臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
胆道・肝・膵の基礎解剖生理に関する基本問題。総胆管は総肝管と胆嚢管の合流で形成され、主膵管と合流してファーター乳頭(大十二指腸乳頭)から十二指腸内腔へ開口するため、選択肢2が正しい。肝門(門脈域)を出入りするのは門脈・肝動脈・肝管であり、肝静脈は肝の後上面から下大静脈へ流入する。肝小葉の中心には中心静脈があり、門脈枝・肝動脈枝・胆管枝は小葉周辺のグリソン鞘に位置する。膵液(消化酵素を含む外分泌液)は腺房細胞で産生され、ランゲルハンス島は内分泌(インスリンなど)を担う。胆汁は肝細胞で産生され、胆嚢は貯蔵・濃縮を行う。
選択肢別解説
誤り。肝静脈は肝臓の後上面で下大静脈に開口する。肝門を出入りするのは門脈・肝動脈・肝管(いわゆるグリソン鞘の構成要素)であり、肝静脈は肝門を通らない。
正しい。総胆管は総肝管と胆嚢管の合流で形成され、主膵管と合流してファーター乳頭(大十二指腸乳頭)から十二指腸に開口し、胆汁を排出する。
誤り。肝小葉の中心にあるのは中心静脈である。門脈枝・肝動脈枝・胆管枝は小葉周辺部のグリソン鞘に位置する。
誤り。膵液(消化酵素を含む外分泌液)は膵外分泌部の腺房細胞で産生される。ランゲルハンス島は内分泌組織で、インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌する。
誤り。胆汁は肝細胞で産生される。胆嚢は胆汁を貯蔵・濃縮し、食事に応じて十二指腸へ排出する器官であり、生成の場ではない。
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解説
心室の収縮開始(等容性収縮期)では、心室圧が瞬時に心房圧を上回るため房室弁(本問では僧帽弁)がまず閉鎖する。続いて心室圧が大動脈圧を超えると大動脈弁が開放し駆出期に入る。駆出が終わって心室圧が大動脈圧を下回ると大動脈弁が閉鎖し(等容性弛緩期)、さらに心室圧が心房圧を下回ると僧帽弁が開放して拡張期に入る。したがって順序は「僧帽弁閉鎖 → 大動脈弁開放 → 大動脈弁閉鎖 → 僧帽弁開放」(選択肢5)が正しい。
選択肢別解説
誤り。心室収縮の開始時は心室圧が心房圧を上回るため、僧帽弁は開放ではなく最初に閉鎖する(等容性収縮期)。その後、大動脈弁が開放して駆出が始まる。提示順序は生理に反する。
誤り。心室収縮開始時に僧帽弁が開放することはない。大動脈弁の開放は僧帽弁閉鎖の後、心室圧が大動脈圧を超えた時点で起こるため、序列が不適切。
誤り。大動脈弁の開放は僧帽弁閉鎖後であり、開始直後に大動脈弁が開くことはない。また収縮期に僧帽弁が再度開放することもない。順序が生理学的に矛盾している。
誤り。僧帽弁閉鎖後、僧帽弁が再び開放するのは等容性弛緩期を経て拡張期に入った後(大動脈弁閉鎖の後)である。提示順序では僧帽弁が早期に再開放しており不正確。
正しい。心室収縮開始→僧帽弁閉鎖(等容性収縮期)→大動脈弁開放(駆出期)→大動脈弁閉鎖(等容性弛緩期)→僧帽弁開放(拡張期)の順序となる。
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解説
本問は血液流体力学・循環生理の基礎に基づく正誤判定である。毛細血管ではレイノルズ数 $Re=\frac{\rho v d}{\mu}$ が極めて小さく層流であり、分岐でも渦(乱流)は起こりにくいので誤り。大動脈の動圧 $\frac{1}{2}\rho v^2$ は典型的に約1 mmHg程度で、静圧(大動脈圧 100 mmHg前後)に比べ極めて小さいため両者がほぼ等しいという記述は誤り。血管石灰化は血管壁弾性率Eを上げて硬化させ、Moens–Korteweg式 $c=\sqrt{\frac{E h}{2\rho R}}$ より脈波伝搬速度(PWV)を増加させるので正しい。ヘマトクリット上昇は赤血球体積分率増加により内部摩擦が増し血液粘度を上昇させるため正しい。動脈血圧ピーク(収縮期圧)は波の反射とコンプライアンス差による脈圧増幅で末梢ほど高くなり、部位差が生じるため正しい。
選択肢別解説
