臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
本問は超音波画像計測の基礎。Bモードは反射エコーの強度を輝度で表現し、強い反射ほど明るく表示されるため、反射が弱いほど明るいという記述は誤り。方位分解能(横方向・lateral resolution)は主にビーム幅に依存し、ビームが細いほど優れるため「幅が広いほど優れる」は誤り。パワードプラ法はドプラ信号の強度(パワー)を色で表示し、方向や速度情報は持たないが低速・微小血流に高感度で、毛細血管観察に有用で正しい。セクタ走査(フェーズドアレイ)は狭い音響窓から深部を扇形に描出でき、肋間から心臓観察に適し正しい。臨床の診断用超音波は概ね1~20 MHz帯であり、100 kHzは低すぎるため誤り。
選択肢別解説
誤り。Bモードは反射エコーの強度を輝度で表示し、反射強度が強いほど明るく、弱いほど暗く表示される。
誤り。方位分解能(横方向分解能)はビーム幅に依存し、ビームが細い(幅が狭い)ほど優れる。ビーム幅が広いと隣接構造が分離できず分解能は低下する。
正しい。パワードプラ法はドプラ信号の強度(パワー)のみを表示し、方向・速度情報はないが、低速・微小血流(毛細血管など)に対する検出感度が高い。
正しい。セクタ走査(フェーズドアレイ)は扇形の描出で、肋間など狭い音響窓から深部の心臓を観察するのに適する。心エコーで広く用いられる。
誤り。診断用超音波は一般に1~20 MHz程度を用いる。100 kHz(0.1 MHz)は低すぎ、空間分解能も不十分となる。
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解説
超音波診断装置では、断層画像(Bモード)はパルスエコー法を用いて反射の往復時間から距離情報を得る。ドプラ計測では、深さ分解能を持つパルスドプラは測定可能速度がナイキスト限界により制限され、高速血流(狭窄ジェットなど)には深さ分解能を犠牲にしても速度上限のない連続波ドプラが有用となる。心臓の弁や壁運動評価には時間分解能の高いMモードが適し、組織の非線形伝搬で生じる高調波を利用するティッシュハーモニック画像(THI)は組織コントラストや描出の明瞭化に寄与する。腹部一般の描出にはコンベックス(リニア)走査が標準で、狭い音響窓に強いセクタ(フェーズドアレイ)は主に心エコーに適する。
選択肢別解説
誤り。狭窄部位などの高血流速度ではパルスドプラはナイキスト限界(最大可測ドプラ周波数はPRF/2)によりエイリアシングが生じやすい。速度上限の制約がない連続波ドプラが適しており、重症大動脈弁狭窄などのジェット速度評価に用いられる。
正しい。Mモードは深さを縦軸、時間を横軸に連続表示し、極めて高い時間分解能で弁尖や壁の運動を定量できる。心室径、心房径、僧帽弁E-Fスロープなどの計測に適する。
正しい。ティッシュハーモニック画像(THI)は組織中の非線形伝搬で生じる第2高調波成分を用い、近距離アーチファクトやサイドローブを低減し、組織コントラストと描出の明瞭さを改善するため、組織性状の画像化に有用である。
誤り。腹部一般の描出には広い視野と適度な侵入能を持つコンベックス(あるいは部位によってリニア)走査が適する。セクタ走査(フェーズドアレイ)は小さな開口で肋間など狭い窓からの心臓描出に有利で腹部一般には第一選択ではない。
誤り。Bモードはパルスエコー法で反射の往復時間差から距離(深さ)情報を得る。連続波は距離分解能がなく、主にドプラ計測(CWドプラ)に用いられるため、Bモード描出には適さない。
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解説
誤りは3。心臓領域では肋骨間から小さな探触子で扇状に広い視野を得られるセクタ(位相配列)走査が適しており、リニア走査(長方形視野、接地面大)は一般に不適である。1は距離(軸)分解能の定義として正しい。距離分解能はビーム軸方向の2点を識別する能力で、空間パルス長(SPL)が短いほど向上し、高周波・パルス内サイクル数の少ない短パルスで改善する。2のBモードは輝度表示により断層像をリアルタイム観察する方式で正しい。4は胎児心拍の測定にドプラ法(ドプラ周波数偏移の検出)を用いる点で正しい。5は腹部(深部)観察に減衰を抑え深達度を確保する3〜5 MHz程度の比較的低周波を用いる点で正しい。
