臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
超音波診断装置は電離放射線ではなく音波を用いるため放射線被曝がなく、一般に非侵襲的で繰り返し使用しやすい。一方で超音波は骨・空気で強く反射・減衰するため、全身を一括に撮る「全身撮影」には適さない。心エコーではMモードや2Dで左室自由壁や心室中隔の壁厚を収縮期・拡張期に定量できる。さらに血管内超音波(IVUS)ではカテーテル先端のプローブにより血管内腔から断層像を取得可能である。電子走査により高フレームレートでリアルタイム表示が可能である。以上より、正しいのは3・4・5である。
選択肢別解説
誤り。超音波は電離放射線を用いないため放射線被曝はなく、診断用出力では一般に非侵襲的に実施できる。被曝に伴う侵襲性という表現はX線/CT/核医学に当てはまるが、超音波には当てはまらない。
誤り。超音波は骨や空気(肺・消化管内ガス)で強く反射・減衰するため透過性が不均一で、全身を一括で描出する「全身撮影」には不向きである。目的部位ごとに探触子を当てて限られた範囲を観察する。
正しい。心エコー(経胸壁や経食道)ではMモードや2D画像から左室壁や心室中隔の壁厚を測定でき、拡張期・収縮期の壁厚評価が可能である。
正しい。血管内超音波(IVUS)はカテーテル先端の小型振動子で血管内腔から超音波を送受信し、血管壁の断層像を取得できるため、血管内の画像が得られる。
正しい。電子走査・ビームフォーミングにより高フレームレートで画像更新が行われ、実時間(リアルタイム)の撮影・表示が可能である。
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解説
超音波凝固切開装置(いわゆるハーモニックスカルペル等)は、圧電素子で先端ブレードを超音波域(おおむね45〜55 kHz)で微小振幅(おおむね数十マイクロメートル、典型的には50〜100 µm程度)で往復振動させ、その機械エネルギーにより組織間で摩擦熱を生じさせて切離と凝固を同時に行う。得られる温度は主に蛋白変性・膠原収縮が進む範囲(約60〜100℃)で、レーザメスの高温域(蒸散・炭化で数百℃に達し得る)に比べ低温で熱損傷が少ない。電流を患者体内に通電して切開・凝固する方式ではないため、電気メスのような対極板は不要であり、開腹・開胸のみならず鏡視下(内視鏡外科)手術でも広く用いられる。
選択肢別解説
誤り。超音波凝固切開装置の先端振幅(ストローク)は一般に数十マイクロメートル(例:50〜100 µm)程度であり、5〜10 mmのようなミリメートル単位の大振幅ではない。
正しい。一般的な装置は約45〜55 kHzの機械振動(代表値として約55 kHz前後)を用いてブレードを駆動する。
正しい。超音波装置は摩擦熱で蛋白変性・膠原収縮を惹起する温度帯(約60〜100℃)で凝固・切離を行うことが多く、蒸散・炭化を伴い数百℃に達し得るレーザメスより低温で組織熱損傷が小さい。
誤り。患者に高周波電流を通電する電気メスとは異なり、機械振動と摩擦熱で作用するため対極板は不要である。
誤り。内視鏡外科(鏡視下)手術においても広く用いられており、禁忌ではない。血管封止や組織切離で日常的に使用される。
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解説
電気メスでは、切開は連続波(連続的に出力)で組織を素早く蒸散させ、凝固は断続波(デューティ比を下げた変調波)で組織を乾燥・止血させる。点検で用いるダミー負荷は高周波でのインダクタンス影響を避けるため無誘導抵抗器を用いる。対極板の安全は電流密度(単位面積あたりの電流)で決まり、出力電流が大きいほど必要面積も大きくなる($J=I/A$)。静電結合型対極板は表面が絶縁されており、体表と電極の間に容量を形成して電流を回収する設計で、接触不良や局所高密度電流を抑える意図がある。スプレー凝固は高電圧・火花放電を伴うため高周波ノイズが発生しやすく、モニタ等に雑音障害を起こしうる。
選択肢別解説
誤り。切開出力が連続波で、凝固出力は断続波(低デューティ比の変調波)である。凝固は加熱時間を間欠的にして炭化・止血を得る方式であり、連続波ではない。
正しい。電気メスの点検では高周波電流を負荷に流すため、インダクタンスを持つ巻線抵抗は誤差や発振の原因となる。したがってコイル成分を極小化した無誘導抵抗器を負荷抵抗として用いる。
