臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
四端子法では、被測定抵抗Rの両端電圧を電圧計で直接測るため、電流端子側のリード・接触抵抗r1, r4による電圧降下は測定に現れず、電圧端子側のr2, r3にも電圧計電流がほぼ流れないので影響は無視できる。電圧計の内部抵抗は1 MΩで、電圧計に流れる電流は約 V/Rv = 0.05 V / 1,000,000 Ω = 5×10^{-8} A と極めて小さい。したがってRはオームの法則で $R=\frac{V}{I}=\frac{0.05}{0.25}=0.2\,\Omega$ と求まる。
選択肢別解説
誤り。四端子法ではRのみの電圧降下を測定し、$R=V/I=0.05/0.25=0.2\,\Omega$。0.1\,ΩとなるのはVが0.025\,Vの場合で、本条件に合わない。
正しい。四端子法でリード・接触抵抗の影響を排除でき、$R=\frac{0.05}{0.25}=0.2\,\Omega$。電圧計の内部抵抗1\,MΩにより電圧計回路電流は50\,nA程度で無視できる。
誤り。$R=V/I$より0.3\,ΩにするにはV=0.075\,Vが必要。四端子法ではr1〜r4の影響は測定電圧に現れないため、0.3\,Ωにはならない。
誤り。0.4\,ΩにするにはV=0.10\,Vが必要だが、実測は0.05\,V。四端子法によりリード・接触抵抗の加算はない。
誤り。0.5\,ΩにするにはV=0.125\,Vが必要。実測値および四端子法の特性から該当しない。
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解説
回路は、上枝に電流計の内部抵抗 R_a=10\,\Omega と抵抗 R=100\,\text{k}\Omega が直列、下枝に電圧計の内部抵抗 R_V=10\,\text{M}\Omega が接続された並列回路で、電源は理想(内部抵抗無視)で E=10\,V である。理想電源なので各枝の端子電圧は常に 10 V に固定され、下枝(電圧計)にどれだけ電流が流れても上枝の電流値には影響しない。したがって R を流れる電流 I は上枝の直列合成抵抗 R+R_a に対してオームの法則より $ I=\frac{E}{R+R_a}=\frac{10}{100\,000+10}\,\text{A}\approx9.999\times10^{-5}\,\text{A}=0.09999\,\text{mA}\approx0.1\,\text{mA} $。R に比べて R_a は極めて小さいため、近似的に $I\approx E/R$ としても同じ選択肢に到達する。
選択肢別解説
正しい。理想電源で上枝の電流は $ I=\frac{E}{R+R_a}=\frac{10\,\text{V}}{100\,000\,\Omega+10\,\Omega}\approx0.09999\,\text{mA}\approx0.1\,\text{mA} $。
$誤り。計算値は約 0.1 mA であり、0.2 mA となるには合成抵抗がおよそ 50 k\Omega 程度でなければならないが、本回路では R+R_a\approx100 k\Omega である。$
$誤り。1 mA となるのは合成抵抗が約 10 k\Omega の場合であり、本回路の R+R_a は約 100 k\Omega と 10 倍大きい。$
$誤り。2 mA となるには合成抵抗が約 5 k\Omega 必要だが、実際は約 100 k\Omega である。$
$誤り。10 mA は合成抵抗が約 1 k\Omega のときの値で、本回路の抵抗値とは一致しない。$
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解説
図の回路は、入力側がコンデンサC、帰還側が抵抗Rの反転形微分回路である。理想オペアンプでは非反転端子(+)が接地のため反転端子(−)は仮想接地となり、(−)端子の電位は0 Vに等しい。また入力電流は全てコンデンサCを流れ、オペアンプ入力には流れない。したがって入力端子から見たインピーダンスは、入力端子と仮想接地の間に直結している素子Cのインピーダンスそのものとなり、$Z_{in}=Z_C=\frac{1}{j\omega C}$。なお利得は $G=-\dfrac{Z_f}{Z_{in}}=-\dfrac{R}{1/(j\omega C)}=-j\omega RC$ で、Rは入力インピーダンスには寄与しない。
