臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
パルスオキシメータは、赤色光(約660 nm)と赤外光(約940 nm)の2波長を用い、拍動性(動脈)成分の透過光変動から比(ratio-of-ratios)を求め、経験的な校正曲線に当てはめてSpO2(末梢動脈血酸素飽和度)を算出する。比を用いるため測定時のユーザ校正は不要である。測定は指尖に限らず、耳朶・足趾・前額など脈波が得られる部位で可能である。一方、心原性ショックなどの末梢循環不全では脈波が微弱または消失し、測定不能・不安定になりやすい。原理的にはオキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの吸光度差(ランバート・ベールの法則)を利用する。なお比の定義の一例は $R=\frac{(AC/DC)_{660}}{(AC/DC)_{940}}$。
選択肢別解説
正しい。パルスオキシメータは赤色光と赤外光の吸光度比(ratio-of-ratios)からSpO2を求めるため、光源の絶対光量や組織厚などの影響を相対化でき、使用時の現場校正(キャリブレーション)は不要である(機器は製造時に校正曲線が組み込まれている)。
誤り。測定は指先以外でも可能で、耳朶、足趾、新生児の足底、前額など脈波が検出できる部位に対応した各種プローブが存在する。
誤り。心原性ショックでは末梢循環が低下し、動脈拍動成分(AC成分)が得られにくくなるため、測定不能または値が不安定になりやすい。
誤り。用いるのは赤色光(可視光)と赤外光の2波長であり、赤外線2波長のみではない。代表的には約660 nm(赤)と約940 nm(赤外)を用いる。
正しい。オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンで吸光度が異なる性質(ランバート・ベールの法則)を利用し、動脈拍動成分の吸光度比から酸素飽和度を算出する。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
酸素ガスの分析(酸素分圧・濃度の推定)に用いられる代表的な電気化学式センサは、自己発電型のガルバニックセルと、外部から分極電圧を与えて拡散限界電流を測るクラーク電極(ポーラログラフィ/アンペロメトリ)である。いずれも酸素が膜を拡散して電極反応に消費され、その反応電流が酸素分圧に比例する特性を利用する。一方、熱電対やサーミスタは温度センサであり酸素分析には用いない。セバリングハウス電極は二酸化炭素分圧(PCO2)測定用で、酸素用ではない。したがって正答はガルバニックセルとクラーク電極である。
選択肢別解説
正しい。ガルバニックセル式酸素センサは自己発電型で、酸素が透過膜を拡散し電極で還元されることで生じる電流が酸素分圧に比例する。一般にアノードに鉛、カソードに金や銀、電解液にアルカリ溶液を用い、人工呼吸器や酸素分析器で広く用いられる。
誤り。熱電対は異種金属の接点間温度差により熱起電力を生じるゼーベック効果を利用した温度センサであり、酸素濃度・分圧の分析には用いない。
誤り。サーミスタは温度によって電気抵抗が大きく変化する半導体素子を用いた温度センサであり、酸素ガスの分析手段ではない。
誤り。セバリングハウス電極はCO2の拡散により薄膜内のpH変化を検出する構造(pH電極+テフロン膜)で、二酸化炭素分圧測定に用いられる。酸素分析用ではない。
正しい。クラーク電極は白金カソードとAg/AgClアノードを一定電圧で分極し、酸素の還元反応に伴う拡散限界電流を測定する酸素電極で、電流は酸素分圧に比例する。血液ガス分析装置や各種酸素モニタに用いられる。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
体温は部位によって異なり、深部温(直腸温・鼓膜温など)が末梢(腋窩温)より高い。基礎体温は排卵の直前〜当日に一過性の低下(陥落)がみられ、その後は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で高温期となる。体温調節に関わる発汗は全身に分布するエクリン腺が担い、アポクリン腺は体温調節には主役ではない。発熱初期は視床下部の設定温度上昇により皮膚血管収縮とシバリング(筋のふるえ)が起こって熱産生を高め、体温が新たな設定点に到達するとこれらは減弱する。皮膚血管収縮は体表への血流を減らして熱放散を抑える。以上より、正しいのは選択肢2と3である。
選択肢別解説
誤り。腋窩温は環境の影響を受けやすく、直腸温(深部温)より一般に低い(おおむね0.3〜0.8℃程度低いとされる)。したがって「腋窩温は直腸温よりも高い」は不正確。
正しい。基礎体温は排卵の直前〜当日に一過性の低下(陥落)を示し、その後は黄体期に入ってプロゲステロン作用で約0.3〜0.5℃上昇する。よって排卵日には一過性の低下が起こり得る。
正しい。体温調節に関与する発汗はエクリン腺から分泌される水様性の汗で、全身に広く分布する。アポクリン腺は腋窩・外陰部などに限局し、主に情動発汗や臭いに関連し体温調節の主役ではない。
誤り。発熱時のシバリング(筋のふるえ)は設定温度が上がった直後、体温がその新たな設定点に達する前の上昇期に強く起こる。体温が上がり設定点に達するとシバリングは減弱・停止する。
誤り。皮膚血管が収縮すると体表への血流が減り、熱の運搬・放散が抑制されるため、熱放散は減少する(増大しない)。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。