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臨床工学技士国家試験

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第20回 午後 第87問
20件の類似問題
医療用具とそれに課せられる生物学的試験との組合せで正しいのはどれか。...
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89
臨床工学技士国家試験 - 第30回 午前
重要度:低 正答率:85% 類似度 85.4% 解説あり
科目:
生物学的安全性試験で誤っているのはどれか。
1
表面接触機器 — 細胞毒性試験
2
表面接触機器 — 血液適合性試験
3
体内と体外を連結する機器 — 感作性試験
4
体内植込み機器 — 刺激性試験
5
体内植込み機器 — 細胞毒性試験

解説

医療機器の生物学的安全性評価は ISO 10993-1 に基づき、接触部位(表面接触機器/体外と体内を連結する機器/体内植込み機器)と接触時間で必要試験が決まる。最低限、細胞毒性・感作性・刺激性は多くの接触機器で必須とされる。一方、血液適合性(ヘモコンパチビリティ)は血液と直接または血液流路に間接接触する機器で必要であり、皮膚・粘膜などの表面接触機器には通常求められない。したがって「表面接触機器—血液適合性試験」は不適切であり、誤りは選択肢2である。

選択肢別解説

1
不正解

表面接触機器(皮膚・粘膜・損傷皮膚などに接触)は、基本的評価として細胞毒性試験が要求されるため妥当であり、誤りではない。

2
正解

表面接触機器は血液と接触しない前提の分類であり、血液適合性試験は通常不要である。血液適合性は血液流路に接触する機器(外部連結機器の血液路など)で評価する。よって本記載は不適切で、この選択肢が誤り。

3
不正解

体内と体外を連結する機器(例:カテーテル、透析回路など)は、基本評価として感作性試験が必要であるため妥当であり、誤りではない。

4
不正解

体内植込み機器は組織長期接触のため、刺激性(局所反応)評価が必要である。よって妥当で、誤りではない。

5
不正解

体内植込み機器では細胞毒性評価は基本要件である。したがって妥当で、誤りではない。

88
臨床工学技士国家試験 - 第28回 午前
重要度:低 正答率:83% 類似度 84.5% 解説あり
科目:
表面接触機器の生物学的安全性試験で正しいのはどれか。
a
血液適合性試験
b
埋植試験
c
細胞毒性試験
d
感作性試験
e
発がん性試験
組み合わせ: 1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e

解説

医療機器の生物学的安全性評価は ISO 10993-1(JIS T 0993-1 に相当)に基づき、機器の接触部位(表面接触:皮膚・粘膜・損傷皮膚など)と接触時間で必要な試験項目を選定する。表面接触機器では、基本的評価として細胞毒性試験と感作性試験(加えて通常は刺激性/皮膚刺激性試験)を実施する。一方、血液適合性試験は血液に接触する機器で必要、埋植試験は体内に埋め込まれる機器の局所反応評価で必要、発がん性試験は長期埋植や遺伝毒性所見等がある場合に限り検討するもので、表面接触機器に一律には求められない。したがって本問では細胞毒性試験と感作性試験が正しい。

選択肢別解説

a
不正解

誤り。血液適合性試験は血液と直接接触する機器(体外循環回路、血管内留置器具など)で評価が必要となる。表面接触機器(皮膚・粘膜・損傷皮膚など)に血液接触がない場合は原則不要である。

b
不正解

誤り。埋植試験(implantation test)は体内に埋め込まれる機器や材料の局所組織反応を評価するための試験であり、体表や粘膜などの表面接触機器には通常適用されない。

c
正解

正しい。細胞毒性試験はすべての接触機器で基本的に実施が推奨される基礎評価項目であり、表面接触機器でも必須の評価とされる。

d
正解

正しい。感作性試験(皮膚感作性)は表面接触機器における重要な評価項目であり、材料由来のアレルギー誘発性の有無を確認するため実施が求められる。

e
不正解

誤り。発がん性試験は長期(一般に30日超)の埋植機器や、遺伝毒性試験結果などにより必要性が示唆される場合に検討される。表面接触機器に一律で要求される試験ではない。

