臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
臨床工学技士は医師の指示の下で生命維持管理装置の操作および身体への接続等の一部侵襲的手技を行えるが、気道確保そのもの(気管内挿管や気管カニューレ挿入)は医師が行う医行為に該当し、臨床工学技士は行えない。具体的には、鼻カニューレの口・鼻への接続、血液浄化装置の穿刺針の内シャントへの穿刺・抜去、導出電極の装着、心電計の監視などは業務範囲内(医師の指示の下で可)と整理されている。一方、気管チューブの気管内への挿入は不可であり、本問の正答はこれである。
選択肢別解説
酸素吸入用鼻カニューレの先端部を口・鼻へ接続する行為は、生命維持管理装置(人工呼吸関連機器)の体表への接続に該当し、医師の指示の下で臨床工学技士が行える。したがって「行えない業務」ではない。
血液浄化装置の先端部(穿刺針)を内シャントへ穿刺・抜去する行為は、血液浄化業務における体内への接続として臨床工学技士の業務に含められており、医師の指示の下で実施可能と整理されている。よって「行えない業務」ではない。
気管チューブの気管内への挿入(気管内挿管)は、気道確保のための医行為であり医師が行うべき手技で、臨床工学技士は実施できない。したがって本選択肢が「行えない業務」に該当する。
生命維持管理装置の導出電極(例:心電図電極)の患者皮膚への接続は、装置の体表への接続として医師の指示の下で臨床工学技士が行える。したがって「行えない業務」ではない。
生命維持管理装置に組み込まれた心電計の監視は、装置の操作・監視に該当し、医師の指示の下で臨床工学技士が行える。よって「行えない業務」ではない。
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解説
医療機器の電気的安全測定では、規格(JIS T 0601-1[IEC 60601-1]等)に基づく測定方法・性能要件に従う。保護接地線抵抗は規定の大電流(代表的には25 Aまたは定格電流の1.5倍)を通電して測定し、許容値はおおむね0.1 $\Omega$ 以下である。クランプメータによる電流測定は往復電流が相殺されないよう電源導線の片側1本のみを挟む。漏れ電流測定用の指示計は実効値表示かつ精度5%以内などの性能が求められる。等電位接地(EPR)では、人体代表抵抗1 k$\Omega$と心室細動誘発電流10 $\mu$Aを用いて許容電位差を10 mV以下に設定する(10 $\mu$A × 1 k$\Omega$ = 10 mV)。CF形装着部の患者漏れ電流Iの測定は、各患者リードを個別に、さらに全体として測るが、全リードを1点にまとめる手順は患者漏れ電流IIで用いる。
選択肢別解説
誤り。アナログテスタの導通・抵抗レンジは微小電流での簡易確認であり、保護接地線抵抗の規格測定にはならない。保護接地線抵抗は規定の大電流(例:25 Aまたは定格の1.5倍)を5~10秒程度通電して測定し、許容値は概ね0.1 $\Omega$ 以下とされる。したがってテスタ表示をそのまま接地線抵抗値とみなすことはできない。
誤り。クランプメータは導体を流れる電流による磁界を検出するため、往復の電流が打ち消し合う2本(行きと戻り)を同時に挟むと指示はゼロ付近になる。消費電流を測るときは電源導線の片側1本のみを挟んで測定する。
誤り。漏れ電流測定に用いる指示計(電圧計・メータ)は、実効値表示・適切な周波数特性に加え、精度は5%以内が求められる。10%以内では規格要求を満たさない。
正しい。等電位接地(EPR)では、患者に流れ得る電流を心室細動誘発閾値の10 $\mu$A以下に抑える設計とし、人体代表抵抗1 k$\Omega$を掛けた電位差は10 mV以下となる(10 $\mu$A × 1 k$\Omega$ = 10 mV)。よって等電位接地端子と測定点の間の電圧は10 mV以下が基準である。
誤り。CF形装着部の患者漏れ電流Iの測定では、患者リードを1本ずつ、さらに全リードをまとめた状態の2通りで測定する。各患者リードを1点に接続して測定する方法は患者漏れ電流IIの手順であり、記述は取り違えている。
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解説
