臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
$RF容量結合型加温法は、体表面に配置した一対(または多極)の電極間に数MHz〜数十MHz帯のRF電流を流し、生体の抵抗成分で生じるジュール熱により加温する方法である。代表的な使用周波数はISMバンドの13.56 MHz、27.12 MHz、40.68 MHzなどで、100 MHz以上のマイクロ波帯を用いる誘電損主体の加温とは区別される。発熱の主因は抵抗損(ジュール熱)であり、電力は概念的にP = I^2 R、体積あたりではp = \sigma E^2(\sigma:電気伝導率)と表せる。容量結合では電界分布や灌流特性の影響から、脂肪など相対的に電気抵抗が高い組織で加温されやすい傾向がある。電極直下の表在過熱を避けるために水ボーラス(水バッグ)による表面冷却 \cdot 整合が用いられる。また電極が小さいほど電流密度が集中し、電極近傍の加温が強くなる。したがって、選択肢4と5が正しい。$
選択肢別解説
誤り。RF容量結合型加温法の実用周波数は数MHz〜数十MHz(例:13.56、27.12、40.68 MHzなど)であり、100 MHz以上のマイクロ波帯を用いるのは主として誘電損加温(マイクロ波加温)の領域である。
誤り。容量結合型RF加温の主たる発熱機序は生体の抵抗成分によるジュール熱(抵抗損)である。誘電損が主体となるのはマイクロ波加温(915 MHzや2.45 GHzなど)の場合である。
$誤り。容量結合では電界分布や灌流の影響から、一般に電気抵抗の高い組織(例:脂肪)が加温されやすいとされる。ジュール熱の観点ではP = I^2 Rの関係も想起でき、低抵抗が加温されやすいとはいえない。$
正しい。電極直下の表在組織の過熱・熱傷を防ぐため、ボーラス(水バッグ)で表面冷却し、同時にインピーダンス整合を改善して電流を深部へ導く。
正しい。電極サイズが小さいほど電流密度が上昇して電流が集中し、電極近傍の加温が強くなる。臨床では過熱・熱傷リスクに留意して設定する。
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