臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
本問の「機械力」は、圧力・圧縮/減圧・機械的運動などの力学的作用を治療に用いることを指す解釈が一般的である。IABP装置は大動脈内バルーンを拍動に同期して加圧・減圧し、冠灌流の増加と後負荷軽減を生む機械的圧力作用を利用するため該当する。高気圧治療装置は患者を高圧環境に置くことで外圧という機械的圧力を作用させ、酸素の拡散・溶解を高める治療であり、これも機械力の利用に分類される。一方、冷凍手術器は低温(熱エネルギー)の作用、レーザメスは光(電磁波)による熱・光化学作用、サイクロトロンは電磁場で粒子を加速して核種を生成する装置で、いずれも機械力の直接的作用を治療原理の中心としていない。
選択肢別解説
誤り。冷凍手術器は液体窒素などで組織を急速冷却・凍結壊死させる装置で、治療効果の本体は低温(熱エネルギー)によるものであり、機械的力学作用を利用していない。
正しい。IABP装置は大動脈内のバルーンを機械的に加圧・減圧して拡張・収縮させ、圧力波形を変調することで冠灌流の増加と左室後負荷の低減を図る。圧力という機械力の作用を用いる代表例である。
正しい。高気圧治療装置(高圧酸素療法)は患者を高圧環境に置き、外圧という機械的圧力を作用させて酸素の溶解度や拡散を高める治療で、機械力の利用に分類される。
誤り。レーザメスはレーザ光(電磁波)による熱・光化学作用で切開・凝固を行う装置であり、機械的力学作用を治療原理としていない。
誤り。サイクロトロンは電磁場で荷電粒子を加速して放射性同位体を生成する加速器で、治療に機械力(圧力・機械的運動)を作用させる医療機器ではない。
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解説
小電力医用テレメータは病院内での生体情報監視に用いる特定小電力無線で、UHF帯(いわゆる400MHz帯の一部)が割り当てられている。運用上は混信を避けるために複数の周波数帯(一般に6バンド)が用意され、病棟やエリアごとにゾーン管理(色ラベルによる識別)を行う。技術条件として、送信機の空中線電力はA〜D型で1mW以下、E型で10mW以下と小さい。また帯域幅は型式ごとに異なり、A型は12.5kHz、B型は25kHzである。以上から、「20mW以下」とする記述および「A型の帯域幅25kHz」とする記述は誤りで、他の記述は概ね正しい。
選択肢別解説
正しい。小電力医用テレメータはUHF帯(400MHz帯の一部)を用いるよう割り当てられており、院内での安定運用と他業務無線との共存を図っている。
正しい。医用テレメータとして利用可能な周波数帯は一般に6バンドに区分され、運用時にバンド分散やゾーン管理と併用して混信を抑制する。
誤り。送信機の空中線電力はA〜D型で1mW以下、E型で10mW以下と規定されており、「20mW以下」は過大な値で規定と一致しない。
誤り。A型の周波数帯域幅は12.5kHzである。25kHzはB型の帯域幅であり、A型に25kHzを当てるのは不適切。
正しい。混信対策としてゾーン管理を行い、各ゾーンを色ラベルで表示して運用者が視認的に区別できるようにする手法が広く用いられている。
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