臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
正答は「胸膜は臓側胸膜と壁側胸膜からなる」。胸膜は肺の表面を覆う臓側胸膜と、胸壁・横隔膜・縦隔の内面を覆う壁側胸膜の二層で構成され、両者の間には少量の胸膜液を含む胸膜腔があり、潤滑と陰圧の維持により肺の膨張に寄与する。嚥下時は喉頭蓋が喉頭入口部を覆って閉じ、食塊の気道侵入を防ぐ。右肺は上・中・下の3葉、左肺は上・下の2葉である。吸気時の横隔膜は収縮して下降し胸腔を拡大、呼気時に弛緩して挙上する。主気管支の走行は右がより体軸方向(垂直)に近く、左はより水平気味であるため、誤嚥は右側に起こりやすい。
選択肢別解説
誤り。嚥下時には喉頭蓋が後下方へ倒れて喉頭入口部を覆い、気道を一時的に閉じて食塊の侵入を防ぐ。開くのは呼吸時である。
誤り。右肺は上葉・中葉・下葉の3葉からなる。左肺は心臓にスペースを譲るため一般に2葉(上葉・下葉)である。
誤り。吸気では横隔膜は収縮して平坦化し下方へ移動、胸腔内圧を低下させて肺を拡張させる。弛緩するのは主として呼気時で、横隔膜は上昇する。
正しい。胸膜は肺表面を覆う臓側胸膜と胸壁・縦隔・横隔膜内面を覆う壁側胸膜からなり、その間の胸膜腔には少量の胸膜液が存在して潤滑と陰圧維持に寄与する。
誤り。右主気管支の方が気管からより体の長軸方向(垂直)に近い角度で分岐し、短く太い。左主気管支はより水平気味で長く細い。したがって記載は左と右が逆である。
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解説
肺の先端は肺尖、内側(縦隔)面の中央部には気管支・肺血管・神経・リンパ管が出入りする肺門がある。右肺は上葉・中葉・下葉の3葉、左肺は2葉に分かれる。ガス交換は肺胞で行われる。胸腔内圧は常に大気圧より低い陰圧で、吸気(吸息)時には胸腔容積が増大してさらに陰性が強まり、圧は低下する。よって「吸息期に胸腔内圧は上昇する」という記述は誤りであり、本問の正答となる。なお、選択肢3の『33葉』は明らかな誤記で、正しくは『3葉』である。
選択肢別解説
正しい。肺の頭側の頂点部分は肺尖と呼ばれる。胸郭入口に近接し、鎖骨上窩に相当する部位まで張り出す。
正しい。肺の内側(縦隔)面の中央部に肺門があり、ここを通って気管支・肺動脈・肺静脈・神経・リンパ管が出入りする。
原文の『33葉』は誤記で、正しくは『3葉』。右肺は水平裂と斜裂により上葉・中葉・下葉の3葉に分かれるため、(誤記を訂正すれば)正しい内容である。
正しい。肺胞は毛細血管網に接しており、拡散により酸素と二酸化炭素のガス交換が行われる。
誤り。胸腔内圧は常に陰圧で、吸息期には胸郭拡張で胸腔容積が増えるためさらに陰性が強まり圧は低下する。『上昇する』は生理と逆である。
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解説
腹膜腔は壁側腹膜と臓側腹膜に囲まれた連続した潜在腔であり、腹膜に包まれた臓器(胃・小腸・脾臓など)は腹膜腔内、腹膜の後方に固定された臓器は後腹膜(腹膜腔外)に位置する。膵臓は代表的な後腹膜器官で腹膜腔の外にあるため、「膵臓は腹(膜)腔の中にある」は誤りである。小網(肝胃間膜・肝十二指腸間膜)は肝臓に付着し胃・十二指腸へ連なる腹膜ヒダで正しい。大網は胃の大彎から尾側(下方)に垂れ下がるため胃の尾側に存在するといえる。腸間膜は腹膜の二重層(2枚)から成り、その間を血管・リンパ管・神経が走行する。膀胱は骨盤腔の腹膜下(腹膜腔外)に位置し正しい。