89
臨床工学技士国家試験 - 第23回 午後
正答率:71% 類似度 83.0% 解説あり
医療機器の安全性テストで正しいのはどれか。
a
溶出物試験で長期の発がん性を評価できる。
b
溶出物試験で溶血性を評価できる。
c
細胞毒性は生物学的試験に含まれる。
d
滅菌処理後には無菌試験は必要ない。
e
物性試験は安全性テストに含まれない。
組み合わせ: 1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e

解説

医療機器の安全性評価は、一般に(1)物性・機械的安全性、(2)化学的評価(抽出物/溶出物の把握)、(3)生物学的評価(細胞毒性、溶血性、感作性、刺激性、全身毒性、遺伝毒性、発がん性など)、(4)滅菌・無菌性保証の妥当性確認、などで構成される。溶出物試験は機器から溶出する成分を抽出液として得て、その生体影響(例:溶血性)を評価するのに用いられる。一方、長期の発がん性は抽出試験のみでは評価できず、長期の動物試験等を含む別枠の評価が必要である。滅菌は実施しただけでは十分ではなく、無菌性の確認や滅菌プロセスの妥当性(バリデーション)が要求される。物性試験は機械的強度・耐久性・摩耗など安全性に直結するため、安全性テストの重要要素に含まれる。

選択肢別解説

a
不正解

誤り。溶出物試験は機器から抽出された溶出成分の存在やその生体影響(例:細胞毒性、溶血性など)を評価する手法であり、長期の発がん性そのものは判定できない。発がん性評価は長期の動物試験や遺伝毒性試験等を含む別途の枠組みで行う必要がある。

b
正解

正しい。溶出物試験で得た抽出液を用いて赤血球に対する溶血性を評価する(間接法)ことができる。血液適合性評価では直接接触法と抽出液による間接法があり、溶出物試験は後者で溶血性の有無を確認できる。

c
正解

正しい。細胞毒性試験は生物学的評価の基本項目の一つで、抽出液または直接接触により細胞生存性や増殖への影響を評価する。生物学的試験にはほかに感作性、刺激性、全身毒性、遺伝毒性、発がん性などが含まれる。

d
不正解

誤り。滅菌処理後であっても無菌性が確保されていることの確認が必要である。実務では無菌試験や生物学的指標、滅菌プロセスのバリデーション/管理によって無菌性保証を行うため、無菌性評価が不要になるわけではない。

e
不正解

誤り。物性試験(機械的強度、耐久性、摩耗・破損挙動など)は安全性に直結し、医療機器の安全性テストに含まれる。物性上の不具合は患者・使用者の危険につながるため、必須の評価項目である。

88
臨床工学技士国家試験 - 第22回 午後
正答率:69% 類似度 82.4% 解説あり
医療機器の生物学的評価で主要評価試験に義務づけられているのはどれか。
a
慢性毒性
b
発癌性
c
細胞毒性
d
埋植試験
e
通電性
組み合わせ: 1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e

解説

医療機器の生物学的評価は、ISO 10993/JIS T 0993-1に基づき、患者接触の有無・接触部位・接触時間に応じて試験項目が選定される。主要評価(基本的にまず検討される試験)のうち、細胞毒性試験は広範な機器で必須とされる代表的項目で、抽出液法・直接接触法などで材料の細胞に対する毒性を評価する。一方、埋植試験は体内に埋め込む機器や長期接触(例:30日超)などで局所組織反応を確認するために義務づけられる。慢性毒性や発癌性は長期暴露を前提とする特殊・追加評価であり、通電性は生物学的評価ではなく電気的安全・性能評価の範疇である。

選択肢別解説

a
不正解

慢性毒性は長期暴露に関する評価で、必要性は材料特性や接触時間(長期接触・植込み等)により個別判断される追加的評価である。主要評価試験として一律に義務づけられる項目ではないため、不適切。

b
不正解

発癌性(遺伝毒性・変異原性評価と関連)は、懸念がある材料や長期暴露が想定される場合に検討される追加試験であり、主要評価として一律に義務づけられるわけではない。不適切。

c
正解

細胞毒性試験は生物学的評価の基本項目であり、材料からの溶出物や直接接触が細胞へ与える毒性を評価する。広く義務的に要求される主要評価試験で、抽出液法・直接接触法・寒天拡散法などが用いられる。適切。

d
正解

埋植試験は、植込み型機器や組織・血液と長期に接触する機器で局所組織反応を確認する主要評価として義務づけられる。人工弁、人工血管、長期留置カテーテル等で必須となる。適切。

e
不正解

通電性は電気的安全・性能に関する評価事項であり、生物学的評価(生体適合性)に含まれない。したがって主要評価試験としての義務項目ではない。不適切。

89
臨床工学技士国家試験 - 第26回 午前
重要度:低 正答率:69% 類似度 81.8% 解説あり
医療機器の安全性試験として正しいのはどれか。
1
溶出物試験は含まない。
2
物性試験は含まない。
3
生物学的試験は含まない。
4
接触面積による分類がなされている。
5
接触期間による分類がなされている。

