臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
超音波はヒトの可聴上限である約20kHzを超える周波数の音波を指す。音速は媒質固有で、波の基本関係式は $v=\lambda f=\frac{\lambda}{T}$ であるため、「速度は波長と周期の積」は誤り。直進性(指向性・回折の少なさ)は波長が短いほど良く、開口径 $D$ の送受波器に対し回折角は概ね $\theta\approx1.22\,\frac{\lambda}{D}$ に比例するので、波長が長いほど直進性は悪くなる。生体軟部組織での超音波減衰は周波数にほぼ比例(係数 $\alpha\propto f$)し、周波数が高いほど減衰が大きい。伝搬に伴う振幅は $A(x)=A_0 e^{-\alpha x}$、強度は $I(x)=I_0 e^{-\mu x}$(定義によっては $\mu=2\alpha$)のように距離に対して指数関数的に減少する。以上より、1と5が正しい。
選択肢別解説
正しい。超音波はヒトの可聴域上限(約20kHz)を超える周波数の音波と定義される。したがって「振動が20kHz以上の音波である」は適切。
誤り。波の速度は $v=\lambda f=\frac{\lambda}{T}$ で表され、波長と周期の『積』ではなく、『商』(または波長と周波数の積)で与えられる。
誤り。直進性(指向性)は波長が短いほど良くなる。開口径 $D$ に対する回折角は概ね $\theta\approx1.22\,\frac{\lambda}{D}$ に比例し、波長が長いほど回折が大きくビームが広がり直進性は低下する。
誤り。生体組織中の減衰は周波数にほぼ比例し(減衰係数 $\alpha\propto f$)、周波数が高いほど減衰が大きい。よって「周波数が低くなると減衰が大きくなる」は逆。
正しい。伝搬に伴う減衰は吸収や散乱により生じ、振幅は $A(x)=A_0 e^{-\alpha x}$、強度は $I(x)=I_0 e^{-\mu x}$ のように距離に対して指数関数的に減少する。
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解説
音波は媒質中を伝わる縦波(疎密波)で、圧縮される「密」の部分では圧力が上昇し、膨張する「疎」の部分では圧力が低下する。ヒトの可聴域は約20 Hz〜20 kHzで、これより高い周波数の音波が超音波である。周波数が高いほど波長は短く($\lambda=c/f$)、同一開口では回折が起こりにくく直進性が高い。また、音源が観測者に近づくとドプラ効果により受信周波数が上昇し、音は高く聞こえる。医用の超音波診断装置では概ね0.5〜20 MHz程度の周波数が用いられる。以上から、密部で圧力が低下するとする記述は物理的に逆で誤りである。
選択肢別解説
正しい。超音波はヒトの可聴域(約20 Hz〜20 kHz)の上限を超える周波数を持つ音波を指すため、「20 kHzより高い音波」は妥当である。
正しい。周波数が高いほど波長は短くなり($\lambda=c/f$)、同じ開口径では回折が抑えられてビームの広がりが小さくなるため、超音波は可聴音(周波数が低く波長が長い)より直進性が高い。
正しい。ドプラ効果により、音源が観測者に近づくと観測される周波数が増加し、音は高く聞こえる。逆に遠ざかると周波数は低下する。
誤り。音波の疎密波では、密(圧縮)部で圧力は上昇し、疎(膨張)部で圧力が低下する。設問はこの関係を逆に述べているため誤りである。
正しい。一般的な医用超音波診断装置ではおおむね0.5〜20 MHz程度の周波数帯が利用される。原文の「0.5~MHz」は表記不備だが、意図する内容は適切である。周波数選択は目的(深部は低め、浅部・高解像は高め)に依存する。
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