選択肢別解説
正しい。小網(しょうもう)は肝胃間膜と肝十二指腸間膜からなり、肝臓(肝門部・静脈管裂)に付着して胃の小彎や十二指腸上部へ連続する腹膜のヒダである。
正しい。大網は胃の大彎および十二指腸から発し、前下方(尾側)にエプロン状に垂れ下がって腹腔内臓器(とくに小腸)を被覆する。したがって胃の尾側に存在すると表現できる。
正しい。腸間膜は腹膜の二重層(2枚)から成り、後腹壁から小腸を懸垂する。二層の間隙に腸間膜動静脈・リンパ管・神経・脂肪が存在する。
誤り。膵臓は後腹膜器官であり、腹膜の後方(後腹壁側)に固定されるため腹膜腔の外に位置する。よって「腹(膜)腔の中にある」は不正確。
正しい。膀胱は骨盤腔内の腹膜下(subperitoneal)に位置し、腹膜腔の外である。膀胱頂部の一部に腹膜が被さるが、臓器自体は腹膜腔内には含まれない。
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解説
誤りは「胆嚢は胆汁を産生する」。胆汁は肝細胞で産生され、肝内胆管→肝外胆管を経て胆嚢に貯蔵・濃縮される。門脈は消化管・脾からの血液を肝臓へ運び(肝門で固有肝動脈とともに流入)、膵臓は腹膜後位で胃の背側に位置する。肝臓の右葉は左葉より体積が大きく、膵液は主に主膵管を介して十二指腸乳頭から十二指腸腔内へ排出される。
選択肢別解説
正しい。門脈は消化管・脾からの血液を集めて肝門から肝臓に流入し、肝臓は門脈と固有肝動脈の二重血流支配を受ける。
誤り。胆汁を産生するのは肝臓(肝細胞)であり、胆嚢の主な役割は胆汁の貯蔵・濃縮と必要時の排出である。
正しい。膵臓は腹膜後器官で、胃の背側(後腹壁側)に位置し、十二指腸から脾門方向へ横走する。
正しい。肝臓は右葉の方が左葉より一般に大きく、体積・重量ともに右葉が優位である。
正しい。膵液は主膵管(と場合により副膵管)を通り、十二指腸乳頭から十二指腸内腔へ分泌される。
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解説
筋組織は大きく横紋筋(骨格筋・心筋)と平滑筋に分類される。横紋筋は顕微鏡的に明瞭な横紋を示し、骨格筋は随意筋、心筋は不随意筋である。心臓は心筋(横紋筋)の層で壁が構成され、横隔膜は骨格筋(横紋筋)からなる呼吸筋で、いずれも横紋筋が主体である。一方、大動脈・気管支・大腸の壁の筋層は平滑筋が主体であり、横紋筋は含まれない。したがって正答は心臓と横隔膜である。
選択肢別解説
正しい。心臓壁の大部分は心筋で構成され、心筋は横紋を有する不随意筋(横紋筋)である。心房・心室の固有心筋および刺激伝導系の特殊心筋を含め、横紋筋が主体となる。
誤り。大動脈は弾性動脈で、中膜に豊富な弾性板と平滑筋が主体をなす。横紋筋(骨格筋・心筋)は構成要素ではない。
誤り。気管支壁には平滑筋が存在し、気道径の調節に関与する。横紋筋は含まれない。
誤り。大腸の筋層は内輪走筋と外縦走筋(結腸ひも)からなる平滑筋で構成される。横紋筋は含まれない。
正しい。横隔膜は骨格筋からなる主要な呼吸筋で、顕微鏡的には横紋を示す横紋筋(随意筋)が主体である。中央腱を有するが、筋組織としては骨格筋が主成分である。
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解説
