臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
超音波吸引手術器(CUSA など)は、変換器で得たおおむね20〜30kHzの超音波振動を先端チップに伝え、約100〜300μmの微小振幅で伸縮振動させる。機械的振動とキャビテーション作用により肝臓・膵臓・脂肪などの脆弱な実質組織を選択的に破砕・乳化し、同時に吸引除去する。血管・神経など弾性の高い組織は比較的損傷されにくい。使用時は冷却と洗浄・乳化促進のため滅菌生理食塩液による持続灌流が必要である。なお、電気メスや超音波凝固切開装置のような熱凝固による止血機能は基本的に備えないため、止血は別途行う。
選択肢別解説
誤り。超音波吸引手術器が利用する周波数は一般に数十kHz帯(約20〜30kHz)であり、5MHz(=5,000kHz)の高周波は本装置の作動周波数としては不適切である。
誤り。超音波吸引手術器は脆弱な実質組織の選択的破砕・乳化・吸引に用いられ、骨の切削を主目的として多用される装置ではない(骨切削には別種の器械が用いられる)。
正しい。先端チップはおおむね100〜300μm程度の微小振幅で伸縮振動し、その機械的作用で組織を破砕・乳化する。
正しい。使用時には滅菌生理食塩液を灌流させ、先端の冷却、洗浄、破砕片の乳化・吸引を助ける。したがって滅菌した生理食塩液が必要である。
誤り。本装置は振動エネルギーで組織を破砕・乳化・吸引するもので、熱凝固による止血機能は基本的に備えない。止血は別の手段(電気メスなど)を併用する。
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