解説

医療機器の安全性評価は、材料・製品の物理化学的特性(物性)や抽出物・浸出物の評価、さらに生物学的安全性(細胞毒性、感作、刺激性、全身毒性、血液適合性など)を含めて総合的に行う。生物学的評価の枠組み(ISO 10993-1 等)では、医療機器の生体への「接触様式(接触部位の種類)」と「接触期間」により必要な試験の選定を行う。接触面積はリスク評価の補助情報にはなり得るが、基本分類の基準ではない。よって、接触期間による分類がなされる(選択肢5)が正しく、溶出物試験・物性試験・生物学的試験を含まないとする記述(選択肢1~3)は誤りであり、接触面積による分類とする記述(選択肢4)も誤りである。

選択肢別解説

1
不正解

誤り。安全性評価には抽出物/浸出物(溶出物)評価が含まれる。材料や製品から溶出し得る化学物質を把握し、生体影響の可能性を評価することは重要である。

2
不正解

誤り。物性試験(機械的・物理化学的特性の確認)は安全性・性能の前提であり、破損や劣化、粒子脱落などによるリスク低減のためにも実施される。

3
不正解

誤り。生物学的安全性試験は必須の柱であり、細胞毒性、感作、刺激性・皮内反応、全身毒性、血液適合性など、接触様式と接触期間に応じて選定される。

4
不正解

誤り。生物学的評価の基本的な分類は接触様式(例:表面接触、外部連結、植込み)と接触期間(限定<24時間、短期>24時間~30日、長期>30日)であり、接触面積による分類とはしない。

5
正解

正しい。生物学的評価では接触期間(限定・短期・長期)により必要試験が選定される。接触様式(接触部位の種類)との組合せで試験計画を決定するのが標準的枠組みである。

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88
臨床工学技士国家試験 - 第31回 午後
重要度:低 正答率:63% 類似度 81.0% 解説あり
科目:
医療材料について誤っている組合せはどれか。
1
感作性試験 ―― 皮膚の組織反応
2
刺激性試験 ―― 目の組織反応
3
慢性毒性試験 ―― 染色体の変異
4
トキシコキネティクス ―― 化学物質の体内動態
5
血液適合性試験 ―― 溶血反応

解説

医療機器材料の生物学的安全性評価では、JIS T 0993(ISO 10993)に基づき、感作性、刺激性、全身毒性(急性~慢性)、遺伝毒性(変異原性)、血液適合性などの試験区分に分けて評価する。感作性試験は皮膚でのアレルギー性(遅延型過敏反応)を、刺激性試験は皮膚・粘膜・眼などの局所刺激反応をみる。トキシコキネティクスは化学物質の体内動態(吸収・分布・代謝・排泄:ADME)を扱う。血液適合性試験には溶血性の評価が含まれる。一方、慢性毒性試験は長期間の反復曝露による全身毒性(臓器毒性など)をみる試験であり、染色体の変異は遺伝毒性(変異原性)試験の評価項目である。よって「慢性毒性試験 ― 染色体の変異」の組合せが誤りとなる。

選択肢別解説

1
不正解

正しい組合せ。感作性試験は材料やその抽出物が皮膚にアレルギー性(遅延型過敏反応)を惹起するかを評価し、皮膚の組織反応の程度(紅斑・浮腫など)で判定する。

2
不正解

正しい組合せ。刺激性試験は材料や抽出物が生体組織に与える局所刺激を評価し、皮膚や粘膜に加えて眼刺激性の評価も行われる。したがって「目(眼)の組織反応」は刺激性試験の対象として妥当である。

3
正解

誤った組合せ。慢性毒性試験は長期間(反復曝露)における全身毒性や臓器影響を評価する。一方、染色体の変異は遺伝毒性(変異原性)試験の評価項目であり、慢性毒性試験の本来の指標ではない。

