臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
$医用超音波では、軟部組織中の音速は水と同程度で約1500〜1540\,\mathrm{m/s}(約1.5\,\mathrm{km/s})であり、骨などの硬組織ではこれより速い(おおむね3000〜4000\,\mathrm{m/s})。装置はリアルタイム性が高く、心臓など動く臓器の観察にも適する。使用周波数は\,\mathrm{MHz}帯(例: 2〜15\,\mathrm{MHz})で、\,\mathrm{kHz}帯ではない。ドプラ法は血流速度や方向など運動情報を得る手法で、形態学的断層像はBモードで得る。以上より「軟部組織よりも硬組織の方が音速は速い」が正しい。$
選択肢別解説
$誤り。生体軟部組織の音速は約1500〜1540\,\mathrm{m/s}(約1.5\,\mathrm{km/s})であり、10\,\mathrm{km/s}は過大である。$
$正しい。音速は一般に体積弾性率が高いほど速く、軟部組織(約1540\,\mathrm{m/s})より骨などの硬組織の方が速い(約3000〜4000\,\mathrm{m/s}程度)。$
誤り。超音波診断は高いフレームレートでリアルタイム表示が可能であり、心臓など動きのある臓器の観察に適している(Bモード・Mモード・心エコーなど)。
$誤り。医用超音波の送受信周波数は\,\mathrm{MHz}帯(例: 腹部 \cdot 心臓で約2〜5\,\mathrm{MHz}、表在で約7〜15\,\mathrm{MHz})であり、10\,\mathrm{kHz}は低すぎる。$
誤り。ドプラ法は主に血流の速度や方向などの運動情報を得る手法である。臓器の形状(断層像)はBモードで得る。
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解説
円管内の流れでは、層流は層が滑り合うように整然と流れ、速度分布は放物線状となる。ハーゲン・ポアズイユ(Poiseuille)則は、定常・非圧縮・ニュートン流体が円管内を層流で流れるときに成立し、例えば流量は $Q=\frac{\pi R^4}{8\mu}\frac{\Delta P}{L}$ と表せる。乱流では中心部が平坦化した分布となり、ポアズイユ則は適用できない。流れの様式を特徴づけるレイノルズ数は $Re=\frac{\rho U D}{\mu}$(代表長さ $D$ を管径とした例)で、慣性力と粘性力の比として定義される無次元数であり、粘性率 $\mu$ に反比例する。したがって、設問の正答は「レイノルズ数は無次元数である」である。
選択肢別解説
誤り。層流では流体要素が層を保って滑らかに流れ、流れは規則的で混合が少ない。一般に「流線が交差する」と表現されるような乱れは層流の特徴ではなく、乱流でみられる挙動である。
誤り。ハーゲン・ポアズイユの式は円管内の層流(定常・非圧縮・ニュートン流体)で成立し、乱流には適用できない。例えば $Q=\frac{\pi R^4}{8\mu}\frac{\Delta P}{L}$。乱流では経験式や損失係数を用いる。
誤り。放物線状の流速分布は層流(ポアズイユ流)の特徴である。乱流では管中心付近が平坦、壁近傍で急峻な分布となり、典型的には 1/7 乗則などで近似される。
誤り。レイノルズ数は $Re=\frac{\rho U D}{\mu}$ で表され、粘性率 $\mu$ に反比例する。粘性率が高くなるほど $Re$ は小さくなる。
正しい。レイノルズ数は慣性力と粘性力の比で定義され、単位を持たない無次元数である。
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解説
生体組織は細胞外液・細胞膜・細胞内液の等価回路で表され、周波数が上がると細胞膜の容量性リアクタンスが低下して電流が膜を“回り込み”やすくなるため、見かけの導電率は増加する(β分散に対応)。分散現象は一般にα(低周波:イオン雰囲気・界面分極など)、β(kHz~MHz:細胞膜由来のMaxwell–Wagner分極)、γ(GHz帯:水分子の配向緩和)に整理される。組織ごとの導電率は血液や筋が高く、脂肪や骨は低い。また骨格筋は線維配向による異方性を示す。生体の受動的電気応答でも電極・組織界面の電気化学過程や分極の振幅依存性により、測定インピーダンスは線形素子のように一定でなく、印加条件に依存する非線形性が観察される。
選択肢別解説
正しい。周波数上昇に伴い細胞膜の容量性リアクタンスが低下し、電流が細胞内経路にも流れやすくなる(Maxwell–Wagner分極)。その結果、見かけの抵抗は低下し導電率は増加する傾向を示す。
誤り。α分散は低周波域でのイオンの拡散・界面分極(イオン雰囲気の追従限界など)に起因する。水分子の配向緩和はGHz帯のγ分散に対応する。
誤り。一般に筋組織の導電率は脂肪より高い。代表値の一例として、数十kHz付近で筋(繊維方向)0.4~0.7 S/m、脂肪0.02~0.06 S/m程度が報告されており、脂肪は低導電率である。
正しい。骨格筋は細長い筋線維が配向するため、繊維方向と直交方向で電気伝導や容量性特性が異なる異方性を示す。
正しい。生体の受動的応答でも、電極-組織界面の電気化学反応や分極の振幅依存性などにより、電圧-電流関係が厳密な線形を満たさず、測定されるインピーダンスは印加振幅・周波数に依存して変化する(非線形性の観察)。
