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臨床工学技士国家試験
解説
ESWL(体外衝撃波結石破砕術)で臨床的に用いられる衝撃波発生方式は、電極放電式(=水中放電式、電気火花で水中にプラズマ泡を生じ衝撃波を得る)、電磁振動方式(コイルと金属膜の反発で膜をはじき衝撃波を生成する)、圧電方式(多数の圧電素子を同時駆動して収束させる)の3方式が代表である。熱電子放射式は電子源の方式であり衝撃波発生機構ではなく、光励起方式(レーザ励起)は体内で直接照射して砕石するレーザ砕石術に属し、ESWLの体外衝撃波発生方式としては用いられない。よって誤りは「熱電子放射式」と「光励起方式」である。
選択肢別解説
電極放電式は水中の電極間に高電圧パルスを印加してスパーク放電を起こし、急激なプラズマ生成・膨張に伴う圧力波(衝撃波)を発生させ、反射鏡で焦点に収束させる。ESWLの代表的方式であり、記載は適切。
電磁振動方式はコイルに大電流パルスを流して生じる磁場と金属膜(導体)との反発で膜を瞬時に変位させ、圧力波(衝撃波)を発生させる。音響レンズ等で焦点に収束させるESWLの代表的方式であり、正しい。
熱電子放射式は加熱カソードから電子を放出させる電子源の方式であり、衝撃波を生成する方式ではない。ESWLの衝撃波発生機構としては採用されていないため、誤りである。
光励起方式(レーザ励起)による砕石は、主に体内でレーザを直接結石に照射するレーザ砕石術(内視鏡下)に分類され、ESWLの体外衝撃波発生装置の方式としては一般に用いられない。したがって本設問の文脈では誤りである。
圧電方式は球面状に配置した多数の圧電素子にパルス電圧を印加し、同位相の超音波パルスを自己収束させて焦点で高い圧力波(衝撃波)を得る。ESWLの代表的方式であり、正しい。
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解説
ESWL(体外衝撃波結石破砕術)の衝撃波発生方式は、現在一般に(1) 電極放電方式(電気水力式:水中でスパーク放電して衝撃波を発生)、(2) 圧電素子方式(多数の圧電素子を球面状に配置し同時駆動で集束衝撃波を生成)、(3) 電磁方式(電磁板方式:コイルと金属膜の反発で圧力波を生じ、音響レンズ等で集束)の3方式である。レーザ方式や圧縮空気方式は、内視鏡直視下で行う体内破砕(TUL/PNLなど)の破砕手段であり、ESWLの衝撃波“発生方式”には含まれない。よって「レーザ方式」「圧縮空気方式」はESWLの方式ではない。
選択肢別解説
電磁板方式はESWLの電磁方式に該当し、現在も用いられている。コイルに大電流を流して金属膜を反発・変位させ、水中に圧力波(衝撃波)を生じさせ、音響レンズや反射鏡で結石へ集束する。したがって「でない」には当たらない。
電極放電方式(電気水力式)は水中スパーク放電による急峻な気泡膨張・収縮で衝撃波を発生させるESWLの基本方式の一つである。初期の代表機(例:Dornier系)にも採用され、現在も方式としては用いられているため、「でない」には当たらない。
圧電素子方式は多数の圧電素子を球面状に配置し、同時に高電圧パルスを印加して衝撃波を生成・集束させるESWLの方式である。したがってESWLで用いられており、「でない」には当たらない。
レーザ方式(例:Ho:YAGレーザなど)は内視鏡的結石破砕(TUL/PNL)で用いられる体内破砕手段であり、ESWLにおける衝撃波“発生方式”ではない。よって本問の趣旨に合致する(ESWLの方式ではない)。
圧縮空気方式(気圧式・空気圧破砕、いわゆるリソトクラスト等)は、圧縮空気で弾体を打撃しプローブ先端で機械的衝撃を結石に伝える体内破砕法で、ESWLの衝撃波発生方式ではない。したがって本問の「でない」に該当する。
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解説
