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臨床工学技士国家試験

検索元問題
第25回 午前 第38問
20件の類似問題
臨床工学技士の業務に含まれないのはどれか。...
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23
臨床工学技士国家試験 - 第31回 午前
重要度:低 正答率:97% 類似度 64.1% 解説あり
集中治療における臓器機能代替療法で用いられるのはどれか。
a
人工呼吸器
b
血液浄化装置
c
スワンガンツカテーテル
d
人工知能
e
体外式膜型人工肺
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e

解説

臓器機能代替療法は、急性期に低下・喪失した臓器機能を機器で補助・代行して全身状態を維持する治療であり、ICUで広く用いられる。代表は呼吸不全に対する人工呼吸器(呼吸・換気の代行)、腎不全に対する血液浄化装置(腎代替療法:RRT)、重篤な呼吸・循環不全に対する体外式膜型人工肺(ECMO/ECLS:ガス交換と場合により循環補助)である。一方、スワンガンツカテーテルは血行動態を測定する監視(モニタリング)機器であり臓器機能を代行しない。人工知能は診療支援のためのアルゴリズム・ソフトウェアであり、生体機能を直接代行する装置ではない。よって該当するのは1、2、5である。

選択肢別解説

a
正解

人工呼吸器は自発呼吸が不十分な患者に対し、換気(吸気・呼気)を機械的に提供して肺のガス交換機能を代行・補助する。集中治療での臓器機能代替療法に該当するため適切。

b
正解

血液浄化装置は血液透析・持続的腎代替療法(CRRT)などにより溶質除去や除水を行い、主に腎機能を代行する(状況により肝補助の吸着療法等もある)。ICUの臓器機能代替療法に該当するため適切。

c
不正解

スワンガンツカテーテル(肺動脈カテーテル)は肺動脈圧・肺動脈楔入圧・心拍出量などの血行動態を測定するモニタリング機器であり、臓器機能を代行しないため不適切。

d
不正解

人工知能は診断支援や予測モデルなどの情報支援を提供するが、生体のガス交換・循環・ろ過などの臓器機能を直接代行する装置ではないため不適切。

e
正解

体外式膜型人工肺(ECMO/ECLS)は膜型人工肺でガス交換を行い、回路とポンプにより循環補助も可能で、重篤な呼吸不全や循環不全に対する臓器機能代替療法として用いられるため適切。

41
臨床工学技士国家試験 - 第37回 午後
類似度 63.9% 解説あり
ME機器の保守点検に含まれないのはどれか。
1
血液浄化装置の外装の清拭
2
輸液ポンプの流量精度の測定
3
人工呼吸器のバクテリアフィルタの交換
4
カプノメータ表示値の標準ガスでの校正
5
人工心肺装置の劣化した電源プラグの修理

解説

ME機器の保守点検は、日常点検・定期点検を通じた清掃、機能・性能確認、校正、消耗品交換など、機器を安全に運用し品質を維持するための予防的・点検的作業を指す。一方、劣化部品の修理や分解を伴う作業、構造や特性に影響し得る部位の交換は「修理(オーバーホールを含む)」に該当し、保守点検の範囲外である。特に医療機器の修理は、製造販売業者や許可を受けた修理業者等の権限で実施すべき領域であり、医療機関の保守点検業務として行うべきではない。したがって、電源プラグの修理は保守点検に含まれない。

選択肢別解説

1
不正解

外装の清拭は清掃に相当し、機器の汚染防止や劣化防止を目的とした典型的な保守点検業務である。よって保守点検に含まれる。

2
不正解

輸液ポンプの流量精度の測定は性能点検・校正に該当し、定期点検項目として保守点検に含まれる。適切な基準器や手順に従って実施する。

3
不正解

人工呼吸器のバクテリアフィルタは消耗品であり、所定の間隔や条件での交換は保守点検に含まれる。機器分解や修理に当たらない。

4
不正解

カプノメータ表示値を標準ガスで校正する作業は性能点検・校正に該当し、保守点検に含まれる。メーカー指定の標準ガス濃度と手順に従う。

5
正解

人工心肺装置の劣化した電源プラグの修理は、分解・部品交換を伴う修理行為に該当し保守点検の範囲外。医療機器の修理は製造販売業者や許可を受けた修理業者の権限で実施すべきで、臨床現場の保守点検として行うべきではない。