選択肢別解説
$j\omega C$ はコンデンサのアドミタンス(導納)であり、インピーダンスではない。入力インピーダンスとしては不適切。
正しい。反転端子は仮想接地で、入力電流はコンデンサCのみを通るため、入力インピーダンスは $Z_C=\frac{1}{j\omega C}$ となる。
$j\omega CR$ は無次元量で、反転回路の周波数依存利得の大きさに相当するが、入力インピーダンスではない。
$\frac{1}{j\omega CR}$ は利得の逆数の量に対応するが、入力インピーダンスではない。
$R+\frac{1}{j\omega C}$ はRとCが直列の場合のインピーダンス。本回路ではRは帰還側にあり、入力側からはCのみが見えるため該当しない。
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解説
JIS T 0601-1(IEC 60601-1)では、単一故障状態(SFC)でも電気的に安全であることを求め、試験では「電気的な単一故障状態」を仮定して漏れ電流や保護機能の有効性を確認する。代表的な電気的SFCには、絶縁(MOP)の一つの喪失(短絡)、沿面距離・空間距離のブリッジ(短絡)、保護接地(PE)の開路、電源導線(LまたはN)の断線などが含まれる。一方、モータ用コンデンサの短絡は機器の機能部品の故障であり、電撃保護手段そのものの喪失を仮定する電気的SFCには通常含めない。したがって「電気的な単一故障状態でないもの」はモータ用コンデンサの短絡である。
選択肢別解説
モータ用コンデンサ(始動・運転コンデンサ)は機能維持のための部品であり、その短絡は機能停止やヒューズ溶断などの機能的故障を招き得るが、JIS T 0601-1で電撃・漏れ電流リスク評価に用いる「電気的な単一故障状態」(絶縁喪失、沿面/空間距離のブリッジ、PE 開路、電源導線の断線等)の代表例には該当しない。よって設問が問う『電気的な単一故障状態でない』に当たる。
絶縁(MOP:MOOP/MOPP)の一つが短絡して失われた状態は、漏れ電流増大や感電リスク上昇を招くため、電気的な単一故障状態に該当する。
電源導線(LまたはN)のいずれか1本の断線は、異常な電源条件下で保護回路や漏れ電流が安全限度内に保たれるかを確認するために仮定される電気的SFCに該当する。
沿面距離または空間距離が汚染や導電性物質の付着等でブリッジされ短絡したと仮定するのは、絶縁の喪失と同義の電気的SFCに該当する。
保護接地線や機器内部のPE接続の開路は、外装・導電部の漏れ電流やタッチ電圧が上昇し得るため、電気的SFCの典型例に該当する。
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解説
JIS T 0601(IEC 60601)シリーズは、-1が「一般要求事項」(基本規格)、-1-xがそれを補足する「副通則」(Collateral standards)、-2-xが特定機器ごとの「個別規格」(Particular standards)で構成される。したがって「個別規格」を問う本設問では、-2-x形式のJISが該当し、JIS T 0601-2-1(放射線治療用電子加速装置)およびJIS T 0601-2-2(電気手術機器)が正答となる。
選択肢別解説
JIS T 0601‒1は医用電気機器の基礎安全および基本性能に関する「一般要求事項」を定める基本規格(IEC 60601-1に対応)であり、個別規格ではない。したがって誤り。
JIS T 0601-1-1は一般要求事項を補足する「副通則」で、医用電気システムに関する安全要求事項を規定する。個別規格(-2-x)ではないため誤り。
JIS T 0601-1-2は電磁両立性(EMC)に関する一般要求事項を定める「副通則」である。個別規格ではないため誤り。
JIS T 0601-2-1は放射線治療用電子加速装置の基礎安全および基本性能に関する「個別規格」(Particular standard)であり、設問の条件に合致するため正しい。
JIS T 0601-2-2は電気手術機器(電気メス)およびその附属品に関する「個別規格」であり、設問の条件に合致するため正しい。