誤り。毛細血管は内径が数µm、流速も遅く、$Re=\frac{\rho v d}{\mu}$ が極めて小さいため層流が支配的で乱流・渦は発生しにくい。分岐があっても低Re領域では渦形成は起こりにくい。
誤り。大動脈の動圧 $\tfrac{1}{2}\rho v^2$ は、例えば $\rho\approx1060\,\mathrm{kg/m^3}$、$v\approx0.5\,\mathrm{m/s}$ とすると約130 Pa(約1 mmHg)であり、静圧(大動脈圧 100 mmHg前後)に比して非常に小さい。よって両者はほぼ等しくない。
正しい。血管石灰化は血管壁を硬化させ弾性率Eを上昇させる。Moens–Korteweg式 $c=\sqrt{\frac{E h}{2\rho R}}$ よりEの増加は脈波伝搬速度(PWV)の増加をもたらす。動脈硬化の指標としてPWV上昇が用いられる。
正しい。ヘマトクリット値(赤血球体積比)が上昇すると懸濁粒子(赤血球)の増加により内部摩擦が増し、血液粘度は上昇する。低せん断でも高せん断でも一般に粘度上昇が観察される。
正しい。動脈血圧の収縮期ピークは、波の反射と動脈コンプライアンスの部位差により脈圧増幅が生じ、上行大動脈より橈骨動脈など末梢で高くなるため、部位によって異なる。
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解説
本問は血行動態の基礎。正しいのは1・2・3、誤りは4・5である。1は、脈波反射の重畳により末梢動脈ほど収縮期のピーク(収縮期血圧)が高くなり、部位によってピーク値が異なるため正しい。2は、層流を仮定したハーゲン・ポアズイユの法則より血管抵抗は半径の4乗に反比例し、内径が小さくなると抵抗が急増するため正しい($R=\frac{8\mu L}{\pi r^4}$)。3は、Moens–Kortewegの式 $c=\sqrt{\frac{Eh}{\rho D}}$ より、石灰化で血管ヤング率 $E$ が上昇すれば脈波伝搬速度 $c$ は増加するため正しい。4は、動圧 $\rho v^2/2$ は大動脈で数百Pa程度であり、静圧(平均血圧)$\sim$13 kPa(約100 mmHg)に比べ桁違いに小さいため「ほぼ等しい」は誤り。5は、同式から $c\propto 1/\sqrt{D}$ であり、動脈径が大きいほど脈波伝搬速度は低下するため誤り。
選択肢別解説
正しい。脈波は末梢で反射し、入射波と重畳して収縮期ピークが高くなる(末梢増高)。このため大動脈と橈骨動脈などでピーク値(収縮期血圧)は異なる。平均血圧は部位間で大差ないが、ピークは部位依存で変化する。
正しい。ハーゲン・ポアズイユの法則で血管抵抗は $R=\frac{8\mu L}{\pi r^4}$。内径が小さくなり半径 $r$ が減少すると、$R$ は $r^4$ に強く依存して急増する。実血管は分岐や脈動流・非ニュートン性の影響を受けるが、この方向性は保たれる。
正しい。Moens–Kortewegの式 $c=\sqrt{\frac{Eh}{\rho D}}$ より、血管のヤング率 $E$(硬さ)が増すと脈波伝搬速度 $c$ は増加する。血管石灰化は血管壁の硬化($E$上昇)をもたらすため、PWV(脈波伝播速度)は上がる。
誤り。動圧は $\rho v^2/2$ で、大動脈の代表値($\rho\approx1060\,\mathrm{kg/m^3}$、$v\approx1\,\mathrm{m/s}$)では約 $5\times10^2\,\mathrm{Pa}$(0.5 kPa 程度)と推定される。一方、静圧(平均血圧)は約100 mmHg($\approx$13 kPa)であり、動圧は静圧より桁違いに小さいため「ほぼ等しい」ではない。
誤り。Moens–Kortewegの式 $c=\sqrt{\frac{Eh}{\rho D}}$ より、他条件が同じなら $c\propto 1/\sqrt{D}$。したがって動脈径 $D$ が大きいほど脈波伝搬速度は低下する(増加ではない)。
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解説
