臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
医用レーザは波長と組織の吸収特性により用途が決まる。網膜光凝固は主に可視域のArレーザ(青緑)やKTP(Nd:YAGの第2高調波 532 nm)などが用いられる。一方、Nd:YAG(1064 nm)は深達性が高く凝固・止血や後嚢切開(後発白内障処置)などが代表適応で、網膜光凝固の第一選択ではない。エキシマレーザ(193 nm)は角膜のアブレーション(PRK/LASIK)に用いる。CO₂レーザ(10.6 µm)は水への吸収が極めて高く、皮膚・耳鼻咽喉・消化管内視鏡などで切開・蒸散に用いられる。半導体レーザ(GaAlAsなどの近赤外、低出力)は光生体調節を介した疼痛緩和などに用いられる。以上より「半導体レーザ ― 疼痛治療」が正しい。
選択肢別解説
誤り。Nd:YAG(1064 nm)は深達性が高く、凝固・止血、後嚢切開などに用いられるのが一般的である。網膜光凝固には主に可視域のArレーザ(青緑)やKTPレーザ(Nd:YAGの第2高調波 532 nm)が用いられるため、提示の組合せは適切でない。
誤り。白内障手術の基本は超音波乳化吸引(近年は一部工程でフェムト秒レーザ補助)であり、Arレーザは網膜光凝固など眼底治療に用いられる。したがってArレーザと白内障手術の組合せは不適切。
誤り。エキシマレーザ(主に193 nm)は角膜表面のアブレーション(PRK/LASIKなど)に用いられる。脱毛処理に一般的なのはアレキサンドライト(755 nm)、半導体(約800〜810 nm)、Nd:YAG(1064 nm)などであり、エキシマレーザではない。
誤り。CO₂レーザ(10.6 µm)は水への吸収が非常に大きく、皮膚や粘膜の切開・蒸散に適する。一方、角膜切除術(屈折矯正手術)にはエキシマレーザ(193 nm)が用いられるため、組合せは不適切。
正しい。半導体レーザ(GaAlAsなど、近赤外域)の低出力タイプは光生体調節(photobiomodulation)を介して疼痛緩和・炎症軽減などの目的で広く用いられる。
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解説
ESWL(体外衝撃波結石破砕術)は体外で発生させた衝撃波を体内の結石に集束して破砕する治療である。主な衝撃波発生方式は、水中放電方式(回転楕円体反射で第1焦点→第2焦点に集束)、圧電方式(球面状に配置した圧電素子の収束)、電磁板方式(電磁誘導で振動板を駆動し音響レンズで収束)である。照準(ターゲティング)はX線透視または超音波で行うが、腸管ガスは超音波の伝搬を妨げやすい一方、X線照準には影響が小さい。禁忌として、衝撃波の伝搬経路に動脈瘤が存在する場合や妊娠などが挙げられる。膀胱結石は通常、内視鏡下の経尿道的砕石・摘出が第一選択であり、ESWLは第一選択ではない。以上より、正しい記述は「電磁板方式では音響レンズが使用される」である。
選択肢別解説
誤り。膀胱結石の治療は、一般に内視鏡を用いた経尿道的膀胱砕石・摘出が第一選択であり、ESWLは第一選択にはならない。ESWLは腎・尿管結石を中心とした適応で用いられることが多い。
誤り。衝撃波の伝搬経路に動脈瘤がある場合は、壁損傷や破裂の危険があり禁忌とされる。ESWLは動脈瘤に対して安全とはいえない。
誤り。X線照準はX線透視で位置決めを行うため、腸管ガスによる超音波の反射・減衰のような影響を受けにくい。腸管ガスの影響を強く受けるのは超音波照準である。
誤り。水中放電方式(電気火花方式)は回転楕円体反射器を用い、第1焦点で発生した衝撃波を第2焦点に集束させる。球の中心に集束するのは球面収束を用いる圧電方式である。
正しい。電磁板方式では電磁誘導で金属膜(振動板)を駆動して衝撃波を発生させ、音響レンズで焦点に集束させる方式が代表的である。
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解説
超音波画像計測では、組織間の音響インピーダンス差により反射が生じ画像化される。音響インピーダンスは $Z=\rho c$(密度と音速の積)で表され、一般に脂肪より実質臓器(例:肝臓)の方が大きい。高周波は体内での減衰が大きく到達深度が浅くなるため深部観察には不利で、深部にはより低い周波数を用いる。断層像(二次元画像)はBモードで得られ、Aモードはエコーの振幅を深さ方向に一次元表示する。ドプラ計測では、連続波ドプラは距離分解能がなく位置を特定した速度分布は得られない。一方、超音波造影ではマイクロバブル造影剤が広く用いられている。以上より、1と5が正しい。
選択肢別解説
正しい。音響インピーダンスは $Z=\rho c$ で、肝臓は脂肪より密度・音速ともに大きく、結果として音響インピーダンスも大きい。したがって脂肪—肝境界では反射が生じやすく、画像コントラストの源となる。
誤り。超音波の減衰は周波数に概ね比例して増大するため、高い周波数ほど到達深度が浅くなり深部観察には不向きである。深部臓器の観察には一般により低い周波数プローブを用いる。
誤り。Aモードは反射エコーの振幅を深さ方向に一次元で表示する方式で、断層像(二次元像)は得られない。断層像を得るのはBモードである。
誤り。連続波ドプラは送受信を連続して行うためレンジゲーティングができず、どの深さからの信号かを分離できない。したがって位置を特定した血流の速度分布は得られない(空間分解能なし)。
正しい。超音波造影剤としてマイクロバブル(微小気泡)が用いられる。強い散乱・非線形応答を示し、造影ハーモニック法などで肝腫瘍などの血流評価に用いられる。
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