臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
生体組織の導電率$\sigma$は主に水分量と電解質濃度に依存し、水と電解質が豊富な組織ほど大きくなる。100 Hz程度の低周波域では、血液は電解質に富み最も高く、脂肪組織は水分が少なく最も低い。骨格筋や肝臓などの実質臓器はその中間に位置する。したがって大小関係としては「脂肪 < 骨格筋 < 血液」が妥当であり、これが正答となる。
選択肢別解説
誤り。血液は電解質に富み導電率が高く、骨格筋よりも大きい。提示の順序「脂肪 < 血液 < 骨格筋」は血液と骨格筋の関係が逆転している。
正しい。脂肪は水分が少なく導電率が最も低く、骨格筋は中間、血液は最も高い。よって「脂肪 < 骨格筋 < 血液」となる。
誤り。血液は一般に実質臓器(肝臓など)よりも導電率が高い。提示の順序「骨格筋 < 血液 < 肝臓」は血液と肝臓の関係が不適切。
誤り。脂肪は水分が少なく導電率が最小であり、「… < 脂肪」とする並びは成立しない。
誤り。脂肪は最も導電率が低く、血液より大きくなることはない。提示の順序「肝臓 < 血液 < 脂肪」は脂肪の位置づけが不適切。
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解説
成人の全身水分量(体液量)はおおむね体重の約60%で、その内訳は細胞内液が約2/3(体重の約40%)、細胞外液が約1/3(体重の約20%)である。したがって「細胞外水分量は体液の60%を占める」は誤り。浮腫はスターリングの法則で規定される毛細血管内外の力学バランスが崩れ、間質に水分が過剰貯留する状態で、毛細血管静水圧の上昇(静脈圧上昇)、血漿膠質浸透圧の低下、リンパ還流障害などで生じる。
選択肢別解説
正しい記述。成人男性では全身水分量は体重の約60%を占める(女性や高齢者ではやや低下)。この全水分が体液に相当する。
誤りの記述。細胞外液は体液全体の約1/3であり、体重比では約20%に相当する。体液の約60%を占めるのは細胞内液(体重の約40%)である。
正しい記述。静脈圧の上昇は毛細血管内の静水圧を高め、濾過が亢進して間質に水分が移行し浮腫を生じる(例:心不全、深部静脈血栓)。
正しい記述。血漿膠質浸透圧(主にアルブミンによる)が低下すると、血管内へ水分を引き戻す力が弱まり、間質へ水分が移行して浮腫が起こる(例:低アルブミン血症、肝硬変、ネフローゼ症候群)。
正しい記述。リンパ管は間質液を回収する。閉塞や郭清、寄生虫感染などでリンパ還流が障害されるとリンパ浮腫が生じる。
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解説
脈波伝搬速度 (PWV) は薄肉円筒モデルの Moens–Korteweg の式でおおよそ $PWV = \sqrt{\dfrac{E h}{\rho D}}$ と表される。ここで $E$ は血管壁のヤング率(周方向)、$h$ は血管壁厚、$D$ は血管内径、$\rho$ は血液密度である。したがって PWV は $E$ と $h$ に比例し、$D$ と $\rho$ に反比例する。選択肢のうち「値が小さくなると PWV が増加」するのは分母項にある血管内径 $D$ だけであり、内径が小さいほど PWV は増加する。心拍数は式に直接現れず、平均動脈圧の低下は一般に血管が軟らかくなり(実効ヤング率の低下)PWV を低下させる。壁厚やヤング率の低下も PWV を低下させる。
選択肢別解説
心拍数は Moens–Korteweg の式に直接含まれず、心拍数が小さくなることで PWV が増加する一般則はない。生理学的には心拍数変化が血圧や血管緊張を介して間接影響することはあるが、「小さくなると PWV が増加」とは言えないため誤り。
平均動脈圧が低下すると、血管の伸展が小さくなり非線形弾性の性質上、実効ヤング率 $E$ は低下しやすい。その結果 $PWV = \sqrt{E h/(\rho D)}$ は低下する。よって「小さくなると PWV が増加」は誤り。
Moens–Korteweg の式 $PWV = \sqrt{\dfrac{E h}{\rho D}}$ より、PWV は内径 $D$ の平方根に反比例する($PWV \propto 1/\sqrt{D}$)。ゆえに内径が小さくなると分母が小さくなり PWV は増加する。正しい。
式から PWV は壁厚 $h$ の平方根に比例する($PWV \propto \sqrt{h}$)。したがって壁厚が小さくなると PWV は低下する。よって誤り。
式から PWV はヤング率 $E$ の平方根に比例する($PWV \propto \sqrt{E}$)。ヤング率(周方向)が小さくなると血管はより柔らかくなり PWV は低下する。よって誤り。
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解説
超音波の減衰は生体組織では周波数にほぼ比例して増大し、代表的には約0.5〜1 dB/cm/MHz程度であるため「高周波ほど大きい」が正しい。固有音響インピーダンスは $Z=\rho c$(密度と音速の積)で決まり、密度も音速も大きい骨は筋肉より明らかに大きい。音速は一般に気体<液体<固体で、脂肪は筋肉よりわずかに遅い(筋肉は脂肪より速い)。気体(空気)中では吸収・散乱が大きく減衰は軟部組織よりはるかに大きい。反射強度はインピーダンス差や境界の性状に依存し、血球は波長に対して非常に小さい散乱体でレイリー散乱となるため反射は弱く、骨の境界からの反射の方が大きい。
選択肢別解説
誤り。固有音響インピーダンスは $Z=\rho c$ で、骨は密度・音速ともに大きく、筋肉よりZが大きい。典型的に骨は数Mレイリー(MRayl)と大きく、筋肉は約1.6〜1.7 MRayl程度である。
$誤り。脂肪中の音速は筋肉中より一般に小さい(脂肪はおおむね約1450 m/s台、筋肉は約1540 m/s台が代表値)。したがって「脂肪中の音速が筋肉中より大きい」は不適。なお本文の「脂訪」は「脂肪」の誤記と考えられる(別途typo_check参照)。$
誤り。気体(空気)中の減衰はきわめて大きく、脂肪など軟部組織より小さいという記述は成り立たない。空気の吸収係数は代表的に数値で見ても脂肪よりはるかに大きい。
正しい。生体組織中の超音波の減衰(吸収+散乱)は周波数にほぼ比例し、高周波になるほど大きくなる。代表値として約0.5〜1 dB/cm/MHz程度で増加する。
誤り。血球からの反射はレイリー散乱で非常に弱い。一方、骨は周囲の軟部組織との音響インピーダンス差が大きく、境界で強い反射が生じるため、骨からの反射の方がはるかに大きい。
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