JIS T 0601-1:1999(IEC 60601-1)では、クラスI機器は基礎絶縁に加えて保護接地によって追加の感電防護を確保する。一方クラスII機器は、基礎絶縁+補助(または補強)絶縁の二重絶縁、もしくは二重絶縁と同等の防護性能を一体系で満たす強化絶縁のいずれかで感電防護を行う。内部電源機器の内部電源には一次電池・二次電池(充電式)ともに用いられる。装着部の分類では、BF形は体表面用でマクロショック防止を意図し、CF形は心臓に直接または心腔近傍に関与する用途でミクロショック防止を意図する。除細動耐性はBF/CFいずれにも任意の追加分類(耐除細動形)として規定され、CF形であっても必ずしも耐除細動形とは限らない。
選択肢別解説
誤り。クラスI機器の追加保護手段は保護接地であり、基礎絶縁は基本の感電防護(通常時の防護)である。したがって「追加保護手段は基礎絶縁」という記述は不適切。
正しい。クラスII機器は二重絶縁(基礎+補助/補強)か、二重絶縁と同等の防護を一体系で満たす強化絶縁でよい。強化絶縁は“一重”であっても二重絶縁と同等の感電防護性能を満たすことが要件である。
誤り。内部電源機器の内部電源には一次電池だけでなく二次電池(充電式電池)も使用可能である。外部電源に接続して充電する場合は、その接続条件下でのクラス分類(IまたはII)に適合させる。
誤り。CF形装着部はミクロショック防止を意図した最も厳しい漏れ電流限度が適用されるが、除細動耐性は“耐除細動形”としての追加分類であり、自動的に全てのCF形が耐除細動を満たすわけではない。除細動器の高電圧に耐える義務があるのは耐除細動形として設計・表示された装着部である。
誤り。BF形装着部は体表面適用でマクロショック防止を主眼とする。ミクロショック(心臓領域への微小電流による危険)の防護を意図するのはCF形装着部である。
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解説
臨床工学技士法第2条は、臨床工学技士の業務を「医師の指示の下に行う生命維持管理装置の操作」と「医療機器の保守点検」に大別している。患者の生体機能に直接影響する装置操作や、身体からの血液・気体を抜き取る行為は、個々の患者の状態に応じた具体的な医師の指示が必要となる。これに該当するのが、人工呼吸器の酸素濃度設定変更、動脈留置カテーテルからの採血、血液浄化装置の運転条件変更である。一方、装置の消毒や点検項目の設定変更などは保守点検業務であり、医師の具体的な指示は不要である。したがって、具体的指示が必要なのは1、2、3である。
選択肢別解説
正しい(医師の具体的指示が必要)。人工呼吸装置の酸素濃度設定は患者の酸素化に直結する生命維持管理装置の運転条件であり、個々の患者の病態に応じた具体的な医師の指示の下で変更すべき業務である(臨床工学技士法第2条の趣旨および基本業務指針)。
正しい(医師の具体的指示が必要)。動脈留置カテーテルからの採血は「身体からの血液の抜き取り」に該当し、侵襲性を伴う行為であるため、臨床工学技士が行う場合は医師の具体的指示の下で実施する(基本業務指針の趣旨)。
正しい(医師の具体的指示が必要)。血液浄化装置(透析等)の運転条件(血流量、透析液流量、除水量・時間など)の変更は患者の循環動態や溶質・水分除去に直接影響するため、生命維持管理装置の操作として医師の具体的指示が必要である。
誤り(医師の具体的指示は不要)。高気圧治療装置内の消毒は装置の衛生管理・保守に属し、患者個別の治療条件設定ではないため、臨床工学技士が自律的に実施できる保守点検業務である。
誤り(医師の具体的指示は不要)。人工心肺装置の点検項目の設定・変更は装置の保守点検に該当し、治療中の患者に対する運転条件変更ではないため、臨床工学技士が独立して行える業務である。
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解説
生体内に埋植された材料には、生体側の反応(炎症、異物反応、アレルギーなど)と、材料側に生じる劣化反応がある。設問は「材料に生じうる反応」を問うため、材料側の劣化現象が該当する。代表例は金属材料の腐食(体液中での電気化学的反応による溶解・劣化)と、高分子材料の加水分解(体液中の水によりエステル結合などが切断され分子量低下・脆化が進む)。一方、アナフィラキシー(全身性アレルギー反応)、溶血(赤血球の破壊)、壊死(組織死)はいずれも生体側に起こる現象であり、材料そのものに生じる反応ではない。よって正答は腐食と加水分解である。