正しい。対極板での熱傷は高い電流密度が原因となるため、出力電流が増えるほど対極板面積を広くして$J=I/A$を安全域に保つ必要がある。一般に安全電流密度は概ね数十 mA/cm^2 以下が目安とされ、出力に依存して必要面積が変わる。
正しい。静電結合型対極板は表面が絶縁され、患者皮膚との間にコンデンサを形成して容量結合で電流を回収する。これにより直流や低周波成分の直接流入を避け、局所的な高電流密度の発生を抑える設計である。
誤り。スプレー凝固は高電圧で非接触の火花放電を用いるため、高周波ノイズ(EMI)が発生しやすく、ECGなどのモニタに雑音障害を生じやすい。
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解説
図の正弦波はピーク間隔が0.1 msであり、これが1周期 $T$ に相当する。水中の音速は標準的に $v\approx1500\,\mathrm{m/s}$ を用いるため、波長は $\lambda=vT$ で求まる。$T=0.1\,\mathrm{ms}=1.0\times10^{-4}\,\mathrm{s}$ より、$\lambda=1500\times1.0\times10^{-4}=0.15\,\mathrm{m}=15\,\mathrm{cm}$。したがって正答は15 cm(選択肢4)。
選択肢別解説
0.1は図から読み取った周期の数値(0.1 ms)であり、波長の値ではない。計算による正しい波長は15 cmとなる。
誤り。$T=0.1\,\mathrm{ms}$ に空気中の音速 $\approx330\,\mathrm{m/s}$ を誤用すると $\lambda\approx3.3\,\mathrm{cm}$ となるが、本問は水中であり不適切。
誤り。半周期 $0.05\,\mathrm{ms}$ を周期と誤読して $\lambda=vT=1500\times5.0\times10^{-5}=0.075\,\mathrm{m}=7.5\,\mathrm{cm}$ とした可能性がある。正しくは周期0.1 msを用いる。
正しい。図より $T=0.1\,\mathrm{ms}$、水中音速 $v\approx1500\,\mathrm{m/s}$ として $\lambda=vT=0.15\,\mathrm{m}=15\,\mathrm{cm}$。
誤り。周期を2倍に誤読(0.2 ms)した場合などに得られる値で、正しい計算結果15 cmと一致しない。
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解説
超音波診断装置では、断層画像(Bモード)はパルスエコー法を用いて反射の往復時間から距離情報を得る。ドプラ計測では、深さ分解能を持つパルスドプラは測定可能速度がナイキスト限界により制限され、高速血流(狭窄ジェットなど)には深さ分解能を犠牲にしても速度上限のない連続波ドプラが有用となる。心臓の弁や壁運動評価には時間分解能の高いMモードが適し、組織の非線形伝搬で生じる高調波を利用するティッシュハーモニック画像(THI)は組織コントラストや描出の明瞭化に寄与する。腹部一般の描出にはコンベックス(リニア)走査が標準で、狭い音響窓に強いセクタ(フェーズドアレイ)は主に心エコーに適する。
選択肢別解説
誤り。狭窄部位などの高血流速度ではパルスドプラはナイキスト限界(最大可測ドプラ周波数はPRF/2)によりエイリアシングが生じやすい。速度上限の制約がない連続波ドプラが適しており、重症大動脈弁狭窄などのジェット速度評価に用いられる。
正しい。Mモードは深さを縦軸、時間を横軸に連続表示し、極めて高い時間分解能で弁尖や壁の運動を定量できる。心室径、心房径、僧帽弁E-Fスロープなどの計測に適する。
正しい。ティッシュハーモニック画像(THI)は組織中の非線形伝搬で生じる第2高調波成分を用い、近距離アーチファクトやサイドローブを低減し、組織コントラストと描出の明瞭さを改善するため、組織性状の画像化に有用である。
誤り。腹部一般の描出には広い視野と適度な侵入能を持つコンベックス(あるいは部位によってリニア)走査が適する。セクタ走査(フェーズドアレイ)は小さな開口で肋間など狭い窓からの心臓描出に有利で腹部一般には第一選択ではない。
誤り。Bモードはパルスエコー法で反射の往復時間差から距離(深さ)情報を得る。連続波は距離分解能がなく、主にドプラ計測(CWドプラ)に用いられるため、Bモード描出には適さない。
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