68
臨床工学技士国家試験 - 第15回 午後
正答率:89% 類似度 63.8%
高気圧酸素治療について正しいのはどれか。
a
木綿製の治療衣に着替えさせる。
b
臨床工学技士は一人で複数の装置を操作できる。
c
空気加圧の装置であれば化学カイロを搬入できる。
d
治療終了後に装置点検を毎回行う。
e
減圧は毎分0.8kg/cm2(0.078MPa)以下の速度で行う。
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e
2
臨床工学技士国家試験 - 第33回 午前
重要度:低 正答率:79% 類似度 63.5% 解説あり
高度管理医療機器に該当しないのはどれか。
1
ペースメーカ
2
冠動脈ステント
3
血液ガス分析装置
4
粒子線治療装置
5
中心静脈カテーテル

解説

医療機器は薬機法でリスクに応じて一般(クラスI)、管理(クラスII)、高度管理(クラスIII・IV)に分類される。高度管理医療機器は体内に植込む、生命維持に関わる、あるいは重大な有害事象につながりうる機器が該当する。ペースメーカ、冠動脈ステント、粒子線治療装置、中心静脈カテーテルはいずれも重大リスクのため高度管理に分類される。一方、血液ガス分析装置は体外で検体(血液)を分析する体外診断用の機器であり、一般にクラスI~IIに位置づけられ高度管理には該当しない。したがって「高度管理医療機器に該当しない」は血液ガス分析装置である。

選択肢別解説

1
不正解

ペースメーカは植込み型で心拍動を直接制御する生命維持関連機器であり、重大な不具合が患者の生命に直結するため高度管理医療機器(通常クラスIV)に分類される。よって「該当しない」とは言えない。

2
不正解

冠動脈ステントは血管内に留置する植込み型デバイスで、不具合は急性冠閉塞など重篤な有害事象に直結するため高度管理医療機器(一般にクラスIII~IV、薬剤溶出型はクラスIV)に分類される。したがって高度管理に該当する。

3
正解

血液ガス分析装置は採取した血液を体外で分析する体外診断用機器で、人体への直接侵襲がなく、一般に管理医療機器(クラスII)または一般医療機器(クラスI)に分類される。高度管理医療機器には該当しないため、設問の正答である。

4
不正解

粒子線治療装置は高エネルギー放射線(陽子線・重粒子線等)を腫瘍に照射する治療用機器で、線量や照射位置の誤りは重大な健康被害に直結する。治療用放射線機器は高度管理医療機器(多くはクラスIII)に分類される。よって高度管理に該当する。

5
不正解

中心静脈カテーテルは血管内に留置し循環器系に直接作用する医療機器で、感染・血栓・誤留置などのリスクが大きい。侵襲性とリスクの観点から高度管理医療機器(一般にクラスIII)に分類されるため、高度管理に該当する。

70
臨床工学技士国家試験 - 第7回 午後
正答率:37% 類似度 63.0%
ICUに収容した患者の治療用機器として適切でないのはどれか。
1
人工呼吸器
2
気管内吸引器具
3
高気圧治療装置
4
超音波吸引器(CUSA)
5
大動脈バルーンパンピング(IABP)装置
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28
第二種ME技術認定試験 - 第28回 午後
類似度 62.8%
PCPSについて誤っているのはどれか。
1
カテーテルの挿入は経皮的に行われる。
2
肺機能の補助を行うことができる。
3
心機能の補助を行うことができる。
4
人工呼吸器との併用は禁忌である。
5
肺塞栓症は適応となる。
67
臨床工学技士国家試験 - 第36回 午前
重要度:低 正答率:65% 類似度 62.5% 解説あり
気管挿管中の患者の胸郭の動きに左右差が見られた。疑われる原因はどれか。
a
片肺挿管
b
気胸
c
呼吸回路の接続外れ
d
気管チューブの食道挿管
e
主気管支の痰づまり
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e