レーザー手術装置の特性と医療応用に基づく基礎知識の確認問題。CO2レーザー(10.6 µm)はシリカ(石英)に強く吸収されるため石英ファイバー伝送は適さず、多関節ミラーアームや中空導波路が用いられる。半導体(ダイオード)レーザーは低出力では光生体調節(LLLT/光生体調節療法)として疼痛緩和に用いられる臨床実績がある。Er:YAGレーザー(2.94 µm)は水への吸収が極めて高く、硬組織・歯質の切削やう蝕除去など歯科領域で広く用いられる。Nd:YAGレーザー(1,064 nm)は近赤外域で深達性が比較的高い。組織表面の凝固・止血は照射スポットを広げてパワー密度を下げるデフォーカス照射が基本で、焦点を絞るのは切開・蒸散向けである。
選択肢別解説
誤り。CO2レーザー(波長約10.6 µm)は石英(シリカ)ガラスに強く吸収されるため、石英ファイバーでの伝送は不適。一般に多関節ミラーアームや中空導波路などで導光する。
正しい。半導体(ダイオード)レーザーの低出力機器は、疼痛緩和などの光生体調節(LLLT/フォトバイオモジュレーション)に用いられる臨床応用がある。
正しい。Er:YAGレーザー(2.94 µm)は水への吸収が高く、熱侵襲を抑えた蒸散・切削が可能で、歯科でのう蝕除去や歯質切削、歯周治療などに用いられる。
正しい。Nd:YAGレーザーの代表波長は1,064 nmで近赤外領域に属し、相対的に深達性が高く凝固用途などに用いられる。
誤り。表面の凝固・止血ではスポット径を大きくしてパワー密度を下げるデフォーカス照射を行うのが基本。焦点を絞るとパワー密度が上がり、切開・蒸散向けとなる。
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解説
インピーダンス式呼吸モニタ(インピーダンス・ニューモグラフィ)は、胸部に貼付した電極間に高周波の微小交流電流を流して得られる胸郭インピーダンスの周期変動から呼吸を検出する方式である。空気は体液・組織より電気的に通しにくいため、吸気で肺に空気が増えると胸郭全体の見かけのインピーダンスは増加し、呼気で減少する。よって「吸気時にはインピーダンスが減少する」は誤り。患者監視装置ではこの波形から呼吸数などをモニタする。測定には電極分極等の影響を避ける目的で数十kHz帯の交流が一般に用いられ、心電図モニタ用電極を兼用して測定できる設計の機器が広く普及している。
選択肢別解説
正しい。電極分極の影響を小さくし安定にトランスサラシック・インピーダンスを検出するため、一般に数十kHz帯の微小交流信号が用いられる。
正しい。インピーダンス呼吸波形から呼吸イベントを抽出し、患者監視装置で呼吸数(RR)などを連続モニタするのが目的である。
正しい。胸部体表に貼付した電極間に微小交流電流を印加し、その電気インピーダンスの変化(吸呼気に伴う胸郭・肺含気量の変化)を計測する。
誤り。吸気では肺の含気量が増え、空気は組織・体液より電気を通しにくいため、胸郭全体としての見かけの電気インピーダンスは増加する。したがって「減少する」は逆である。
正しい。多くの患者監視装置では心電図用の胸部電極を流用してインピーダンス呼吸を同時に測定できる(ECG電極兼用)。専用電極を要さない構成が一般的である。
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解説
ICD(植込み型除細動器)は、心室細動(VF)や持続性心室頻拍(VT)など致死的な心室性不整脈を自動検出し、抗頻拍ペーシング(ATP)やカルディオバージョン/除細動ショックで治療する植込み型デバイスである。除細動ショックは二相性の直流パルスであり、「高周波通電」(カテーテルアブレーションで用いるRF通電)ではない。ICDはAED(自動体外式除細動器)と異なり体内植込み型で、適応は主として心室性不整脈であって心房細動自体の治療目的ではない。通電エネルギーは体内からの直接通電で概ね数十ジュール(経静脈型でおおむね10〜40 J程度、機種によってはそれ以上の最大出力設定もある)である。
選択肢別解説
誤り。ICDの除細動は二相性の直流ショックで行い、「高周波通電」は行わない。高周波通電は主にカテーテルアブレーション(約500 kHzのRF)を指す用語で、ICDの治療様式とは異なる。
誤り。AEDは自動体外式除細動器で、体外から電極パッドで通電する機器。ICDは体内に植え込む除細動器であり別物である。
誤り。ICDの主適応は心室細動や持続性心室頻拍などの心室性致死的不整脈で、心房細動そのものの治療目的には用いない。
