55歳の女性。乳癌。ステージⅣ。今回、両下肢の脱力を認めて受診した。腰椎と肋骨の多発病的骨折と診断された。L2以下の不全対麻痺を認め、放射線治療終了後に作業療法開始となった。ベッド上生活で食事以外には介助を要していた。Performance Statusは4である。患者は「足が動かないが、家族と暮らしたい」、家族は「できれば家につれて帰りたい」と希望した。この患者への作業療法について適切なのはどれか。
1: 退院の時期を決定する。
2: 下肢機能訓練は行わない。
3: 福祉用具の適応を検討する。
4: 現時点から積極的な離床を図る。
5: ADL訓練時にはコルセットは装着しない。
脊髄損傷の合併症と理学療法との組合せで誤っているのはどれか。
1: 起立性低血圧-斜面台による立位訓練
2: 深部静脈血栓予防-下肢他動運動
3: 呼吸障害-吸気筋筋力強化
4: 異所性骨化予防-愛護的関節可動域訓練
5: 核・核下障害型膀胱-トリガーポイントを利用した排尿訓練
35歳の女性。四肢のしびれで発症し、視力障害、不全四肢麻痺、体性感覚障害および息苦しさの増悪と寛解を繰り返した。小脳症状はない。MRIでは脳脊髄白質に多発性・散在性の脱髄斑が認められた。理学療法で適切なのはどれか。
1: 胸郭の可動性拡大運動
2: ボルグ指数で「きつい」運動
3: しびれに対するホットパック
4: 水温38~39℃の水中歩行訓練
5: 下肢に重錘を装着しての歩行訓練
神経病性関節症(シャルコー関節)で誤っているのはどれか。
1: 関節痛覚低下
2: 滑膜増殖
3: 関節液貯留
4: 軟骨増生
5: 骨破壊
解離性障害の治療として正しいのはどれか。
1: 破壊的行動を許容する。
2: 空想の肥大化について指摘しない。
3: 有害な刺激を無理に取り除かない。
4: 速やかに心的外傷の直面化を図る。
5: 病気と治療について明確に説明する。
悪性リンパ腫について正しいのはどれか。
1: 腫瘤形成は稀である。
2: 多発性骨髄腫はT細胞に由来する。
3: B細胞性リンパ腫が15%を占める。
4: 非ホジキンリンパ腫が5%を占める。
5: リンパ球を発生母体とする腫瘍である。
多発性硬化症で再燃による筋力低下が進行している時期の作業療法として正しいのはどれか。
1: 筋力低下の著しい筋の筋力増強訓練に重点を置く。
2: 効率のよいADLの方法を指導する。
3: 副腎皮質ステロイド薬を減量した日に運動量を増やす。
4: 運動量の決定は感覚障害を指標にする。
5: 訓練は短時間に集中して行う。
関節の慢性炎症で誤っているのはどれか。
1: 骨塩量の減少
2: 軟骨の変性
3: 組織内の好中球集積
4: 結合織の増殖
5: 血管の増生
慢性関節リウマチで誤っているのはどれか。
1: 半数以上の患者が高度障害となる。
2: 血沈値の亢進がみられる。
3: 慢性で進行性である。
4: 朝のこわばりがみられる。
5: 骨・関節の破壊を生じる。
誤っているのはどれか。
1: 骨軟化症の骨組織には類骨が残存する。
2: 甲状腺機能亢進性では病的骨折が起こる。
3: クッシング症候群では骨粗鬆症が起こる。
4: 関節リウマチではパンヌスが形成される。
5: 変形性関節症では関節縁に骨棘が形成される。
転移・逆転移で適切なのはどれか。
1: 転移は逆転移を誘発する。
2: 陰性転移の解釈は避ける。
3: 逆転移は治療の阻害因子となる。
4: 逆転移は治療者の意識的反応である。
5: 心理治療の目標は陽性転移の出現である。
特発性大腿骨頭壊死症について正しいのはどれか。
1: 小児に多い。
2: 手術適応例は少ない。
3: 両側性病変は稀である。
4: ステロイド薬使用者に多い。
5: 股関節内外旋可動域は保たれる。
長期臥床による不動化の影響として正しいのはどれか。
1: 筋節長の延長
2: 疼痛閾値の低下
3: 関節不安定性の出現
4: 脊髄前角細胞数の減少
5: 血中カルシウム濃度の低下
脊髄損傷で誤っているのはどれか。
1: 強制的な関節可動域運動は異所性骨化の原因となる。
2: 起立性低血圧は対麻痺よりも四肢麻痺で起こりやすい。
3: 自律神経過反射は第5胸髄節以上の損傷で起こりやすい。
4: 呼吸機能では1秒率は低下するが、%肺活量は正常である。
5: 高位頸髄損傷では消化性潰瘍が起こりやすい。
骨肉腫で正しいのはどれか。
1: 肺転移が多い。
2: 運動時痛は少ない。
3: 壮年期に好発する。
4: 大腿骨近位に発生が多い。
5: 血中アルカリフォスファターゼが低下する。
多発性硬化症の理学療法で誤っているのはどれか。
1: 痙縮に対して寒冷療法を行う。
2: 麻痺に応じて装具療法を行う。
3: 不随意運動には重錘を装着する。
4: 筋力増強訓練は高負荷低頻度で行う。
5: 視力障害には他の感覚による代償訓練を行う。
多発性硬化症患者の理学療法で適切なのはどれか。
1: 球後視神経炎では眼帯をして運動療法を行う。
2: 有痛性強直性痙攣に対して超音波療法を行う。
3: Lhermitte徴候に対して神経筋促通手技を行う。
4: Uhthoff現象が出現しないような運動負荷を行う。
5: ステロイドパルス療法では直後から筋力増強運動を行う。
透析患者で正しいのはどれか。
1: 透析導入の原因疾患のうち慢性糸球体腎炎の割合は年々増加している。
2: 透析患者数はこの10年間減少し続けている。
3: 身体活動量の低下は生命予後を悪化させる。
4: 透析導入は腹膜透析が最も多い。
5: 死因の第一位は悪性腫瘍である。
20歳の男性。大学生。バイク事故を起こし、脛骨骨幹部開放骨折を受傷。3週後髄内釘による骨接合術を受けた。3か月後、創は治癒したが、骨折部に痛みがあり、遷延癒合の状態である。この症例で、骨癒合を促進させる物理療法として適切なのはどれか。
1: 極超短波
2: 超音波
3: レーザー
4: ホットパック
5: 渦流浴
極超短波による物理療法で正しいのはどれか。
1: 蓄熱による熱傷の可能性がある。
2: ホットパックより深達度は浅い。
3: 悪性新生物に対する治療効果がある。
4: 金属プレート挿入部への照射は可能である。
5: 閉塞性動脈硬化症の患肢への照射は効果的である。