作業療法士問題表示
作業療法士国家試験
基礎作業療法学・作業療法管理学
解説
IPSモデルは、米国で開発された就労支援モデルで、早く現場に出て仕事に慣れることを重視しています。IPSの基本原則には、症状が重いことを理由に就労支援の対象外としない、就労支援の専門家と医療保健の専門家でチームを作る、職探しは本人の興味や好みに基づく、保護的就労ではなく一般就労をゴールとする、生活保護や障害年金などの経済的な相談に関するサービスを提供する、働きたいと本人が希望したら迅速に就労支援サービスを提供する、職業後のサポートは継続的に行う、などがあります。
選択肢別解説
選択肢1は正しいです。IPSモデルでは、就労支援の専門家と医療保健の専門家でチームを作り、医療や生活支援と連携して支援を行います。
選択肢2も正しいです。IPSモデルでは、症状が重いことを理由に就労支援の対象外としないという原則があります。
選択肢3は間違いです。IPSモデルでは、「早く現場に出て仕事に慣れる」ことを重視し、長期間の訓練をしてから職場開拓を始めるという考え方ではありません。
選択肢4は間違いです。IPSモデルでは、職探しは本人の興味や好みに基づくという原則があり、企業から提案があった業務に合わせて求職活動を行うという考え方ではありません。
選択肢5は間違いです。IPSモデルでは、職業後のサポートは継続的に行うという原則があり、企業に採用された後も支援を続けます。職場の担当部署に以後の支援を任せるという考え方ではありません。
解説
障害者総合支援法は、障害の有無に関わらず人々が住み慣れた地域で生活するための、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした法律である。難病などがあり、症状の変化などにより身体障害者手帳を取得できないが一定の障害がある18歳以上の人は、障害者総合支援法による支援の対象となる。
選択肢別解説
選択肢1は間違いです。障害者総合支援法では、障害程度区分を改めて「障害支援区分」とし、障害のある人それぞれの生活環境をふまえ、支援の種類と度合いを測る。支援区分は7段階(支援の必要性が高いほうから6・5・4・3・2・1)で、支援の必要性が最も低い場合は「非該当」となる。
選択肢2は正しいです。難病などがあり、症状の変化などにより身体障害者手帳を取得できないが一定の障害がある18歳以上の人は、障害者総合支援法による支援の対象となる。
選択肢3は間違いです。障害者総合支援法では、統合失調症、精神作用物質による急性中毒、またはその依存症、知的障害、精神病質などの精神疾患を持つ人は、在宅介護を含めて支援対象となる。
選択肢4は間違いです。障害者総合支援法の地域生活支援事業では、市町村と都道府県との役割分担が明確化された。
選択肢5は間違いです。電動車椅子は障害者総合支援法による補装具費支給制度の対象である。
解説
記述統計は、収集したデータの統計量を計算して分布を明らかにすることにより、データの示す傾向や性質を知るものである。度数分布は、特性値とその度数または相対度数との関係を観測したものであり、記述統計に分類される。
選択肢別解説
χ2検定は、変数の二乗の和から出てくる分布(χ2分布)を使い、比較したい事象に対する頻度の検定を行うノンパラメトリックな検定手法で、推計統計にあたる。記述統計ではないため、正しくない。
度数分布は、特性値とその度数または相対度数との関係を観測したものであり、記述統計に分類される。このため、正しい選択肢である。
分散分析は、データの持つばらつきが「因子」によるものよりも「実験誤差」によるもののほうが大きいかを検定し、「因子」によるばらつきの方が大きければ、母平均に差があるとするパラメトリックな検定である。推計統計に含まれるため、記述統計ではない。
多変量解析は、多数の変量を同時に解析するため、色々な解析方法が集まったもので、複数の結果変数を予測する回帰分析や判別分析、分散分析などがこれに含まれる。記述統計ではないため、正しくない。
Mann-WhitneyのU検定は、特に特定の母集団がもう一方よりも大きな値を持つ傾向にある時に、2つの母集団が同じであるとする帰無仮説に基づいて検定する、ノンパラメトリックな推計統計である。記述統計ではないため、正しくない。
解説
この問題では、作業における段階付けと目標機能の組合せが正しいものを選ぶ必要があります。正しい組合せは、織物の模様の複雑さと注意機能です。
選択肢別解説
塗り絵の色の多さは、注意機能の段階付けとして利用できるため、遂行機能との組合せは正しくありません。
織物の模様の複雑さは、注意機能の段階付けとして利用できるため、この組合せは正しいです。
ビーズの指輪のビーズの大きさは、手指巧緻性の段階付けに関連しているため、記憶機能との組合せは正しくありません。
陶芸の粘土の硬さは、手指や上肢筋力に対する段階付けができるため、手指巧緻性との組合せは正しくありません。
