臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
経皮的ガス分析装置(TCM)は、皮膚を約42〜44℃に加温して毛細血管を動脈化(血流増加と拡散促進)させ、皮膚を透過するO2・CO2の分圧から動脈血ガスの推定値を連続監視する装置である。酸素センサはクラーク電極(極性印加により酸素還元電流を測定)、二酸化炭素センサはセバリングハウス電極(CO2透過による電解質のpH変化をpH電極で検出)を原理としている。いずれの測定でも皮膚加温が必須で、冷却は行わない。採血負担が大きい新生児領域で特に有用である。したがって「二酸化炭素分圧測定には冷却が必要である」は誤り。
選択肢別解説
正しい。新生児は採血量に制限があり、頻回の動脈血ガス採血が困難なため、TCMによる連続的な酸素化・換気の推定監視が有用で広く用いられる。皮膚が薄く血流の影響も得やすい点も適している。
正しい。経皮測定では皮膚を約42〜44℃に加温し、局所血流を増やし拡散を促進して皮膚表面のガス分圧を動脈血に近づける必要がある。酸素分圧測定もこの加温が前提である。
正しい。経皮酸素電極はクラーク電極の原理(酸素の電極での還元電流が分圧に比例)を小型・薄膜化して応用したもので、加温下で使用する。
正しい。経皮二酸化炭素電極はセバリングハウス電極の原理(CO2が膜を透過して電解質のpHを変化、その変化をpH電極で検出)を応用している。
誤り。TCMはCO2測定でも皮膚の加温が必須であり、冷却は行わない。冷却は血流と拡散を低下させ測定誤差(低値化)を招くため不適切である。
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解説
経皮的血液ガス分析は、皮膚に小型電極を密着させ、局所を加温(通常は約40〜43℃)して毛細血管を拡張・動脈化し、角質層のガス拡散性を高めて、動脈血に近い $\text{PO}_2$ と $\text{PCO}_2$ を非侵襲的に連続測定する方法である。$\text{PO}_2$ はクラーク電極、$\text{PCO}_2$ はセバリングハウス電極の原理で電気化学的に測定するため、脈波信号や赤外線吸収は用いない。採血が難しい新生児で特に有用だが、熱傷予防のためセンサ部位の定期的なローテーションが必要となる。
選択肢別解説
正しい。経皮電極部位を加温(おおむね40〜43℃)することで皮膚血管が拡張し毛細血管が動脈化、角質層のガス透過も高まり、局所の $\text{PO}_2$ が上昇して動脈血ガス分圧に近い値が得られる。
誤り。脈波信号を必要とするのはパルスオキシメータであり、経皮的血液ガス分析は脈動成分を利用しない。クラーク電極($\text{PO}_2$)やセバリングハウス電極($\text{PCO}_2$)で電気化学的に分圧を測定する。
誤り。赤外線の吸収を計測するのは光学式(例:パルスオキシメトリや一部ガス分析)であり、経皮的血液ガス分析は赤外線を用いず電極反応で測定する。
誤り。新生児は角質層が薄くガス拡散が良好であり、採血が難しいことから臨床で広く用いられる。使用できないわけではないが、熱傷防止のため貼付部位のローテーションなどの配慮が必要。
誤り。皮膚に電極を貼付して測定する非侵襲的モニタであり、穿刺・採血を伴わない。ただし加温による皮膚障害のリスクには注意する。
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解説
パルスオキシメトリは、指先や耳朶などに装着したセンサで赤色光と赤外光の吸光度変化(拍動に伴う動脈血の交流成分)を検出し、動脈血酸素飽和度を推定してSpO2として表示する非侵襲的モニタである。動脈の拍動が十分に検出できることが前提であり、末梢循環不全や低体温、血圧低下などで拍動が微弱な場合は測定精度が低下し、モニタとして適さない。出力は飽和度(SpO2)であり、動脈血酸素分圧(PaO2)は血液ガス分析で測定される別概念である。センサ装着部位は拍動が得られる末梢(指、耳朶、足趾、額など)が適切で、胸部皮膚は一般に不適である。
選択肢別解説
誤り。パルスオキシメトリは非侵襲的測定であり、患者の血液採取は不要である。指や耳朶などにセンサを装着して光学的に推定する。
正しい。パルスオキシメータは拍動成分から動脈血ヘモグロビンの酸素飽和度を推定し、SpO2として表示する(SaO2の推定値)。
誤り。本法は動脈の拍動(交流成分)を利用するため、末梢拍動が微弱なときは信号が得にくく精度が低下し、モニタとして適さない。ショック・低体温・血管収縮時などで典型的に不安定となる。
誤り。パルスオキシメータの測定値はSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)で表す。PaO2は動脈血酸素分圧であり、血液ガス分析で測定される別の指標である。
誤り。センサ装着は拍動が得られる部位(指、耳朶、足趾、額など)が適切であり、胸部皮膚は一般に拍動が乏しく適さない。
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