臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
MRIは主に水素原子核の核スピンが静磁場中で示すラーモア歳差運動をRFパルスで励起し、縦緩和(T1)・横緩和(T2)などの緩和過程で生じる信号を検出して画像化する。位置情報は傾斜磁場で空間的にラーモア周波数や位相を位置依存に変化させて符号化(スライス選択・周波数エンコード・位相エンコード)する。検査室は外来ノイズの侵入・RF漏洩を防ぐため通常シールドルームが必要であり、またMRIはX線撮影に比べ軟部組織のコントラスト分解能に優れる。
選択肢別解説
誤り。MRIは電子スピンではなく原子核(主に水素原子核)の核スピンによる核磁気共鳴を利用する。電子スピンを用いる手法はESR/EPRであり、臨床MRIとは異なる。
誤り。緩和は励起された核磁化が平衡状態へ戻る過程を指し、縦磁化の回復(T1)や横磁化の位相揃いの崩れ(T2)で表される。歳差運動そのものの回転が遅くなることを意味しない(ラーモア周波数自体が変わるわけではない)。
誤り。MRI装置は外部電波ノイズの侵入やRF漏洩を防ぐため、通常RFシールド(シールドルーム)が必要となる。「必要としない」は不適切。
正しい。傾斜磁場を印加すると位置ごとにラーモア周波数や位相が変化し、スライス選択・周波数エンコード・位相エンコードによって信号の発生位置(空間情報)を取得できる。
正しい。MRIは軟部組織間のコントラスト分解能が高く、X線撮影(主に骨の描出に優れる)よりも軟部組織の描出に優れる。
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解説
超音波検査は探触子からの超音波が体内で反射して戻る信号を逐次表示するため、臓器運動や血流などをリアルタイム(実時間)で観察できる点が大きな利点である。また装置は小型でベッドサイドや救急外来でも運用しやすく、携帯性に優れる。一方、X線CTは高い空間分解能と均一な画質で広範囲を一度に撮影でき、肺内病変の評価にも適している。以上より、本問で超音波の利点として正しいのは「実時間画像が得られる」「携帯性に優れている」である。
選択肢別解説
誤り。一般に空間分解能・コントラスト再現性・視野均一性はX線CTの方が優れる。CTはサブミリ(約0.5 mm以下)まで分解可能な一方、超音波は周波数・深さ依存で分解能が制限され、骨や空気によるアーチファクトも受けやすい。
誤り。超音波の描出範囲はプローブ形状や走査方法に依存し、体表からの限られた扇状・矩形の視野となる。X線CTは一回転で広範囲をスライスとして取得でき、視野は相対的に広い。
誤り。超音波は空気で強く反射・減衰するため、空気を多く含む肺実質の内部評価には不向きである。肺内病変の検出・評価はX線CTが適している。
正しい。超音波検査はエコー信号を即時に表示でき、心拍動、呼吸性変動、血流などを連続的に観察できる実時間イメージングが可能である。
正しい。超音波装置は小型化・バッテリ駆動が可能で、ベッドサイドや救急現場などで迅速に使用できるため、CTに比べ携帯性に優れる。
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解説
MRIは強磁場中で水素原子核(プロトン)の核磁気共鳴を利用し、RF励起と傾斜磁場による位置エンコードで信号を収集して画像化する。プロトン密度やT1・T2緩和特性の差により軟部組織コントラストに優れ、血流はTOFや位相コントラスト法などで評価可能で、ボリューム撮像から3次元再構成も行える。一方で撮像時間が相対的に長く、体動・呼吸・拍動などの運動に起因するアーチファクトを受けやすいため、心臓など動きのある臓器は同期(ECGゲーティング)、呼吸停止、cine撮像等の工夫が必要で、一般論として「適している」とは言い難い。したがって誤っているのは「動きのある臓器の撮影に適している」。
選択肢別解説
正しい。MRI信号の主な起源は生体内の水分子に含まれる水素原子核(プロトン)であり、その空間分布や緩和特性の違いを画像化する(プロトン密度像、T1/T2強調像など)。
正しい。MRIはT1・T2緩和の差を強調でき、水分含有量の差が反映されるため、脳・脊髄・筋・靱帯・腫瘍など軟部組織のコントラスト分解能に優れる。
