臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
特定機能病院では、医療機器安全管理責任者が年2回程度、定期的に研修を実施すべき機器の区分が厚生労働省通知等で7つ示されている。具体的には、(1)人工心肺装置および補助循環装置(PCPS等)、(2)人工呼吸器、(3)血液浄化装置、(4)除細動装置(AEDを除く)、(5)閉鎖式保育器、(6)診療用高エネルギー放射線発生装置、(7)診療用放射線照射装置である。本問の選択肢では、経皮的心肺補助装置は(1)に、閉鎖式保育器は(5)に該当し、研修対象である。一方、電気メス、消化管内視鏡、AEDはこの7区分に含まれず(AEDは「除細動装置」のうち明確に除外される)、研修対象外である。
選択肢別解説
正しい。経皮的心肺補助装置(PCPS)は「人工心肺装置および補助循環装置」に含まれ、特定機能病院では年2回程度の定期研修の対象である。操作上の安全確保やトラブル対応の知識・技能維持が求められる。
誤り。電気メスは定期研修の7区分には含まれない。安全使用や保守は重要だが、年2回程度の定期研修を義務付ける対象リスト外である。
誤り。消化管内視鏡は7区分に含まれない。内視鏡関連の衛生管理・安全は院内教育で扱われるが、本制度上の定期研修機器リストには該当しない。
誤り。除細動装置は対象区分にあるが「AEDを除く」と規定されているため、自動体外式除細動器(AED)は定期研修対象外である。
正しい。閉鎖式保育器は研修対象の7区分の一つであり、特定機能病院では年2回程度の定期研修を行うことが求められる。温度管理・アラーム・安全機構の理解が重要となる。
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解説
各治療法が患者に対して主として用いる物理エネルギーの対応を問う問題で、正しい組合せは「電流—ICD」である。ICD(植込み型除細動器)は心室頻拍・心室細動時に高エネルギーの電気ショックを心筋に与えて除細動するため、治療の本質は電流の通電である。一方、PTCAはバルーン拡張という機械的圧力(機械力)を用い、VADはポンプで血液を送り出す機械力が主体であり、ESWLは体外から焦点収束させた衝撃波(音波)を利用し、CHDFは膜透析・濾過を行う圧力差・流量制御(機械力)を用いるため、提示された他の組合せはいずれも不適切である。
選択肢別解説
誤り。PTCA(経皮的冠動脈形成術)はバルーン拡張により冠動脈狭窄部を機械的に押し広げる治療で、用いる主たるエネルギーは機械力(動圧)である。熱エネルギーはPTCAの本質的手段ではない。
誤り。VAD(補助人工心臓)はポンプ機構により血液を駆出する機械力を用いる治療・補助であり、患者への治療エネルギーとして電磁波を用いるものではない(駆動に電磁モータ等を用いる場合があっても、治療原理は機械的送血)。
誤り。ESWL(体外衝撃波結石破砕術)は体外から収束させた衝撃波=音波(超音波域の圧力波)により結石を破砕する。粒子線(陽子線・炭素線など)を用いるのは粒子線治療であり、ESWLではない。
正しい。ICD(植込み型除細動器)は致死的不整脈発生時に心筋に高エネルギー電流を通電して除細動・除細動を行う装置であり、用いるエネルギーは電流(電気)である。
誤り。CHDF(持続的血液濾過透析)は血液ポンプ等による流量・圧力制御で膜を介した拡散・濾過を行う腎代替療法で、主たるエネルギーは機械力である。超音波はCHDFの治療原理としては用いない。
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解説
ICD(植込み型除細動器)は、心室細動(VF)や持続性心室頻拍(VT)など致死的な心室性不整脈を自動検出し、抗頻拍ペーシング(ATP)やカルディオバージョン/除細動ショックで治療する植込み型デバイスである。除細動ショックは二相性の直流パルスであり、「高周波通電」(カテーテルアブレーションで用いるRF通電)ではない。ICDはAED(自動体外式除細動器)と異なり体内植込み型で、適応は主として心室性不整脈であって心房細動自体の治療目的ではない。通電エネルギーは体内からの直接通電で概ね数十ジュール(経静脈型でおおむね10〜40 J程度、機種によってはそれ以上の最大出力設定もある)である。
選択肢別解説
誤り。ICDの除細動は二相性の直流ショックで行い、「高周波通電」は行わない。高周波通電は主にカテーテルアブレーション(約500 kHzのRF)を指す用語で、ICDの治療様式とは異なる。
誤り。AEDは自動体外式除細動器で、体外から電極パッドで通電する機器。ICDは体内に植え込む除細動器であり別物である。
誤り。ICDの主適応は心室細動や持続性心室頻拍などの心室性致死的不整脈で、心房細動そのものの治療目的には用いない。
正しい。ICDは頻拍検出時にショックの前段として抗頻拍ペーシング(ATP)を行い、ショック無しで停止を図る機能を有する。
正しい。ICDの除細動エネルギーは体内からの直接通電で概ね数十ジュールである(経静脈型でおおむね10〜40 J程度)。このため『数十ジュール』の記述は妥当である。機種によってはより高い最大出力(例:S-ICDで最大約80 J)も存在する。
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解説
小電力医用テレメータ(特定小電力無線局による医用テレメータ)は院内での心電図やSpO2などの連続監視に用いられ、一般にUHF帯(約420〜450 MHz)を使用し、耐雑音性と実装容易性に優れるFSK(周波数偏移)によるディジタル変調を採用する。周波数運用は1〜6の「6バンド」区分で管理され、A〜Eは周波数バンド名ではなく、機器の型区分や占有チャネルの構成を示す表現として扱われる。また、院内の混信対策としてゾーニングを行い、同一ゾーン内で同一色ラベルの送信機に統一する運用を採る。携帯機のアンテナは心電図誘導コードの1本を兼用する方式が一般的に採られる。以上より、A〜Eの5バンドという記述は誤りであり、これが不正解肢(誤っている内容)に該当する。
選択肢別解説
正しい。医用テレメータは院内使用の特定小電力無線としてUHF帯を用い、試験対策上は420〜450 MHz帯の運用として整理されている。UHF帯は見通し内での伝搬や建物内での取り回しに適し、十分なチャネル数を確保できる。
正しい。ディジタル変調としてFSK(Frequency Shift Keying:周波数偏移変調)を用いるのが一般的で、0/1に応じて搬送周波数を2値に切り替える。FSKは回路実装が容易で消費電力を抑えやすく、雑音・フェージングにも比較的強い。
誤り。運用上の周波数区分は1〜6の6バンドであり、「A〜E」は周波数バンド名ではない(機器の型区分や占有チャネル構成の区別として用いられる)。したがって「A〜Eの5バンドが割り当て」という記述は不適切。
正しい。院内混信を避けるためゾーンを区切り、同一ゾーン内では同一色ラベルの送信機で統一する。ゾーン間では色を変えてチャネル再利用の計画を立て、相互干渉を避ける運用を行う。
正しい。送信アンテナを心電図の誘導コードの1本と兼用する構造が用いられる。これにより携帯性・装着性を損なわずアンテナ長を確保できる。
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