選択肢別解説
正しい。金属系インプラントは体液(電解質)中で電気化学的に腐食しうる。孔食・隙間腐食・応力腐食割れなど形態は多様で、機械強度低下や金属イオン溶出を招く。材料に生じる典型的な劣化反応である。
誤り。アナフィラキシーは生体側に起こる全身性の急性アレルギー反応であり、材料そのものに生じる反応ではない。材料に起因して誘発されうることはあるが、「材料に生じる」現象ではない。
誤り。溶血は赤血球が破壊される生体側の現象であり、血液適合性不良で起こりうるが、材料自体に生じる反応ではない。
誤り。壊死は生体組織の細胞死を指す生体側の反応であり、材料自体に生じる現象ではない。
正しい。高分子材料は体液中の水により加水分解を受け、エステル結合などが切断され分子量が低下する。強度低下や形状変化など材料側の劣化として現れる。
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解説
臨床工学技士(CE)の業務は、臨床工学技士法第2条第2項および施行令(政令)第1条に基づき、生命維持管理装置の操作・保守点検・安全管理、ならびに人工腎臓装置等の体内に設置された血管手術によるシャントや透析カテーテルへの回路先端部(穿刺針等)の接続・除去などの特定の補助行為が含まれる。一方、観血式動脈圧モニタ用の動脈針を新たに穿刺する行為は、侵襲を伴う医行為でありCEの法定業務範囲外である。人工呼吸管理中の気管チューブからの喀痰吸引は、医師の具体的指示の下で、人工呼吸器管理の一環としてCEが行い得ると整理されている。医療機器の選定・導入時のベンチテストは医療機器の安全管理・性能評価業務に含まれる。血液浄化回路先端部のシャントからの除去は、法令で明示された接続・除去に該当する。植込み型ペースメーカのプログラミング用ヘッドの装着も、機器接続・操作に関する業務として位置付けられている。よって、業務でないのは動脈針の穿刺である。
選択肢別解説
人工呼吸器管理の一環として、医師の具体的な指示の下で気管内チューブからの喀痰吸引をCEが実施することは、基本業務指針等で整理されており妥当である。したがって「業務でない」には当たらない。
IABP装置の購入・導入時に性能評価や比較のために実施するベンチテストは、医療機器の安全管理・受入点検・選定支援に関わるCEの業務に含まれる。よって業務に該当する。
観血式動脈圧モニタ用の動脈針を新たに穿刺する行為は、侵襲を伴う医行為であり、臨床工学技士法の業務範囲に含まれない。したがって、CEの業務ではない(本問の該当肢)。
臨床工学技士法施行令第1条に基づき、人工腎臓装置の穿刺針その他の回路先端部を体内のシャントや透析カテーテルに接続し、またはこれらから除去する行為はCEの業務に含まれる。従って、回路先端部の内シャントからの抜去は業務である。
植込み型ペースメーカのプログラミングに用いるヘッド(プログラミング用ヘッド)の装着・除去や接続機器の操作は、CEの機器操作・接続に関する業務として認められている。よって業務に含まれる。
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解説
消毒・滅菌法の要点として、軟性内視鏡のような熱に弱い医療機器は高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)に不適で、酸化エチレン(エチレンオキシド)ガス、過酢酸、過酸化水素低温ガスプラズマ等の低温法を用いる。酸化エチレンガス滅菌は滅菌工程だけで数時間を要し、さらに残留ガス除去のためのエアレーションに長時間を要するため、約60分で完了することはない。紫外線(主に254 nmのUV-C)は水や空気・表面の殺菌に用いられ、手術用手洗い水の殺菌にも応用される。放射線滅菌は主にコバルト60からのガンマ線を用いてディスポーザブル医療材料の工業的滅菌に広く用いられる。消毒用エタノールは通性細菌の栄養型(増殖型)には有効だが、芽胞には無効である。以上より、正しいのは3と4である。
選択肢別解説
不正解。一般に軟性内視鏡は耐熱性が低く高圧蒸気滅菌は不適である。低温滅菌(酸化エチレンガス、過酸化水素ガスプラズマ、過酢酸など)や高水準消毒が推奨される。硬性内視鏡の一部には高圧蒸気対応もあるが、「内視鏡一般に適する」とは言えない。
