臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
X線CTは回転するX線管と多数の検出器で多方向からの減弱データ(線減弱係数)を収集し、再構成によって断層像を得る装置である。体軸方向の容積データ(ヘリカルスキャン、マルチスライス)からMPRや3Dレンダリングで臓器の立体構造を画像化でき、検出器は多素子アレイを用いる。空間分解能は撮影条件や再構成関数にもよるが高コントラストでおよそ0.5〜0.7 mm程度(概ね1 mm程度)とされる。画素のコントラストは線減弱係数に基づくCT値(HU)で表される。一方、「動画を撮影することが可能」という表現は一般的な意味でのリアルタイム動画撮影を指すと不適切で、CTは基本的に静止画像の高速連続取得であり、透視のような真の動画撮影とは異なるため誤りである。
選択肢別解説
正しい。ヘリカルスキャンやマルチスライスCTで取得した容積データからMPR(任意断面再構成)や3Dレンダリング(VR、MIPなど)を行い、臓器の立体構造を画像化できる。
正しい。CTは多数のX線検出器素子からなるアレイ(マルチスライスでは多列検出器)を用いて同時に多方向の投影データを収集する。
誤り。CTは高速に連続スキャンして時系列データ(シネ表示や4D的評価)を作ることはあるが、透視のようなリアルタイム連続動画を撮影する装置ではない。一般的な意味での「動画撮影が可能」という表現は不適切であり誤りと判断する。
正しい。CTの高コントラスト空間分解能はおよそ0.5〜0.7 mm程度で、選択肢の「1 mm程度」という記載は概ね妥当である(撮影条件や再構成関数に依存)。
正しい。CT画像は組織の線減弱係数に基づくCT値(HU)で画素値を表す。定義は例えば $\mathrm{HU} = 1000 \times (\mu - \mu_{\mathrm{water}}) / \mu_{\mathrm{water}}$ で、水は0 HU、空気は約−1000 HUとなる。
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解説
生体磁気計測は、生体内のイオン電流(心筋や神経の活動電位など)が作る極めて微弱な磁界を計測する。代表的な大きさは、心磁図でおよそ $10^{-11} \sim 10^{-10} \\text{ T}$、脳磁図でおよそ $10^{-14} \sim 10^{-12} \\text{ T}$ とされる。これらの微小磁界を実用的に検出できる代表的センサが SQUID(超伝導量子干渉素子)で、感度はおおむね $10^{-14} \\text{ T}$ 程度に達する。一方、ホール素子は実用域がはるかに大きい磁界(少なくとも nT〜µT 以上)向けであり、生体磁気レベル(fT〜pT)を直接捉える感度はない。肺内の磁性微粒子に由来する受動的磁界(磁気肺計測)は $10^{-9} \sim 10^{-8} \\text{ T}$ 程度であり、$10^{-7} \\text{ T}$ は過大である。以上より、正しいのは 1, 2, 5。
選択肢別解説
正しい。心臓由来の磁界(心磁図, MCG)はおよそ $10^{-11} \sim 10^{-10} \\text{ T}$ 程度とされる。地磁気(約 $5\\times10^{-5} \\text{ T}$)よりも桁違いに小さく、遮蔽や高感度センサが必要となる。
正しい。脳由来の磁界(脳磁図, MEG)はおよそ $10^{-14} \sim 10^{-12} \\text{ T}$ の範囲で観測される。記述の $10^{-13} \\text{ T}$ はこの代表値範囲に含まれる。
誤り。磁性微粉体の残留磁化に基づく磁気肺計測の磁界は $10^{-9} \sim 10^{-8} \\text{ T}$ 程度とされ、選択肢の $10^{-8} \sim 10^{-7} \\text{ T}$ は上限側が過大である。
誤り。ホール素子の実用的な検出限界ははるかに大きい磁界(少なくとも nT〜µT オーダ)であり、$10^{-20} \\text{ T}$ のような超高感度は現実的でない。生体磁気計測には通常 SQUID などの超高感度センサが用いられる。
正しい。SQUID は fT($10^{-15} \\text{ T}$)〜pT($10^{-12} \\text{ T}$)帯の超微弱磁界検出が可能で、代表的感度はおよそ $10^{-14} \\text{ T}$ 程度とされる。MEG や MCG に広く用いられている。
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