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臨床工学技士国家試験
解説
医用電気機器(クラスI)の保護接地の導通抵抗は、漏れ電流や異常時電流を確実に大地へ逃がし、外装などの接触可能金属部の電位上昇を抑えるためにJIS T 0601-1で上限値が規定されている。測定は電源プラグの接地ピン(保護接地刃)から機器の接触可能金属部(外装など)までの抵抗で評価する。電源コード(保護接地線)が着脱不可能な機器では許容値は0.2Ω以下、着脱式では0.1Ω以下である。設問は着脱不可能な場合を問うているため、正答は0.2Ω以下(選択肢3)。
選択肢別解説
誤り。JIS T 0601-1における着脱不可能な保護接地線の許容上限は0.2Ω以下であり、0.02Ω以下という厳しすぎる値は規格の要求ではない。
誤り。0.1Ω以下は電源コードが着脱式の場合の許容値であり、設問の着脱不可能な場合には適用されない。
正しい。JIS T 0601-1では、電源コード(保護接地線)が着脱不可能な医用電気機器の接地導通抵抗は、電源プラグの接地ピンから機器外装などの接触可能金属部まで0.2Ω以下と規定されている。
誤り。1Ω以下はJISの許容上限(0.2Ω以下)を大幅に超えており、保護接地として不適切。導通抵抗が大きいと異常時の接触電圧上昇の危険が増す。
誤り。2Ω以下もJISの許容上限を超過しており不適切。保護接地の機能確保の観点からも不合格となる。
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解説
JIS T 0601-1(IEC 60601-1)では、保護接地線抵抗試験の測定電流は「25 A」または「機器の定格電流の1.5倍」のうち大きい方を用いる。定格電流は消費電力と定格電圧から $I=\frac{P}{V}=\frac{500}{100}=5\ \mathrm{A}$、その1.5倍は $7.5\ \mathrm{A}$。これと25 Aを比較し、大きい25 Aが規定に適合する測定電流となる。したがって正解は25 A。
選択肢別解説
誤り。JIS T 0601-1では測定電流は「25 A」または「定格電流の1.5倍」のうち大きい方を用いる。本機器の定格電流は $5\ \mathrm{A}$、1.5倍は $7.5\ \mathrm{A}$ であり、25 Aの方が大きい。10 Aでは規定に満たない。
誤り。測定電流は25 Aまたは定格電流の1.5倍のうち大きい方。本機器では1.5倍は7.5 Aで、25 Aが採用される。15 Aは規定に不足。
誤り。測定電流は25 Aまたは定格電流の1.5倍のうち大きい方。本機器では25 Aが該当し、20 Aでは不足する。
正しい。定格電流は $I=\frac{P}{V}=5\ \mathrm{A}$、その1.5倍は $7.5\ \mathrm{A}$。規定は「25 A」または「1.5倍」のうち大きい方なので、25 Aを用いる。
誤り。規定は「25 A」または「定格電流の1.5倍」のうち大きい方であり、本機器では25 Aが該当する。30 Aとする規定上の根拠はない。
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解説
接地漏れ電流(保護接地線に流れる漏れ電流)は、患者や操作者が直接触れる経路ではないため、患者漏れ電流などに比べて大きめの許容値が設定されている。医用電気機器の安全規格(JIS T 0601-1/IEC 60601-1)では、正常状態での接地漏れ電流の上限は $5000\ \mu\text{A}$($5\ \text{mA}$)、単一故障状態では $10000\ \mu\text{A}$($10\ \text{mA}$)が目安である。したがって、正常状態の許容値として正しいのは $5000\ \mu\text{A}$ である。
選択肢別解説
誤り。$100\ \mu\text{A}$ は患者漏れ電流の正常状態での代表的な許容値として用いられる数値であり、接地漏れ電流(保護接地線)の許容値ではない。接地漏れ電流の正常状態の許容値は $5000\ \mu\text{A}$。
誤り。$500\ \mu\text{A}$ は接地漏れ電流の許容値としては過度に小さい。正常状態の接地漏れ電流の許容上限は $5000\ \mu\text{A}$。
誤り。$1000\ \mu\text{A}$ は患者漏れ電流の基準値として言及されることはあるが、接地漏れ電流の正常状態の許容値ではない。接地漏れ電流の正常状態の上限は $5000\ \mu\text{A}$。