革細工の革の厚さは、スタンピングや革をカットするときの上肢・手指筋力に対する段階付けができるため、視覚運動協応との組合せは正しくありません。
解説
介護予防は、高齢者の心身機能の改善や環境調整を通じて、生活機能や社会参加の向上を目指し、QOLの向上を目指すものである。一次予防から三次予防まで、切れ目なく総合的に予防策が行われている。
選択肢別解説
運動器の機能向上は介護予防の一部であるが、主目的ではない。主目的は生活機能や社会参加の向上を通じてQOLの向上を目指すことである。
間違い。社会参加意欲の高い人も介護予防の対象であり、彼らが社会的役割を果たすことで介護予防につながる。
間違い。介護予防・日常生活支援総合事業の導入により、一次予防から三次予防まで切れ目なく総合的に展開されている。
正しい。三次予防は要支援・要介護状態にある高齢者を対象に、要介護状態の改善や重度化を予防するものである。リハビリテーションも含まれる。
間違い。一次予防の対象者は活動的な状態にある高齢者であり、要支援・要介護状態となる可能性の高い人には二次予防として早期発見・早期対応がなされる。
解説
構成的作業は、自由度が低く、作成する物や工程、使用する道具などが決まっている作業課題です。この問題では、描画方法の中で最も構成的作業としての特徴を持つものを選ぶ必要があります。
選択肢別解説
屋外の風景を写生する場合、景色を描くことは決まっていますが、模写対象は定まっておらず、作業選択の自由度は高いため、構成的作業としての特徴は低いです。
モデルを見ながら描く場合、模写対象が決まっている点で、風景を写生するよりも自由度に制限があるものの、それでも構成的作業としての特徴はそれほど高くありません。
与えられたテーマで描く場合、「屋外の風景を写生する」ことと同程度の自由度を持っており、構成的作業としての特徴はそれほど高くありません。
想像したものを自由に描く場合、この問題の選択肢の中で最も自由度の高い描画課題であり、作品に対象者の行動特性や人格特性、内的世界が現れやすいため、構成的作業としての特徴は低いです。
見本を見ながら塗り絵を行う場合、塗りつぶす枠と配色が決められている点で自由度が低く、この問題の選択肢の中で最も構成的作業としての特徴を備えています。正解は選択肢5です。
解説
精神科病院への入院形態は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)で定められています。この法律は、精神障害者の保健福祉の向上や、精神障害者の人権の保護を目的としています。
選択肢別解説
医療法は、医療機関の開設・管理運営について定めた法律であり、精神科病院への入院形態については定めていません。
障害者基本法は、障害者の自立や社会参加を支援するための施策について定めたものであり、精神科病院への入院形態については定めていません。
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)は、精神科病院への入院形態を定めており、正しい選択肢です。この法律は、精神障害者の保健福祉の向上や、精神障害者の人権の保護を目的としています。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)は、障害を理由とした差別の解消を推進する目的で定められた法律であり、精神科病院への入院形態については定めていません。
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)は、重大な触法行為を行った精神障害者の処遇や、社会復帰に向けての支援を定めた法律であり、精神科病院への入院形態については定めていません。
解説
精神障害者の就労支援方法と実施機関の組合せで正しいのは、職業準備支援と地域障害者職業センターです。他の選択肢は、支援方法と実施機関が正しく組み合わされていません。
選択肢別解説
リワークは、精神障害者の就労支援方法の一つですが、実施機関は医療機関であり、ハローワークではありません。
職業準備支援は、精神障害者の就労支援方法の一つであり、地域障害者職業センターが実施機関として正しいです。この支援は、障害者が就労に向けての準備やスキルを身につけるためのプログラムを提供します。
職場適応訓練は、精神障害者の就労支援方法の一つですが、実施機関はハローワークであり、精神保健福祉センターではありません。職場適応訓練は、障害者が職場での適応力を向上させるための支援を提供します。
トライアル雇用は、精神障害者の就労支援方法の一つですが、実施機関はハローワークであり、障害者就業・生活支援センターではありません。トライアル雇用は、障害者が一定期間の試用雇用を経て、正式な雇用につなげるための支援を提供します。
ジョブガイダンスは、精神障害者の就労支援方法の一つですが、実施機関はハローワークであり、地域包括支援センターではありません。ジョブガイダンスは、障害者が適切な職業を見つけるためのアドバイスや情報提供を行う支援です。