正しい。ICDは頻拍検出時にショックの前段として抗頻拍ペーシング(ATP)を行い、ショック無しで停止を図る機能を有する。
正しい。ICDの除細動エネルギーは体内からの直接通電で概ね数十ジュールである(経静脈型でおおむね10〜40 J程度)。このため『数十ジュール』の記述は妥当である。機種によってはより高い最大出力(例:S-ICDで最大約80 J)も存在する。
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解説
体外衝撃波結石破砕(ESWL)の衝撃波発生源は大別して(1)電極放電方式(エレクトロハイドロリック:水中スパーク放電)、(2)圧電方式(多数の圧電素子を球面状に配置)、(3)電磁方式(電磁コイルと薄膜による音響パルス)である。したがって、放電電極・圧電素子・電磁コイルはいずれもESWLの正当な発生源である。一方、Ho:YAGレーザーや圧搾(圧縮)空気は、内視鏡下で結石に直接作用させる体内砕石法(レーザー砕石、ニューマティック砕石)で用いられるもので、ESWLの衝撃波発生源ではない。ゆえに誤りはHo:YAGレーザーと圧搾空気である。
選択肢別解説
放電電極は電極放電方式(エレクトロハイドロリック)で用いられ、水中スパーク放電により衝撃波を発生させる。楕円反射鏡で集束する方式が代表的で、ESWLの正当な発生源である。
圧電素子は圧電方式で用いられ、多数の圧電素子を球面状に配置して同時駆動し、焦点に衝撃波を集束させる。ESWLの正当な発生源である。
電磁コイルは電磁方式で用いられ、コイルと金属薄膜(または音響レンズ)により急峻な音圧パルスを発生・集束する。ESWLの正当な発生源である。
Ho:YAGレーザーは内視鏡下レーザー砕石(TULなど)で用いる体内砕石のエネルギー源であり、ESWL(体外衝撃波)の発生源ではないため本問では誤り。
圧搾(圧縮)空気は内視鏡下ニューマティック砕石装置で用いられ、圧縮空気で打撃プローブを駆動して結石を機械的に破砕する体内砕石法である。ESWLの発生源ではないため本問では誤り。
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解説
植込み式ペースメーカは外部の電磁界や放射線により、過感知(ノイズを心拍と誤認)や出力抑制、機能リセットなどの誤作動を生じ得る。X線CTは装置近傍での強い電磁ノイズや、イオン化放射線がデバイスの半導体回路に与える影響により一時的な誤作動や設定リセットが報告されており注意が必要である。電子商品監視装置(EAS)やRFIDは強いRF電磁界を発生し、近接・滞留で過感知や一過性の抑制が生じうるため干渉源となる。一方、テレビのリモコンは低出力の赤外線(光)通信であり、電磁界による干渉は通常生じない。電気毛布の商用周波数磁界は一般的な使用範囲では微弱で、ペースメーカへの影響は通常問題にならない。
選択肢別解説
正。X線CTでは装置由来の電磁ノイズに加え、イオン化放射線が半導体メモリやCMOS回路に影響して一時的な誤作動やリセットが起こり得る。胸部付近への直接照射や長時間の照射では特に注意が必要とされる。
正。電子商品監視装置(EAS)は磁気式・音響磁気式・RF方式などがあり、ゲート付近で強い電磁界を発生する。近接や滞留により過感知、抑制、設定変化などの一過性干渉が報告されているため、立ち止まらず通過するなどの対策が推奨される。
正。RFIDは13.56 MHz(HF)やUHF帯などで強い電磁界を照射して通信するため、リーダ/アンテナへの近接や滞留でペースメーカの過感知・抑制が生じ得る。読取機器から距離を取ることが望ましい。
誤。テレビのリモートコントローラは赤外線(光)を用いた低出力の光通信であり、RF電磁界をほとんど発生しない。通常の使用でペースメーカに影響を与えることはない。
誤。電気毛布は商用周波数の低周波磁界を発生するが、一般的な使用条件での磁界は微弱で、ペースメーカへの臨床的に問題となる干渉は通常生じない。コントローラをデバイス直上に置かない等の一般的配慮で十分とされる。
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解説
