臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
人工心肺(体外循環)管理における基本操作の是非を問う問題。PaCO2は主として人工肺の吹送ガス流量(スイープガス)で調整し、ACTは血液凝固を防ぐため概ね400秒以上を維持する。復温時は温度較差を大きくしない(一般に10℃以内)ことで溶血・気泡形成・不均一加温のリスクを抑える。大動脈遮断解除時は一時的に送血量を減少させて大動脈内圧や鉗子部のストレス、塞栓リスクを低減するのが原則であり、送血量を増加させるという記載は誤り。離脱開始時は脱血量を先に減らし、生体側へ血液を戻して心臓の前負荷を回復させつつ自発拍出へ移行する。以上より、誤っている操作は選択肢4。
選択肢別解説
正しい。人工肺では二酸化炭素の除去量は吹送ガス流量に強く依存する。スイープガス流量を増やせばCO2除去が進みPaCO2は低下し、減らせば上昇する。PaO2は主に吹送ガス酸素濃度(FiO2)で調整する。
正しい。体外循環中は血液凝固を防ぐためヘパリンで抗凝固を行い、ACTを概ね400秒以上(施設によっては480秒以上など)に維持するのが一般的である。
正しい。復温時の温度管理では送血側と脱血側の血液温の較差を大きくしない(一般に10℃以内)ようにする。過大な較差は溶血、気泡形成、組織の不均一加温などのリスクを高めるため避ける。
誤り。大動脈遮断解除時は一時的に送血量を低下させて大動脈内圧や鉗子部へのストレスを軽減し、塞栓リスクを抑えるのが基本である。送血量を増加させる操作は不適切。
正しい。体外循環からの離脱開始時は、まず脱血量を減少させて生体側へ血液を戻し(心腔の充満を回復)、動脈圧・CVP・心機能を確認しながら段階的に送血を減らしていく。
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解説
医療法(施行規則)および厚生労働省通知で定められた「医療機器の安全使用のための責任者(医療機器安全管理責任者)」は、医療機器に関する十分な知識を有する常勤職員で、かつ次のいずれかの国家資格保有者から選任することとされる。医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士。これらに該当しない理学療法士は資格要件に含まれないため、同責任者を兼務(=当該職種でありながら責任者を務める)することはできない。したがって、理学療法士が正答である。
選択肢別解説
医師は厚労省通知で定める選任対象(資格要件)に含まれるため、医療機器安全管理責任者を兼務できる。よって本問の問い(兼務できない者)には該当せず不正解。
臨床工学技士は選任対象に含まれる。医療機器の構造・保守運用に関する専門性を活かして医療機器安全管理責任者を兼務できるため、不正解。
看護師は選任対象に含まれる。病院・診療所において看護部門を中心に医療機器の適正使用体制構築に関与しつつ責任者を兼務できるため、不正解。
診療放射線技師は選任対象に含まれる。画像診断装置などの医療機器の安全使用に関する知識を有する職種として責任者を兼務できるため、不正解。
理学療法士は、通知で列挙された選任対象(医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士)に含まれない。したって医療機器安全管理責任者を兼務できないため、正解。
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解説
人工心肺(完全体外循環)中の安全管理では、空気誤送、動脈解離、脱血不良、人工肺血栓などの重大事象に対し、原因に即した初期対応が求められる。空気は貯血槽の液面低下だけでなく、脱血側の陰圧(VAVD)による吸気、回路接続部の緩み、ベントや心筋保護系からの逆流・逆転、人工肺内の脱ガスなど多経路で発生し得るため、貯血槽が空でなくても誤送は起こり得る。動脈解離が疑われる場合は解離腔の拡大を避けるため送血流量を直ちに低下または停止し、送血部位の変更準備や低体温化、圧モニタ・TEE等での確認を行う。脱血不良では原因(カニューレ先端の壁貼り付き、屈曲・閉塞、陰圧過大、循環血液量不足など)を同定し、カニューレの前後位置調整(しばしば浅く引き戻す)、回路確認、陰圧・ポンプ流量の整合、容量補充等で対処する。人工肺内血栓は圧力差上昇やガス交換不全を伴い致命的になり得るため、抗凝固状態の確認(ACT 等)を行いつつも基本対応は人工肺の速やかな交換であり、ヘパリン追加のみでは既存血栓は解決しない。脱血回路に持続的な微小気泡が見られる場合は陰圧過大や接続部吸気が疑われるため、陰圧やポンプ流量の調整、接続部の増し締め、容量補充、カニューレ位置調整など脱血側の是正を優先する。動脈側に空気が到達した場合に初めて送血停止が適応となる。
