と好中球優位の細胞浸潤が主体で、腫脹などの局所所見はこれに由来する。慢性炎症への移行・慢性期では、マクロファージやリンパ球などの単核球の浸潤に加え、組織修復・線維化に関わる線維芽細胞や血管内皮細胞の増殖(肉芽組織形成)が目立つ。したがって、慢性期移行を示唆する所見は線維芽細胞の増殖である。
選択肢別解説
誤り。好中球の遊走はケモカイン(例: IL-8)、C5a、LTB4 などにより急性炎症の初期に顕著となる所見で、急性期の特徴である。慢性期移行を示唆しない。
誤り。血管透過性の亢進はヒスタミン、ブラジキニン、ロイコトリエンなどによる急性炎症の典型的血管反応で、滲出や浮腫の原因となる。慢性期移行を示す所見ではない。
誤り。液性成分の滲出(エクスデーション)は血管透過性亢進に続発する急性炎症の主要所見である。慢性期では滲出は相対的に弱く、増殖性変化が目立つ。
誤り。組織圧の上昇は滲出液の貯留(浮腫)に伴うもので、腫脹など急性炎症の局所所見に含まれる。慢性期移行を示唆しない。
$正しい。慢性炎症では修復 \cdot 線維化が進み、TGF-\beta や PDGF などの作用で線維芽細胞が増殖しコラーゲン産生が進行する。これは肉芽組織形成 \cdot 線維化に相当し、慢性期(増殖性変化)を示唆する所見である。$
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解説
プログラムされた細胞死はアポトーシスであり、ネクローシス(壊死)は外傷や虚血などにより制御不能に起こる病的な細胞死で区別される。凝固壊死は壊死の代表的形態(例:心筋梗塞)で、アポトーシスとは機序・形態が異なる。炎症の4主徴は発赤・熱感・腫脹・疼痛であり、出血は含まれない。創傷治癒では止血・炎症期の後に増殖期で肉芽組織が形成され、区分法によってはこれを修復過程の第1相と位置付ける場合がある。液性免疫はB細胞が形質細胞へ分化して抗体を産生することで成立する。
選択肢別解説
誤り。プログラムされた細胞死はアポトーシスであり、ネクローシス(壊死)は外傷・毒素・虚血などにより制御されずに生じる病的な細胞死を指す。アポトーシスは遺伝子に制御された生理的機構で、炎症をほとんど伴わない点も異なる。
誤り。凝固壊死は壊死(ネクローシス)の形態学的タイプで、アポトーシスの一種ではない。代表例として心筋梗塞における心筋の凝固壊死が挙げられる。
誤り。炎症の4主徴は発赤(rubor)、熱感(calor)、腫脹(tumor)、疼痛(dolor)であり、出血は含まれない。出血は炎症に随伴し得るが、四徴そのものではない。
正しい。創傷治癒は止血・炎症期に続いて増殖期で肉芽組織が形成される。相の分け方(2相・3相など)により表現が異なり、修復の開始段階を第1相とみなして肉芽形成を第1相に含める分類がある。
正しい。液性免疫はB細胞が抗原刺激で活性化し、形質細胞へ分化して抗体(免疫グロブリン)を産生することで成立する。これに対し細胞性免疫は主にT細胞が担う。
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解説
未分画ヘパリンはアンチトロンビンIII(ATIII)に結合してその阻害活性を著明に増強し、セリンプロテアーゼ型の活性化凝固因子を失活させる。特にIIa(トロンビン)とXaに対する阻害が主要で、未分画ヘパリンは鎖長が十分に長いためATIIIとトロンビンの“架橋”によりIIa阻害が強い。結果としてフィブリノゲンからフィブリンへの変換が抑制され、凝固が抑えられる。したがって選択肢中でヘパリンにより活性が直接阻害されるものはトロンビン(第IIa因子)である。
選択肢別解説
フィブリン(第I a因子)はフィブリノゲンがトロンビンの作用で重合して生じる産物であり、ヘパリンはフィブリン自体の活性を直接阻害しない。ヘパリンはATIIIを介してトロンビン(IIa)やXaなどの酵素活性を阻害し、その結果としてフィブリン生成が抑制される。よって不適。
トロンビン(第IIa因子)は未分画ヘパリンがATIIIと複合体を形成することで強力に阻害される主要標的である。未分画ヘパリンは十分な鎖長によりATIIIとトロンビンを同時に結合させ失活速度を大幅に高めるため、正答である。
第III因子(組織因子:TF)は外因系の開始因子であり酵素ではない。ヘパリン-ATIIIの阻害標的は主に活性化セリンプロテアーゼ(IIa、Xa、IXa、XIa、XIIaなど)であり、組織因子自体は直接の阻害対象ではない。したがって不適。
第XII因子の活性化体(XIIa)はヘパリン-ATIIIにより阻害されうるが、一般に臨床的に主要な標的はIIaとXaである。選択肢は活性化体(XIIa)ではなく第XII因子と記載であり、問われる「活性が阻害される凝固因子」としてはIIaが適切であるため不正解。
第XIII因子はフィブリンを架橋し安定化するトランスグルタミナーゼであり、セリンプロテアーゼではない。ヘパリン-ATIII複合体の主な阻害対象ではなく、直接の阻害は受けにくい。よって不適。