誤りは「残気量はスパイロメータで測定できる。」である。スパイロメータは口腔から出入りする換気による“変化分”のみを捉えるため、最大呼出後にも肺内に残る残気量(RV)は直接測れない。RVを含む機能的残気量(FRC)や全肺気量(TLC)の測定にはヘリウム希釈法、窒素洗い出し法、体プレチスモグラフなどの方法を用いる。一方、胸腔内圧は生理的には大気圧に対して陰圧(安静時でおおむね−5 cmH2O前後、呼吸相で変動)であり、成人の解剖学的死腔は約150 mL(目安として体重1 kgあたり約2 mL)で妥当。肺の栄養血管は気管支動脈で、ガス交換を担う機能血管である肺動脈とは役割が異なる。ヘモグロビンの酸素解離曲線はpH低下(酸性化)で右方偏位し、組織での酸素放出が促進される(Bohr効果)。
選択肢別解説
正しい。胸腔(胸膜腔)内圧は通常、大気圧に対して陰圧で維持され、肺の虚脱を防ぎ胸壁と肺の弾性のバランスを保つ。安静呼吸では概ね−2〜−8 cmH2O程度で呼吸相により変動する。強い努力呼出など一部状況で一過性に陽圧となり得るが、生理的記述としては「陰圧」で妥当。
正しい。解剖学的死腔は導管気道(鼻腔〜終末細気管支など)でガス交換に寄与しない容積を指し、成人で約150 mLが一般的な目安(体重換算で約2〜2.2 mL/kg)。
誤り。スパイロメータは呼吸に伴う肺気量の変化のみを測定するため、最大呼出後も肺に残る残気量(RV)は直接測定できない。RVやそれを含むFRC・TLCの評価にはヘリウム希釈法、窒素洗い出し法、体プレチスモグラフなどの方法を用いる。
正しい。肺には二重の血管系があり、ガス交換を担う機能血管は肺動脈、肺実質や気道壁へ酸素と栄養を供給する栄養血管は気管支動脈である。
正しい。pH低下(またはPCO₂上昇、温度上昇、2,3-BPG増加)はヘモグロビンの酸素解離曲線を右方へ偏位させ(Bohr効果)、同一PO₂での飽和度が低下し、組織での酸素放出が促進される。
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解説
肝臓は門脈と肝動脈の二重血行支配を受けるが、臓器組織の酸素供給という意味での栄養血管は肝動脈であり、門脈は消化管(主に小腸)から吸収された栄養に富む静脈血を肝臓へ運ぶ。肝で処理された血液は肝静脈から下大静脈へ還流する。胆汁は肝内胆管→総肝管→胆嚢管・総胆管を経て、主に十二指腸へ排出される。肝の微細構造は肝小葉を単位とし、中心静脈を中心に肝細胞索が放射状に配列する。肝細胞はブドウ糖をグリコーゲンとして貯蔵する一方、アルブミンの合成はアミノ酸を材料として行う。以上より、正しいのは「肝小葉の中で肝細胞は放射状に配列している」である。
選択肢別解説
誤り。肝臓の組織に酸素を供給する栄養血管は肝動脈である。門脈は消化管からの栄養に富む静脈血を肝へ運ぶ血管であり、臓器の栄養血管(動脈)とは区別される。
誤り。胃腸からの血液を肝臓に運ぶのは門脈である。肝静脈は肝で処理された血液を下大静脈へ還流させる排出路である。
誤り。文言の「担管」は「胆管」の誤記と思われるが、いずれにせよ胆汁は主として十二指腸へ排出される。空腸ではない。通常は肝内胆管から総肝管・総胆管を経て十二指腸乳頭より流入する。
正しい。肝小葉は中心静脈を中心に肝細胞索が放射状に配列し、その間に類洞が走行する。典型的な肝小葉構築の記載に合致する。
誤り。アルブミンは肝細胞でアミノ酸を材料として合成されるタンパク質であり、ブドウ糖から直接作られるわけではない。ブドウ糖は主にグリコーゲンとして貯蔵される。
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