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解説
$体外循環中の至適灌流量(灌流指数)は、生体の酸素消費量と温度に依存して設定する。一般的な成人では、常温(あるいは軽度低体温上限)ではおおむね2.2〜2.6 L/min/m^2程度、軽度〜中等度低体温ではこれより低めで十分となる。常温の方が代謝率 \cdot 酸素消費量が高いため、低体温時より灌流量を高めに設定するのが基本である。乳幼児は体表面積当たりの酸素消費量が高く、成人より高い灌流指数が必要となる。また至適灌流圧は、平均動脈圧で概ね60〜80 mmHgを目安に維持し、少なくとも50 mmHgを下回らないよう注意する。腎機能低下例など臓器灌流を重視すべき症例では、灌流量や灌流圧をやや高めに維持して臓器保護を図る。$
選択肢別解説
$不正解。正常生体の心拍出量指数は約3.0 L/min/m^2だが、体外循環中は酸素消費量に見合う流量を設定し、常温〜軽度低体温の成人では一般に2.2〜2.6 L/min/m^2程度で管理されることが多い。常に3.0 L/min/m^2を維持する必要がある、という言い方は過大で不適切。$
正解。体温が高いほど代謝率・酸素消費量が増えるため、常温体外循環では低体温時よりも灌流量を高めに設定して酸素供給を確保する。
不正解。腎機能低下例では腎灌流を確保する目的で、灌流量や灌流圧を通常よりやや高めに維持することが臓器保護の観点から推奨される。低めに設定するのは不適切。
不正解。乳幼児は体表面積当たりの酸素消費量が高く、必要な灌流指数は成人より大きい。したがって『成人の方が大きくなる』という記載は誤り。
不正解。体外循環中の至適灌流圧は平均動脈圧で概ね60〜80 mmHgが目安で、少なくとも50 mmHgを下回らないようにする。100 mmHgを下回らないことを必須とするのは高すぎる基準で一般的でない。特別な高リスク例を除き、過度な高圧は不要である。
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解説
誤っているのは1。生体内部(深部↔体表)での熱移動の主因は、組織内の純粋な熱伝導ではなく、血流による熱の搬送(対流)である。運動時には活動筋で生じた熱が血液によって効率的に全身へ運ばれ、体温調節に寄与する。熱産生は活動時には骨格筋が主体となり、体温の恒常性の維持は生体のホメオスタシスに不可欠である。体表からの放熱は放射・対流・伝導・蒸発(発汗)で生じ、脂肪組織は水分含量が低く熱伝導度が小さいため断熱材として働く。
選択肢別解説
誤り。生体内部の主要な熱移動機序は血流による対流であり、組織内の熱伝導は二次的である。運動時には活動筋の熱が血液循環で体表や他組織に運ばれる。
正しい。活動時の熱産生は主に骨格筋で生じる(機械的仕事と代謝に伴う産熱)。安静時は脳・肝臓・心臓・骨格筋などが担うが、活動時は骨格筋が大部分を占める。
正しい。体温を一定範囲に維持することはホメオスタシスの根幹であり、産熱と放熱が神経・内分泌・循環などで統合的に調節される。
正しい。体表からの放熱機序には放射(輻射)、対流、伝導、蒸発(発汗)がある。発汗は汗の蒸発潜熱による熱放散を指す。
正しい。脂肪組織は水分が少なく熱伝導度が低いため、水(高い熱伝導度)より小さい。これにより皮下脂肪は断熱性を示す。
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解説
応力は外力に応じて材料内部に生じる抵抗力を断面積で割った量であり、一般に $\sigma = \frac{F}{A}$ と表す。ひずみは長さ変化の相対量で、$\varepsilon = \frac{\Delta l}{l}$ と定義される。荷重方向と平行に生じるのが縦ひずみ、直角方向に生じるのが横ひずみである。ポアソン比は縦ひずみと横ひずみの関係を表す物性値で、符号規約を含めて多くの教科書では $\nu = -\frac{\varepsilon_{\text{横}}}{\varepsilon_{\text{縦}}}$ と定義される(引張で縦ひずみが正、横ひずみが負になるため負号が付く)。したがって「荷重と同一の方向に現れるひずみを横ひずみという」は、横ひずみと縦ひずみの用語を取り違えており誤り。
選択肢別解説
正しい。応力は単位面積当たりの内力(抵抗力)であり、$\sigma = \frac{F}{A}$[Pa]で定義される。定義・次元ともに正確である。
正しい。ひずみは変形の割合(無次元量)で、$\varepsilon = \frac{\Delta l}{l}$ と表される。本肢の日本語には誤記があるが、内容としては正しい定義を述べている。
誤り。荷重と同一方向(平行)に現れるのは縦ひずみであり、直角方向に現れるものを横ひずみという。本肢は用語の対応が逆である。
正しい。縦方向と横方向のひずみの関係を表す比をポアソン比という。一般には符号規約を含め $\nu = -\frac{\varepsilon_{\text{横}}}{\varepsilon_{\text{縦}}}$ と定義される(大きさのみを扱う文脈では負号を省いて比の絶対値で示すこともある)。
正しい。ポアソン比は材料固有の物性値であり、同一材料では(温度・ひずみ速度・非線形性などの影響を除けば)一定の代表値をとる。
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