臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
気管内吸引は、カテーテル挿入や陰圧吸引による機械的刺激、吸引中の換気中断・酸素除去、迷走神経反射などにより、低酸素血症、徐脈・不整脈、血圧変動、気管支収縮、気道粘膜損傷・出血、無気肺などの合併症を起こし得る。咳発作や低酸素血症による脳血流変化・静脈還流障害は頭蓋内圧を上昇させ得るため、「頭蓋内圧低下」は合併症ではない。予防としては、事前酸素化、適切な吸引圧(成人でおよそ120〜150 mmHg程度)、1回10〜15秒以内の短時間吸引、必要最小限の回数、深吸引の回避が重要である。
選択肢別解説
無呼吸は合併症である。吸引中は換気が一時中断されやすく、カテーテルが気道を閉塞する場合や迷走神経反射が強い場合には呼吸停止(無呼吸)が起こり得る。
無気肺は合併症である。高すぎる陰圧や長時間吸引、深吸引によって末梢気道が閉塞し、肺胞が虚脱して無気肺を生じることがある。
低酸素血症は主要な合併症である。吸引により酸素が除去され、また吸引中は換気が止まるため動脈酸素分圧が低下しやすい。事前酸素化や短時間吸引で予防する。
気管支収縮は合併症である。カテーテルの機械的刺激や迷走神経反射により気管支攣縮が起こり、呼気流出抵抗が増加する。
頭蓋内圧低下は合併症ではない。むしろ吸引刺激や咳反射、低酸素血症・血圧変動により頭蓋内圧は上昇し得るため、本肢は不適切である。頭部外傷や脳圧亢進が疑われる患者では特に注意が必要である。
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