臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)は、体外で発生・集束させた衝撃波を水中で伝播させ、体内の結石に焦点を合わせて破砕する低侵襲治療である。空気は音響インピーダンス差が大きく衝撃波が強く減衰・反射するため、水(脱気水)を媒体およびカップリングに用いる。照準(ガイダンス)は結石のX線造影性で選択し、一般的なカルシウム含有の放射線不透過結石にはX線透視が適し、尿酸・シスチンなどの放射線透過結石には超音波照準を用いる。心臓への刺激でR-on-Tによる致死性不整脈を誘発しないよう、R波同期の心電図同期照射が標準的に用いられる。また、腹部大動脈瘤(AAA)は衝撃波により瘤壁へ機械的ストレスが加わり破裂リスクがあるため禁忌とされる。骨盤内の尿管結石は骨による遮蔽で焦点合わせやエネルギー伝達が困難で、ESWLの成績が不良なため通常はTULが選択される。
選択肢別解説
誤り。照準法は結石のX線造影性で選ぶ。尿管結石の多くはカルシウム含有でX線造影性が高く、X線透視のほうが視認しやすい。超音波照準は尿酸・シスチンなどX線透過性結石や被曝低減目的で用いるにとどまり、「尿管結石では超音波が適している」と一般化できない。
正しい。衝撃波が心臓に及ぶ位相で照射されるとR-on-Tから心室細動を誘発しうるため、R波同期の心電図同期照射が必要とされる。市販装置はR波トリガでの照射制御機能を備える。
正しい。衝撃波は空気中で大きく減衰・反射するため、水中で伝播・集束させる。患者とアプリケータ間は脱気水やゲルでカップリングし、気泡を除去してエネルギーを効率よく伝える。
正しい。腹部大動脈瘤では衝撃波により瘤壁へ機械的ストレスが加わり破裂リスクがあるため、ESWLは使用禁忌とされる。
誤り。骨盤内の尿管結石は骨により照準・伝播が遮蔽されESWLの効果が乏しい。一般に適応外または成績不良で、経尿道的尿管結石破砕術(TUL)が適している。
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解説
ハイパーサーミアは腫瘍組織を概ね42~43℃に加温し、腫瘍選択的な細胞障害や放射線・化学療法の増感を狙う治療で、局所・深部局所(広範囲局所)・全身加温に分類される。深部加温ではRF(高周波)を用いる方法が代表的で、特にRF誘電加温(容量結合型)は長い波長帯(例: 8~13.56 MHz)で体幹深部まで電流を通しやすく、骨盤内など深部病変に適応がある。一方、マイクロ波は波長が短く浅在性組織の加温に適し、水分含有の高い組織(筋など)が脂肪より加温されやすい。超音波は骨や空気で強く反射・減衰するため、空気を多く含む肺深部の加温には適さない。加温後には細胞の熱耐性(thermotolerance)が一過性に亢進し、12~48時間で顕著・72時間程度で低下するため、24時間間隔は熱耐性予防にならない。全身加温では体外循環(血液を体外で加温して返血)が用いられる。
選択肢別解説
正しい。RF誘電加温(容量結合型)は低周波数帯のRFで電極間に電界を形成し、体幹深部にも電流が到達しうるため深部病変の加温に用いられる。適切な電極サイズや冷却により深部へのエネルギー集積を図る。
誤り。超音波は空気や骨で強く反射・減衰し、空気を含む肺深部へのエネルギー到達は不良であるため、肺深部の加温には適さない。
誤り。マイクロ波加温は誘電損失による加温で、水分の多い組織(筋など)が効率よく発熱する。脂肪は水分が少なく誘電損失が小さいため、脂肪層の発熱は相対的に小さい。
誤り。熱耐性は初回加温後12~48時間で強く、約72時間で低下してくる。24時間毎の治療は熱耐性が高い時期に再加温することになり、予防にはならない。
正しい。全身加温法では体外循環(体外で血液を加温し体内へ戻す)を用いて全身の深部体温を上昇させる手法がある。
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解説
ESWLは水中で発生させた衝撃波を体内の結石へ集束させて破砕する治療で、空気(ガス)を介すると減衰するため水槽やウォータクッションとゲルで体表と密着させる。安全対策として心電図R波同期でT波(脆弱期)を避けて発射するのが標準で、腹部大動脈瘤など破裂・出血リスクが高い状態は禁忌とされる。照準法は結石の部位で使い分けるが、尿管結石全般ではX線透視が第一選択となることが多く、超音波照準が常に適しているわけではない。また骨盤に隠れる腸骨稜下の下部尿管結石は照準が困難になりやすく、ESWLの適応は限定的であるため、「適用する」との一般化は不適切。以上より、誤りは1と5である。
選択肢別解説
誤り。尿管結石(特に上部尿管)は骨や腸管ガスの影響で超音波での描出・照準が難しいことが多く、X線透視による照準が一般的に適している。超音波照準は腎結石などには有用だが、尿管結石全般に「適している」とは言えない。
正しい。衝撃波は心筋の不応期を外れるタイミングで発射しないと不整脈(特にT波付近での発射による心室性不整脈)を誘発しうるため、R波同期での照射が安全対策として必要とされる。
正しい。衝撃波は水などの液体中で電気油圧式・電磁式・圧電式などにより発生させ、水中で効率よく伝搬・集束させる。空気層は大きな音響インピーダンス差によりエネルギーが失われるため、体表はゲル等で密着させて空気を排除する。
正しい。腹部大動脈瘤は衝撃波による損傷や破裂の危険があり禁忌とされる。妊娠、出血傾向、未治療の尿路感染なども一般的禁忌・慎重適応に含まれる。
誤り。腸骨稜上縁より下部の下部尿管結石は骨盤に重なり照準が難しく、ESWLの適応は限定的で治療選択としては尿管鏡手術(TUL)が選ばれることも多い。「適用する」との一般化は不適切である。
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