不正解。酸化エチレンガス滅菌(EOG/EO)は通常、滅菌工程だけで2〜4時間程度を要し、さらに残留ガス除去のエアレーションに8時間以上を必要とすることが多い。よって約60分で完了するという記述は不適切。
正解。紫外線(UV-C, 約254 nm)はDNA損傷により殺菌効果を示し、透過性は低いが水や空気・表面の殺菌に用いられる。手術用手洗い水の循環系にUV殺菌灯を設置して微生物制御を行う運用は妥当である。
正解。放射線滅菌は主にコバルト60由来のガンマ線を用いてディスポーザブル医療材料等を工業的に滅菌する方法として広く利用されている(ほかに電子線もあるが、本記述は正しい)。
不正解。消毒用エタノールは栄養型細菌や多くのウイルスには有効だが、芽胞(細菌芽胞)には無効である。芽胞対策には高水準消毒薬や滅菌法が必要。
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解説
医療機器は不具合発生時の人体リスクに基づき国際的にクラスI〜IV(GHTF/IMDRF)へ分類され、日本の薬機法でもこれに準拠して一般(クラスI)、管理(クラスII)、高度管理(クラスIII・IV)に対応づけられる。植込みで生命維持に直接関与し、故障が直ちに致死的リスクに至り得る心臓ペースメーカはクラスIV(高度管理医療機器)に位置づけられる。一方、電子体温計や電子内視鏡は管理医療機器(おおむねクラスII)、汎用輸液ポンプは高度管理医療機器だがクラスIIIが一般的、造影剤注入装置は通常クラスIIであり、いずれもクラスIVではない。
選択肢別解説
ペースメーカは植込み型で生命維持機能に直結し、不具合が致死的となり得るためクラスIV(高度管理医療機器)に分類される。代表的なクラスIV機器であり、本問の正答。
電子体温計は非侵襲で診断補助の情報提供に留まる機器で、重大な生命リスクは比較的低いため通常クラスII(管理医療機器)。クラスIVではない。
電子内視鏡は体腔に挿入するが生命維持機能に直接関与せず、一般にクラスII(管理医療機器)に分類される。クラスIVではない。
汎用輸液ポンプは投与量逸脱が重篤な有害事象につながり得るため高度管理医療機器だが、一般にクラスIIIとされる。クラスIVではない。
造影剤注入装置(動力式注入器)は診断手技補助の装置で、通常クラスII(管理医療機器)。クラスIVには該当しない。
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解説
薬機法のリスク分類では、人体への影響の大きさに応じて一般(Class I)、管理(Class II)、高度管理(Class III/IV)に区分する。生命維持・機能代替に直接関与し、故障・誤作動が重篤な健康被害や死亡に直結しうる機器は高度管理医療機器に該当する。輸液ポンプ、除細動器、人工呼吸器はいずれも生命維持・救命に直結し、過量投与・停止、出力不良、換気停止などの不具合が重大な結果を招くため高度管理に分類される。一方、MR装置やX線CT装置は診断目的の画像装置であり、適切な管理を要するものの、機能障害が直ちに生命維持機能の喪失に直結する類の機器ではないため、一般に管理医療機器に分類される。
選択肢別解説
輸液ポンプは体内に液体・薬剤を連続投与する生命維持・治療機器であり、誤作動(過量投与・停止等)が重篤な有害事象につながるため、高度管理医療機器に分類される。したがって正しい。
除細動器は致死的不整脈に対し心臓に電気ショックを与える救命機器で、出力不良や作動不能は死亡につながりうる。リスクが極めて高く、高度管理医療機器に分類される。したがって正しい。
人工呼吸器は自発呼吸不全時に換気を代行・補助する生命維持装置であり、停止や設定誤りが低酸素血症など致命的転帰を招きうるため、高度管理医療機器に分類される。したがって正しい。
MR装置(MRI装置)は強磁場・RFを用いる診断装置で、適切な管理は必要だが、機能障害が直ちに生命維持の喪失に直結するタイプの機器ではないため、一般に管理医療機器に分類される。よって高度管理医療機器ではない。
X線CT装置は電離放射線を用いる診断装置で、リスク管理は必要だが生命維持・機能代替機器ではなく、一般に管理医療機器に分類される。よって高度管理医療機器ではない。
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解説