解説

胸郭の動きに左右差が出るのは、一側肺への換気が障害されているサインである。代表的には、気管チューブの挿入が深く一方の主気管支(多くは右)に入る片肺挿管、一側肺が虚脱して膨張できない気胸、あるいは一方の主気管支が喀痰で閉塞している場合が挙げられる。これらでは患側の呼吸音低下・消失や胸郭挙上の減弱が見られる。一方、呼吸回路の接続外れや食道挿管は、両肺への換気自体が失われるため、胸郭は両側で上がらないか極端に浅くなり、左右差というより両側性の換気不良として表れる。ベッドサイドでは、チューブ固定位置の確認、両側聴診、ETCO2の連続モニタ、気道内圧・コンプライアンスの変化、必要に応じて超音波や胸部X線での評価が有用である。

選択肢別解説

a
正解

正しい。気管チューブが深く挿入され一方の主気管支(典型的には右)に入ると、片側肺のみ換気され、胸郭の挙上は換気される側で優位となる。患側の呼吸音は低下・消失し、SpO2低下や気道内圧上昇を伴うことがある。

b
正解

正しい。気胸では患側肺が虚脱し、膨張できないため患側の胸郭挙上が減弱・消失する。陽圧換気中のバロトラウマでも起こりうる。患側の呼吸音低下・過共鳴、重症例では循環動態変化を伴う。

c
不正解

誤り。呼吸回路の接続外れは両肺への送気が失われるため、胸郭の動きは左右ともに低下・消失しやすく、左右差の主因とはなりにくい。回路全体やYピース近位の外れであれば左右差ではなく両側性の換気不良として現れる。

d
不正解

誤り。食道挿管では送気が消化管に流入し、肺換気が得られないため胸郭は両側で上がらないか極めて不十分になる。腹部膨満やETCO2波形の消失などを伴い、左右差の原因とはならない。

e
正解

正しい。主気管支レベルの喀痰閉塞は閉塞側肺への送気を妨げ、肺コンプライアンスの左右差と胸郭挙上の左右差を生じる。吸引で改善すれば所見が是正される。

21
臨床工学技士国家試験 - 第33回 午後
重要度:低 正答率:87% 類似度 62.4% 解説あり
ICU内に設置すべき医療機器はどれか。
a
人工呼吸器
b
除細動器
c
心電図モニタ
d
消化器内視鏡
e
人工心肺装置
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e

解説

ICUは重症患者の全身管理を24時間体制で行い、呼吸・循環の急変に即応する必要があるため、常時設置すべき機器は「呼吸管理」「循環急変への一次対応」「連続監視」に直結するものとなる。具体的には、人工呼吸器は重症呼吸不全や術後管理に不可欠、除細動器は心室細動/無脈性心室頻拍などの致死性不整脈に対する即時電気的除細動に必須、心電図モニタ(ベッドサイドモニタ)は不整脈や虚血、循環動態の変化を連続監視する中核機器であり、いずれもICUに常備される。一方、消化器内視鏡は必要時に持ち込みで実施されることが多く常設対象ではない。人工心肺装置は開心術で手術室に常設される装置で、ICUで用いられる体外式膜型人工肺(ECMO)とは用途・構成が異なるためICUへの常設は一般に不要である。

選択肢別解説

a
正解

人工呼吸器は重症呼吸不全、術後の呼吸管理、鎮静下の人工呼吸管理などに必須であり、ICUに常設される。気道確保後の換気補助や各種モードによる肺保護戦略など、ICUの標準的治療に直結するため設置が必要。

b
正解

除細動器は心室細動・無脈性心室頻拍などの致死性不整脈に対して即時の電気的除細動/カルディオバージョンを行うために必須で、ICUに常備される。急変時対応機器として常設が求められる。

c
正解

心電図モニタ(ベッドサイドモニタ)は心拍数・リズム、不整脈、虚血の兆候を連続監視し、しばしば血圧やSpO2等も統合監視する中核機器であるためICUに常設される。

d
不正解

消化器内視鏡は消化管出血や緊急止血などでICUで実施されることはあるが、通常は必要時に持ち込んで用いる機器であり、ICUに常設すべき機器ではない。

e
不正解

人工心肺装置(心肺バイパス装置)は開心術時に手術室で使用・常設される機器で、ICUに常設する対象ではない。ICUで使用されうるECMO(体外式膜型人工肺)とは運用目的・構成が異なる点に留意する。