ESWL(体外衝撃波結石破砕)は体外で発生させた衝撃波を体内の結石に集束させて破砕する治療で、発生原理に電極放電(電気油圧)、圧電、電磁などがある。電極放電方式では水中放電で生じた衝撃波を回転楕円体反射器で集束し、第1焦点(放電点)から第2焦点へ反射・収束させるため、結石は第2焦点に一致させる。圧電方式は多数の圧電素子を球面状に配置して位相的に収束させるため音響レンズは用いない。一方、音響レンズを用いるのは電磁方式である。照準(ターゲティング)はX線透視と超音波があり、尿管結石は骨や腸管ガスの重なりで超音波描出が難しい部位が多く、一般にX線照準のほうが適する。膀胱結石は通常、経尿道的内視鏡破砕・摘出が第一選択でESWLは第一選択ではない。さらに肺は空気を含み音響インピーダンス差が大きく衝撃波で損傷(肺挫傷、出血)を起こし得るため、安全とはいえない。
選択肢別解説
正しい。電極放電(電気油圧)方式は水中の放電を回転楕円体反射器で反射・集束させる方式で、第1焦点に相当する放電点からの衝撃波を第2焦点に収束させる。治療では結石を第2焦点に正確に位置合わせする。
誤り。圧電方式は多数の圧電素子を球面状に配置して自ら焦点を形成するため音響レンズを用いない。音響レンズを用いるのは電磁方式(電磁誘導で膜を駆動し、レンズで集束)である。
誤り。超音波照準は腎結石などでは有用だが、尿管結石は骨盤骨や腸管ガスと重なりやすく描出が難しい部位が多い。一般にX線透視照準のほうが位置合わせや破砕状況の確認に適するため、「尿管結石に有効」とするのは不適切。
誤り。膀胱結石治療の第一選択は通常、経尿道的内視鏡下破砕・摘出であり、ESWLは第一選択ではない(症例により選択されることはある)。
誤り。肺は空気を含み水との音響インピーダンス差が大きく、衝撃波伝搬で肺挫傷や出血を生じ得る。照射経路が肺を通らないよう配慮が必要で、「安全である」とは言えない。
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解説
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は、水中(あるいは水で満たしたカップリングを介した環境)で発生させた衝撃波を、回転楕円面反射鏡や音響レンズで結石に集束させて破砕する治療である。水と軟部組織は音響インピーダンスが近く、衝撃波は軟部を通過しやすい一方、骨や結石は音響インピーダンスが大きく不連続が大きいため反射・減衰が起こりやすい。このため「骨を通過しやすい」は不適切である。腎結石では母指頭大(概ね2 cm程度)以下はESWLが第一選択となるのが一般的である。結石の照準はX線透視または超音波が用いられるが、尿管結石では骨盤骨・腸管ガスの影響で超音波のみでは描出が難しい部位が多く、一般的に「超音波が適している」と断定するのは不適切である。以上より、本設問では1・2・5が誤り、3・4が正しい記述となる。
選択肢別解説
誤り。ESWLの衝撃波は水中(電気火花放電・電磁方式・圧電方式いずれも水を媒体とする)で発生させ、患者皮膚とは水やゲルで密着(エアギャップ回避)させて体内へ伝搬させる。大気中では音響インピーダンスが水・組織と大きく異なり反射が大きいため、臨床機では用いない。
誤り。骨は水・軟部組織に比べ音響インピーダンスが高く不連続が大きいため、衝撃波は骨で反射・減衰しやすい。したがって「骨を通過しやすい」は不適切である。
正しい。スパークギャップ(電気火花放電:電気水中放電)方式では、放電源を回転楕円面反射鏡の第一焦点に置き、反射により第二焦点(結石位置)へ衝撃波を集束させる設計が用いられる。
正しい。腎結石のうち母指頭大(概ね2 cm)以下は侵襲が少ないESWLが第一選択とされるのが一般的である(ただし結石組成・位置・患者因子により例外はある)。
誤り。尿管結石の照準にはX線透視が広く用いられ、超音波は部位(特に骨盤部・腸管ガス重なり)によって描出困難なことが多い。したがって一般論として「超音波が適している」とは言えない。
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解説