$医用電気機器の安全点検では、保護接地の連続性(アースピンと金属外装の低抵抗接続)と漏れ電流の最大値確認が重要である。保護接地線の抵抗はJIS/IECに準拠して0.2\Omega以下が要求され、適切な試験電流で測る。漏れ電流は電源極性(L/N)を反転して双方で測定し、大きい方を当該機器の値とする。絶縁抵抗は1\mathrm{k}\Omegaのような低い値では外装漏れ電流が大電流(例: 100\mathrm{V} / 1\mathrm{k}\Omega = 100\mathrm{mA})となり危険で、一般に数M\Omega以上(例: 10\mathrm{M}\Omega)を求める。クランプ式電流計で消費電流を測る際は電源コード全体でなく単一導体(活線または中性線)を挟む。漏れ電流測定の人体模擬抵抗は規格上1\mathrm{k}\Omegaであり、10\mathrm{k}\Omegaではない。$
選択肢別解説
$誤り。絶縁抵抗が1\mathrm{k}\Omegaでは、商用100\mathrm{V}に対し外装漏れ電流は100\mathrm{V} / 1\mathrm{k}\Omega = 100\mathrm{mA}と極めて大きく、許容値(例: 外装漏れ電流は正常時約0.1\mathrm{mA}、単一故障時約0.5\mathrm{mA}程度)を大幅に超える。安全のため絶縁抵抗は一般に数M\Omega以上(例: 10\mathrm{M}\Omega)を要求する。$
誤り。クランプ式電流計で消費電流を測るとき、電源コード全体(活線と中性線の両方)を一緒に挟むと互いの磁界が打ち消し合い、指示はほぼゼロになる。活線または中性線の片側導体のみを検出部に挟んで測定する。
$正しい。3Pプラグ機器ではアースピン(保護接地)と機器金属外装間の抵抗は0.2\Omega以下が求められる。これは漏電時に迅速に保護装置を動作させるための低インピーダンス経路を確保する基準で、適切な試験電流(例: 高電流法)で確認する。$
正しい。漏れ電流測定は電源極性(L/N)を反転して双方で実施し、内部のYコンデンサ配置や回路構成の影響で生じる差を考慮して、より大きい測定値を機器の漏れ電流値として採用する。
$誤り。漏れ電流測定に用いる人体模擬回路(測定器のMD)は1\mathrm{k}\Omegaを基本とする。10\mathrm{k}\Omegaでは規格の想定より過小電流となり不適切である。$
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解説
臨床工学技士は、医師の指示の下で生命維持管理装置の操作・保守点検に加え、これに密接に関連する診療の補助(法令・施行規則で列挙された行為)を行うことができる。具体例として、人工呼吸器管理に伴う気道内吸引や、既に体内に留置された動脈ライン(動脈留置カテーテル)からの採血は実施可能と整理されている。一方、血管に直接穿刺しての採血や、気管挿管のような高度侵襲手技、また診断目的の検査補助は臨床工学技士の業務範囲外である。以上より、正答は4と5である。
選択肢別解説
誤り。臨床工学技士は血管に直接穿刺して採血する行為(静脈・動脈いずれも)を業として行うことは認められていない。採血が許容されるのは、既に医師等により留置されたカテーテル等からの採血に限られる。
誤り。気管挿管は高度な侵襲手技であり、医師が行うべき手技で臨床工学技士の業務には含まれない。臨床工学技士は人工呼吸器の操作・管理は行えるが、挿管そのものは実施しない。
誤り。臨床工学技士の診療の補助は、生命維持管理装置の操作・管理に密接に関連する治療的行為に限定される。診断のための検査を目的とした補助は業務範囲に含まれない。
正しい。動脈留置カテーテル(Aライン)からの採血は、医師の具体的指示の下で行う診療の補助として許容される。新たに穿刺して採血するのではなく、既に留置されたラインから採血する点が業務範囲内とされる根拠である。感染対策・空気混入防止・ライン閉塞防止などの安全管理を徹底して実施する。
正しい。人工呼吸器使用時の気道内吸引による喀痰除去は、人工呼吸器管理に密接に関連する診療の補助として医師の指示下に実施可能である。閉鎖式吸引の使用、事前酸素化、バイタル監視、無菌操作などの手順を遵守する。
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