39
臨床工学技士国家試験 - 第30回 午前
重要度:低 正答率:60% 類似度 62.3% 解説あり
JISで規定されていないのはどれか。
1
輸液ポンプ
2
電気メス
3
植込み型心臓ペースメーカ
4
心電計
5
観血式血圧計

解説

本問はJIS T 0601(=IEC 60601 系列:医用電気機器)に個別規格が用意されているかを問うのが趣旨である。JIS T 0601-2-xx は機器ごとの個別要求事項を定めており、輸液ポンプ(JIS T 0601-2-24)、電気メス(高周波外科用機器:JIS T 0601-2-2)、心電計(JIS T 0601-2-25)、観血式血圧計(JIS T 0601-2-34)はいずれも対象である。一方、植込み型心臓ペースメーカは医用電気機器(60601 系)ではなく、能動埋込み医療機器として ISO 14708 系(国内ではJIS T 14708-2 など)で規定されるため、JIS T 0601 系には含まれない。よって、JIS T 0601 で規定されていないものとして植込み型心臓ペースメーカを選ぶのが適切である。

選択肢別解説

1
不正解

誤り。輸液ポンプは JIS T 0601-2-24(医用電気機器−第2-24部:輸液ポンプ及び輸液コントローラに関する個別要求事項)で規定されている。従って「JISで規定されていない」には当たらない。

2
不正解

誤り。電気メス(高周波外科用機器)は JIS T 0601-2-2 で規定されている。したがって JIS T 0601 系に個別規格が存在する。

3
正解

正しい。植込み型心臓ペースメーカは医用電気機器(JIS T 0601 系)の対象外で、能動埋込み医療機器として ISO 14708 系(国内規格では JIS T 14708-2 など)で規定される。よって JIS T 0601 系には規定がないため、本問の趣旨(JIS T 0601 で規定されない機器)に合致する。

4
不正解

誤り。心電計は JIS T 0601-2-25(心電計に関する個別要求事項)により規定されている。

5
不正解

誤り。観血式血圧計(観血式血圧測定装置)は JIS T 0601-2-34 で規定されている。したがって JIS T 0601 系に個別規格がある。

65
臨床工学技士国家試験 - 第37回 午後
正答率:0% 類似度 62.0% 解説あり
人工呼吸管理中の気管吸引について正しいのはどれか。
a
吸引時間は10秒程度とする。
b
医師または看護師だけが実施できる。
c
時刻を決めて定期的に実施する。
d
吸引圧は30 kPa以上とする。
e
吸引カテーテル外径は気管チューブ内径の50%以下とする。
組み合わせ: 1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e

解説

人工呼吸管理中の気管吸引は、低酸素血症・徐脈・肺虚脱・粘膜損傷などの合併症を最小化するために「必要時に、できるだけ短時間・低陰圧・細めのカテーテル」で行うのが原則である。具体的には、一回の吸引はおおむね10秒程度(最長でも15秒以内)にとどめ、成人の吸引圧はおよそ10〜20 kPa(約80〜150 mmHg)程度の範囲で最低有効圧を用いる。吸引カテーテルの外径は気管チューブ内径の50%以下とし、気道閉塞や陰圧過大による肺虚脱を避ける。また、気管吸引は適応(分泌物貯留、呼吸音の変化、SpO2低下、人工呼吸器のピーク圧上昇など)を評価して必要時に実施し、ルーチンの時間指定で行わない。実施者は医師や看護師に限定されず、施設の手順と教育を受けたコメディカル(臨床工学技士等)が関与し得る。

