臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
誤りは1。ペースメーカの出力パルス振幅(電圧)は、500 $\Omega$ 程度の負荷抵抗を介してオシロスコープまたはペースメーカアナライザで測定するのが基本で、周波数カウンタはパルスの周期・周波数(レート)測定用であり振幅測定には不適切である。除細動器の出力波形は瞬時現象のため、50 $\Omega$ 程度のダミー負荷に接続しメモリ型オシロスコープで単発波形を捕捉するのが適切。電気メスの出力電力は高周波で誘導の影響を避ける必要があるため無誘導抵抗器を負荷として用い、流れる電流から $P=I^2R$ で算出する。輸液ポンプの精度(送液量)はメスシリンダで回収量を測って設定値と比較する。人工心肺(に限らず医用機器)の絶縁抵抗は絶縁抵抗計(メガー)で測定する。
選択肢別解説
誤り。周波数カウンタはパルスの周波数(レート)や周期の測定器であり、振幅(電圧)を測定できない。ペースメーカの出力パルス振幅は、500 $\Omega$ 程度の負荷抵抗を介してオシロスコープまたはペースメーカアナライザで電圧波形を観測して求めるのが適切。
正しい。除細動器の出力は瞬時に発生する単発波形であるため、50 $\Omega$ 程度のダミー負荷(模擬胸部インピーダンス)に接続し、メモリ型オシロスコープで波形を保持・確認する。エネルギーチェッカの波形出力端子を用いる方法もある。
正しい。電気メス(ESU)の出力電力測定では、高周波での誤差を避けるため無誘導抵抗器を負荷として用い、負荷に流れる電流から $P=I^2R$ で電力を算出する。実務上は無誘導抵抗器に加えて高周波対応の電流計等も併用するが、必要な機材として無誘導抵抗器の選定は妥当。
正しい。輸液ポンプの精度(送液量・流量)は、メスシリンダで一定時間に送られた液量を回収・計量し、設定値と比較して評価する。専用の輸液ポンプチェッカを用いる方法もある。
正しい。人工心肺装置の絶縁抵抗測定には、絶縁抵抗計(メガー)を用いて、電源回路と筐体(外装)間など所定箇所の絶縁を測るのが標準的手順である。
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解説
本問の倫理上の争点は、職務上知り得た患者情報の取り扱いである。臨床工学技士法第40条(秘密を守る義務)は、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならないと定め、退職後も同様である。患者の住所録のような個人情報を、本人同意や正規の手続きを経ずに第三者へ提供・貸与することは守秘義務違反であり、個人情報保護法の趣旨にも反する。したがって選択肢5が倫理に反する行為である。その他の選択肢は、自己研鑽、チーム医療における教育協力、公共の場での不適切な会話の制止、インシデント発生時の速やかな報告といった観点から適切な行動と評価できる。
選択肢別解説
不特定一般に公開された情報源(インターネット)で海外の医療機器を調べることは、自己研鑽・知識更新の一環であり不適切ではない。守秘義務や利益相反にも直接抵触しないため、倫理に反する行為とはいえない。
看護師からの依頼に応じ、病院内の勉強会で人工呼吸(器)操作に関する知識・操作法を共有することは、チーム医療における連携・教育として適切である。職能の範囲内で医療安全の向上に資する行為であり、倫理に反しない。
公共の場(電車内)で患者の治療経過を話すことは守秘義務の観点から不適切であり、これをその場で制止する行為は適切である。臨床工学技士法第40条に基づく秘密保持の実践として望ましい対応であり、倫理に反しない。
患者データ入り電子媒体の紛失自体は問題だが、事案発生時に上司へ速やかに報告することは適切な初動対応であり、組織のインシデント対応手順にも合致する。記載された『報告した』という行為は倫理に反しない。
患者の住所録(個人情報)を、患者本人の同意や正規の手続きを経ずに第三者(患者会代表)へ貸し出すことは、臨床工学技士法第40条(秘密を守る義務)に反し、個人情報保護法の趣旨にも反する明確な守秘義務違反であるため、倫理に反する。
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