臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
各治療機器が患者に与える主作用エネルギーを対応づける問題。低周波治療器は皮下組織へ低周波電流を流す電気刺激装置であり、音波は用いない。ESWLは体外で発生させた衝撃波(音響的な圧力波=機械的エネルギー)を結石に集束させて破砕するため、電磁波ではない。光線治療器は赤外線・可視光などの光(電磁波)を照射する。冷凍手術器は液体窒素や圧縮ガスの断熱膨張などで強い低温を発生させ、熱エネルギーを奪う(熱的作用)。IABPはバルーンの拡張・収縮による圧力(機械的エネルギー)で循環補助を行う。したがって正しい組合せは「光線治療器—光」「冷凍手術器—熱」「IABP—圧力」である。
選択肢別解説
誤り。低周波治療器は皮膚電極から低周波電流を流す電気刺激装置であり、主作用エネルギーは電気(電流)。音波は用いない。
誤り。ESWLは結石に焦点を合わせた衝撃波(音響的な圧力波=機械的エネルギー)で破砕する。臓器に入る主作用は電磁波ではない。
正しい。光線治療器は赤外線・可視光などの光(電磁波)を照射し、生体に光・温熱作用を与える。
正しい。冷凍手術器は極低温で患部から熱を奪い凍結壊死を起こす熱的作用(低温)。「熱」のカテゴリに含められる。
正しい。IABPは大動脈内バルーンの拡張・収縮による圧力(機械的エネルギー)変化を利用して冠灌流と後負荷を調節する。
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解説
悪性腫瘍の温熱療法(ハイパーサーミア)は、腫瘍組織をおおむね42~45℃に加温して細胞致死や増殖抑制を狙い、放射線療法・化学療法との併用で相乗効果が期待される。加温法には電磁波を用いる方法があり、マイクロ波は組織内での減衰が大きく浅在性腫瘍に適する一方、RF(ラジオ波)の容量結合法(キャパシティブ法)では対向する2電極で体部を挟み電流を流してジュール熱で加温し、深部加温にも用いられる。温熱負荷後は熱ショックタンパク質の誘導などによる熱耐性(サーマルトレランス)が短期間に発現し、その後数日で減弱するため、治療間隔は通常1週間程度あけて実施される。
選択肢別解説
誤り。治療的ハイパーサーミアでは、腫瘍の細胞致死効果を得るには一般に42~45℃程度の加温が必要とされ、39~40℃は不十分である。
誤り。マイクロ波は波長が短く生体内での減衰が大きいため浅在性腫瘍の加温に適する。深在性腫瘍の一般的加温法としては適さない(特殊な位相配列等の例外はあるが、一般論としては不適)。
正しい。RF波を用いる容量結合法(キャパシティブ加温)では、対向する2枚の電極で体部(腫瘍を含む組織)を挟み、電流を流してジュール熱を発生させて加温する。深部加温にも用いられる。なお、設問文の「加湿」は「加温」の誤記と考えられる。
正しい。温熱療法は放射線療法・化学療法との併用で相乗効果が得られる。温熱は血流改善やDNA修復阻害などを介して放射線感受性や薬剤感受性を高めることが知られている。
誤り。熱耐性は温熱負荷後比較的短時間(概ね24~48時間)で強く発現し、その後数日で減弱する。最大が「1週目」という表現は不適切で、むしろ熱耐性の減弱を待つ意味で治療は週1回程度の間隔で行われる。
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解説
植込み型不整脈治療機器の基本として、ICDは致死的不整脈に対する除細動・通電に加え、徐脈時のバックアップペーシングや頻拍停止目的の抗頻拍ペーシング(ATP)を備える機種が一般的であり、ペースメーカ機能を併せ持つ。CRT(CRT-P/CRT-D)は電気的不同期(例:左脚ブロック、QRS延長)を伴う心不全で両心室同期ペーシングにより機械的不同期を是正し、症状・予後の改善を図る治療である。リードレスペースメーカは現在広く用いられるものは右心室内に留置するシングルチャンバー型である。植込み型機器の電源は高エネルギー密度・長寿命・安全性の観点からリチウム系一次電池(例:リチウム‐ヨウ素、銀酸化バナジウム‐リチウムなど)が用いられ、アルカリ電池は用いない。リード留置は通常X線透視下で行い、超音波は静脈穿刺補助などで併用されることはあるが、リード誘導の主手段ではない。
選択肢別解説
正しい。ICDは除細動・通電による致死性頻脈治療に加え、徐脈時のバックアップペーシング機能や抗頻拍ペーシング(ATP)を備える機種が一般的であり、ペースメーカ機能を有する。
正しい。CRT(心臓再同期療法)用ペースメーカ/除細動器は、両心室を同期ペーシングして電気的・機械的不同期を是正し、心不全症例(特にQRS延長や左脚ブロックを伴うHFrEF)で症状・心機能・予後の改善を目的に用いられる。
正しい。現在一般に使用されるリードレスペースメーカ(例:右室内留置のシングルチャンバー型)はカプセル型デバイスを右心室心内膜側に固定して留置する。
誤り。植込み型機器の電源は高エネルギー密度・長寿命・低自己放電などの特性を持つリチウム系一次電池(例:リチウム‐ヨウ素、銀酸化バナジウム‐リチウム)が用いられる。アルカリ電池は植込み機器には用いない。
誤り。ペースメーカ/ICDの経静脈リード留置は原則としてX線透視下に行う。超音波は静脈穿刺(例:鎖骨下・腋窩静脈)の補助に用いられることはあるが、リード誘導の主たる画像誘導法ではない。
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