選択肢別解説

a
正解

正しい。気管吸引は一回あたり10秒程度、長くとも15秒以内が一般的推奨で、長時間の吸引は低酸素血症や徐脈、粘膜損傷のリスクを高める。必要に応じて事前酸素投与やモニタ監視下で実施する。

b
不正解

誤り。気管吸引は医師・看護師に限られず、施設の手順・指示の下で、教育・訓練を受けたコメディカル(例:臨床工学技士等)が実施し得る医療行為である。したがって「医師または看護師だけ」に限定されない。

c
不正解

誤り。吸引は適応を評価して必要時に行うべきで、時刻を決めたルーチン実施は不要な侵襲や合併症(低酸素血症、粘膜損傷、VAPリスク増)を招く可能性がある。分泌物量、呼吸音、SpO2、人工呼吸器アラームなどで必要性を判断する。

d
不正解

誤り。成人の吸引圧はおおむね10〜20 kPa(約80〜150 mmHg)程度が目安で、必要最小限の陰圧を用いる。30 kPa(約225 mmHg)以上は過大で、粘膜損傷や肺虚脱のリスクが高まる。

e
正解

正しい。吸引カテーテル外径は気管チューブ内径の50%以下が目安。太すぎるカテーテルは換気障害や陰圧過大を招き、無気肺や粘膜損傷のリスクを高める。例:内径8.0 mmのチューブなら外径4.0 mm以下(約12 Fr)が目安。

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69
臨床工学技士国家試験 - 第26回 午後
重要度:低 正答率:78% 類似度 61.7% 解説あり
人工心肺装置について誤っている組合せはどれか。
a
冠灌流回路 — 心内圧の低減
b
血液濃縮器 — 余剰水分の排出
c
動脈フィルター — 微小気泡の除去
d
血液吸引回路 — 術野内の血液回収
e
ベント回路 — 心筋保護液の注入
組み合わせ: 1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e

解説

人工心肺装置の付属回路とその主機能の組合せを問う問題。冠灌流回路は心筋保護液(カルジオプレジア)を冠動脈(順行)または冠静脈洞(逆行)から注入する回路であり、心内圧の低減はベント回路の役割である。ベント回路は左室や左房、肺静脈などから血液や空気を吸引し、心内圧を下げて心室の過伸展や術中のエア混入を防ぐ。血液濃縮器は限外濾過により余剰水分や低分子溶質を除去して体液バランス・ヘマトクリットを調整する。動脈フィルターは微小気泡や微小異物を捕捉して動脈系への塞栓を予防する。血液吸引回路(サクション回路)は術野の貯留血を回収し、貯血槽に戻す。よって誤りの組合せは1(冠灌流回路—心内圧の低減)と5(ベント回路—心筋保護液の注入)である。

選択肢別解説

a
正解

誤り。冠灌流回路は心筋保護液を冠循環へ注入するための回路であり、心内圧の低減は目的ではない。心内圧の低減はベント回路が果たす機能で、心腔から血液や空気を吸引して減圧・減容する。

b
不正解

正しい組合せ。血液濃縮器(ヘモコン)は限外濾過により余剰水分を排出し、体外循環中の体液バランスやヘマトクリットを調整する。

c
不正解

正しい組合せ。動脈フィルターは回路内で発生した微小気泡や微粒子を捕捉し、体循環への塞栓を防止する。

d
不正解

正しい組合せ。血液吸引回路(サクション回路)は術野に貯留した血液を吸引・回収し、貯血槽を経て回路に戻す。

e
正解

誤り。ベント回路は左室・左房・肺静脈などから血液や空気を吸引して心内圧を低減し、心室過伸展や空気塞栓を防ぐために用いる。心筋保護液の注入は冠灌流回路の機能である。

3
臨床工学技士国家試験 - 第5回 午前
正答率:94% 類似度 61.7%
臨床工学技士法(第39条)には『臨床工学技士は、その業務を行うにあたっては、[ A ]との[ B ]を図り、適正な[ C ]に努めなければならない』と明記されている。[  ]の中のA,B,Cの組み合わせで正しいのはどれか。
1
A医師B緊密な協力C患者の治療
2
A医師および臨床検査技師B緊密な連帯C医療の施行
3
A看護婦などの医療関係者B緊密な連絡C治療の遂行
4
A薬剤師および診療放射線技士B緊密な協力C職務の遂行
5
A医師その他の医療関係者B緊密な連携C医療の確保
49
臨床工学技士国家試験 - 第20回 午後
正答率:86% 類似度 61.5% 解説あり
正しい組合せはどれか。
a
静脈血のガス交換 - 人工肺
b
微小気泡の除去 - フィルタ
c
心腔内出血の回収 - 冠灌流回路
d
余剰水分の排出 - 冷温水槽
e
心内圧の減圧 - ベントポンプ
組み合わせ: 1. a b c 2. a b e 3. a d e 4. b c d 5. c d e