4
不正解

正しい組合せ。トキシコキネティクス(毒物動態学)は化学物質の体内動態(ADME:吸収・分布・代謝・排泄)を解析する学問領域であり、定義に合致する。

5
不正解

正しい組合せ。血液適合性試験には、材料に起因する溶血(赤血球破壊)の評価が含まれる。その他にも血栓形成傾向、凝固・補体系活性化などが評価対象となるが、溶血反応は代表的な指標である。

87
臨床工学技士国家試験 - 第21回 午後
正答率:59% 類似度 80.0% 解説あり
科目:
医用材料の安全性評価として正しいのはどれか。
a
医療機器の安全性に関する取り決めは薬事法による。
b
粘膜に長期的に接触する表面接触機器は埋植試験が必要である。
c
化学的試験か生物学的試験のどちらか該当する試験を行う。
d
表面接触機器の生物学的試験として血液適合性試験は必須である。
e
表面接触機器の生物学的試験として細胞毒性試験は必須である。
組み合わせ: 1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e

解説

医用材料・医療機器の安全性評価は、わが国では(出題当時)薬事法を根拠とし、JIS/ISO 等の規格に基づく生物学的安全性評価(ISO 10993 シリーズ)や物性・化学的評価等を総合して行う。生物学的試験は接触部位・接触時間に応じて選択され、血液適合性は血液接触機器に限って必要である。一方、細胞毒性試験(ISO 10993-5)は生体接触がある医療機器では基本的に必須とされる。よって、薬事法による取り決め(当時)と、表面接触機器における細胞毒性試験の必須性は正しい。粘膜接触機器に埋植試験は原則不要であり、化学的試験か生物学的試験の二者択一でもない。

選択肢別解説

a
正解

正しい。出題当時、医療機器の安全性に関する規制の基本枠組みは薬事法に基づき、JIS や ISO 等の規格を適用して評価されていた(現行は薬機法)。安全性評価はこれらの法規・規格に則って実施される。

b
不正解

誤り。粘膜に長期接触する表面接触機器では、細胞毒性・感作性・刺激性(粘膜刺激)などが主な評価項目であり、埋植試験(ISO 10993-6)は主として組織・骨などへの埋入材料や長期植込み機器の局所反応評価に用いられる。粘膜接触で直ちに埋植試験が必須とはならない。

c
不正解

誤り。安全性評価は二者択一ではなく、物性・化学的評価(例:抽出物・溶出物の同定、ISO 10993-18 等)と生物学的試験(ISO 10993-1 のマトリクスに基づく選択)を含め、リスクに応じて必要な複数項目を総合的に行う。

d
不正解

誤り。血液適合性(ISO 10993-4)は血液と接触する機器(体外循環回路や血管内留置機器など)で必要となる評価であり、すべての表面接触機器に必須ではない。皮膚・粘膜のみの接触機器では通常必須とならない。

e
正解

正しい。細胞毒性試験(ISO 10993-5)は、生体接触のある医療機器では基本的に実施が求められる基礎的な生物学的試験であり、表面接触機器でも必須とされる。

88
臨床工学技士国家試験 - 第36回 午後
重要度:低 正答率:77% 類似度 79.1% 解説あり
医療機器の生物学的安全性評価で誤っているのはどれか。
1
感作性試験を行う。
2
細胞毒性試験を行う。
3
生体と接触する時間で分類される。
4
生体と接触する面積で分類される。
5
生体と接触する部位で分類される。

解説

医療機器の生物学的安全性評価は ISO 10993-1(JIS T 0993-1)に基づき、「生体との接触部位」と「接触時間」によって機器を分類し、その分類に応じて必要な評価項目(例:細胞毒性、感作性、刺激性/皮内反応、急性・亜急性・亜慢性全身毒性、遺伝毒性、埋植試験など)を選択する。接触面積は分類基準には用いない。なお抽出試験の条件設定(表面積/抽出液量比など)では面積が関与するが、これは評価の前処理条件であり、分類軸ではない。したがって「生体と接触する面積で分類される」は誤りとなる。

選択肢別解説

1
不正解

正しい。感作性試験は ISO 10993-1(JIS T 0993-1)で示される生物学的評価項目の一つで、該当する接触部位・接触時間の機器に対して必要に応じて実施される(アレルギー誘発の有無を評価)。

