臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
ウィーニング(自発呼吸トライアルなど)を継続するか中断するかは、呼吸・循環・酸塩基の破綻兆候の有無で判断する。一般的な中断指標には、pH低下(アシドーシス進行)、PaCO2の上昇や著しい呼吸仕事量の増大、血圧や脈拍の大きな変動、低酸素血症、強い呼吸困難や意識悪化などが含まれる。本設問では、pHが大きく低下すること、血圧・脈拍が大きく上昇することはいずれも生理学的ストレスの増大を示し、中断の妥当な根拠となる。一方、PaCO2の軽度低下は換気改善を示すため中断理由にならず、最大吸気圧(MIP)が−35 cmH2Oは呼吸筋力として十分であり中断理由にならない。
選択肢別解説
誤り。PaCO2が5 mmHg減少するのは換気が改善してCO2排出が増えたことを示す所見であり、ウィーニング中断の根拠にはならない。中断が示唆されるのはむしろPaCO2の上昇(例:ベースラインからの顕著な上昇)やそれに伴うpH低下である。
正しい。pHが0.3以上低下するのは著明なアシドーシス進行を示し、呼吸仕事量の過大や換気不全が強く疑われる。多くのプロトコルでpH低下(例:pH<7.32や有意な低下)は中断基準とされ、中断が妥当である。
正しい。血圧が20 mmHg以上上昇するのは循環動態の有意な変動で、過度のストレスや交感神経亢進を示唆する。ウィーニング継続に伴う全身状態の悪化と判断し、中断の指標となる。
正しい。脈拍数が20回/分以上増加するのは循環動態悪化やストレス増大のサインであり、ウィーニングによる負荷が過大である可能性が高い。中断の指標として妥当である。
誤り。最大吸気圧(MIP)が−35 cmH2Oは、一般にウィーニング実施の目安(おおむね−20〜−30 cmH2O程度以下)を満たす良好な呼吸筋力を示す。したがって中断理由にはならない。
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解説
ショックは全身の組織灌流が不十分となる急性循環不全で、交感神経亢進と末梢血管収縮により皮膚蒼白・四肢冷感・表在静脈虚脱などの末梢循環不全所見が出現し、循環血液量や心拍出の低下に伴って血圧低下、腎血流低下による乏尿がみられる。呼吸は代謝性アシドーシス代償や低酸素により頻呼吸(呼吸数増加)が一般的である。設問ではショックの徴候として不適切なものを問うており、「過呼吸」は通常、過換気(過換気症候群など)を指す表現でショックの典型所見とは言い難いため誤りに相当する。
選択肢別解説
皮膚蒼白は末梢血管収縮により皮膚血流が低下して生じる典型的所見であり、ショックでみられる徴候として妥当である。
血圧低下はショックで高頻度にみられる主要所見である(代償期では一見保たれることもあるが、進行すれば低下する)。したがって徴候として妥当である。
表在静脈虚脱(四肢の静脈がしぼむ所見)は末梢血管収縮や循環血液量減少で静脈還流が低下して生じ、特に低容量性ショックで顕著である。ショックの徴候として妥当である。
乏尿は腎血流低下により尿量が減少する所見で、成人ではおおむね0.5 mL/kg/時未満が目安とされる。ショックの徴候として妥当である。
過呼吸は一般に過換気(過換気症候群など)を指す表現で、ショックで典型的にみられるのは頻呼吸(呼吸数増加)である。したがってショックの徴候としては不適切であり、設問の「誤っている」に該当する。
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