正しい。医用電気機器における接地漏れ電流の正常状態での許容上限は $5000\ \mu\text{A}$($5\ \text{mA}$)である。
誤り。$10000\ \mu\text{A}$ は単一故障状態における接地漏れ電流の許容上限($10\ \text{mA}$)であり、正常状態の許容値ではない。
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解説
医用電気機器の保護接地線抵抗は、故障時に筐体電位の上昇を抑え、遮断器の動作を確実にするために低く管理する。JIS T 0601-1(IEC 60601-1 に相当)では、電源コードが着脱式ではない(固定式)機器について、電源プラグの接地ピンから金属外装(保護接地された接触可能金属部)までの抵抗値を測定し、その規定値を0.2 Ω以下としている。着脱式(分離可能電源コード)の場合は接点部が増えるためより厳しく0.1 Ω以下が適用される。本設問は固定式(着脱式ではない)を問うため、0.2 Ω以下が正解。
選択肢別解説
誤り。0.1 Ω以下は着脱式(分離可能電源コード)機器に適用される基準であり、本問の着脱式ではない場合の基準ではない。
正しい。JIS T 0601-1における着脱式ではない電源コードの機器の保護接地線抵抗は、電源プラグの接地ピンから金属外装まで0.2 Ω以下と規定されている。
誤り。0.5 Ω以下という基準はJISの規定値ではない。保護接地としては大きすぎ、故障時の筐体電位上昇や遮断器動作の遅れにつながるおそれがある。
誤り。1 Ω以下は規定値ではなく、保護接地としては過大で安全規格の要件を満たさない。
誤り。2 Ω以下は規定値ではなく、保護接地として過大で安全性を担保できない。
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解説
医用電気機器の漏れ電流は、絶縁や浮遊容量を介して意図せず流れる電流で、JIS T 0601-1(IEC 60601-1)に基づき種類と測定条件が定義される。患者関連では、患者漏れ電流Iは「装着部から患者を介して大地(アース)へ流れる経路」の電流を指す。患者漏れ電流IIは「信号入出力部(SIP/SOP)に現れた電源電圧の影響により、装着部から患者を介して大地へ流れる電流」、患者漏れ電流IIIは「F形装着部に電源電圧が現れた場合に、患者を介して大地へ流れる電流」をいう。その他、外装漏れ電流は機器の外装(筐体)から大地へ流れる電流、接地漏れ電流は保護接地線(PE)を流れる電流であり、患者を経由しない。よって本問では選択肢1のみが定義に合致する。
選択肢別解説
正しい。患者漏れ電流Iは定義上、装着部から患者を介して大地(アース)に流れる漏れ電流を指す。JIS T 0601-1における患者関連漏れ電流の基本的な経路定義と一致する。
誤り。患者漏れ電流IIは信号入出力部(SIP/SOP)に現れた電源電圧の影響で、装着部から患者を介して大地に流れる電流を指す。F形装着部に電源電圧が現れた場合に該当するのは患者漏れ電流IIIである。
誤り。患者漏れ電流IIIはF形装着部に電源電圧が現れた場合に患者を介して大地へ流れる電流であり、信号入出力部に起因するのは患者漏れ電流IIである。
誤り。外装漏れ電流は機器外装(筐体)から大地へ流れる漏れ電流であり、装着部から外装へ流れる電流を指すものではない。
誤り。接地漏れ電流は保護接地線(PE)を流れる漏れ電流であり、患者を介さない。主に電源回路の漏れ(Yコンデンサ等)によりPEへ流れる電流をいう。
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解説
画像の表はCF形装着部に対する漏れ電流の上限値の一部を示している。CF形では患者回路関連が最も厳しい。一般に、接地漏れ電流は正常状態0.5 mA/単一故障状態1.0 mA、外装漏れ電流は正常状態0.1 mA/単一故障状態0.5 mA、患者漏れ電流I(直流)は正常状態0.01 mA/単一故障状態0.05 mAが代表的上限である。画像では未記入のA(接地漏れ電流・正常状態)、B(外装漏れ電流・単一故障状態)、C(患者漏れ電流I直流・単一故障状態)を問うており、それぞれ A=0.5 mA、B=0.5 mA、C=0.05 mAとなる。したがって正しい組合せは選択肢5。
選択肢別解説
A=0.0、B=0.5、C=0.1の組合せ。接地漏れ電流(正常状態)は0.5 mAが上限でありA=0.0は不適。患者漏れ電流I(直流・単一故障状態)は0.05 mAでありC=0.1は過大。よって不正解。
