臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
観血式血圧測定では、カテーテル—延長チューブ—トランスデューサから成る流体-電気変換系の動特性を適正に保つことが重要である。加圧バッグは約300 mmHgに加圧し、フラッシュデバイス(連続フラッシュ機構)によりヘパリン加生理食塩液を1〜3 mL/h程度で持続注入して血液逆流と凝固を防ぐ。ゼロ校正はトランスデューサを右房の高さにレベリングし、大気圧(0 mmHg)を基準に実施する。チューブ内の気泡は系のダンピングを増大させ、収縮期圧は低め、拡張期圧は高めに歪む一方、平均血圧(静的成分)は原理上ほぼ維持される。以上より、フラッシュデバイスの持続注入機能に関する記述のみ正しい。
選択肢別解説
誤り。チューブ内の気泡はダンピングを増大させ、収縮期圧は低く、拡張期圧は高く測定されやすい。しかし平均血圧(静的圧成分)は原理上ほぼ不変であり、下がるとはいえない。
誤り。カテーテル内はヘパリン加生理食塩液で満たし、気泡を除去する。蒸留水は低浸透圧で溶血や血管内刺激のリスクがあり使用しない。
誤り。加圧バッグは逆流防止と持続フラッシュ確保のため通常約300 mmHgに設定する。収縮期血圧と等しくはしない。
誤り。ゼロ校正は大気開放を0 mmHg基準として行い、トランスデューサの高さを右房レベルに合わせる。中心静脈圧そのものを基準値として用いるわけではない。
正しい。フラッシュデバイスは加圧バッグ内のヘパリン加生理食塩液を少量(通常1〜3 mL/h)で自動持続注入し、カテーテル先端の血液停滞と凝固を防ぐ機能をもつ(手動の高速フラッシュ機能も併載される)。
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解説
超音波画像計測では、断層像はBモード(輝度変調)で得られる。一方、Aモードは反射波の振幅を距離に対して一次元表示する方式であり、断層像(二次元画像)は得られないため「Aモードでは断層像が得られる」は誤りである。Mモードは1本のビーム上の動きを時間方向に表示するため、心臓弁や心室壁などの運動評価に適する。コンベックス走査はビームが扇状に広がるため深部での視野が広く、リニア走査(平行ビームで矩形視野)より深部視野に優れる。超音波はリアルタイム表示が可能で、シネループ等により動画として記録でき、さらにドプラ法(カラー/パワー/パルスドプラ等)により血流の画像化が可能である。
選択肢別解説
正しい。超音波診断装置はリアルタイムで断層像(Bモード)を表示でき、シネループ保存などにより動画として撮影・記録が可能である。
正しい。Mモードは1本の超音波ビーム上の反射体の位置変化を時間方向に表示するため、心臓弁や心室壁の動きを詳細に描画・解析できる。
誤り。Aモードは反射波の強さ(振幅)を距離に対して一次元で表示する方式であり、断層像(二次元画像)は得られない。断層像はBモードで得られる。
正しい。コンベックス(曲面)走査はビームが扇状に発散し、深部での視野が広がるため、リニア走査(平行ビームで矩形視野)に比べて深部視野が広い。腹部など深部観察に適する。
正しい。ドプラ法(カラー/パワー/パルス/連続波など)を用いることで血流の方向や相対速度を検出し、カラー表示などで血流の画像を得ることができる。
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解説
生体組織における光の減衰は吸収と散乱の双方で決まり、特に可視〜近赤外領域では生体は強い散乱体である。吸収の主成分は血中ヘモグロビン(オキシHb・デオキシHb)と皮膚のメラニンで、これにより透過・反射特性が左右される。パルスオキシメータはヘモグロビン種の吸光スペクトル差を利用し、少なくとも2波長(例:赤色約660 nmと赤外約940 nm)で脈動成分の比からSpO2を算出する。光電式脈波計(PPG)は容積脈波(血管容積変化)を捉える装置であり、血流量そのものや動脈血流量の定量測定は行わない。
選択肢別解説
誤り。生体組織は屈折率の不均一性により光を強く散乱する。可視〜近赤外領域では散乱係数が吸収係数より大きいことが多く、光は拡散的に伝播するため「光散乱は少ない」は不適切。
正しい。可視〜近赤外域での主な吸収体は血中ヘモグロビン(オキシHb・デオキシHb)と皮膚のメラニンである。水や脂質も特定の波長で寄与するが、可視域では相対的に小さい。