2
不正解

正しい。細胞毒性試験は基本的な初期スクリーニングであり、多くの医療機器材料で求められる。抽出物または直接接触により細胞への毒性(生存率低下、増殖阻害など)を評価する。

3
不正解

正しい。分類は接触時間に依存し、一時的(24時間以内)、短期(24時間超〜30日以下)、長期(30日超)に区分される。時間区分により要求される評価項目が異なる。

4
正解

誤り。生物学的安全性評価の分類は接触部位と接触時間で行い、接触面積は分類基準ではない。面積は抽出試験の条件設定(表面積/抽出液量比)などで考慮されるが、分類そのものには用いない。

5
不正解

正しい。分類は接触部位に依存し、表面接触(皮膚、粘膜、損傷皮膚など)、外部と体内を連結する機器(血液路等)、体内埋込機器などのカテゴリで評価項目が決まる。

89
臨床工学技士国家試験 - 第38回 午前
正答率:31% 類似度 79.0%
科目:
生体に接触する全ての医療機器において考慮すべき生物学的安全性評価項目はどれか。
a
感作性試験
b
細胞毒性試験
c
埋植試験
d
血液適合性試験
e
刺激性または皮内反応試験
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e
90
臨床工学技士国家試験 - 第17回 午後
正答率:84% 類似度 78.2%
科目:
体表面接触医療器具で必要のない生物学的試験はどれか。
a
細胞毒性試験
b
感作性試験
c
刺激性試験
d
埋植試験
e
血液適合性試験
組み合わせ: 1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e
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88
臨床工学技士国家試験 - 第35回 午後
重要度:低 正答率:81% 類似度 77.9% 解説あり
医療機器の安全性試験として含まれていないのはどれか。
1
接触面積による分類
2
接触期間による分類
3
溶出物試験
4
物性試験
5
生物学的試験

解説

医療機器の安全性評価では、ISO 10993-1(JIS T 0993-1)に基づき、生物学的評価(細胞毒性、感作性、刺激性、全身毒性、遺伝毒性、埋植ほか)や化学的特性評価(抽出・溶出評価を含む)、物理・機械的安全性(物性試験)などを体系的に実施する。試験の要否は「体内との接触の性質(接触部位・侵襲性・経路)」と「接触期間(短期・中期・長期)」で分類してマトリクスにより選定される。一方で「接触面積」による分類は規格上の分類基準として用いられておらず、安全性試験体系に含まれるものとはされない。よって、含まれていないのは『接触面積による分類』である。

選択肢別解説

1
正解

接触面積による分類は、ISO 10993-1(JIS T 0993-1)の安全性評価マトリクスにおける分類基準として採用されていない。試験選定は接触の性質(表面接触、体外連結、植込み等)と接触期間に基づくため、面積は安全性試験の枠組みに含まれない。したがって、本設問で問う「含まれていない」に該当する。

2
不正解

接触期間(一時的・短期・長期等)はISO 10993-1(JIS T 0993-1)の基本分類であり、生物学的試験等の要否・範囲を決める中核的基準として安全性評価体系に含まれる。試験そのものの名称ではないが、規格の試験選定マトリクスの前提要素として明確に位置づけられているため、「含まれていない」には当たらない。

3
不正解

溶出物試験(抽出・溶出評価、化学的特性評価の一部)は、材料や製造に由来する成分の溶出・移行を把握し生体影響のリスクを評価する目的で実施される。ISO 10993-18や10993-12の枠組みとも整合し、安全性試験に含まれる。

4
不正解

物性試験は、強度、耐久性、摩耗、疲労、破断特性など物理・機械的安全性を確認するための試験であり、機器の安全性評価に含まれる。設計上の安全余裕や使用時の破損リスク評価に直結する。

5
不正解

生物学的試験は、細胞毒性、感作性、刺激性(皮膚・粘膜)、全身毒性、遺伝毒性、埋植など、生体影響を直接評価する中心的な安全性試験群である。ISO 10993シリーズにより体系化され、安全性試験に含まれる。

88
臨床工学技士国家試験 - 第32回 午後
重要度:低 正答率:84% 類似度 77.0% 解説あり
科目:
医用材料の安全性試験で誤っているのはどれか。
1
無菌性を評価する。
2
溶出物を用いて評価する。
3
製品個々について評価する。
4
機械的な特性を評価する。
5
接触部位に応じて評価する。

