臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
PETは陽電子放出核種(11C, 13N, 15O, 18F など)を用い、放出された陽電子が体内の電子と対消滅して生じる2本の511 keVの$\gamma$線を、リング状に配置したシンチレータ検出器で同時(同時計数)に捉える。同時計数で得られた検出器対を結ぶ線(Line of Response; LOR)上に放射能が存在するとみなして投影データを集め、画像再構成により断層像を得る。PETでは幾何学的選別にコリメータを用いず、同時計数で指向性を担保する。一方、SPECTはコリメータで入射方向を選別する。PET核種は半減期が概して短く(例: 11C 約20分、18F 約110分)、一般的なSPECT核種(例: 99mTc 約6時間、123I 約13時間など)より短い。空間分解能はPETで数mm(おおむね3〜5 mm)とされ、サブミリ級のX線CTに比べて低い。
選択肢別解説
誤り。PETで画像化に用いるのは陽電子と電子の対消滅で生じる2本の511 keVの$\gamma$線であり、互いにほぼ180°反対方向に放出される。「1個のガンマ線が出る」はPETの原理と合致しない。
誤り。PETではコリメータは使用せず、シンチレータ(BGO、LSO、GSO など)と光検出器で$\gamma$線を検出し、対向検出器ペアの同時計数により方向情報を得る。コリメータを用いて入射方向を選別するのはSPECTである。
正しい。被検体周囲の検出器で、同時刻(時間窓内)に検出された2本の$\gamma$線の検出位置を結ぶLOR上に放射能が存在するとして投影データを収集し、再構成して断層像を得る(同時計数法)。
正しい。PET核種(例: $^{11}$C 約20分、$^{18}$F 約110分、$^{13}$N 約10分、$^{15}$O 約2分)は、一般的なSPECT核種(例: $^{99\mathrm{m}}$Tc 約6時間、$^{123}$I 約13時間、$^{201}$Tl 約73時間など)に比べ半減期が短い。
正しい。PETの空間分解能はおおむね3〜5 mm程度で、X線CTのサブミリ(約0.3〜0.6 mm程度)と比べて低い。したがって記述は正しい。
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解説
光トポグラフィ装置は近赤外分光法(NIRS)を用い、頭皮上から近赤外光(おおむね700〜1,000 nm帯)を照射・受光して、酸素化ヘモグロビン(HbO)と脱酸素化ヘモグロビン(HbR)の濃度変化を推定し、その分布をトップグラフィとして可視化する。多点(多チャンネル)配置により大脳皮質表面の広範囲を同時計測でき、脳機能の局在評価や脳神経外科領域の術前機能マッピングなどに応用される。よって、遠赤外光を用いるという記述は誤りであり、正しくは近赤外光を用いる。
選択肢別解説
正しい。NIRS は HbO と HbR の吸光度変化から濃度変化を推定し、酸素化ヘモグロビン量(濃度)の変化を検出できる。脳活動に伴う局所血流・酸素代謝の変化を反映する。
正しい。ヘモグロビン濃度変化を空間マッピングすることで、大脳皮質(主に皮質表層)の活動状態を可視化できる。ただし観測深度は浅く、皮質表面中心である点に留意する。
正しい。非侵襲・安全・装着容易といった利点から、運動野や言語野などの機能局在評価を目的に、脳神経外科領域の術前検査(機能マッピング)で用いられることがある。
正しい。多数の発光・受光素子を組み合わせた多チャンネル構成により、広範囲の同時計測が可能で、トポグラフィ(機能地図)として表示できる。
誤り。光トポグラフィは近赤外分光法(NIRS)であり、用いるのは近赤外光(約700〜1,000 nm)である。遠赤外光(数十µm〜mm帯)ではない。
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解説
X線CTは被検体を周回しながら多方向からX線を照射・検出し、得られた投影データから各ボクセルの線減弱係数を再構成し(HUとして表示)、深部臓器も含めた断層像を高いコントラスト分解能で提供する装置である。管腔臓器は造影剤でコントラストを強調することで良好に描出できる。表在臓器の評価は一般に超音波が適することが多く、CTが「表在により適する」という記述は誤りである。またCTは単純X線のように単一方向から照射するわけではなく、多方向(ほぼ360度)からの照射でデータ収集を行う。空間分解能に関してはCTはサブミリの分解能を持ち臨床一般では超音波と同等以上とされる一方、表在領域では高周波超音波が勝る場合もあるが、本設問の一般的比較としては誤りとは言えない。
選択肢別解説
正しい記述。X線CTはサブミリ(おおむね0.5~1 mm程度、条件によりそれ以下)の空間分解能を実現し、深部でも比較的一様な分解能が得られるため、臨床一般の比較では超音波診断装置と同等以上と評価されることが多い。なお表在臓器では高周波超音波がCTより高い空間分解能を示す場合があるが、一般的比較として本記述は妥当。
正しい記述。CTは多方向から得た投影データを用いて各画素の線減弱係数を再構成し、ハウンズフィールド単位(HU)として画像化する。
正しい記述。造影剤でX線吸収差を強調することで、血管・胃などの管腔臓器の描出が可能である(CTアンギオグラフィ、消化管造影CTなど)。
誤り。CTは深部臓器の断層評価に適しており、表在臓器の一次評価には高周波超音波などがより適することが多い。「表在に適する」は不適切。
誤り。CTはX線管球と検出器を回転させ、被検体に対して多方向(通常360度)からX線を照射して投影データを収集する。単一方向照射は単純X線撮影の特徴であり、CTの原理に反する。
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