選択肢別解説
正しい。空気誤送は貯血槽の液面低下以外にも、脱血側の陰圧(VAVD)による吸気、回路接続部の微小リーク、ベント・心筋保護回路からの逆流やポンプ逆転、人工肺での脱ガスなど多経路で発生し得る。したがって貯血槽が完全に空でなくても空気が動脈側へ移行する危険はある。常にエアトラップ・フィルタ・監視を併用し、流量と陰圧の整合、接続部の点検を行う。
誤り。動脈解離が発生・疑われる場面で送血流量を増やせば解離腔へ灌流が集中し解離が進展する危険が高い。適切な対応は送血流量を低下または停止し、動脈圧を下げた上で送血部位変更(例:腋窩・大腿)、低体温化や循環停止の準備、TEEや圧ラインでの評価を行うことである。
誤り。脱血不良に対してカニューレをむやみに深く挿入すると、血管壁への貼り付きや狭小部への迷入でさらに流入が悪化することがある。まずはカニューレの前後位置を微調整(多くはやや引き戻す)、屈曲や陰圧過大の是正、循環血液量の補充、VAVD設定やポンプ流量の整合、必要に応じ二本目カニューレの追加などで対処する。
誤り。人工肺内血栓形成が疑われる場合、最優先は人工肺(必要により回路)の速やかな交換である。ACT低下など抗凝固不足があれば是正(ヘパリン追加)するが、追加投与のみでは既に形成された血栓は解消せず、塞栓やガス交換・圧損悪化の危険が続く。
誤り。脱血回路の持続的微小気泡は陰圧過大や接続部の吸気を示唆するため、まず脱血側の原因是正(陰圧や送血流量の調整、接続部の締結確認、容量補充、カニューレ位置調整等)を行う。動脈側への空気到達が確認・疑われる場合に送血停止を行うのであって、微小気泡が脱血側に限局する段階で直ちに送血を停止するのは一般的対応ではない。
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a. 出血の回収 — 血液吸引ポンプ
b. 静脈血の酸素加 — 人工肺
c. 肺循環の維持 — 血液ポンプ
d. 余剰水分の排出 — ベントポンプ
e. 貯血槽内の微小気泡除去 — 動脈フィルタ
1. a, b 2. a, e 3. b, c 4. c, d 5. d, e
解説
人工心肺(体外循環)では、各構成機器が明確な役割を担う。出血の回収は手術野の血液をサクション回路で吸引し、血液吸引ポンプ(多くはローラポンプ)で貯血槽へ戻すのが目的・手段の一致で正しい。静脈血の酸素加(酸素化)は人工肺の本質的機能で、同時に二酸化炭素除去も担うため正しい。一方、血液ポンプの目的は全身循環(体循環)維持であり、完全体外循環中は肺循環はほぼ途絶するので「肺循環の維持」との組合せは不適切。余剰水分の排出(除水)は血液濃縮器(ヘモコンセントレータ)で行うのが適切で、ベントポンプは左心系の減圧・心腔内血液や気泡の排出が目的であるため不適切。貯血槽内の微小気泡は貯血槽の除泡機構(除泡網・消泡材)で除去され、動脈フィルタは送血ライン中で患者送血直前の微小気泡・微小異物を捕捉する装置であり、「貯血槽内」との組合せは不適切。よって正しいのは1と2である。
選択肢別解説
正しい。手術野の出血回収はサクション回路で行い、血液吸引ポンプ(通常はローラポンプ)が陰圧で吸引して貯血槽へ戻す。目的(出血回収)と構成機器(血液吸引ポンプ)が一致する。
正しい。人工肺は静脈血の酸素化(酸素加)と二酸化炭素除去を担う中核機器であり、記載の組合せは適切。
誤り。血液ポンプは体循環(全身送血)を維持する装置であり、完全体外循環では肺循環はほぼ途絶する。したがって「肺循環の維持」との組合せは不適切。
誤り。余剰水分(体液)の除去は血液濃縮器(ヘモコンセントレータ)による限外濾過で行う。ベントポンプの主目的は左心室などの減圧・心腔内血液や気泡の排出であるため、組合せが不適切。
誤り。貯血槽内の微小気泡は貯血槽に内蔵された除泡機構(除泡網・消泡材)で除去される。動脈フィルタは人工肺出口から送血ラインを流れる血液中の微小気泡・微小異物を患者送血直前で捕捉する装置であり、「貯血槽内」との組合せは不適切。
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解説
