臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
MRIは主として水や脂肪中に存在する水素原子核(プロトン)の核磁気共鳴を利用して画像化する。ラーモア周波数は静磁場強度に比例($\omega_0=\gamma B_0$)し、組織コントラストには縦緩和(T1)と横緩和(T2)が関与する。静磁場は超電導磁石・常電導(抵抗)磁石・永久磁石などで発生でき、永久磁石は低〜中磁場の装置で広く用いられる。画質(特にSN比)は一般に高磁場ほど有利であり、「弱いほど画質向上」は誤りである。
選択肢別解説
誤り。MRIで得られるのは水や脂肪に含まれる水素原子核(プロトン)密度や緩和特性に基づく信号であり、酸塩基平衡でいう「水素イオン(H+)」の分布や濃度そのものを画像化するわけではない。従って表現として不正確。
誤り。ラーモア周波数は静磁場強度に比例する。式は $\omega_0=\gamma B_0$($\gamma$:核種のジャイロ磁気比)であり、反比例ではない。
正しい。緩和には縦緩和(T1)と横緩和(T2)がある。T1は縦磁化の回復、T2は横磁化の位相緩和を表し、組織特性の差がコントラスト形成に寄与する。
正しい。静磁場の発生には永久磁石も用いられる(主に低〜中磁場の装置)。他に常電導磁石や超電導磁石も実用化されている。
誤り。画像のSN比は一般に静磁場強度に概ね比例して向上し、高磁場ほど高画質化に有利である(ただしアーチファクトやSAR等の課題は別途ある)。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
核医学画像(SPECT・PET)は体内に投与した放射性医薬品から放出される放射線を検出して機能画像を得る。SPECTは放出されたγ線をコリメータ付きガンマカメラで検出して断層再構成するため、X線CT(サブミリ級)に比べ空間分解能は劣るが、心筋血流など機能評価に有用である。PETは陽電子放出核種(例:18F, 11C など)を用い、陽電子と電子の対消滅で生じる2本の511 keVのγ線を同時計数して画像化する。FDG-PETは糖代謝亢進部位に集積する性質を利用し、がん診断に有用である。一方、SPECTは中性子線を検出する装置ではなく、検出対象はγ線であるため、「SPECTは中性子線を検出する」は誤りである。
選択肢別解説
正しい。核医学画像(SPECT・PET)は物理的制約(コリメータや同時計数など)により空間分解能がX線CTより低い。CTはサブミリ級の高分解能に対し、核医学では一般に数mm〜1 cm程度であり、形態描出は苦手だが機能評価に優れる。
正しい。SPECTでは201Tlや99mTc標識製剤(MIBI、Tetrofosminなど)を用いて心筋灌流(血流分布)を評価でき、虚血の有無や範囲の把握に用いられる。
正しい。FDG-PETは18F-FDGが糖代謝の高い病変(多くの悪性腫瘍)に集積する性質を利用し、がんの診断・病期評価・治療効果判定などに有用である。
誤り。SPECTは放射性医薬品から放出されるγ線をシンチレーション検出器とコリメータで検出して画像化する装置であり、中性子線は検出対象ではない。
正しい。PETは陽電子放出核種(例:18F, 11C, 13N, 15O)を用い、陽電子が電子と対消滅して生じる2本の511 keVのγ線を同時計数して画像化する。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
核医学画像(SPECT・PET)は体内に投与した放射性医薬品から放出される光子(γ線、PETでは陽電子消滅に伴う511 keVの消滅放射線)を体外検出して画像化する機能イメージングである。したがってα線は検出対象ではない。空間分解能はCT/MRIに比べて劣り、臨床PETで概ね4〜6 mm、SPECTで7〜12 mm程度が一般的で、1 mmは不適切である。PETは18F-FDGなどを用いて糖代謝を可視化でき、糖代謝亢進を示す多くの悪性腫瘍の検出に有用である。一方、SPECTは主に血流や受容体など機能評価に用いられ、微細な構造変化である組織線維化そのものを直接画像化する手法としては一般的でない。
選択肢別解説
誤り。核医学画像で体外検出するのはγ線(SPECT)や陽電子消滅に伴う511 keVの消滅放射線(PET)であり、α線は飛程が極めて短く体内で止まるため体外検出には適さない。
誤り。核医学の空間分解能はCT/MRIより低く、臨床PETで約4〜6 mm、SPECTで約7〜12 mm程度が一般的である。1 mm程度という高分解能は核医学の範囲を超えており不適切。
正しい。FDG-PETはグルコース類似体である18F-FDGの集積を利用し、糖代謝が亢進する多くの悪性腫瘍で高集積を示すため、腫瘍の存在検出に有用である(炎症などで偽陽性・低代謝腫瘍で偽陰性がありうる点には注意)。
正しい。PETは18F-FDGなどのトレーサを用いて体内の糖代謝(ブドウ糖取り込み)を画像化できる。FDG-PETは全身の糖代謝分布を可視化する代表的手法である。
誤り。SPECTは主に血流・受容体・代謝などの機能情報を評価する。組織線維化のような微細な構造変化を直接画像化する目的には一般的でなく、SPECTで線維化を得るとは言い難い。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
核医学画像(PET/SPECT)は体内で放出される$\gamma$線を外部検出して画像化する計測法で、定量性の確保には散乱補正と吸収(減弱)補正が不可欠である。PETは陽電子放出核種を用い、陽電子と電子の対消滅で生じる2本の511 keV $\gamma$線を同時計数する。一方SPECTは単一光子放出核種の$\gamma$線を回転測定して断層再構成し、3次元画像を得る。空間分解能は、臨床PETでおおむね4~6 mm(最新機で約3~4 mm)であり、X線CTのサブミリ(約0.3~0.6 mm程度)より明らかに劣る。よって「PETの空間分解能はX線CTと同程度である」は誤りで、他の選択肢は核医学計測の正しい記述である。
選択肢別解説
誤り。PETの空間分解能は臨床機でおおむね4~6 mm(最新TOF-PETで約3~4 mm)で、X線CTのサブミリ(約0.3~0.6 mm)より劣る。PET分解能が制限される主因は、陽電子飛程、対消滅$\gamma$線の非完全180°性(非直線性)、検出器素子サイズ・深さ依存などである。したがってCTと同程度とはいえない。
正しい。PETは陽電子放出核種から放出された陽電子が体内の電子と対消滅して生じる2本の511 keV $\gamma$線を、ほぼ180°反対方向に同時検出(同時計数)してイベントを確定する。
正しい。SPECT(単光子放出型断層撮影)は$\gamma$カメラを回転させて各方向から単一光子を収集し、再構成(FBPや逐次近似)により断層像を得るため、体内分布を3次元的に画像化できる。
正しい。体内でのコンプトン散乱により$\gamma$線の方向やエネルギーが変化し、画質劣化や定量誤差を生じるため、エネルギーウィンドウ法やモデルベース法などで散乱補正が必要となる。
正しい。体内組織による$\gamma$線の吸収・減弱により計数が減少し、真の放射能分布が過小評価されるため、減弱補正(CT減弱マップや透過線源を用いた補正)が必須である。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。