12歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢで、立位では図のような姿勢を示す。治療方針として優先されるのはどれか。
1: 長下肢装具を作製する。
2: 体幹筋の同時収縮を促す。
3: 選択的後根切断術を検討する。
4: 歩行練習での介助量を減らす。
5: 上肢での支持能力を向上させる。
73歳の女性。脳出血による右片麻痺がある。Mobergのピックアップ検査の結果を示す。ただし、検査結果はそれぞれ2回計測した所要時間の平均である。この結果から考えられる問題点はどれか。
1: 関節拘縮
2: 知覚障害
3: 物体失認
4: 視覚性失調
5: 肢節運動失行
脳卒中片麻痺患者のADL訓練で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 更衣動作の前開きシャツは、非麻痺側上肢から着る。
2: 移動動作では、車椅子を麻痺側上下肢で操作する。
3: 更衣動作訓練の導入時には、丸首シャツを用いる。
4: 洗体動作では、長めのループ付きタオルで背中を洗う。
5: トイレ動作では、壁のL字型手すりを使って移乗する。
49歳の男性。アルコール依存症。40歳から通院でカウンセリングを受けていた。今回、連休中に連続飲酒となり、医師の勧めで専門病院に入院した。入院後、離脱症状が出現した。離脱症状から回復した後、作業療法が処方された。作業療法の初回面接で両足下腿のしびれ感を訴えた。この時期の作業種目で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.散 歩イ.ストレッチ体操ウ.ソフトボールエ.卓 球オ.バレーボール
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
9歳の男児。デュシェンヌ型筋ジストロフィー。介助なしに歩行可能で、椅子からの立ち上がりも可能であるが、階段昇降はできない。1年後、歩行が不安定となり、学校の洋式トイレからの立ち上がりで友達の助けが必要となった。厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類のステージはどれか。
1: ステージ2
2: ステージ3
3: ステージ4
4: ステージ5
5: ステージ6
発症早期の重度左片麻痺患者の歩行訓練における理学療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 患者の左側から左上肢を抱え込む。
2: 患者の右前方から右上肢を持つ。
3: 患者の前方から両上肢を引く。
4: 患者の後方から両腋窩を支える。
5: 患者の正面から両肩を持つ。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーのステージ4(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)のADLで誤っているのはどれか。2つ選べ。 ア.平地歩行は可能イ.車椅子操作は可能ウ.両手手すりでの階段昇降は可能エ.椅子からの立ち上がりは可能オ.ずり這い移動は可能
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
5歳のアテトーゼ型脳性麻痺児。介助立位では足底を持続して床に着いていられない。上肢運動年齢テストは24か月である。上肢機能の発達を促す遊びの設定として適切でないのはどれか。
Danielsらの徒手筋力テストの結果を表に示す。表以外の筋に異常はみられない。関節可動域はすべて正常範囲である。通常速度で直線歩行したときに予想されるのはどれか。
1: 左の踵足歩行
2: 右の尖足歩行
3: 左遊脚中期の分回し
4: 右のTrendelenburg徴候
5: 右遊脚後期の膝過伸展傾向
13歳の男子。幼少時に血友病Aの診断を受けている。バスケットボールの授業後に右膝の疼痛と腫脹とをきたした。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 左下肢の筋力強化
2: 右膝の良肢位保持
3: 右大腿四頭筋の等尺性筋力強化
4: 右膝の他動的関節可動域訓練
5: 右膝装具の装着