慢性腎不全で維持透析中の患者は、動脈硬化や高血圧を合併しやすく末梢血管抵抗が高いことが多いため、人工心肺中は適切な臓器灌流を確保する目的で灌流圧が相対的に高めに推移・設定されることが多い。高カリウム血症は致死的不整脈の主要因であり、術前透析や希釈液のK管理、(必要に応じて)術中の血液浄化で正常域へ補正するのが基本で「高めに」維持することはない。維持透析患者は希釈に脆弱で貧血も多く、プライミングによるヘマトクリット低下を考えると無輸血体外循環は一般に容易ではない。利尿薬による尿量確保は無効なことが多く、水分・溶質管理は透析や限外濾過で行う。術中透析を人工心肺回路に併設する場合、その血液流量は回路内の循環に組み込まれており、原則としてその流量分だけ送血量(全身灌流量)を上乗せする必要はない。
選択肢別解説
誤り。維持透析患者は貧血が多く、プライミングによる希釈でヘマトクリットが下がりやすい。さらに体液管理も厳密で、無輸血体外循環の成立は一般に難しい。必要に応じて濃厚赤血球で酸素運搬能を確保する。
誤り。高カリウム血症は致死的不整脈のリスクとなるため、術前透析や低Kのプライミング、術中の血液浄化などでKは正常~やや低めへ補正するのが基本であり、「高めに」維持することはない。
正しい。維持透析患者では動脈硬化・高血圧などにより末梢血管抵抗が高い症例が多く、腎・脳など臓器灌流を確保する目的で体外循環中の灌流圧は相対的に高めに設定・維持されることが多い。
誤り。維持透析患者は無尿または乏尿が多く、利尿薬の効果は乏しい。術中の体液・溶質管理は透析や限外濾過で行うのが適切で、利尿薬大量投与で自尿確保を図る方針は不適切。
誤り。術中透析(またはHF/HD)を人工心肺回路に併設する場合、その血液流量は回路内で循環させる構成が一般的で、全身への送血量(適正灌流量)に透析流量分を単純加算する必要はない。加算すると過灌流や過剰希釈の危険がある。
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解説
体外循環における主要機器の役割を問う設問。人工肺は静脈血からCO2を除去しO2を付加するガス交換装置で正しい。動脈ラインフィルタ(フィルタ)は微小気泡や微小凝血塊の捕捉・除去に用いられ正しい。ベントポンプは左室など心腔内の血液・気泡を吸引し、心腔内圧を下げて心室過伸展を防ぐ目的で用いられ正しい。一方、冠灌流回路は心筋保護液(カーディオプレジア)を冠動脈へ供給する回路であり、心腔内出血の回収はカーディオトミーサクション(吸引回路)やセルセーバ等が担うため不適切。冷温水槽は人工肺の熱交換器に接続して体温管理を行う装置であり、余剰水分(血漿水分)の除去はヘモコン(限外濾過器)で行うため不適切。以上より1・2・5が正しい組合せ。
選択肢別解説
人工肺は静脈血から二酸化炭素を除去し酸素を付加するガス交換を担う。体外循環中に静脈血は人工肺を通過して動脈化されるため、組合せは正しい。
フィルタ(主に動脈ラインフィルタ)は微小気泡や微小凝血塊を捕捉して下流への塞栓を予防する。微小気泡の除去という目的に合致しており正しい。
冠灌流回路は心筋保護液(カーディオプレジア)を冠動脈へ送るための回路である。心腔内出血の回収はカーディオトミーサクション(吸引回路)やベント等で行うため、この組合せは不正解。
冷温水槽は熱交換器に温水・冷水を供給して体温管理を行う装置であり、余剰水分(血漿水分)の除去はヘモコン(限外濾過器)によって行う。したがって不正解。
ベントポンプは左心室や心腔内に貯留する血液・気泡を吸引し、心内圧を低下させて心室過伸展を防ぎ、左室負荷を軽減する。目的に合致し正しい。
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解説
医薬品医療機器等法(旧薬事法)に基づき、医療機器はリスクに応じて一般医療機器(クラスI)、管理医療機器(クラスII)、高度管理医療機器(クラスIII・IV)に分類される。人工呼吸器、人工心肺装置、輸液ポンプ、除細動器はいずれも重篤な転帰に直結し得るため高度管理医療機器(多くはクラスIIIまたはIV)に位置づけられる。一方、自動電子式血圧計は管理医療機器(クラスII)であり、高度管理医療機器ではない。したがって「高度管理医療機器でない」ものは自動電子式血圧計である。
選択肢別解説
人工呼吸器は生命維持に直結する機器で、重大な危害を招き得るため高度管理医療機器(クラスIIIまたはIV)に分類される。よって設問の「高度管理医療機器でない」には該当しない。