解説

体外循環における主要機器の役割を問う設問。人工肺は静脈血からCO2を除去しO2を付加するガス交換装置で正しい。動脈ラインフィルタ(フィルタ)は微小気泡や微小凝血塊の捕捉・除去に用いられ正しい。ベントポンプは左室など心腔内の血液・気泡を吸引し、心腔内圧を下げて心室過伸展を防ぐ目的で用いられ正しい。一方、冠灌流回路は心筋保護液(カーディオプレジア)を冠動脈へ供給する回路であり、心腔内出血の回収はカーディオトミーサクション(吸引回路)やセルセーバ等が担うため不適切。冷温水槽は人工肺の熱交換器に接続して体温管理を行う装置であり、余剰水分(血漿水分)の除去はヘモコン(限外濾過器)で行うため不適切。以上より1・2・5が正しい組合せ。

選択肢別解説

a
正解

人工肺は静脈血から二酸化炭素を除去し酸素を付加するガス交換を担う。体外循環中に静脈血は人工肺を通過して動脈化されるため、組合せは正しい。

b
正解

フィルタ(主に動脈ラインフィルタ)は微小気泡や微小凝血塊を捕捉して下流への塞栓を予防する。微小気泡の除去という目的に合致しており正しい。

c
不正解

冠灌流回路は心筋保護液(カーディオプレジア)を冠動脈へ送るための回路である。心腔内出血の回収はカーディオトミーサクション(吸引回路)やベント等で行うため、この組合せは不正解。

d
不正解

冷温水槽は熱交換器に温水・冷水を供給して体温管理を行う装置であり、余剰水分(血漿水分)の除去はヘモコン(限外濾過器)によって行う。したがって不正解。

e
正解

ベントポンプは左心室や心腔内に貯留する血液・気泡を吸引し、心内圧を低下させて心室過伸展を防ぎ、左室負荷を軽減する。目的に合致し正しい。

56
臨床工学技士国家試験 - 第21回 午後
正答率:87% 類似度 61.4% 解説あり
人工心肺による体外循環中のトラブル対応として誤っている組み合わせはどれか。
a
膜型肺における血栓形成 — ヘパリン投与
b
膜型肺ガス出口からの血漿漏出 — 人工肺交換
c
血液ポンプの停止 — 手動式ハンドルによる循環維持
d
送血回路内への大量の空気混入 — 送血停止
e
熱交換器の温水への血液混入 — 温水の温度調節
組み合わせ: 1. a b 2. a e 3. b c 4. c d 5. d e

解説

体外循環中のトラブルでは、原因に対してリスクを速やかに除去できる対処が求められる。膜型肺の血栓形成はガス交換能低下や圧損上昇、塞栓リスクを伴うため、ACT低下があればヘパリン追加は行うが、基本は人工肺(必要に応じて回路)交換が第一選択であり「ヘパリン投与」を対応とするのは不適切。膜型肺ガス出口の血漿漏出は膜障害・プラズマリークで人工肺交換が適切。血液ポンプ停止時は手動ハンドルで循環を維持しつつ復旧・交換する。送血側への大量空気混入は直ちに送血停止し、除泡・回路再充填などを行う。熱交換器の温水側への血液混入は熱交換器破損(非滅菌水側への血液漏出・逆流汚染リスク)を示し、直ちに人工肺(熱交換器一体型)や熱交換器の交換・隔離が必要で温度調節では解決しない。従って誤っている組合せは1と5である。

