臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
ESWLは水中で発生させた衝撃波を体内の結石へ集束させて破砕する治療で、空気(ガス)を介すると減衰するため水槽やウォータクッションとゲルで体表と密着させる。安全対策として心電図R波同期でT波(脆弱期)を避けて発射するのが標準で、腹部大動脈瘤など破裂・出血リスクが高い状態は禁忌とされる。照準法は結石の部位で使い分けるが、尿管結石全般ではX線透視が第一選択となることが多く、超音波照準が常に適しているわけではない。また骨盤に隠れる腸骨稜下の下部尿管結石は照準が困難になりやすく、ESWLの適応は限定的であるため、「適用する」との一般化は不適切。以上より、誤りは1と5である。
選択肢別解説
誤り。尿管結石(特に上部尿管)は骨や腸管ガスの影響で超音波での描出・照準が難しいことが多く、X線透視による照準が一般的に適している。超音波照準は腎結石などには有用だが、尿管結石全般に「適している」とは言えない。
正しい。衝撃波は心筋の不応期を外れるタイミングで発射しないと不整脈(特にT波付近での発射による心室性不整脈)を誘発しうるため、R波同期での照射が安全対策として必要とされる。
正しい。衝撃波は水などの液体中で電気油圧式・電磁式・圧電式などにより発生させ、水中で効率よく伝搬・集束させる。空気層は大きな音響インピーダンス差によりエネルギーが失われるため、体表はゲル等で密着させて空気を排除する。
正しい。腹部大動脈瘤は衝撃波による損傷や破裂の危険があり禁忌とされる。妊娠、出血傾向、未治療の尿路感染なども一般的禁忌・慎重適応に含まれる。
誤り。腸骨稜上縁より下部の下部尿管結石は骨盤に重なり照準が難しく、ESWLの適応は限定的で治療選択としては尿管鏡手術(TUL)が選ばれることも多い。「適用する」との一般化は不適切である。
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解説
医薬品医療機器等法では、医療機器をリスクに応じてクラスI(一般医療機器)〜クラスIV(高度管理医療機器)に分類する。一般医療機器(クラスI)は人体へのリスクが比較的低く、原則として製造販売届出で流通できる。設問では、ネブライザがクラスIに該当する。補聴器は管理医療機器(クラスII)、人工呼吸器は生命維持管理に関わるため高度管理医療機器(クラスIII)、冠動脈ステントは植込み型で最も高リスクのため高度管理医療機器(クラスIV)、粒子線治療装置は高出力放射線を用いる治療装置で重大な影響を及ぼし得るため高度管理医療機器(クラスIII)に区分される。
選択肢別解説
補聴器は管理医療機器(クラスII)に分類される。身体に侵襲は小さいが、機能不良が聴覚機能に影響し得るため一般医療機器(クラスI)ではない。
ネブライザは一般医療機器(クラスI)に分類される。薬液を霧化して吸入させる機器であり、通常は生命維持に直結せず、機能障害が生じても重大な健康被害に至る可能性は低いと評価される。
人工呼吸器は高度管理医療機器(クラスIII)に分類される。生命維持管理装置であり、機能不全が患者の生命に直結する高リスク機器であるため、クラスIではない。
冠動脈ステントは高度管理医療機器(クラスIV)に分類される。植込み型で血管内に長期留置され、機能不全や不具合が重大な転帰に直結し得る最上位リスク群である。
粒子線治療装置は高度管理医療機器(クラスIII)に分類される。高エネルギーの放射線を用いる治療装置であり、誤作動や不適切な使用が重大な健康被害につながるため、一般医療機器ではない。
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