20歳の男性。Duchenne型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)。両上肢筋力は肩関節2−、肘関節2−、手関節2、手指3。握力は測定不能だが、右手を利き手として使っている。体幹筋力1。自力端座位は困難だが、車椅子では体幹サポートがあるため座位保持が可能で、右手でジョイスティックを用いて自操している。この患者がコップで飲水する動作を示す。コップを持ち上げる動作の説明で正しいのはどれか。
1: 対称性緊張性頸反射
2: 前腕を支点としたてこ
3: 体幹前屈による慣性運動
4: コップの重さによる感覚フィードバック
5: 上肢の屈曲−回内−内旋による神経筋促通
Duchenne型筋ジストロフィーのステージ5(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)のときのADLアプローチで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 食器は体幹を動かさずに届く範囲に配置する。
2: 万能カフでブラシを把持して整髪する。
3: ズボンの着脱は立位で行う。
4: 便器への移乗にトランスファーボードを用いる。
5: 洗体時に座位保持椅子を導入する。
52歳の男性。2型糖尿病。足のしびれと血糖値の上昇のため入院となった。検査結果では空腹時血糖305 mg/dL、尿検査でケトン体陽性であった。虚血性心疾患と腎機能障害は認めない。この患者への対応で正しいのはどれか。
1: 安静臥床とする。
2: 1日200 kcalを消費させる運動を行う。
3: 1 RMの80%で下肢の筋力増強運動を行う。
4: 病棟内歩行などの軽度な負荷にとどめる。
5: 目標心拍数115/分で有酸素運動を20分間行う。
脳卒中治療ガイドライン2004で推奨グレードが低いのはどれか。
1: 歩行能力改善のためのトレッドミル訓練
2: 歩行改善のための筋電図バイオフィードバック
3: 麻痺側手関節の背屈筋の筋力増強のための電気刺激
4: 歩行の妨げとなっている内反尖足へのフェノールブロック
5: 運動障害改善のためのファシリテーション(神経筋促通手技)
高齢者の脊椎圧迫骨折の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 急性期は下肢の等尺性訓練を行う。
2: 早期離床を促す。
3: 股関節の伸筋を主に強化する。
4: 体幹筋は腹筋を主に強化する。
5: 体幹装具で座位訓練を行う。
21歳の男性。交通事故によるびまん性軸索損傷と診断された。意識は清明で運動麻痺はない。新しい物事を覚えるのが困難で記憶の障害が顕著である。この患者に対する適切なアプローチはどれか。
1: 毎日異なる課題を与える。
2: 記憶の外的補助手段を使う。
3: 試行錯誤が必要な課題を行う。
4: 複数の学習課題を同時に行う。
5: 日課は本人のペースで柔軟に変更する。
60歳の男性。脳梗塞。発症後9か月経過。現在、左片麻痺は軽度だが、日常生活上の介助量は多大である。模写課題の結果を図に示す。この患者への対応で誤っているのはどれか。
1: 物品呼称の訓練
2: 左方注意の習慣化
3: 構成課題の訓練
4: 口頭での行為確認の習慣化
5: 衣服への目印の付加
疾患と歩行指導との組合せで適切でないのはどれか。
1: 痙直型両麻痺-ロフストランド杖
2: 脊髄小脳変性症-松葉杖
3: デュシェンヌ型筋ジストロフィー-バネ付き長下肢装具
4: シャルコー・マリー・トゥース病-短下肢装具
5: 慢性関節リウマチ-四輪型歩行器
57歳の女性。右利き。火災により右前腕以遠にⅢ度の熱傷を受傷した。救命救急センターに搬送され、壊死組織のデブリドマンを施行され、植皮術が行われた。術後3日目にベッドサイドにて作業療法を開始した。この時点での受傷手への対応で正しいのはどれか。
1: 弾性包帯による巻き上げ
2: 他動関節可動域訓練
3: 動的スプリント製作
4: 安静時の挙上
5: 抵抗運動
45歳の男性。統合失調症。外来治療を受けながら母親と2人で暮らしている。3年前までは仕事に就いていたが、職場での対人関係がうまくいかず症状が悪化し退職した。現在は精神症状は落ち着き、ADLは自立し生活リズムも整っている。一般就労を希望し、作業療法士に相談した。この時点で患者が利用する障害福祉サービスとして適切なのはどれか。
1: 自立訓練
2: 共同生活援助
3: 就労移行支援
4: 就労定着支援
5: 就労継続支援B型