レーザの医療応用は波長・作用機序(光化学作用、光熱作用、選択的光凝固など)に依存する。ArFエキシマレーザ(193 nm)は角膜実質の分子結合を切断するフォトアブレーションにより角膜形状を精密に変化させ、PRK/LASIK 等の近視矯正に用いられる。半導体レーザ(630〜680 nm)は光増感剤(ポルフィリン系630 nm、タラポルフィン664 nm など)を励起して活性酸素を生じさせる光線力学療法(PDT)に適する。Dye(色素)レーザ(主に585〜595 nm)はオキシヘモグロビンの吸収ピークに合わせ、選択的光凝固で血管性病変の「あざ」を治療する。一方、CO2レーザ(10.6 µm)は水への強吸収により切開・蒸散向けで、尿管結石破砕は主にHo:YAG(約2.1 µm)が標準。Nd:YAG(1.064 µm)は深部まで届き凝固・止血や腫瘍焼灼に用いられ、一般的な疼痛治療の第一選択ではない。
選択肢別解説
正しい。ArFエキシマレーザ(193 nm, 紫外域)は角膜実質のフォトアブレーションにより熱影響を最小限に角膜を精密切除でき、PRK/LASIKなどの近視矯正に用いられる。
誤り。CO2レーザ(10.6 µm)は水への強い吸収により表層で切開・蒸散に適するが、尿路内での結石破砕には適さない。尿管結石破砕には石英ファイバで伝送でき、結石に有効なHo:YAGレーザ(約2.1 µm)が一般的に用いられる。
誤り。Nd:YAGレーザ(1.064 µm)は深達性が高く凝固・止血や内視鏡的腫瘍治療に適する。疼痛治療は主に低出力レーザ(He-Ne 632.8 nmやGaAlAs半導体 780〜830 nm など)が用いられ、Nd:YAGは一般的ではない。
正しい。半導体レーザ(約630〜680 nm)は光増感剤を励起して活性酸素を発生させるPDTに使用される。代表例はポルフィマーナトリウム(約630 nm)やタラポルフィンナトリウム(約664 nm)。
正しい。Dye(色素)レーザ(主に585〜595 nm)はオキシヘモグロビンの吸収に一致し、選択的光凝固でポートワイン母斑などの血管性病変の「あざ」治療に用いられる。波長可変性からPDTに応用される場合もあるが、本組合せは適切である。
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解説
体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)は、体外で発生・集束させた衝撃波を水中で伝播させ、体内の結石に焦点を合わせて破砕する低侵襲治療である。空気は音響インピーダンス差が大きく衝撃波が強く減衰・反射するため、水(脱気水)を媒体およびカップリングに用いる。照準(ガイダンス)は結石のX線造影性で選択し、一般的なカルシウム含有の放射線不透過結石にはX線透視が適し、尿酸・シスチンなどの放射線透過結石には超音波照準を用いる。心臓への刺激でR-on-Tによる致死性不整脈を誘発しないよう、R波同期の心電図同期照射が標準的に用いられる。また、腹部大動脈瘤(AAA)は衝撃波により瘤壁へ機械的ストレスが加わり破裂リスクがあるため禁忌とされる。骨盤内の尿管結石は骨による遮蔽で焦点合わせやエネルギー伝達が困難で、ESWLの成績が不良なため通常はTULが選択される。
選択肢別解説
誤り。照準法は結石のX線造影性で選ぶ。尿管結石の多くはカルシウム含有でX線造影性が高く、X線透視のほうが視認しやすい。超音波照準は尿酸・シスチンなどX線透過性結石や被曝低減目的で用いるにとどまり、「尿管結石では超音波が適している」と一般化できない。
正しい。衝撃波が心臓に及ぶ位相で照射されるとR-on-Tから心室細動を誘発しうるため、R波同期の心電図同期照射が必要とされる。市販装置はR波トリガでの照射制御機能を備える。
正しい。衝撃波は空気中で大きく減衰・反射するため、水中で伝播・集束させる。患者とアプリケータ間は脱気水やゲルでカップリングし、気泡を除去してエネルギーを効率よく伝える。
正しい。腹部大動脈瘤では衝撃波により瘤壁へ機械的ストレスが加わり破裂リスクがあるため、ESWLは使用禁忌とされる。
誤り。骨盤内の尿管結石は骨により照準・伝播が遮蔽されESWLの効果が乏しい。一般に適応外または成績不良で、経尿道的尿管結石破砕術(TUL)が適している。
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