正しい。MRA(TOF、位相コントラスト)や4D Flow MRIなどにより血流の有無・方向・速度分布の測定が可能で、造影剤を用いない手法も広く用いられる。
正しい。傾斜磁場で位置をエンコードし、薄スライスのボリューム撮像や等方ボクセル収集からの3D再構成により臓器の3次元構造を画像化できる。
誤り。MRIは一般に撮像時間が長く運動アーチファクトの影響を受けやすいため、心臓など動きのある臓器の撮影には不利である。ECG同期、呼吸同期、cineや高速シーケンス等で克服可能だが、原理的に「適している」とは言えない。
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解説
臨床用MRIは強磁場とRFパルスにより主に水素原子(1H:プロトン)の核磁気共鳴信号を検出して画像化する。水分(プロトン)を多く含む軟部組織では信号が得やすくコントラストに優れる。一方、水分の少ない骨皮質や含気部位はプロトン密度が低く信号が弱いため撮影に適さない。撮像法にはT1強調・T2強調・プロトン密度強調などがあり、血流を利用したMRアンギオグラフィ(MRA)により造影剤非使用でも血管描出が可能で、必要に応じてガドリニウム造影MRAも行われる。炭素原子の分布画像は臨床標準のMRIの対象ではない。
選択肢別解説
正しい。軟部組織は水分(プロトン)含有が高く、MRI信号が得られやすくコントラストも良好である。脳・肝臓・筋などの描出に適する。
誤り。臨床用MRIは主として水素原子(1H)の核磁気共鳴を用いる。炭素(13C)を直接画像化する手法は研究的には存在するが臨床標準ではない。
誤り。水分の少ない組織(骨皮質、肺の含気部など)はプロトン密度が低く信号が弱いため、撮影に適していない。
正しい。MRIの基本的な撮像コントラストにT1強調像があり、解剖学的描出や脂肪の高信号などの特徴をもつ。
正しい。MRアンギオグラフィ(MRA)により血管描出が可能で、TOF法や位相コントラスト法などの非造影MRAに加え、ガドリニウム造影MRAも用いられる。
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解説
ラジオアイソトープを用いる核医学画像は、SPECTはガンマ線放出核種(例: 99mTc、123I)からのガンマ線をガンマカメラで検出し、PETは陽電子放出核種(例: 18F、11C、13N、15O)から放出された陽電子が体内電子と対消滅して生じる2本の511 keVガンマ線を同時計数で検出する。空間分解能は一般にX線CTより低く(CTはサブミリ、PETは数mm、SPECTは数mm〜10 mm程度)、代謝・血流などの機能情報を得ることができる。FDG-PETはグルコース類似体18F-FDGの集積を利用して糖代謝情報を画像化する。PET用核種は半減期が短いものが多く、臨床現場ではサイクロトロンによる供給体制が前提となる。
選択肢別解説
誤り。核医学画像(SPECT/PET)の空間分解能は一般にX線CTより低い。X線CTはサブミリの高分解能が得られるのに対し、PETは数mm、SPECTは数mm〜10 mm程度が目安である。
誤り。SPECTで検出するのは放射性核種からのガンマ線であり、PETで検出しているのも陽電子そのものではなく陽電子と電子の対消滅で生じる2本の511 keVガンマ線である。ベータ線(β線: 電子または陽電子)は体内での飛程が短く、外部検出には適さない。
正しい。FDG-PETではグルコース類似体である18F-FDGが細胞内に取り込まれ、解糖系活性の高い部位(例: 多くの悪性腫瘍)に集積するため、糖代謝情報を画像化できる。
正しい。SPECTは脳血流トレーサ(例: 99mTc-HMPAO、99mTc-ECD、123I-IMP)を用いて脳血流分布を画像化でき、脳血流低下や左右差などの機能評価に用いられる。
正しいと扱う。PETは陽電子放出核種を用い、これらは半減期が短いものが多いためサイクロトロンによる安定供給体制が必要になる。教育的整理では「PET撮影には(院内)サイクロトロンが必要」と説明されることが多い。ただし実務上は18F製剤(半減期約110分)が外部施設のサイクロトロンで製造され配送される運用も広く行われている点には留意する。
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