冠循環は上行大動脈の冠動脈口(Valsalva 洞)から左右の冠状動脈により供給され、左冠血流は心筋内圧が低い拡張期に優位となる。安静時の冠血流はおよそ250 mL/分程度で、心拍出量(約5 L/分)の約5%に相当する。運動時には冠血流も心拍出量もともに増加するため、冠循環が占める割合が25%のような極端な値になることはない。冠静脈還流の約70%は冠状静脈洞に集まり右心房へ戻り、残りは前心静脈やThebesius 静脈を介して心腔内へ直接還流する。
選択肢別解説
正しい。安静時の冠血流は約250 mL/分で心拍出量約5 L/分の約5%に相当する。教科書的にも冠循環は安静時COの4〜5%前後とされる。
誤り。運動で冠血流は数倍に増えるが、心拍出量も同様に増えるため、冠循環がCOの約25%を占めることはない。例えば強い運動で冠血流が約1 L/分、心拍出量が約20 L/分とすると比率は約5%にとどまる。
誤り。左冠状動脈の血流は心筋内圧が低い拡張期に優位で、収縮期は心筋内圧上昇により小血管が圧迫され流れが減少する。したがって拡張期に比べ収縮期に増加するわけではない。
誤り。冠状動脈は大動脈弁直上の上行大動脈起始部(冠状動脈口)から左右に分岐する。大動脈弓からは分岐しない。
正しい。冠静脈還流の大部分(およそ70%)は冠状静脈洞に集まり右心房へ還流する。残りは前心静脈やThebesius 静脈を介する。
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解説
誤っているのは「5. 大動脈の動圧は静圧より大きい。」である。血管石灰化は血管壁弾性率を高め、モーエンス–コルテウェークの式 $PWV=\sqrt{\frac{E h}{\rho D}}$ から脈波伝搬速度は増加する。赤血球の連銭(ルーロー)形成は低せん断条件で起こり見かけ粘度を上昇させる。動脈圧のピークは反射波やコンプライアンスの差により部位で異なり、一般に末梢で収縮期ピークが高くなる。血管抵抗はハーゲン・ポアズイユの法則 $R=\frac{8\mu L}{\pi r^4}$ により半径の4乗に反比例するため、内径が小さくなると急増する。大動脈の動圧はベルヌーイの式 $P_v=\tfrac{1}{2}\rho v^2$ で評価でき、$v\approx0.5\text{--}1.0\,\text{m/s}$ のとき数mmHg以下で、静圧(約100 mmHg)よりはるかに小さい。
選択肢別解説
正しい。血管石灰化により血管壁のヤング率 $E$ が上昇し、モーエンス–コルテウェークの式 $PWV=\sqrt{\frac{E h}{\rho D}}$ に従って脈波伝搬速度は増加する(壁が硬いほど速い)。
正しい。血流が遅い・低せん断条件で赤血球が連なって連銭(ルーロー)を形成し、赤血球凝集が進むと見かけ粘度が上昇する。
正しい。動脈圧波形は反射波や血管コンプライアンスの違いの影響を受け、体の部位により収縮期ピーク値が異なる。一般に上行大動脈よりも末梢動脈で収縮期ピークが高くなる(脈圧増大)。
正しい。ハーゲン・ポアズイユの法則 $R=\frac{8\mu L}{\pi r^4}$ より、管半径 $r$ が小さくなると血管抵抗は $r^4$ に反比例して急激に上昇する。
誤り。大動脈の動圧はベルヌーイの式 $P_v=\tfrac{1}{2}\rho v^2$ で評価でき、$\rho\approx1000\text{ kg/m}^3$、$v\approx0.5\text{--}1.0\,\text{m/s}$ のとき $P_v\approx1\text{--}4\,\text{mmHg}$ 程度と小さく、静圧(約100 mmHg)よりはるかに小さい。したがって「動圧は静圧より大きい」は誤り。
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解説
消化管の解剖学的な連続は、口腔→咽頭→食道→胃→小腸(十二指腸→空腸→回腸)→大腸(盲腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸)→肛門管→肛門である。胃の入口は噴門で食道と連続し、胃の出口は幽門で十二指腸に連続する。したがって「噴門は十二指腸に連続する」は誤りで、十二指腸に連続するのは幽門である。他の選択肢は大腸・肛門部の正しい連続関係を述べている。