解説

医用材料の安全性評価は、(1)生物学的安全性(ISO 10993 系:毒性、感作性、刺激性、溶血性、発熱性等)、(2)化学的評価(抽出液を用いた溶出物・有害物質の確認)、(3)物理・機械的特性(強度・耐久性・破断・疲労・耐摩耗など)、(4)微生物学的管理・無菌性(無菌供給製品では必須)などから総合的に行う。評価設計は体内での接触部位・接触形態・接触期間に応じて選定する。一方、これらの試験は型式試験や代表サンプル、ロットベースの抜取り・工程バリデーションによって実施されるのが原則で、製品の一個一個を全項目で試験することは要件ではない。したがって「製品個々について評価する」は一般原則として不適切であり誤りである。

選択肢別解説

1
不正解

正しい記述。無菌で供給する医療機器・材料では無菌性の確保(滅菌バリデーション、無菌試験、バイオバーデン管理など)が安全性の前提となる。無菌供給でない場合でも微生物学的リスク管理は評価対象となる。

2
不正解

正しい記述。安全性評価では抽出液(溶出物)を用い、化学分析(重金属・有機溶出物など)や生物学的試験(細胞毒性、刺激性、感作性等)を行う。抽出条件は材料・想定使用条件に応じて設定される。

3
正解

誤り。安全性試験は型式試験・代表サンプル・ロット抜取りおよび工程/滅菌バリデーションを基盤に行うのが原則で、個々の製品(全数)に対し全項目の安全性試験を実施することは要求されない。品質マネジメント(例:ISO 13485)とリスクマネジメント(ISO 14971)、生物学的評価(ISO 10993)の枠組みで、再現性のある製造工程に基づく評価が用いられる。

4
不正解

正しい記述。機械的特性(引張・圧縮・曲げ・疲労・耐破裂・耐摩耗など)は破損や逸脱による傷害リスクと直結し、安全性評価の重要項目である。用途・構造に応じて適切な物性・耐久試験を行う。

5
不正解

正しい記述。生物学的安全性は接触部位(皮膚、粘膜、血液、骨、組織接触など)や接触期間(一時的、短期、長期)により必要試験が異なるというリスクベースの選定(ISO 10993 マトリクス)で評価する。

89
臨床工学技士国家試験 - 第37回 午前
類似度 76.3% 解説あり
医療機器の生物学的安全性評価に含まれないのはどれか。(生体物性材料工学)
1
無菌試験
2
感作性試験
3
発熱性試験
4
遺伝毒性試験
5
化学的情報の収集

解説

医療機器の生物学的安全性評価は、JIS T 0993-1(ISO 10993-1)に基づくプロセスであり、材料や製品が生体に及ぼす影響を系統的に評価する。内容は、物理学的・化学的情報の収集(JIS T 0993-18 相当の化学的特性評価を含む)、既存情報のレビュー、必要に応じた生物学的試験(細胞毒性、感作性、刺激性/皮膚刺激、全身毒性、遺伝毒性、血液適合性、材料由来の発熱性など)からなる。一方、無菌試験は滅菌・無菌性保証の領域(例:ISO 11737 シリーズ)に属し、10993 系の生物学的“評価”の範囲外である。したがって「生物学的安全性評価に含まれない」のは無菌試験である。

選択肢別解説

1
正解

正答。無菌試験は滅菌プロセスの妥当性確認や製品の無菌性保証に関する評価であり、生体への生物学的影響(生体適合性)を扱うJIS T 0993-1(ISO 10993-1)の生物学的安全性“評価”には含まれない。無菌性は別体系(ISO 11737 など)で扱う。

2
不正解

不正解。感作性(アレルギー誘発性)の評価は生物学的安全性評価の主要エンドポイントの一つである。材料や抽出物が感作反応を引き起こす可能性を検討し、必要に応じて試験(例:皮膚感作性試験)を行う。

3
不正解

不正解。発熱性のうち、材料由来の発熱性(material-mediated pyrogenicity)は生物学的評価で検討対象のエンドポイントとされる。なお、エンドトキシン管理は製造・清浄化管理やBET等の別枠で扱われるが、材料起因の発熱性リスクは10993-1の評価範囲に含まれる。