正しい。ヘモグロビンの吸光特性の違いを利用するため、少なくとも2つの波長(例:赤色約660 nmと赤外約940 nm)を用いて脈動成分の比から酸素飽和度(SpO2)を算出する。多波長方式の装置もある。
誤り。光電式脈波計(PPG)で得られるのは血管容積変化に対応した容積脈波であり、血流量(流速×断面積)そのものの波形を直接示すわけではない。血流量の定量にはドップラー超音波など別手法が用いられる。
誤り。パルスオキシメータは動脈血の酸素飽和度(SpO2)と脈拍を主に評価する装置で、動脈の血流量を測定する機能はない。
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解説
$医用超音波では、軟部組織中の音速は水と同程度で約1500〜1540\,\mathrm{m/s}(約1.5\,\mathrm{km/s})であり、骨などの硬組織ではこれより速い(おおむね3000〜4000\,\mathrm{m/s})。装置はリアルタイム性が高く、心臓など動く臓器の観察にも適する。使用周波数は\,\mathrm{MHz}帯(例: 2〜15\,\mathrm{MHz})で、\,\mathrm{kHz}帯ではない。ドプラ法は血流速度や方向など運動情報を得る手法で、形態学的断層像はBモードで得る。以上より「軟部組織よりも硬組織の方が音速は速い」が正しい。$
選択肢別解説
$誤り。生体軟部組織の音速は約1500〜1540\,\mathrm{m/s}(約1.5\,\mathrm{km/s})であり、10\,\mathrm{km/s}は過大である。$
$正しい。音速は一般に体積弾性率が高いほど速く、軟部組織(約1540\,\mathrm{m/s})より骨などの硬組織の方が速い(約3000〜4000\,\mathrm{m/s}程度)。$
誤り。超音波診断は高いフレームレートでリアルタイム表示が可能であり、心臓など動きのある臓器の観察に適している(Bモード・Mモード・心エコーなど)。
$誤り。医用超音波の送受信周波数は\,\mathrm{MHz}帯(例: 腹部 \cdot 心臓で約2〜5\,\mathrm{MHz}、表在で約7〜15\,\mathrm{MHz})であり、10\,\mathrm{kHz}は低すぎる。$
誤り。ドプラ法は主に血流の速度や方向などの運動情報を得る手法である。臓器の形状(断層像)はBモードで得る。
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解説
遠心ポンプは回転体の遠心力で血液を送る非閉塞(非オクルーシブ)型ポンプで、回転数だけでは流量が一意に決まらず、前負荷・後負荷や回路抵抗により流量が大きく変動する。そのため回転数表示だけでは安全管理が不十分で、動脈側に超音波や電磁式の流量計を装着して流量を直接監視することが必須である。非閉塞型ゆえに下流閉塞時でも圧力上昇は限定的で回路破裂の危険性が低く、また接触圧迫で送液するローラポンプに比べ溶血・血小板障害が少ない。一方、吸引(カーディオトミーサクション)には空気混入が多く、遠心ポンプは大量の空気を扱えず失プライミングや微小気泡の送出を招くため不適である。空気混入時には微小化された気泡が体内へ送られる可能性があるため、気泡検出器や空気除去デバイスと併用しても“空気を送り込む心配がない”とは言えない。
選択肢別解説
誤り。遠心ポンプは前負荷・後負荷に流量が依存し、同一回転数でも流量が変動するため、流量計による直接計測・監視が必要である。回転数表示のみでは安全管理ができない。
誤り。吸引回路は空気混入が多く、遠心ポンプは大量の空気で失プライミングや微小気泡の送出を招くため不適。一般に吸引にはローラポンプを用いる。
正しい。遠心ポンプは非接触・非閉塞で剪断ストレスが比較的低く、接触圧迫で送液するローラポンプより溶血や血小板障害が少ないとされる。
正しい。遠心ポンプは非閉塞型で、下流閉塞時はヘッド内でスリップや再循環が生じ圧力上昇が限定されるため、ローラポンプのように危険な高圧を発生して回路破裂に至るリスクは極めて低い(実務上、破裂の心配はないと扱う)。
誤り。遠心ポンプでも空気が混入すれば微小化されて送出されうるため、空気塞栓のリスクは残る。気泡検出・遮断などの安全対策が不可欠で、“心配がない”とは言えない。
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