選択肢別解説
正しい。咽頭(下咽頭)は下方で食道に移行する。解剖学的には第6頚椎レベル付近で輪状咽頭筋を越えて食道が始まる。
誤り。噴門は食道と胃が連続する入口部であり、十二指腸に連続するのは胃の出口部である幽門である。したがって「噴門は十二指腸に連続する」は不適切。
正しい。大腸は盲腸から上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸と続く。上行結腸は右結腸曲(肝曲)で横行結腸に移行する。
正しい。下行結腸は左側腹部を下行し、左腸骨窩付近でS状結腸に連続する。
正しい。直腸は下方で肛門管に移行し、外に肛門として開口する。
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解説
本問の誤りは「脈圧は収縮期血圧と拡張期血圧との平均値である」である。脈圧は収縮期血圧と拡張期血圧の差で定義される($\mathrm{PP}=\mathrm{SBP}-\mathrm{DBP}$)。一方、平均血圧は拡張期血圧に脈圧の約1/3を加えた値で近似される($\mathrm{MAP} \approx \mathrm{DBP}+\frac{\mathrm{PP}}{3}$)。脈拍触知は前腕(手関節部)では橈骨動脈が最も一般的で、観血式血圧測定は動脈内にカテーテルを留置して直接連続測定する方法、非観血式ではカフの高さを心臓(右心房)と同じにして静水圧の影響を避けるのが基本である。脈圧や血圧の左右差は、末梢動脈の狭窄・閉塞などの疾患で生じうる重要所見である。
選択肢別解説
正しい。前腕(手関節部)で日常的に脈拍を触知する際は橈骨動脈を用いるのが一般的である。母指側手関節の掌側で軽く圧迫して触知する。
正しい。観血式血圧測定は動脈(橈骨・大腿など)にカテーテルを留置し、トランスデューサを介して動脈内圧を直接・連続的に測定する方法である。ショックや大手術時の厳密な循環管理に用いられる。
正しい。非観血式血圧測定では、カフの高さを心臓(右心房)と同じ高さに合わせて静水圧の影響を最小化するのが原則である。腕が心臓より高低すると、その分だけ測定値に誤差が生じる。
誤り。脈圧は収縮期血圧と拡張期血圧の差であり($\mathrm{PP}=\mathrm{SBP}-\mathrm{DBP}$)、両者の平均値ではない。平均血圧は拡張期血圧に脈圧の約1/3を加えた値で近似される($\mathrm{MAP} \approx \mathrm{DBP}+\frac{\mathrm{PP}}{3}$)。
正しい。正常では脈圧や血圧に明らかな左右差はないが、左右差が出現する場合は動脈閉塞性疾患(例:鎖骨下動脈狭窄、閉塞性動脈硬化症、大動脈炎症候群など)や大動脈解離などを疑う。
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解説
脈管病変は動脈・静脈・リンパ系に分類される。大動脈瘤はマルファン症候群に合併する嚢胞状中膜壊死が病因となりうるため組み合わせは正しい。下肢静脈に形成された血栓(とくに深部静脈血栓)が遊離して肺動脈を閉塞し肺血栓塞栓症を起こすため、この組み合わせも正しい。リンパ浮腫はリンパ管閉塞によるうっ滞で、悪性腫瘍治療に伴う手術・放射線治療後の二次性リンパ浮腫が典型であり正しい。一方、静脈瘤の治療はストリッピング術、硬化療法、血管内レーザー/高周波焼灼などであり、人工血管置換術は主に大動脈瘤など動脈系の再建に用いられるため誤り。閉塞性動脈硬化症の治療は運動療法・薬物療法に加え、血管内治療(バルーン拡張・ステント)や外科的バイパスであり、ストリッピング術は静脈瘤の手術であるため誤りである。
選択肢別解説
正しい。マルファン症候群では大動脈中膜の嚢胞状変性(嚢胞状中膜壊死)を来し、大動脈瘤や解離の素因となる。ゆえに「大動脈瘤 ― マルファン症候群」は適切な組み合わせ。
正しい。下肢静脈に生じた血栓(主として深部静脈血栓)が遊離して肺動脈に達すると肺血栓塞栓症を来す。臨床的にもPTEの主要な塞栓源は下肢深部静脈である。