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解説
医用電気機器(ME機器)の電撃保護は、機器側のクラス分類(Class I/Class II/内部電源)と装着部の型式(B/BF/CF)で表される。Class Iは基礎絶縁に加えて保護接地(PE)を追加保護手段とし、Class IIは補強(または二重)絶縁により接地を要しない。内部電源ME機器では、追加保護手段は「内部電源(バッテリ)で商用電源から絶縁されていること」自体であり、基礎絶縁は追加保護ではない。装着部は、B形はF形(フローティング)ではなく外部高電圧(例:除細動)に対する保護が想定されない一方、CF形は心臓への直接適用を想定し最も厳しい基準で、F形(フローティング)構造とされ接地されない。Class II機器は接地不要で2Pプラグ運用が可能なため、一般家庭の電源環境でも扱いやすく在宅使用に適する。以上より、1・2・5が正しく、3・4は不適切である。
選択肢別解説
正しい。Class I機器は基礎絶縁に加えて保護接地(PE)を追加保護手段として備え、筐体が万一充電しても接地により危険電位とならないよう設計される。
正しい。B形装着部はF形(フローティング)ではなく、除細動時などの外部高電圧印加に対する特別な保護(defibrillation-proof)を前提としない。したがって外部電圧印加に対して患者へ電流が流入し得るため「保護されていない」と評価される。外部電圧耐性が求められるのは、defibrillation-proof表示のあるBF/CF装着部である。
誤り。内部電源ME機器の追加保護手段は、商用電源から隔離された内部電源(バッテリ)であること自体であり、基礎絶縁は「基本保護」であって追加保護手段ではない。
誤り。CF形装着部は心臓への直接適用を想定し、最も厳しい漏れ電流規格が適用されるF形(フローティング)構造で、接地されない。
正しい。Class II機器は補強(二重)絶縁により保護接地を必要とせず、2Pプラグで一般家庭用コンセントに適合しやすい。接地環境が乏しい在宅でも安全に運用しやすいため、在宅使用に適している。
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解説
商用交流雑音(50/60 Hz由来)は、主に電源ラインからの伝導、静電誘導(容量結合)、電磁誘導(磁界結合)として生体計測系に侵入する。対策は侵入経路に合わせて行うのが基本で、接地(機器・ベッド・シールドの等電位化)、シールド(信号線・シールドマット)、電源ラインでの遮断(ラインフィルタ)などが有効である。ラインフィルタは「AC電源ライン(機器とコンセントの間)」に挿入して伝導ノイズを遮断するもので、機器内部の電源回路や信号側に挿入するという表現は不適切と解釈される。一方、機器やベッドの接地、シールド付信号線の使用、シールドマットの接地は、静電誘導・共通モード雑音の低減に有効な一般的手段である。
選択肢別解説
誤り。ラインフィルタは商用電源から機器へ伝導する高周波成分を遮断する目的で「AC電源ライン(機器とコンセントの間)」に挿入して用いるのが適切である。『測定器の電源回路に挿入』という表現は、機器内部の回路側に入れるニュアンスとなり、電源ラインを介する侵入経路を十分に遮断できないため不適切と判断する。
適切。測定器の接地端子を接地極に確実に接続することで、シャーシの浮遊電位を逃がし、静電誘導・電磁誘導による共通モード雑音の侵入を低減でき、安全性(漏えい電流低減)にも資する。
適切。ベッド(金属フレーム)を接地することで大きな金属体がアンテナのように振る舞うのを抑え、患者—電極—機器系への容量性結合(静電誘導)由来の共通モード雑音を低減できる。医療施設の等電位ボンディング基準に従って実施するのが望ましい。
適切。信号線にシールドを施し、シールドを適切に接地(通常は機器側で一点接地)することで静電誘導ノイズを遮へいできる。必要に応じてツイストペアを併用すると磁界誘導にも有効。
適切。患者とベッドの間にシールドマット(導電シート等)を設置し接地することで、周囲やベッドからの静電誘導を遮断し共通モード雑音を低減できる。患者に直接導電接触させない等の安全配慮のもとで用いる。
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