選択肢別解説

a
正解

誤りの組合せ。膜型肺で血栓形成が生じるとガス交換能低下、トランスメンブレン圧上昇、塞栓リスクが高まる。ACT低下が原因ならヘパリン追加は必要だが、既に血栓が形成された人工肺は速やかな人工肺交換が原則であり、「ヘパリン投与」を主たる対応とするのは不適切。

b
不正解

適切な組合せ。膜型肺ガス出口からの血漿漏出は膜障害(プラズマリーク)を示し、ガス交換不良やさらなる破綻につながるため、人工肺の交換が必要となる。

c
不正解

適切な組合せ。血液ポンプが停止した場合は直ちに手動式ハンドルで灌流を維持し、同時に電源復旧や代替ポンプへの切替を行う。循環維持の初期対応として妥当。

d
不正解

適切な組合せ。送血回路内に大量の空気が入った場合は即時に送血を停止し、回路除泡・再充填などで空気排除を行う。患者への空気塞栓回避が最優先で、送血停止は正しい初期対応。

e
正解

誤りの組合せ。熱交換器の温水側への血液混入は熱交換器の破損・リークを示し、水側(非滅菌)からの汚染や逆流リスクがある。直ちに人工肺(熱交換器一体型)や熱交換器の交換・隔離が必要で、温水の温度調節では根本的対処にならない。

71
臨床工学技士国家試験 - 第2回 午後
正答率:81% 類似度 61.3%
ICUで使用される機器として必須でないのはどれか。
1
心電図モニタ
2
人工呼吸器
3
除細動器
4
血液ガス分析装置
5
低周波治療器
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70
臨床工学技士国家試験 - 第24回 午後
正答率:77% 類似度 61.2% 解説あり
人工心肺中の操作で誤っているのはどれか。
1
PaCO₂は吹送ガス流量の増減で調整できる。
2
ACTを400秒以上に維持する。
3
復温は送血温の温度較差を10℃以内にする。
4
大動脈遮断解除時は一時的に送血量を増加させる。
5
離脱開始時は最初に脱血量を減少させる。

解説

人工心肺(体外循環)管理における基本操作の是非を問う問題。PaCO2は主として人工肺の吹送ガス流量(スイープガス)で調整し、ACTは血液凝固を防ぐため概ね400秒以上を維持する。復温時は温度較差を大きくしない(一般に10℃以内)ことで溶血・気泡形成・不均一加温のリスクを抑える。大動脈遮断解除時は一時的に送血量を減少させて大動脈内圧や鉗子部のストレス、塞栓リスクを低減するのが原則であり、送血量を増加させるという記載は誤り。離脱開始時は脱血量を先に減らし、生体側へ血液を戻して心臓の前負荷を回復させつつ自発拍出へ移行する。以上より、誤っている操作は選択肢4。

選択肢別解説

1
不正解

正しい。人工肺では二酸化炭素の除去量は吹送ガス流量に強く依存する。スイープガス流量を増やせばCO2除去が進みPaCO2は低下し、減らせば上昇する。PaO2は主に吹送ガス酸素濃度(FiO2)で調整する。

2
不正解

正しい。体外循環中は血液凝固を防ぐためヘパリンで抗凝固を行い、ACTを概ね400秒以上(施設によっては480秒以上など)に維持するのが一般的である。

3
不正解

正しい。復温時の温度管理では送血側と脱血側の血液温の較差を大きくしない(一般に10℃以内)ようにする。過大な較差は溶血、気泡形成、組織の不均一加温などのリスクを高めるため避ける。

4
正解

誤り。大動脈遮断解除時は一時的に送血量を低下させて大動脈内圧や鉗子部へのストレスを軽減し、塞栓リスクを抑えるのが基本である。送血量を増加させる操作は不適切。

5
不正解

正しい。体外循環からの離脱開始時は、まず脱血量を減少させて生体側へ血液を戻し(心腔の充満を回復)、動脈圧・CVP・心機能を確認しながら段階的に送血を減らしていく。

46
臨床工学技士国家試験 - 第25回 午後
重要度:低 正答率:92% 類似度 61.1% 解説あり
高度管理医療機器でないのはどれか。
1
人工呼吸器
2
人工心肺装置
3
自動電子式血圧計
4
輸液ポンプ
5
除細動器