正しい。リンパ浮腫はリンパ管の閉塞・損傷による二次性(続発性)として、がん手術後や放射線治療後に発症することがよくある。代表例として乳癌治療後の上肢、婦人科悪性腫瘍治療後の下肢のリンパ浮腫が挙げられる。
誤り。静脈瘤(下肢静脈瘤)の根治治療はストリッピング術、血管内焼灼術、硬化療法などであり、人工血管置換術は主に動脈瘤など動脈病変の再建に用いられる。
誤り。閉塞性動脈硬化症(ASO)の血行再建は血管内治療(バルーン拡張・ステント)や外科的バイパス、血栓内膜摘除などで行う。ストリッピング術は下肢静脈瘤(大伏在静脈など)の治療法であり、ASOには適用しない。
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解説
心臓の興奮(刺激)伝導系は、右心房の上大静脈入口部付近にある洞(房)結節で興奮が発生し、心房を伝わって房室結節(右心房中隔側、冠静脈洞入口部近傍のKoch三角)に至る。そこからヒス束が心臓の線維骨を貫いて心室中隔上部へ入り、右脚・左脚に分かれて心室中隔内を下降する。末梢ではプルキンエ線維となり、心内膜下層で心室壁全体の心筋へ興奮を迅速に伝える。従って、心室壁(心室中隔を含む心室の壁構造)に属するのは右脚・左脚およびプルキンエ線維である。一方、洞(房)結節と房室結節は心房側、ヒス束は房室接合部〜中隔上部であり、通常「心室壁」に含めない。
選択肢別解説
誤り。洞(房)結節は右心房上大静脈入口部付近(心房側)に位置し、心室壁には存在しない。ここで自律的に興奮が発生して心拍リズムを規定する。
誤り。房室結節は右心房中隔側(Koch三角)に位置し、洞房結節からの興奮をヒス束へ中継する構造で心房側にある。心室壁には含まれない。
誤り。ヒス束は房室接合部で線維骨を貫いて心室中隔上部へ入る伝導路で、通常は心房・心室の境界〜中隔上部の構造として扱われる。心室壁(中隔を含む壁構造)に主として分布するのは、その末梢の右脚・左脚とプルキンエ線維である。
正しい。右脚・左脚はヒス束から分岐して心室中隔内を走行し、心室(中隔を含む壁構造)に属する伝導路である。心室筋へ興奮を速やかに伝える経路の主要部分。
正しい。プルキンエ線維は右脚・左脚の末梢で心内膜下層に樹枝状に広がり、心室壁全体の心筋へ興奮を伝える。典型的に心室壁内(心内膜下)に存在する。
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解説
誤っているのは選択肢5。冠動脈は心筋内を走行するため、心筋収縮期には心筋内圧で血管が圧迫され血流が減少し、心筋が弛緩する拡張期に血流が最も増える。したがって「拡張期より収縮期の方が多い」は誤り。他の選択肢は、脳血流が左右の内頸動脈と椎骨動脈(後者は合して脳底動脈)からウィリス動脈輪を介して供給されること、圧受容体(バロレセプター)が頸動脈洞および大動脈弓に存在すること、迷走神経(副交感神経)が洞房結節・房室結節に作用して心拍数を低下させること、カテコラミンが主としてα1受容体刺激による末梢血管収縮とβ1作用による心拍出増加で血圧を上昇させることを述べており正しい。
選択肢別解説
正しい。脳血流は主に左右の内頸動脈と左右の椎骨動脈の4本から供給される。椎骨動脈は脳底動脈となり、内頸動脈系とともにウィリス動脈輪を形成して脳各部へ分配される。
正しい。圧受容体(バロレセプター)は頸動脈洞および大動脈弓に存在し、動脈圧の変化を検出して反射性に心拍数や血管抵抗を調節する。問題文は「頸動脈に存在」と簡略化しているが趣旨は妥当。
正しい。心臓迷走神経は副交感神経で、洞房結節・房室結節のM2受容体を介して自動能・伝導を抑制し、心拍数を低下させる(陰性変時・変伝導作用)。
正しい。カテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン)は一般に血圧上昇作用を有する。ノルアドレナリンは強いα1作用で末梢血管収縮、アドレナリンはβ1作用で心拍出増加と用量によりα1作用で血圧上昇をもたらす。
誤り。冠動脈血流は心筋が弛緩する拡張期に最大となり、収縮期は心筋内圧で冠血管が圧迫され血流が減少するため、拡張期より収縮期の方が多いという記述は不適切である。
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