人工心肺装置は循環・呼吸機能を代行する極めて高リスク機器であり、高度管理医療機器(通常クラスIV)に分類される。したがって「高度管理医療機器でない」には該当しない。
自動電子式血圧計は一般に管理医療機器(クラスII)であり、高度管理医療機器ではない。よって本問で問う「高度管理医療機器でない」に該当する。
輸液ポンプは薬液や輸液を一定速度で体内に注入する機器で、過量・過少投与が重篤な転帰につながり得るため、高度管理医療機器(多くはクラスIII)に分類される。したがって「高度管理医療機器でない」には該当しない。
除細動器は致死的不整脈に対し電気ショックを与える高リスク機器で、高度管理医療機器(通常クラスIV)に分類される。よって「高度管理医療機器でない」には該当しない。
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解説
体外循環では気泡混入や回路空破による送脱血障害が重大事故につながるため、レベル監視とフィルタリング、気泡対策が基本となる。レベルセンサは通常、静脈貯血槽の液面を超音波式・光学式・静電容量式などで監視し、液面低下による空気誤送を防ぐ。動脈フィルタは微小気泡や微小異物の除去を目的に目開きが小さく(代表的に約40 μm前後)、バブルトラップは比較的粗い目(100~200 μm程度)で気泡捕捉・脱気を担う。閉鎖回路(ECMO等)でも採血・薬剤注入・接続部の不具合などで気泡が侵入し得るため、気泡監視は不可欠である。エアブロック(エアロック)は主に脱血側に空気が入りサイフォン効果が途絶して脱血が停止する現象を指す。
選択肢別解説
不正解。人工心肺で用いるレベルセンサは一般に超音波式・光学式・静電容量式などの非接触型が主流で、磁気センサを用いる方式は一般的ではない。よって「磁気センサが用いられている」との断定は不適切。
不正解。レベルセンサは静脈貯血槽の液面監視に用い、液面低下時にポンプ停止や警報で空気誤送を防ぐ。エアトラップ(バブルトラップ)は気泡捕捉・脱気のための器具であり、レベルセンサの取り付け対象ではない。
正解。動脈フィルタは微小気泡・微小異物の除去を目的に目開きが小さく(代表的に約40 μm前後)、バブルトラップのスクリーンはこれより粗い(おおむね100~200 μm程度)。したがって動脈フィルタの方が目が細かい。
不正解。閉鎖回路(PCPS/ECMO等)でも採血・薬剤注入、コネクタの緩み、陰圧条件下での接続部からの吸気などにより気泡が流入する可能性がある。「可能性はない」は誤り。
不正解。エアブロック(エアロック)は主として脱血回路側に空気が入り、静水圧差(サイフォン)による脱血が途絶して流れが止まる現象を指す。送血回路が空気で満たされて停止する状況の定義ではない。
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解説
気管内吸引は、カテーテル挿入や陰圧吸引による機械的刺激、吸引中の換気中断・酸素除去、迷走神経反射などにより、低酸素血症、徐脈・不整脈、血圧変動、気管支収縮、気道粘膜損傷・出血、無気肺などの合併症を起こし得る。咳発作や低酸素血症による脳血流変化・静脈還流障害は頭蓋内圧を上昇させ得るため、「頭蓋内圧低下」は合併症ではない。予防としては、事前酸素化、適切な吸引圧(成人でおよそ120〜150 mmHg程度)、1回10〜15秒以内の短時間吸引、必要最小限の回数、深吸引の回避が重要である。
選択肢別解説
無呼吸は合併症である。吸引中は換気が一時中断されやすく、カテーテルが気道を閉塞する場合や迷走神経反射が強い場合には呼吸停止(無呼吸)が起こり得る。
無気肺は合併症である。高すぎる陰圧や長時間吸引、深吸引によって末梢気道が閉塞し、肺胞が虚脱して無気肺を生じることがある。
低酸素血症は主要な合併症である。吸引により酸素が除去され、また吸引中は換気が止まるため動脈酸素分圧が低下しやすい。事前酸素化や短時間吸引で予防する。
気管支収縮は合併症である。カテーテルの機械的刺激や迷走神経反射により気管支攣縮が起こり、呼気流出抵抗が増加する。
頭蓋内圧低下は合併症ではない。むしろ吸引刺激や咳反射、低酸素血症・血圧変動により頭蓋内圧は上昇し得るため、本肢は不適切である。頭部外傷や脳圧亢進が疑われる患者では特に注意が必要である。
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