4
不正解

不正解。遺伝毒性試験は生物学的安全性評価に含まれる重要なエンドポイントで、遺伝子損傷や突然変異誘発性の有無を評価する(JIS T 0993-3 相当)。リスクに応じて適切な試験系を選定する。

5
不正解

不正解。生物学的安全性評価は試験だけでなく、材料・添加剤・製造残留物などの物理学的・化学的情報の収集とレビューから始まる(JIS T 0993-1、-18)。化学的情報の収集は評価プロセスの必須ステップに位置づけられている。

88
臨床工学技士国家試験 - 第23回 午前
正答率:80% 類似度 76.3% 解説あり
科目:
生物学的試験(第1次評価)の必須項目はどれか。
1
発熱性
2
遺伝毒性
3
血液適合性
4
感作性
5
埋植試験

解説

医療機器材料の生物学的安全性評価では、まず広く適用される第1次評価(初期スクリーニング)で材料由来の基本的な有害性の有無を確認する。厚生労働省通知および ISO 10993-1 の考え方に基づき、ほとんどの材料で共通して求められる必須項目は「感作性(アレルギー誘発性)」と「細胞毒性」である。設計・用途により追加で必要になる試験(例:発熱性、血液適合性、遺伝毒性、埋植試験)は、第1次評価の必須ではなく、接触部位や接触期間、血液接触の有無、長期植込みの有無などに応じて選択される。本問の選択肢の中では、感作性のみが第1次評価の必須項目に該当する。

選択肢別解説

1
不正解

発熱性(パイロジェン性)評価は、主に血管内に投与・循環する経路や血液接触機器で要求されることが多く、全ての材料に一律で課される第1次評価の必須項目ではない。現在はウサギ発熱性試験よりもエンドトキシン試験に置き換えられる事例が多い。従って必須項目とはいえない。

2
不正解

遺伝毒性試験は、長時間接触や植込みなどにより溶出物が全身に影響し得る場合に求められる追加試験で、初期スクリーニング(第1次評価)の必須ではない。Ames 試験や染色体異常試験などで評価するが、全材料に一律要求されるわけではない。

3
不正解

血液適合性は血液と直接接触する機器(人工心肺回路、透析回路など)で必要となる追加評価であり、溶血性、凝固・補体系活性化、血栓形成傾向などを確認する。血液非接触の材料まで含めて一律に行う第1次評価の必須項目ではない。

4
正解

感作性(アレルギー誘発性)は、多くの医療機器材料で共通に確認すべき初期スクリーニング項目であり、第1次評価の必須項目に該当する。材料や抽出物が免疫学的過敏反応を引き起こす可能性を評価する。

5
不正解

埋植試験は、材料を想定部位へ一定期間留置した際の局所組織反応を病理学的に評価する追加試験で、植込み型や長期接触で必要となることが多い。初期スクリーニング(第1次評価)の必須項目ではない。

88
臨床工学技士国家試験 - 第25回 午後
重要度:低 正答率:57% 類似度 76.2% 解説あり
科目:
医療機器の安全性試験で正しいのはどれか。
a
性能試験
b
物性試験
c
無菌試験
d
生物学的試験
e
機能試験
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e

解説

医療機器の安全性試験は、患者や使用者に危害を及ぼさないことを確認するための試験群であり、典型的には機械的・物理的安全(強度や耐久性などの物性)、滅菌後の無菌性(無菌試験)、生体適合性(生物学的安全性試験)などが含まれる。したがって、物性試験・無菌試験・生物学的試験は安全性に直結する。一方、性能試験や機能試験は、機器が intended use に対して必要な性能や効果を発揮するかを評価するもので、主眼は有効性や仕様達成度であり、安全性試験とは区別される。