選択肢別解説
正しい。距離(軸)分解能は超音波ビームの軸方向(深さ方向)で近接した2点を識別する能力を指す。これは空間パルス長(SPL)に依存し、短パルス(高周波・パルス内サイクル数が少ない)ほど向上する。
正しい。Bモード(輝度変調法)は反射エコーの強度を輝度で表示し、断層像をリアルタイムで観察できるため一般的な超音波診断に適する。
誤り。リニア走査は長方形の視野で表在・血管・甲状腺などに適する。一方、心臓では肋骨間から小さな開口で広い視野を確保できるセクタ走査(位相配列:phased array)が一般的であり、心臓の画像診断にリニア走査が『適している』とはいえない。
正しい。胎児心拍数はドプラ法で心臓壁や血流による周波数偏移を検出し測定する(市販のドプラ胎児心音計など)。
正しい。腹部超音波では深部臓器を観察するため、減衰を抑えて深達度を確保できる3〜5 MHz程度の比較的低い周波数が用いられる(体格により2〜5 MHz程度で選択)。
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解説
超音波診断装置は電離放射線ではなく音波を用いるため放射線被曝がなく、一般に非侵襲的で繰り返し使用しやすい。一方で超音波は骨・空気で強く反射・減衰するため、全身を一括に撮る「全身撮影」には適さない。心エコーではMモードや2Dで左室自由壁や心室中隔の壁厚を収縮期・拡張期に定量できる。さらに血管内超音波(IVUS)ではカテーテル先端のプローブにより血管内腔から断層像を取得可能である。電子走査により高フレームレートでリアルタイム表示が可能である。以上より、正しいのは3・4・5である。
選択肢別解説
誤り。超音波は電離放射線を用いないため放射線被曝はなく、診断用出力では一般に非侵襲的に実施できる。被曝に伴う侵襲性という表現はX線/CT/核医学に当てはまるが、超音波には当てはまらない。
誤り。超音波は骨や空気(肺・消化管内ガス)で強く反射・減衰するため透過性が不均一で、全身を一括で描出する「全身撮影」には不向きである。目的部位ごとに探触子を当てて限られた範囲を観察する。
正しい。心エコー(経胸壁や経食道)ではMモードや2D画像から左室壁や心室中隔の壁厚を測定でき、拡張期・収縮期の壁厚評価が可能である。
正しい。血管内超音波(IVUS)はカテーテル先端の小型振動子で血管内腔から超音波を送受信し、血管壁の断層像を取得できるため、血管内の画像が得られる。
正しい。電子走査・ビームフォーミングにより高フレームレートで画像更新が行われ、実時間(リアルタイム)の撮影・表示が可能である。
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解説
医用超音波画像は、生体内の音響インピーダンス差により生じる反射(エコー)を検出して断層像をリアルタイムに表示するのが基本である。周波数は一般に1〜数十MHz(おおむね1〜30 MHz)が用いられ、低周波ほど深部まで届くが分解能は下がり、高周波ほど分解能が上がるが減衰が大きく浅部向きである。形態描出にはBモード(輝度表示)を用い、血流の計測・画像化にはドプラ法(パルス/連続波、カラードプラ等)を用いる。従って、Bモードで臓器の形状を描出するという記述が正しい。
選択肢別解説
誤り。超音波診断の大きな利点はリアルタイム性であり、走査により毎秒数十フレーム以上の断層像を連続表示できる。よって「リアルタイムでの撮影ができない」は不正確。
誤り。医療用超音波は通常1〜数十MHz(代表的には約1〜30 MHz)を使用する。100 kHzは医用画像には低すぎ、1 MHz以下は特殊用途を除き一般的ではない。
正しい。Bモード(Brightness mode)は受信エコーの強度を輝度として表示し、走査によって臓器の断層像(形状)をリアルタイムに描出する。
誤り。血流速の計測・画像化にはドプラ法(スペクトラルドプラ、パワードプラ、カラードプラなど)を用いる。Aモードは深さ方向に対するエコー振幅を表示する方式で、血流画像化には用いない。
誤り。一般的な超音波画像は透過そのものを撮っているのではなく、生体組織間の音響インピーダンス $Z=\rho c$ の差により生じる反射(エコー)を主信号として画像化している。
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