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解説
提示グラフは主な死因の死亡率(人口10万対)の長期推移で、右上の矢印は2010年代後半において2番目に高い死亡率で、緩やかに上昇している折れ線(点線)を指している。最上位で一貫して上昇する最も高い線は悪性新生物であり、その次に位置し緩やかに増加するのが心疾患である。脳血管疾患は1960〜70年代に高く、その後は大きく低下。老衰は2000年代以降急増するが2019年時点で心疾患よりは低い。肺炎は相対的に低位で推移する。以上より矢印のグラフは心疾患である。
選択肢別解説
誤り。悪性新生物は期間を通じて最も高い死亡率で上昇傾向の太い(最上位)曲線であり、矢印が指す2番手の高さの点線ではない。
誤り。脳血管疾患は戦後に高値を示した後、1970年代以降は一貫して低下し、近年は100未満の低い位置にある。矢印の線は近年高位で推移しているため一致しない。
正しい。心疾患は近年、悪性新生物に次ぐ2番目に高い死亡率で、緩やかな上昇傾向を示す。図の矢印はこの特徴を持つ点線を指している。
誤り。老衰は2000年代以降に急増しているが近年でも心疾患より下位の位置にあり、矢印の2番手の高い線とは異なる。
誤り。肺炎は相対的に低位で推移し、矢印が指す高い位置の曲線ではない。分類変更(誤嚥性肺炎の独立)以降も最上位群には達していない。
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解説
本設問で正しいのは、ビタミンB12の吸収に胃由来の内因子が必要であることと、ビタミンCが抗酸化作用をもつことの2点である。ビタミンAは体内でプロビタミンA(β-カロテンなど)から合成されるため、「ビタミンAがカロテンの材料になる」は逆で誤り。脚気はビタミンB1(チアミン)欠乏が原因であり、B2欠乏ではない。ビタミンDは皮膚の7-デヒドロコレステロールが紫外線(主にUVB)によりビタミンD3へと変換されるため、赤外線は不要である。
選択肢別解説
誤り。ビタミンA(レチノール、レチナール、レチノイン酸)は、体内でプロビタミンAであるカロテノイド(特にβ-カロテン)から合成される。材料になるのはカロテン側であり、ビタミンAがカロテンの材料になるわけではない。
誤り。脚気はビタミンB1(チアミン)欠乏による。B2(リボフラビン)欠乏では口角炎、口唇炎、舌炎、脂漏性皮膚炎などがみられる。
正しい。ビタミンB12(コバラミン)は胃の壁細胞から分泌される内因子(intrinsic factor)と結合して小腸回腸末端から吸収される。内因子欠乏や回腸病変では吸収障害を生じ、巨赤芽球性(悪性)貧血の原因となる。
正しい。ビタミンC(アスコルビン酸)は水溶性の強力な抗酸化物質で、活性酸素種の消去やビタミンEの再生に関与するほか、コラーゲン合成(ヒドロキシ化反応)にも必須である。欠乏すると壊血病を生じる。
誤り。ビタミンDは皮膚の7-デヒドロコレステロールが紫外線(主にUVB)によりプレビタミンD3を経てビタミンD3(コレカルシフェロール)へ変換される。赤外線は必要としない。
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解説
最高血中濃度に最も速く到達するのは静脈内注射である。静脈内投与は薬物を直接全身循環に入れるため、消化管・皮膚・筋組織・粘膜などからの「吸収」過程を一切必要とせず、投与直後が事実上の最高濃度となる(ボーラス投与なら Tmax≈0)。一方、筋肉内・皮下・直腸内・経口はいずれも投与部位から血中への移行という吸収過程を要し、組織血流や膜透過性、製剤特性、初回通過効果などの影響で到達が遅れる。特に経口は消化管吸収と肝初回通過の影響で遅く、ばらつきも大きい。
選択肢別解説
正しい。静脈内注射は薬物を直ちに血管内(全身循環)へ導入するため吸収過程を介さず、投与直後に最高血中濃度へ到達し得る。ボーラス投与なら理論上の Tmax は0に近い。
誤り。筋肉内注射は筋組織から毛細血管への吸収を要するため、静脈内注射より最高血中濃度到達は遅い。到達速度は筋血流や運動、製剤(溶液・懸濁・油性)などに左右される。
誤り。皮下注射は皮下組織からの吸収が必要で、一般に血流が筋肉より乏しいため筋肉内注射より遅くなることが多い。持続性製剤ではさらにピーク到達が遅延する。
誤り。直腸内投与は直腸粘膜から吸収され、一部は門脈を回避して初回通過効果の影響を受けにくいが、吸収速度は静脈内に劣り、到達時間もばらつく。
誤り。経口投与は消化管での溶解・吸収や胃内容排出の影響を受け、さらに肝初回通過効果により血中到達とピーク到達が遅くなるため、静脈内注射より明らかに遅い。
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