選択肢別解説

a
不正解

誤り。性能試験は機器が規定の性能・効果を発揮できるかを評価するもので、有効性や仕様達成度が主眼である。安全性(危害の予防)を直接確認する試験群とは区別される。

b
正解

正しい。物性試験は機械的強度・耐久性・摩耗・破断・変形などの物理的特性を評価し、破損・脱落や予期しない機械的故障に伴う危害のリスクを低減する観点から実施されるため、安全性試験に含まれる。

c
正解

正しい。無菌試験は滅菌済み医療機器が無菌性を満たすか(生菌の不在)を確認する試験であり、感染リスクの低減という安全性に直結するため、安全性試験に含まれる。

d
正解

正しい。生物学的試験(生物学的安全性試験)は細胞毒性、感作性、刺激性、全身毒性など、生体適合性の観点から機器材料の有害影響を評価するものであり、安全性試験に含まれる。

e
不正解

誤り。機能試験は機器が設計上の機能・作動を満たすかを確認するもので、有効性や運転機能の適合を主に見る。安全性(危害の予防)を直接検証する試験群とは目的が異なる。

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89
臨床工学技士国家試験 - 第34回 午前
重要度:低 正答率:82% 類似度 74.4% 解説あり
科目:
医療機器の安全性試験について誤っているのはどれか。
1
溶出物試験が行われる。
2
医療機器安全管理責任者が行う。
3
生物学的試験が行われる。
4
医薬品医療機器等法で規制される。
5
物性試験が行われる。

解説

医療機器の安全性試験は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)および関連する省令・通知、JIS/ISO 規格に基づき実施される。主な評価は、材料や構造の強度・耐久性などの物性試験、溶出物(抽出物)評価などの化学的試験、生体適合性(細胞毒性・感作性・刺激性など)を評価する生物学的試験(ISO 10993 シリーズ)から構成される。これらは主として製造販売業者や受託試験機関が実施し、審査当局が適合性を確認する。一方、医療機関における「医療機器安全管理責任者」は院内の機器の安全使用や管理体制の整備・教育等を担う職務であり、承認審査に用いる安全性試験を自ら実施する立場ではないため、選択肢2は誤りである。

選択肢別解説

1
不正解

正しい。溶出物(抽出物)試験は化学的安全性評価の基本で、規定溶媒・条件で材料から抽出される成分を化学同定・定量し、毒性学的リスク評価につなげる(ISO 10993-12/18/17 など)。医療機器の安全性試験に含まれる。

2
正解

誤り。医療機関の「医療機器安全管理責任者」は院内における機器の安全管理体制の整備、使用者教育、保守点検の統括等を担う役割であり、医療機器の承認・認証に用いる安全性試験(物性・化学・生物学的試験)を自ら実施する主体ではない。これらの試験は主として製造販売業者や試験機関が実施し、薬機法等に基づき審査される。

3
不正解

正しい。生物学的試験はISO 10993 シリーズに基づき、細胞毒性、感作性、刺激性などを機器の接触部位・接触時間に応じて評価する。医療機器の安全性評価の中核である。

4
不正解

正しい。医療機器の品質・有効性・安全性に関する規制は薬機法の枠組みで行われ、試験要求事項は関連する省令・通知や JIS/ISO 規格(例:ISO 10993、JIS T 0601-1[IEC 60601-1]など)に準拠して求められる。

5
不正解

正しい。物性試験には、引張強さ、硬さ、疲労、耐摩耗性、形状安定性などの評価が含まれ、使用環境での機械的・物理的安全性を確認するために実施される。

85
臨床工学技士国家試験 - 第12回 午後
正答率:30% 類似度 72.9%
科目:
医療用具に用いられる材料の溶出物試験で評価できる性質はどれか。
a
急性毒性
b
長期での発がん性
c
抗血栓性
d
変異原性
e
溶血性
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e
68
臨床工学技士国家試験 - 第4回 午前
正答率:56% 類似度 72.7%
医療用具の安全性に関する試験に含まれないのはどれか。
1
物性試験
2
生体内試験
3
溶出物試験
4
性能試験
5
無菌試験
76
臨床工学技士国家試験 - 第6回 午後
正答率:20% 類似度 71.1%
正しい組み合わせはどれか。
a
電気メスの高周波分流 ----------------- 熱的安全性
b
膜型人工肺の材用劣化 ---------------- 機械的安全性
c
医用ガスの誤用 ---------------------- 化学的安全性
d
透析回路への気泡の混入 ―――――--- 生物学的安全性
e
レーザ光の目的物以外への照射 ------- 工学的安全性
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e
87
臨床工学技士国家試験 - 第19回 午後
正答率:33% 類似度 71.0%
科目:
医用材料の安全性テストで生物学的試験にないのはどれか。
1
発がん性試験
2
遺伝毒性試験
3
発熱性試験
4
感作性試験
5
無菌試験
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