解説

医薬品医療機器等法(旧薬事法)に基づき、医療機器はリスクに応じて一般医療機器(クラスI)、管理医療機器(クラスII)、高度管理医療機器(クラスIII・IV)に分類される。人工呼吸器、人工心肺装置、輸液ポンプ、除細動器はいずれも重篤な転帰に直結し得るため高度管理医療機器(多くはクラスIIIまたはIV)に位置づけられる。一方、自動電子式血圧計は管理医療機器(クラスII)であり、高度管理医療機器ではない。したがって「高度管理医療機器でない」ものは自動電子式血圧計である。

選択肢別解説

1
不正解

人工呼吸器は生命維持に直結する機器で、重大な危害を招き得るため高度管理医療機器(クラスIIIまたはIV)に分類される。よって設問の「高度管理医療機器でない」には該当しない。

2
不正解

人工心肺装置は循環・呼吸機能を代行する極めて高リスク機器であり、高度管理医療機器(通常クラスIV)に分類される。したがって「高度管理医療機器でない」には該当しない。

3
正解

自動電子式血圧計は一般に管理医療機器(クラスII)であり、高度管理医療機器ではない。よって本問で問う「高度管理医療機器でない」に該当する。

4
不正解

輸液ポンプは薬液や輸液を一定速度で体内に注入する機器で、過量・過少投与が重篤な転帰につながり得るため、高度管理医療機器(多くはクラスIII)に分類される。したがって「高度管理医療機器でない」には該当しない。

5
不正解

除細動器は致死的不整脈に対し電気ショックを与える高リスク機器で、高度管理医療機器(通常クラスIV)に分類される。よって「高度管理医療機器でない」には該当しない。

16
第二種ME技術認定試験 - 第35回 午後
類似度 61.0%
人工呼吸器について誤っているのはどれか。
1
呼気相の回路内圧は陽圧である。
2
NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)では気管挿管は不要である。
3
CPAPは自発呼吸のある患者では使用できない。
4
気管挿管時は加温加湿が必要である。
5
コンプレッサ内蔵の機種でも酸素の供給が必要である。
46
臨床工学技士国家試験 - 第26回 午後
重要度:低 正答率:89% 類似度 60.9% 解説あり
医療法で規定する医療機器の安全使用のための責任者(医療機器安全管理責任者)を兼務できないのはどれか。
1
医師
2
臨床工学技士
3
看護師
4
診療放射線技師
5
理学療法士

解説

医療法(施行規則)および厚生労働省通知で定められた「医療機器の安全使用のための責任者(医療機器安全管理責任者)」は、医療機器に関する十分な知識を有する常勤職員で、かつ次のいずれかの国家資格保有者から選任することとされる。医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士。これらに該当しない理学療法士は資格要件に含まれないため、同責任者を兼務(=当該職種でありながら責任者を務める)することはできない。したがって、理学療法士が正答である。

選択肢別解説

1
不正解

医師は厚労省通知で定める選任対象(資格要件)に含まれるため、医療機器安全管理責任者を兼務できる。よって本問の問い(兼務できない者)には該当せず不正解。

2
不正解

臨床工学技士は選任対象に含まれる。医療機器の構造・保守運用に関する専門性を活かして医療機器安全管理責任者を兼務できるため、不正解。

3
不正解

看護師は選任対象に含まれる。病院・診療所において看護部門を中心に医療機器の適正使用体制構築に関与しつつ責任者を兼務できるため、不正解。

4
不正解

診療放射線技師は選任対象に含まれる。画像診断装置などの医療機器の安全使用に関する知識を有する職種として責任者を兼務できるため、不正解。

5
正解

理学療法士は、通知で列挙された選任対象(医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士)に含まれない。したって医療機器安全管理責任者を兼務できないため、正解。

28
臨床工学技士国家試験 - 第5回 午後
正答率:41% 類似度 60.9%
正しいのはどれか。
1
人工呼吸器では血中二酸化炭素(CO2)の排出はできない。
2
人工呼吸器として現在鉄の肺が最もよく用いられる。
3
非再呼吸方式は人工呼吸器の一般的方式である。
4
人工呼吸器には加湿器は必須ではない。
5
人工呼吸器で現在よく使用されるのは従圧式である。
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