臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
画像診断各法の原理に基づく正誤判定である。X線検査は外部から照射されたX線が体内で減弱し、人体を透過してきたX線(もしくはその減弱情報)を検出器で測定して画像化するため正しい。MRIは強い静磁場を人体に与え、さらにRFパルスや傾斜磁場を用いて核磁気共鳴信号を得るため「磁場を与える」という表現で正しい。超音波検査はプローブから音波を送信し、体内で反射・散乱したエコーを受信する方式であり、体内から自発的に発生する音波を捉えるわけではないので誤り。PETは体内に投与した陽電子放出核種の対消滅で生じる一対の511 keVの$\gamma$線を外部検出するため、体外から$\gamma$線を照射するわけではなく誤り。SPECTは$\gamma$線放出核種からの$\gamma$線を検出する核医学検査であり、体内からの$\beta$線を捉えるわけではないので誤り。
選択肢別解説
正しい。単純X線撮影やX線CTは、外部から照射したX線が体内で吸収・散乱され強度が変化した(人体を透過した)X線を検出器で測定し、減弱差を画像化する。
誤り。超音波検査はプローブ(トランスデューサ)から超音波を送信し、体内で反射・散乱して戻ってくるエコーを受信・画像化する。体内から自発的に発生する音波を捉える検査ではない。
誤り。PETは陽電子放出核種を体内に投与し、陽電子と電子の対消滅で生じた一対の511 keVの$\gamma$線を同時計数で検出する。体外から$\gamma$線を照射する検査ではない。
誤り。SPECTは$\gamma$線放出核種(例: $^{99m}$Tc)から放出される$\gamma$線をコリメータ付き検出器で回転収集して断層画像化する。$\beta$線(電子)を捉える検査ではない。
正しい。MRIは強い静磁場(例: 1.5T、3T)を人体に与えて水素核の磁化を整列させ、RFパルスで励起した後の信号を検出して画像化するため、「人体に磁場を与える」という表現は適切である。
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解説
核医学検査は、体内に投与した放射性医薬品(RI)から体内で放出される放射線(主に\gamma線)を体外の検出器で捉え、臓器の機能や代謝を画像化する機能画像検査である。PETは陽電子放出核種(例: $^{18}$F)を用い、陽電子と電子の対消滅で生じる511 keVの2本の\gamma線を同時計数して再構成するため、糖代謝の評価($^{18}$F-FDG)や3次元画像の取得が可能である。SPECTはガンマカメラを回転させて全周からデータ収集し、脳血流(例: $^{123}$I-IMP、99mTc-HMPAO、99mTc-ECD など)を含む機能情報を断層再構成する。体外から照射したX線で画像化するCTとは原理が異なる。
選択肢別解説
正しい。PETでは$^{18}$Fで標識したフルオロデオキシグルコース($^{18}$F-FDG)などを用い、ブドウ糖取り込みと代謝の指標を画像化できる。腫瘍など糖代謝が亢進する部位で集積が増加する。
誤り。核医学検査は体内に投与したRIから放出される放射線を体外で検出して画像化する。体外から放射線を照射して画像化するのはX線CTや透視などであり、核医学の原理ではない。
誤り。PETは陽電子($\beta^+$)放出核種を用いるが、検出しているのは陽電子と電子の対消滅で生じる511 keVの\gamma線である。SPECTも\gamma線を検出する。$\beta$線自体は体内で短距離で減弱するため画像化に直接用いない。
正しい。SPECTは回転ガンマカメラで収集したデータから断層再構成し、$^{123}$I-IMPや99mTc-HMPAO/ECDなどを用いて脳血流分布を画像化できる。
正しい。PETはリング状検出器の同時計数データから断層再構成を行い、放射能分布の3次元画像(ボリューム)を得る。現在の装置は3D収集が一般的である。
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解説
生体組織の大半は水や有機物で構成され、磁化しにくく透磁率は真空とほぼ等しいため、比透磁率 $\mu_r=\mu/\mu_0$ はおおむね1である。したがって「生体の比透磁率は5000程度」という記述は強磁性体(鉄など)の典型的な値であり誤りである。一方、神経伝導ではイオン電流が流れるためアンペールの法則により微小な磁界が発生し(脳磁図・心磁図の原理)、水素原子核(陽子)はスピンに由来する磁気モーメントを持つためMRIで用いられる。また、ヘモグロビンは酸素化で反磁性、脱酸素化で常磁性を示すことが知られている。
選択肢別解説
正しい。神経伝導に伴うイオン電流が時変電流として流れるため、その周囲に微小な磁界が発生する。これはアンペールの法則で説明でき、実際に脳磁図(MEG)や心磁図(MCG)として計測されている。
誤り。生体の透磁率は真空とほぼ同じであり、比透磁率 $\mu_r=\mu/\mu_0$ はほぼ1である。$\mu_0=4\pi\times10^{-7}\,\mathrm{H/m}$。比透磁率が数千(例:5000)となるのは鉄などの強磁性体に見られる値で、生体一般には当てはまらない。
正しい。水素の原子核(陽子)はスピン1/2を持ち、固有の磁気モーメントを有する。外部磁場中で歳差運動を起こす性質がMRI信号検出の基盤となっている。
正しい。酸素化ヘモグロビン(オキシヘモグロビン)は反磁性体であり、外部磁場に対して逆向きにわずかに磁化する(不対電子を持たない)。
正しい。脱酸素化ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)は常磁性体であり、不対電子により外部磁場と同方向にわずかに磁化する。この性質はBOLD-fMRIなどにも反映される。
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解説
ラジオアイソトープを用いる核医学画像は、SPECTはガンマ線放出核種(例: 99mTc、123I)からのガンマ線をガンマカメラで検出し、PETは陽電子放出核種(例: 18F、11C、13N、15O)から放出された陽電子が体内電子と対消滅して生じる2本の511 keVガンマ線を同時計数で検出する。空間分解能は一般にX線CTより低く(CTはサブミリ、PETは数mm、SPECTは数mm〜10 mm程度)、代謝・血流などの機能情報を得ることができる。FDG-PETはグルコース類似体18F-FDGの集積を利用して糖代謝情報を画像化する。PET用核種は半減期が短いものが多く、臨床現場ではサイクロトロンによる供給体制が前提となる。
選択肢別解説
誤り。核医学画像(SPECT/PET)の空間分解能は一般にX線CTより低い。X線CTはサブミリの高分解能が得られるのに対し、PETは数mm、SPECTは数mm〜10 mm程度が目安である。
誤り。SPECTで検出するのは放射性核種からのガンマ線であり、PETで検出しているのも陽電子そのものではなく陽電子と電子の対消滅で生じる2本の511 keVガンマ線である。ベータ線(β線: 電子または陽電子)は体内での飛程が短く、外部検出には適さない。
正しい。FDG-PETではグルコース類似体である18F-FDGが細胞内に取り込まれ、解糖系活性の高い部位(例: 多くの悪性腫瘍)に集積するため、糖代謝情報を画像化できる。
正しい。SPECTは脳血流トレーサ(例: 99mTc-HMPAO、99mTc-ECD、123I-IMP)を用いて脳血流分布を画像化でき、脳血流低下や左右差などの機能評価に用いられる。
正しいと扱う。PETは陽電子放出核種を用い、これらは半減期が短いものが多いためサイクロトロンによる安定供給体制が必要になる。教育的整理では「PET撮影には(院内)サイクロトロンが必要」と説明されることが多い。ただし実務上は18F製剤(半減期約110分)が外部施設のサイクロトロンで製造され配送される運用も広く行われている点には留意する。
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