A=0.1、B=1.0、C=0.1の組合せ。接地漏れ電流(正常状態)は0.5 mAでAが誤り。外装漏れ電流(単一故障状態)は0.5 mAでB=1.0は過大。患者漏れ電流I(直流・単一故障状態)は0.05 mAでC=0.1は過大。不正解。
A=0.1、B=0.5、C=0.05の組合せ。BとCは妥当(外装漏れ電流SFC 0.5 mA、患者漏れ電流I直流SFC 0.05 mA)が、接地漏れ電流(正常状態)は0.5 mAでありA=0.1は誤り。不正解。
A=0.5、B=1.0、C=0.05の組合せ。AとCは妥当(接地漏れ電流NC 0.5 mA、患者漏れ電流I直流SFC 0.05 mA)。しかし外装漏れ電流(単一故障状態)は0.5 mAでありB=1.0は過大。不正解。
A=0.5、B=0.5、C=0.05の組合せ。接地漏れ電流(正常状態)0.5 mA、外装漏れ電流(単一故障状態)0.5 mA、患者漏れ電流I(直流・単一故障状態)0.05 mAの基準に一致し、正解である。
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解説
JIS T 1022(医用電気設備)では、医用室でのME機器使用に伴う感電・漏れ電流リスク低減のため、保護接地・等電位化・専用コンセント・接地系の設計条件が細かく規定されている。要点は次のとおり。1) ME機器を使用する医用室には保護接地(医用接地方式)を設ける。2) ME機器への電源供給は医用コンセントを用いる。3) 接地幹線として建物の鉄骨・鉄筋を利用できる(電気的連続性・断面など条件を満たすこと)。4) 壁面接地端子と医用接地センタ間の電気抵抗は電圧降下法で測定して$0.1 \\Omega$以下と規定されるため、$1 \\Omega$以下という記述は誤り。5) 医用接地方式に用いる接地極の接地抵抗は$10 \\Omega$以下が要件。従って誤りは選択肢4である。
選択肢別解説
正しい記述である。JIS T 1022では、ME機器を使用する医用室に保護接地(医用接地方式)を設け、機器外装や接地端子を医用接地系に確実に接続して等電位化を図ることが求められる。これにより漏れ電流や外装の帯電時の感電リスクを低減する。
正しい記述である。ME機器に電源を供給する場合は、機械的強度や接地極刃受の確実性、識別性等が規格化された医用コンセントの使用が求められる。一般用コンセントでは接地・保持力・識別面で要件を満たさない。
正しい記述である。接地幹線には病院建物の鉄骨や鉄筋を利用できると定められている(電気的連続性の確保、腐食や接続方法、断面積等の条件を満たすことが前提)。建物構造体を利用することで低インピーダンスな接地経路を実現できる。
誤りの記述である。壁面接地端子と医用接地センタ間の電気抵抗は、電圧降下法で測定して$0.1 \\Omega$以下と規定される。$1 \\Omega$以下という数値は規格値より1桁大きく、要件を満たさない。
正しい記述である。医用接地方式に用いる接地極の接地抵抗値は$10 \\Omega$以下が規定値であり、機器外装から大地への低インピーダンス経路を確保することが求められる。
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解説
JIS T 0601-1(医用電気機器の安全に関する一般要求事項)では、保護接地線の抵抗(接地導通)試験の測定電流は「ME機器または関連回路の最大定格電流の1.5倍」または「25A」のうち大きい方を、50/60Hz・無負荷電圧6V以下の電源で5~10秒間流すと規定されている。定格電流が12Aの場合、1.5倍は18Aとなるが、25Aの方が大きいため、測定電流は25Aを選ぶ。目的は保護接地経路の低インピーダンスを確認し、万一の漏れ電流や短絡時に安全に遮断できるようにするためである。
選択肢別解説
誤り。規定は定格電流そのものではなく、定格電流の1.5倍または25Aのうち大きい方を用いる。定格12Aのままでは基準を満たさない。
誤り。15AはJIS T 0601-1の規定値ではない。定格12Aでは1.5倍の18Aか25Aの比較となり、大きい25Aが必要。
誤り。18Aは定格12Aの1.5倍だが、規定はこれと25Aのうち大きい方を用いるため、25Aに劣る18Aは不適切。
誤り。24Aは規定外の値であり、かつ25Aより小さい。JISでは25Aまたは1.5倍の大きい方を用いる。
正しい。定格12Aの1.5倍は18Aであり、25Aと比較して大きい方は25Aなので、規定の測定電流は25Aとなる。
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