臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
植込み型心臓ペースメーカの電源は長期信頼性が高い一次電池(代表はヨウ素リチウム系)であり、充放電を繰り返す二次電池のリチウムイオン電池は用いられない。VDD型は1本の単一リードで心室ペーシングと心房感知(および心室感知)を行う設計で、2本のリードは不要である。DDD型は心房・心室の両方を感知・刺激するため、心房収縮と心室収縮の適正な時相関係を保つA-Vディレイの設定が必要となる。リードレスペースメーカはカテーテル経由で心内に留置し、通常はX線透視下で位置確認しながら植込みを行う。心臓再同期療法(CRT)は右室と左室の収縮の同期化を目的とし、冠静脈経由で左室側壁領域へ到達する左室用リードが不可欠である。以上より、正しいのは3、4、5である。
選択肢別解説
誤り。植込み型心臓ペースメーカの電源は主に一次電池(ヨウ素リチウムなどのリチウム一次電池)が用いられる。充電式のリチウムイオン電池(二次電池)は植込みペースメーカには通常使用されない。
誤り。VDD型は心室ペーシング(V)・心房と心室の感知(D)を行う方式で、心房感知用の浮遊電極を備えた単一リードで構成されるのが一般的であり、2本のリードは必要としない。
正しい。DDD型は心房・心室の両方を感知・刺激するため、心房興奮から心室刺激(または感知)までの遅延であるA-Vディレイの設定が必要で、適切な設定により心房収縮と心室収縮の時相を最適化する。
正しい。リードレスペースメーカ(例:大腿静脈アプローチで右室内に留置)は、カテーテル手技でX線透視下に位置確認しながら植込みを行うのが標準である。
正しい。心臓再同期療法(CRT)は両心室の収縮同期を改善する治療で、冠静脈(冠状静脈洞)経由で左心室側壁付近へ留置する左室用リードが必要となる。
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解説
ペースメーカ本体(ジェネレータ)は通常、鎖骨下の皮下または筋下に留置され、胸腔内には留置しない。NBG(ICHD)コードでは第1文字がペーシング部位、第2文字がセンシング(検出)部位、第3文字が反応様式を示す。刺激パルス幅は一般に0.4〜0.6 ms程度で、臨床では0.5 ms前後の設定が多い。植込み直後は電極‐心筋界面の炎症反応により刺激閾値が一過性に上昇し、その後数週で低下・安定する。体外式ペースメーカの出力点検は心筋負荷を模擬する500 Ω程度のダミーロードで行い、50 Ωは不適切。以上より正しいのは第2・第3選択肢である。
選択肢別解説
不正解。ジェネレータは一般に左(または右)鎖骨下の皮下/筋下ポケットに留置する。胸腔内に本体を置くことは通常の恒久型ペースメーカでは行わない。
正解。NBG(ICHD)コードは第1文字=ペーシング部位、第2文字=センシング部位、第3文字=反応様式を表す(例:DDDではペーシング・センシングともに心房・心室の両方)。したがって第2文字はセンシング部位である。
正解。体内式ペースメーカの刺激パルス幅は一般に0.4〜0.6 ms程度で、0.5 ms前後の設定が標準的に用いられる。捕捉の安全域と電池消費のバランスからこの範囲が選択される。
不正解。植込み直後は電極周囲の炎症・線維化により刺激閾値は一過性に上昇(maturation現象)し、その後数週で低下して安定化する。『低下が続く』という記述は事実と逆である。
不正解。体外式ペースメーカの出力点検は心筋負荷を模擬する約500 Ωのダミー抵抗を用いる。50 Ωは低すぎ、主に除細動器の出力試験などで用いられる代表的負荷であり、ペースメーカの点検には不適切。
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